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Trademark Appeal Case

napecareの記述性と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025007606
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

第1 手続の経緯

本願は、令和6年5月16日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和6年11月7日付け:拒絶理由通知書

令和6年11月26日 :意見書の提出

令和7年2月12日付け:拒絶査定

令和7年5月16日 :審判請求書の提出

令和7年7月30日付け:証拠調べ通知書

令和7年9月3日 :意見書の提出

第2 本願商標

本願商標は、「napecare」の文字を標準文字で表してなり、第44類「美容,理容,入浴施設の提供,庭園樹の植樹,庭園又は花壇の手入れ,肥料の散布,医療情報の提供,健康診断,医療用機械器具の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与」を指定役務として、登録出願されたものである。

第3 原査定の拒絶の理由(要点)

本願商標は、「napecare」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「nape」の文字は「うなじ、首筋、えり首」の意味を有する語であり、「care」の文字は、「世話、手入れ」の意味を有する語である。

そして、美容に関する業界において、うなじやえり首周辺の手入れについて、本願商標の表音を片仮名で表した「ネープケア」と称し、うなじや首筋への施術が提供されている実情がある。

そうすると、本願商標は、その構成全体として「うなじや襟足部分の手入れ」程の意味合いを、これを見る者に理解、認識させるものといえるので、本願商標をその指定役務中、例えば「美容,理容」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「うなじや襟足部分の手入れを内容とする役務」程の意味合いを理解、認識するにすぎず、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。

また、本願商標を上記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、同法第4条第1項第16号に該当する。

第4 当審における証拠調べ通知書

本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲1ないし別掲4のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。

第5 上記通知に対する請求人の意見

請求人は、上記第4の証拠調べ通知書に対し、令和7年9月3日に意見書を提出し、要旨以下1ないし4のとおりの意見を述べた。

1 「napecare」(ネープケア)」は、請求人が製造・販売等している商品であって、レンタル事業で使用している業務用脱毛器「REMILA(レミラ)」の機能を表す言葉である。

2 同「REMILA(レミラ)」は、これまで5年間にわたり、700を超える店舗で利用されてきた実績がある機器であって、世間での「napecare(ネープケア)」との言葉の使用事例は、同機器の機能名として使用されているものと考えられる。

3 請求人は、業務用脱毛器「REMILA(レミラ)」に関するオンライン学習サービスも提供しており、その中で、同機器を使って提供される機能の名称として「napecare(ネープケア)」が使用されていることが確認できる。

4 以上1ないし3の事実は、本願商標が商品の品質や役務の質を表示するものとはいえず、自他商品又は役務の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであることを示すものである。

第6 当審の判断

1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について

本願商標は、「napecare」の文字を標準文字で表してなるところ、「nape」の文字は「うなじ」の、「care」の文字は「世話」の意味を有する語(いずれも「新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典」株式会社研究社)であるから、これらを結合してなる「napecare」の文字全体としては「うなじの世話」程の意味合いを容易に認識させるものである。

そして、本願商標の読みを片仮名で表した「ネープケア」の文字は「うなじの手入れ」程の意味合いで使用されているものであって(別掲1)、本願の指定役務を取り扱う業界において、うなじの手入れを行う役務が一般に提供されている(別掲2)。また、うなじの手入れを目的の一つとする機器が存在している(別掲3)。

さらに、「ケア」の文字は、「○○ケア」(「○○」には手入れをする対象を表す任意の語が入る。)の形で、「○○の手入れ」程の意味合いで一般に使用されている(別掲4)。

そうすると、本願商標は、これをその指定役務について使用しても、これに接する需要者は、当該役務が「うなじの手入れのための役務」であるという役務の質、効能、用途を表示したものと認識するにとどまり、自他役務の識別標識としては理解し得ないものと判断するのが相当である。

また、本願商標は、これをその指定役務中、「うなじの手入れのための役務」以外の役務について使用するときは役務の質に誤認を生じさせるおそれがある。

したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

2 請求人の主張について

(1)請求人は、「napecare(ネープケア)」は同人が製造・販売等している業務用脱毛器「REMILA(レミラ)」(以下「レミラ」ということがある。)の機能を表す言葉である旨、「レミラ」は、これまで5年間にわたり、700を超える店舗で利用されてきた実績がある機器であって、世間での「napecare(ネープケア)」との言葉の使用事例は、同機器の機能名として使用されているものと考えられる旨、及び請求人は、レミラに関するオンライン学習サービスも提供しており、その中で、レミラを使って提供される機能の名称として「napecare(ネープケア)」が使用されていることが確認できる旨を述べ、これらの事実は、「napecare」の語が、商品の品質や役務の質を表示するものとはいえず、自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであることを示す、有力な証拠である旨を主張するとともに、証拠方法として資料1及び資料2を提出している。

しかしながら、仮に、請求人のいうようにレミラのレンタル事業は5年以上実施されており、700を超える店舗で利用されてきたことが事実であり、また、当該店舗において、レミラの機能名として使用されていたという事実及び、レミラに関するオンライン学習サービスも提供しており、その中で、レミラを使って提供される機能の名称として「napecare(ネープケア)」が使用されている事実があるとしても、本願商標を構成する各語の語義及び、請求人以外の者による「ネープケア」の文字が「うなじの手入れ」程の意味合いで使用されている事実をも含む別掲1ないし別掲4のとおりの取引の実情を踏まえれば、本願商標は、自他役務の識別標識としては理解し得ないものと判断するのが相当であることは上記1のとおりである。

なお、請求人の提出する資料1は、「株式会社リサスティーREMILLA導入実績表」とされる資料であって、789の「サロン・店舗」の「住所」及び「申込月」が記載されているものの、これらを裏付ける証拠の提出はないから、これをもって、レミラをレンタルで使用しているサロン・店舗がどの程度あるのかは明らかとはいえない。

また、資料2は、Instagramのウェブサイトにおける4月21日付けの投稿において「REMILAで実践!美容室でできるネープケア解説・・・【自慢ボブを生み出すネープケア】」の記載があり、103件の「いいね」がされているものの、Instagramのウェブサイトにおける投稿において、「レミラ」とともに「ネープケア」の文字が使用されている例があるからといって、そのことをもって直接本願商標が自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとはいえない。

(2)請求人は、本願商標の構成文字全体からは、原審において示した意味合いを暗示させる場合があるとしても、これが直ちに商品・役務の品質等を具体的かつ直接的に表したものと理解、認識させるとはいい難く、むしろ、特定の意味合いを認識させることのない、一種の造語として認識、把握されるとみるのが相当であって、自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得るものである旨を主張している。

しかしながら、本願商標を構成する各語の語義及び、請求人以外の者による「ネープケア」の文字が「うなじの手入れ」程の意味合いで使用されている事実をも含む別掲1ないし別掲4のとおりの取引の実情を踏まえれば、本願商標は、自他役務の識別標識としては理解し得ないものと判断するのが相当であることは上記1のとおりである。

(3)請求人は、過去における登録例を示し、本願商標も登録されるべき旨を主張している。

しかしながら、登録出願に係る商標がその指定役務との関係において、自他役務の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と指定役務との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の示す登録例と本願商標とは、構成文字が異なり、事案を異にするものであるし、本願商標が自他役務の識別力を欠くものであることは、上記1のとおりであるから、登録例があるからといってその判断が左右されることはない。

(4)したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。

3 まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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