結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025010783 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和7年1月17日に登録出願されたものであって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。
令和7年 4月 3日付け:拒絶理由通知書
令和7年 4月22日 :意見書の提出
令和7年 6月 4日付け:拒絶査定
令和7年 7月10日 :審判請求書の提出
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第35類に属する別掲2に記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものである。
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5819279号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成27年8月25日に登録出願、第35類に属する別掲4に記載のとおりの役務を指定役務として、同28年1月15日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであり、かつ、その商品の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断するのが相当である。(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)。
また、複数の構成部分を組み合わせた結合商標は、その構成部分全体によって他人の商標と識別されるものとして考案されているものであるから、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは原則として許されない。しかし、商標の構成部分の一部が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えると認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合等、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認められない場合には、その構成部分の一部を抽出し、当該部分だけを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されると解すべきである(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、上段に、筆記体様の「Rally」(「R」の左上、「a」の内側、「y」の右上には、それぞれ色彩の異なる小さな点が装飾的に付されている。)の欧文字を黒色で大きく表し(以下「上段部分」という。)、その下段に、セリフ体の「Interactive LP」の欧文字を青色で小さく表してなる(以下「下段部分」という。)ところ、上段部分と下段部分は、重なり合うことなく配置され、文字の大きさ、書体及び色彩が明らかに異なることから、視覚上分離して看取され得るものである。
そして、上段部分の「Rally」の文字は、「(政治的な)集会、大会」、「(テニスなど)ラリー」等を意味する語である(「ジーニアス英和辞典第6版」株式会社大修館書店)。一方、下段部分の構成中の「Interactive」の文字は、「相互に作用する、双方向の」等の意味を有する語であり(前掲書)、「LP」の文字は、「ウェブサイトで、利用者がサーチエンジンやインターネット広告などを通じて最初に閲覧するページ。」の意味を有する「ランディングページ(landing page)」等を表す語であるから(「デジタル大辞泉」株式会社小学館)、「Interactive LP」の文字は、「双方向のランディングページ」ほどの意味合いを想起させる場合があるといえる。
そうすると、上段部分と下段部分とは、視覚上分離して看取され、観念上のつながりを見いだすことはできず、また、本願商標全体から生じる「ラリーインタラクティブエルピイ」の称呼はやや冗長であるから、両者を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとは認められない。
また、上段部分は、下段部分と比べて、大きく顕著に表されているから、取引者、需要者に対し、役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものである。
以上のことから、本願商標は、上段部分を要部として抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
したがって、本願商標は、上段部分に相応して、「ラリー」の称呼及び「(政治的な)集会、大会」、「(テニスなど)ラリー」等の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲3のとおり、略三角形状の図形(左側の一辺が下方向へ伸びている。以下「図形部分」という。)を左側に配し、その右下に、「RALLY」の欧文字(「R」と「A」はやや図案化されている。以下「文字部分」という。)を配してなるところ、図形部分と文字部分とは、重なり合うことなく配置され、図形と文字という構成要素を異にしていることから、視覚上分離して看取され得るものである。
そして、図形部分は、我が国では特定の事物や意味を有する図形として知られているものではないことから、特定の意味合いを想起させるとはいい難く、特定の称呼及び観念を生じない。
一方、「RALLY」の文字部分からは、その構成文字に相応して、上記(2)と同様に「ラリー」の称呼及び「(政治的な)集会、大会」、「(テニスなど)ラリー」等の観念を生じるものである。
そうすると、図形部分と文字部分とは、視覚上分離して看取され、称呼及び観念上のつながりを見いだすことはできないから、両者を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとは認められない。
また、文字部分は、図形部分と比べて、広範囲に顕著に表されているから、取引者、需要者に対し、役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものである。
以上のことから、引用商標は、「RALLY」の文字部分を要部として抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
したがって、引用商標は、「RALLY」の文字部分に相応して、「ラリー」の称呼及び「(政治的な)集会、大会」、「(テニスなど)ラリー」等の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標の類否について検討するに、外観については、その全体構成において差異を有するものの、本願商標の要部と引用商標の要部を比較したときには、「Rally(RALLY)」のつづりを共通にするものであるから、外観上近似した印象を与えるものである。
また、本願商標の要部と引用商標の要部は、「ラリー」の称呼及び「(政治的な)集会、大会」、「(テニスなど)ラリー」等の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標は、外観において近似した印象を与え、称呼及び観念を共通にするものであるから、これらの外観、称呼、観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して考察すれば、両商標は互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願商標の指定役務と引用商標の指定役務との類否について
本願商標の指定役務中の第35類「広告業,インターネットによる広告,ダイレクトメールによる広告,広告宣伝物の企画及び制作,広告の企画,広告文の作成,コンピュータネットワークにおけるオンラインによる広告,マーケティング,ウェブサイトの検索結果の最適化,販売促進のための検索エンジンの検索結果の最適化」は、引用商標の指定役務中の第35類「消費者の購買意識に関する調査結果の分析に基づく商品の販売促進及び宣伝広告の企画,広告業」と、本願商標の指定役務中の第35類「経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ウェブサイト経由による事業に関する情報の提供,事業に関する指導及び助言,事業の調査,事業の能率化に関する診断・指導及び助言,商業又はマーケティングのための消費者プロファイリング,マーケティング,ウェブサイトの検索結果の最適化,販売促進のための検索エンジンの検索結果の最適化」は、引用商標の指定役務中の第35類「顧客に関する情報の収集・管理・分析及び提供,顧客管理,顧客の管理に関する情報の提供,顧客の管理に関する助言・指導及びコンサルティング,顧客の購買意識に関する分析及びこれに関する情報の提供,顧客情報の提供,顧客動向調査,顧客満足度調査,購買行動に関する調査,購買者意識調査,消費者調査,消費者動向調査,購買者行動調査の結果に基づいて行う事業に関する助言及び指導,消費者の購買意識に関する調査・分析及びこれらに関する情報の提供,消費者の評価情報の整理及びこれらに関する情報の提供,消費者動向調査に関する情報の提供,消費者動向分析に関する統計的情報の提供,市場調査・市場分析・マーケティングのための市場実態調査・購買者意識調査・購買者行動調査の結果に基づいて行う事業に関する助言及び指導,消費者の購買意識に関する調査結果の分析に基づく商品の販売促進及び宣伝広告の企画」と、本願商標の指定役務中の第35類「コンピュータデータベース内のデータの更新及び保守,コンピュータデータベースへの情報構築,商業用又は広告用情報の索引の編集」は、引用商標の指定役務中の第35類「コンピューターデータベースへの情報編集」と同一又は類似の役務である。
(5)小括
以上より、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定役務も引用商標の指定役務と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(1)請求人は、原査定において外観の類否を要部についてしか判断していないのは失当であり、本願商標と引用商標を全体的に比較すると、両者は外観上相紛れるおそれはない旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認められない場合には、商標の構成部分の一部だけを取り出して、他人の商標と比較し、その類否を判断することが許されるものと解される。
そして、本願商標及び引用商標は、上記2(1)及び(2)のとおり、その構成中の「Rally」及び「RALLY」の文字部分をそれぞれ要部として抽出し、他人の商標と比較し、その類否を判断することが許されるというべきである。
(2)請求人は、本願商標の「Rally」からは、「ボール(情報)を相互に打ち返し合う(やり取りする)」ストロークの観念を生じ、引用商標の「RALLY」からは、「呼び集める」の観念を生じるから、両者は観念において相違すると主張する。
しかしながら、「Rally(RALLY)」は、「(政治的な)集会、大会」、「(テニスなど)ラリー」等の複数の意味を有する英語であるところ、本願商標及び引用商標から、それぞれ請求人の主張する意味合いのみが生じるとみるべき特段の事情は見いだせないものである。
(3)したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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