結論テキスト
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025009429 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理 由
本願は、令和5年9月26日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 6月26日付け:拒絶理由通知書
令和6年 8月30日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年12月10日 :意見書、手続補正書の提出
令和7年 3月14日付け:拒絶査定
令和7年 6月17日 :審判請求書の提出
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第9類、第10類、第42類及び第44類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、原審における上記1の手続補正により、最終的に、別掲2のとおりの指定商品及び指定役務に補正されたものである。
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した国際登録第1471861号商標(以下「引用商標」という。)は、「A-WAVE」の欧文字を普通に用いられる方法で横書きしてなり、2018年(平成30年)11月16日に米国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2019年(令和元年)5月14日に国際商標登録出願され、第10類「Foot orthotic」を指定商品として、令和2年11月6日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
原査定は、(1)本願商標と引用商標は類似する商標であり、(2)本願の指定商品及び指定役務のうち、第10類「心電計,心疾患患者の状態監視用医療用機械器具,呼吸器疾患患者の状態監視用医療用機械器具,電子聴診器,心音記録用の医療用機械器具」と、引用商標の指定商品である第10類「Foot orthotic」は、類似の商品であるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当すると認定、判断したものである。
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、青色から紫色、黄色へのグラデーションに着色された波上の図形を背景に、「A-wave」の欧文字を、丸みを帯びた書体で横書きしてなるところ、当該文字は、我が国の一般的な辞書等に載録されたものではなく、我が国において何らかの意味を有する語として親しまれているという事情も見いだせないことから、特定の語義を有しない一種の造語として認識、把握されるとみるのが相当である。
そして、特定の語義を有しない欧文字からなる商標を称呼するときは、我が国で広く親しまれている英語風又はローマ字の読みに倣って称呼するのが自然であるといえるところ、構成中の「-」(ハイフン)は、通常称呼しないものであるから、その構成文字に相応して「エーウェイブ」の称呼が生じるものである。
したがって、本願商標は、「エーウェイブ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、「A-WAVE」の欧文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、当該文字は、我が国の一般的な辞書等に載録されたものではなく、我が国において何らかの意味を有する語として親しまれているという事情も見いだせないことから、特定の語義を有しない一種の造語として認識、把握されるとみるのが相当である。
そして、特定の語義を有しない欧文字からなる商標を称呼するときは、我が国で広く親しまれている英語風又はローマ字の読みに倣って称呼するのが自然であるといえるところ、構成中の「-」(ハイフン)は、通常称呼しないものであるから、その構成文字に相応して「エーウェイブ」の称呼が生じるものである。
したがって、引用商標は、「エーウェイブ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否について検討するに、両商標の構成は、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりであるところ、外観については、図形及び色彩の有無と、一部の構成文字について大文字と小文字の差異を有し、書体が相違するものの、いずれも欧文字のつづりを同一とするものであるから、両者は、外観上、近似した印象を与えるものである。
次に、称呼については、本願商標と引用商標は、「エーウェイブ」の称呼を共通にするものである。
さらに、観念については、本願商標と引用商標は、特定の観念が生じないものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念は比較できないものの、外観において近似した印象を与え、称呼を同一とするものであるから、外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
ア 商品の類否判断について
商標法第4条第1項第11号に規定する指定商品の類否は、取引の実情に照らし、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認混同されるおそれがあるか否かによって判断されるべきである(東京高裁平成16年7月26日判決同15年(行ケ)第456号)。
そこで、これを踏まえて、本願の指定商品及び指定役務中、第10類「心電計,心疾患患者の状態監視用医療用機械器具,呼吸器疾患患者の状態監視用医療用機械器具,電子聴診器,心音記録用の医療用機械器具」(以下、「本願抵触商品」という。)と、引用商標の指定商品である第10類「Foot orthotic」(参考訳「足用矯正器具」。以下、「引用指定商品」という。)の類否について検討する。
イ 請求人の主張及び当審における職権による調査(別掲3及び別掲4)によれば、以下のとおりである。
(ア)生産部門について
本願抵触商品は、主に医療機器メーカーが製造するものであるのに対し、引用指定商品は、主に装具業者等が製造するものである。
(イ)販売部門について
本願抵触商品は、専門の販売業者から医療機関に直接販売されるものであるのに対し、引用指定商品は、主に整形外科やインターネット等を介して装具業者から一般の需要者に販売されるものである。
(ウ)原材料及び品質について
本願抵触商品の原材料は、金属、電子部品等であるのに対し、引用指定商品の原材料は、主に合成樹脂等である。
(エ)用途及び需要者について
本願抵触商品は、医師等の医療従事者が、病院等の医療機関において、患者に対して専門性のある医療行為を行う際に使用するものであるのに対し、引用指定商品は、足の痛みなどを訴える一般の需要者が、日常生活において、その痛みなどを軽減するために使用するものである。
(オ)完成品と部品との関係にあるかについて
本願抵触商品と引用指定商品は、完成品と部品との関係にない。
ウ 判断
上記イによれば、本願抵触商品と引用指定商品は、生産部門、販売部門、原材料及び品質、用途及び需要者の範囲において、いずれも一致するとはいえず、完成品と部品との関係にもないものである。
そうすると、本願抵触商品と引用指定商品とは、取引の実情に照らし、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認混同されるおそれがあるものということはできないから、非類似の商品とみるのが相当である。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似するものであるが、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品は類似しないものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標と引用商標とが類似するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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