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Trademark Appeal Case

縄文杉商標の公序良俗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025006891
審判種別記載はありません。
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

理 由

1 手続の経緯

本願は、令和5年11月21日の商標登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和6年7月 8日付け:拒絶理由通知書

令和6年8月23日 :意見書、手続補正書の提出

令和7年1月23日付け:拒絶査定

令和7年4月16日 :審判請求書、手続補正書の提出

2 本願商標

本願商標は、小さく表した「縄文杉の如く」の文字と、大きく表した「夢は七千年の彼方へ」の文字とを、上下2段に横書きしてなり、第16類及び第25類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、商標登録出願されたものであり、第16類の指定商品については、上記1の当審における手続補正書により、当該手続補正書に記載のとおりの商品に補正されたものである。

3 原査定の拒絶の理由の要旨

原査定は、次の(1)及び(2)のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。

(1)本願の第16類の指定商品には、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない商品が含まれるため、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備しない。

(2)本願商標の構成中「縄文杉」の文字は、1993年に世界自然遺産に登録された屋久島に自生する最大のスギを指す名称であり、このスギは、国内外から多くの観光客を惹き付ける名勝として重要な観光資源であって、かつ、屋久島のシンボルとしても認識されている。また、縄文杉のある町又は県といった地域にゆかりの業者が、縄文杉にちなんだ商品にその名称やこれを表す写真や図形を付して販売している実情も認められる。これらの事情を踏まえると、縄文杉と特に関係があると認められない一私企業である出願人が、「縄文杉」の文字を含んで、これを顕著に表している本願商標を自己の商標として採択し登録を受け、その周知・著名性や来歴・現状から生ずる強い顧客吸引力を利用して営利目的に独占的に使用することになれば、当該地域において、観光事業や地域振興などの公益的な施策の遂行の思わぬ妨げとなったり、地域住民の感情を害したりすることにより、社会公共の利益に反するおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

4 当審の判断

(1)本願の第16類の指定商品は、上記2のとおり補正された結果、その内容及び範囲が明確なものとなった。

したがって、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備するものであり、同項の要件を具備しないとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。

(2)本願商標は、小さく表した「縄文杉の如く」の文字と、大きく表した「夢は七千年の彼方へ」の文字とを、上下2段に横書きしてなるところ、その構成中の「縄文杉」の文字(語)は、世界遺産(自然遺産)に登録された屋久島の原始林中にある同島最大の杉の樹の名として知られているものである。

しかしながら、本願商標は「縄文杉」の文字のみからなるものではなく、「縄文杉の如く」及び「夢は七千年の彼方へ」の文字からなるものであるところ、当審において職権をもって調査するも、「縄文杉の如く」及び「夢は七千年の彼方へ」の文字(語)が、前記の「縄文杉」を表す別称、愛称、美称等として使用されている事実は発見できず、また、請求人が、「縄文杉の如く」及び「夢は七千年の彼方へ」の文字からなる本願商標をその指定商品に独占的に使用することが、原審で説示したように、「縄文杉」を利用した地域における観光振興や地域おこしなどの公益的な施策の遂行を阻害するおそれがあるというべき事情は見いだせない。

加えて、「縄文杉の如く」及び「夢は七千年の彼方へ」の語が、公益的な施策の遂行に使用されているとか、地域の特産品や土産物に表示して地域の活性化を図るための具体的活動に使用されている等の実情も見当たらない。

してみれば、本願商標は、その指定商品について登録することが、社会公共の利益に反するものということはできない。

また、他に、本願商標が、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標というべき事情も見いだせない。

したがって、本願商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ということはできないから、商標法第4条第1項7号に該当しない。

(3)以上のとおり、本願が商標法第6条第1項の要件を具備しないとして、本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消し、かつ、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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