sokuhyo

Trademark Appeal Case

著名商標と複合商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2023900069
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
登録第6664361号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

理 由

1 本件商標

本件登録第6664361号商標(以下「本件商標」という。)は、「怪獣村 Monster Village」の文字を標準文字で表してなり、令和4年9月30日に登録出願、第29類ないし第32類に属する別掲1のとおりの商品を指定商品として、同年12月13日に登録査定され、同5年1月20日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次のとおりである。

(1)登録第5379390号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の態様 MONSTER(標準文字)

指定商品 第32類に属する商標登録原簿に記載の商品

登録出願日 平成22年7月8日

設定登録日 平成22年12月24日

(2)登録第5057229号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の態様 別掲2のとおり

指定商品 第32類に属する商標登録原簿に記載の商品

登録出願日 平成18年6月9日

設定登録日 平成19年6月22日

(3)登録第5393681号商標(以下「引用商標3」という。)

商標の態様 MONSTER ENERGY(標準文字)

指定商品 第32類に属する商標登録原簿に記載の商品

登録出願日 平成22年7月8日

設定登録日 平成23年2月25日

(4)登録第6578957号商標(以下「引用商標4」という。)

商標の態様 別掲3のとおり

指定商品 第29類及び第32類に属する商標登録原簿に記載の商品

登録出願日 令和3年11月17日

優先権主張 2021年5月17日 中華人民共和国

設定登録日 令和4年6月28日

(5)登録第6644703号商標(以下「引用商標5」という。)

商標の態様 MONSTER REHAB(標準文字)

指定商品 第5類、第30類及び第32類に属する商標登録原簿に記載の商品

登録出願日 令和4年8月1日

設定登録日 令和4年11月25日

なお、引用商標1ないし5に係る商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。

また、引用商標1ないし5をまとめていうときは、以下「引用商標」という。

(6)申立人主張の全趣旨から合議体が認めたもの。

ア 「MONSTER」の欧文字からなる商標(以下「使用商標1」という。)

イ 「モンスター」の片仮名からなる商標(以下「使用商標2」という。)

なお、使用商標1は引用商標1と外観上同一視し得るものであるが、申立人主張の趣旨に鑑み、引用商標1とは別に使用商標1とすることとした。

また、使用商標1及び2をまとめていうときは、以下「使用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第7号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第510号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)申立人のMONSTERブランドの周知著名性

ア MONSTERブランドの創設及び「MONSTER」の使用

申立人は、2002年に「MONSTER」なるエナジードリンクのブランドを創設し、これ以降、現在に至るまで、「MONSTER」をMONSTERブランドのエナジードリンク(以下「申立人商品」という。)の出所識別標識として使用している。

申立人商品は、2002年に米国でMONSTERブランドの第1号の個別製品「MONSTER ENERGY」を発売後、世界各国における販売も開始し、現在は日本を含む世界130以上の国及び地域で販売中である。

申立人商品には、2002年以降現在まで一貫して、「MONSTER」の文字を基調とする個別商品名(例えば、「MONSTER ENERGY」「MONSTER ASSAULT」「MONSTER KHAOS」「MONSTER M-80」「MONSTER RIPPER」など)が採用されている。また、これらの個別製品の包装容器は同じデザインで統一されており、特徴的な書体で大きく表示した「MONSTER」の文字(甲416)を独立して見る者の目をひきつける態様で顕著に表示している(異議申立書の別紙1及び2。以下、別紙○のように表記する。)。

このように、規則的なネーミング法(すなわち「MONSTER」に他の語を結合する方法)で命名された個別製品名と特徴的な書体で表示した「MONSTER」の文字を顕著に表示した統一的デザインの包装容器を特徴とする申立人商品は、申立人のMONSTERブランドのエナジードリンク事業を拡大し、その成功は経済界で高い評価を受けている(甲2~甲33、甲51~甲58、甲391~甲393)。

国内では、2012年5月の「MONSTER ENERGY」(モンスターエナジー 缶355ml)及び「MONSTER KHAOS」(モンスターカオス 缶355ml)発売以降、現在まで25種類以上(リニューアル商品を含む。)の申立人商品を販売している(別紙1)。

イ 広告宣伝活動

申立人商品に関する広告宣伝活動は、幅広く継続的なものであり、国際的に活躍する多数の有名アスリート・チーム及びイベントに対するスポンサー活動を中核として、ウェブサイト及びプレスリリースによる広告、申立人商品サンプルの配布、大手コンビニエンスストアやイベント主催者と提携した大規模な販売キャンペーン(景品・賞品のプレゼントを含む。)、スポーツイベント等の開催、契約アスリート等の動画・画像の公開、MONSTERブランドのライセンス商品の開発及び販売、ビデオゲーム会社と提携したMONSTERブランドを使用したビデオゲームの開発及び共同販売促進活動の実施など極めて多彩な内容である。こうした広告宣伝活動は、「MONSTER」の文字(特徴的な書体で表示したものを含む。)、爪の図柄と特徴的な書体で表示した「MONSTER」の文字と活字体で表示した「ENERGY」の文字からなるロゴマーク、「MONSTER ENERGY」の文字(以下、これらをあわせて「MONSTERブランドマーク」という。)を使用して、本件商標の登録出願日前から継続的かつ頻繁に全国規模で実施されている(別紙3~7)。

また、申立人は、申立人商品の中心的需要者層である10~30代の若い世代(特に男性)に人気が高いモータースポーツ、エクストリームスポーツの分野を中心にスポンサー活動を行うとともに、全16の異なるウェブサイト及びソーシャルメディアのアカウント(別紙9)を開設して、こうした若い世代が多く利用するインターネットメディアによる大規模な情報発信を通じてMONSTERブランドを需要者に強くアピールするための効果的な広告を実施している。

ウ ライセンス商品の輸入差止

需要者におけるMONSTERブランドのライセンス商品の人気の高さに便乗して、海外で製造された申立人の商標権侵害物品が日本の税関で輸入差止される事案が遅くとも平成25年7月から度々発生している(別紙8)。

エ 国内外における商標登録

MONSTERブランドマークについて、申立人は、引用商標をはじめとして、国内外において多数の商標登録を取得している(甲486~甲506)。

オ ブランド認知度及び市場占有率

複数の第三者が実施したエナジードリンクに関する市場調査及び消費者アンケート調査によれば、既に2013年時点で申立人商品の国内市場占有率は25%を超えており、一般消費者におけるブランド認知度も第2位であったことが明らかである。2013年以降も、申立人商品は着実に売上を伸ばしており、若い世代の男性を中心とした従来の主要需要者層に止まらず、美しいカラフルな色使いのボトル缶に大きく目立つ態様で表示された爪の図柄が人目をひきつけ、男性のみでなく女性の間でもMONSTERブランドの認知度を高めてきた。2018年には、申立人商品の販売実績は1千万ケースに近づき、それまで首位の「レッドブル」を超えて市場占有率トップに立った(甲311~甲322、甲383~甲385、甲433)。

申立人商品は、2018年に国内エナジードリンク市場でトップシェアを獲得後は、首位を独走状態であり(甲448)、第三者の市場調査では2022年時点における申立人商品の市場占有率は約40%であった(甲450)。

カ 「MONSTER」「モンスター」の表示で認識されていたこと

上記のような販売実績を通じて、申立人商品は、飲料業界で「モンスター」と称され、「MONSTER」「モンスター」と表示され、「MONSTER(モンスター)」のブランドとして認識されている(甲10、甲16、甲17、甲34、甲42等)。

この点に関しては、特許庁の審査においても、「モンスター」は、申立人が飲料等について使用する商標「MONSTER ENERGY(モンスターエナジー)」の略称として需要者の間で広く認識されていると認定されている(甲433、甲447)。

キ 小括

以上の事柄に照らせば、申立人の使用に係る「MONSTER」及びその音訳「モンスター」は、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、申立人の製造販売に係る商品及び役務を表示するものとして需要者の間で広く認識されていたことが明らかである。

(2)商標法第4条第1項第15号該当性

本件商標の構成中、「Monster Village」の文字部分は、独立して出所識別標識として機能し得る構成部分(要部)である。「Monster Village」の文字部分は、辞書等に掲載されている成語ではないところ、「Monster」の文字はその音訳が外来語の「モンスター」(甲507、甲508)として、「Village」の文字はその音訳が外来語の「ビレッジ」(甲509、甲510)としてそれぞれ親しまれていることから、「MONSTER」と「Village」の2語を結合したものとして容易に認識、理解されるものである。

申立人商品に使用される「MONSTER(モンスター)」の文字は、当該商品の普通名称に当たるものではなく、また、その品質等の表示でもなく取引界で不特定多数の者によって普通に使用されている表示でものでもないから、申立人の業務に係る商品出所識別標識として直ちに認識され、取引者、需要者に申立人の商品ブランドを強く印象付けるために十分な程度の独創性を具備している。

また、エナジードリンクに関して申立人商品以外に製品名に「MONSTER(モンスター)」の文字を使用したものは知られていないから、申立人商品の出所識別標識として極めて強い出所表示力を有することが明白である。

よって、本件商標の登録出願時及び登録査定時にはエナジードリンクの分野において「Monster(MONSTER)」の文字を包含する製品名は、申立人商品を直ちに想起、連想させるものである。

そして、本件商標の要部は、その登録出願時及び登録査定時に申立人の商品のブランドを表示するものとして広く認識されていた「Monster(MONSTER)」を包含するものであることが極めて明瞭に認識、理解できるものであり、申立人商品に使用されていたネーミング規則、すなわち、「MONSTER(モンスター)」に他の語(文字)を結合する方法で構成されている。

本件商標は、申立人商品と同一又は類似の商品、さらには、申立人商品と原材料、用途、効能、販売場所、需要者層を共通にするその他の飲料及びその原材料に使用されるものである。

したがって、本件商標が使用された場合には、申立人のMONSTERエナジードリンクの個別製品のひとつであると誤信され、あるいは、当該商品が申立人との共同開発商品ないしライセンス商品であると誤信されて、出所混同を生じるおそれが極めて高い。

加えて、本件商標の使用は、申立人商品の出所識別標識として広く認識されている「MONSTER(モンスター)」の出所表示力を希釈化するものであり、また、その名声、顧客吸引力にフリーライドするものといわざるを得ない。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第11号該当性

引用商標1は、本件商標の登録出願時及び登録査定時に申立人商品を表示するものとして需要者に広く認識されていた。

本件商標は、その構成中に需要者の間に広く認識された引用商標1を含むものであって、「MONSTER」の文字及びこれより生じる「モンスター」の称呼及び「モンスター」の観念を包含するから、外観、称呼、観念のすべてにおいて引用商標1と類似性の程度が極めて高い。本件商標において、引用商標1の部分が既成の語の一部となっているものではない。

したがって、本件商標は、引用商標1と類似のものである。

本件商標の指定商品は、引用商標1の指定商品と同一又は類似のものである。

また、引用商標1は、本件商標よりも先に登録出願されたものである。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(4)商標法第4条第1項第19号該当性

本件商標は、その登録出願時に申立人商品を表示するものとして広く認識されていた「MONSTER(モンスター)」と類似のものであって、申立人商品と同一又は類似の商品及びこれらと極めて関連性の深い飲料関連商品に使用されるものである。

本件商標の使用は、申立人商品のブランド「MONSTER(モンスター)」の出所識別力を著しく希釈化し、また、申立人のMONSTERブランドの顧客吸引力にフリーライドするものといわざるを得ないから、不正の目的をもって使用するものに該当する。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

(5)商標法第4条第1項第7号該当性

本件商標は、社会一般道徳及び公正な取引秩序の維持を旨とする商標法の精神並びに国際信義に反するものであり、公の秩序を害するおそれがある。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

4 当審の判断

申立人は、商標「MONSTER(モンスター)」の文字が申立人の製造販売に係る商品(エナジードリンク)を表示するものとして需要者の間で広く認識されているなどとして、本件商標が商標法第4条第1項第7号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当する旨主張しているが、申立人主張の全趣旨から、申立人は商標「MONSTER」(使用商標1)及び商標「モンスター」(使用商標2)の周知性を前提として主張しているものと認め、以下検討する。

(1)使用商標の周知性

ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張並びに当審における職権調査(インターネット情報、新聞記事情報など。)によれば、次のとおりである。

(ア)申立人は、米国の飲料メーカーであって、我が国においてはアサヒ飲料株式会社を通じて2012年5月にエナジードリンク「MONSTER ENERGY(モンスターエナジー)」及び「MONSTER KHAOS(モンスターカオス)」の販売を開始し、その後、2022年まで毎年、新製品やリニューアル商品を合計25種類以上販売した(甲7~甲13、甲59、甲60、甲101、甲127、甲130、甲253、甲256、甲257、甲291、甲323、甲324、甲354~甲361、甲434~甲442、甲445、甲446、甲451、甲452、甲460、ほか)。

(イ)申立人商品のほとんどの種類の商品(の容器)には、爪痕のような図形、デザイン化された「MONSTER」の文字(以下「MONSTERロゴ」という。)及び「ENERGY」の文字からなる別掲2のとおりの商標(引用商標2、色彩が異なるものを含む。)が表示され、また、全ての申立人商品(の容器)には、MONSTERロゴが大きく表示されている(甲7、甲8、甲10~甲13など上記(ア)と同じ。)。

(ウ)有限会社飲料総研の調査によれば、我が国における2013年のエナジードリンクの出荷数は約950万ケース(1ケース30本換算)であり、首位のレッドブルが550万ケース、2位のモンスターエナジーは240万ケースであった(甲317、甲318、甲320)。

(エ)日本経済新聞社の2019年3月29日付け「(飲料HOT&COOL)モンスターエナジー、レッドブル超え」をタイトルとするウェブページには、「日経MJ」として、「飲料総研によると2018年の販売実績は1千万ケースに近づき、それまでカテゴリーの首位を走っていた「レッドブル」を超えた。」の記載がある(職権調査:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO43024750Y9A320C1HE4A00/)。

(オ)2022年5月7日付け「モンスターエナジー、レッドブルを駆逐しトップ独走状態の秘密・・・周到な販売戦略」をタイトルとするウェブページには、「全国のドラッグストアのPOSデータをもとにした買物指数によると、エナジードリンクの火付け役だった「レッドブル・エナジードリンク」を抑え、モンスターエナジーの売り上げが独走状態になっている。今や日本国内のトップシェアを獲得しているのだ。」の記載がある(甲448)

(カ)2022年10月25日付け「日経 XTREND」と称するウェブページには、「エナジードリンク飛躍、販売額4年で3倍増 日本コカは苦戦」のタイトルのもと、「エナジードリンク、メーカー別販売金額シェアの推移」の図があり、それには2018年9月ないし2022年9月として、「モンスターエナジージャパン」がいずれも40%前後でトップシェアとされている(甲450)。

(キ)ジャストシステムによるエナジードリンクに関する調査(2014年4月)によれば、認知度が高い商品の1位は82.8%の「RedBull」、2位は47.6%の「MONSTERENERGY」であった(甲319)。

(ク)JMR生活総合研究所による消費者調査No.196「エナジードリンク(2014年7月版)」によれば、ブランド認知率の1位は「レッドブル・エナジードリンク」で45%、2位が「モンスターエナジー」で31%であり、同消費者調査No.232「エナジードリンク(2016年8月版)」によれば、ブランド認知率の1位は「レッドブル・エナジードリンク」、2位は「モンスターエナジー」であったと推認できる(甲311、甲312)。

(ケ)JMR生活総合研究所による消費者調査データNo.269「エナジードリンク(2018年5月版)」には、「モンスター、レッドブル、リアルゴールド 寡占化すすむエナジードリンク市場」のタイトルのもと、「今回の調査では、「リアルゴールド(日本・コカコーラ)」「レッドブル・エナジードリンク(レッドブル・ジャパン)...」「モンスターエナジー(アサヒ飲料)」の3ブランドがほとんどの項目で上位3位を独占した。」の記載があり、同消費者調査データNo.293「エナジードリンク(2019年5月版)」には、「リアルゴールド、レッドブル、モンスターエナジー。3強上位独占」のタイトルのもと、「今回の調査でも、前回(2018年5月版)と同様、「リアルゴールド(日本・コカコーラ)」「レッドブル・エナジードリンク(レッドブル・ジャパン)...」「モンスターエナジー(アサヒ飲料)」の3ブランドが複数の項目で上位3位を独占した。」の記載がある(職権調査:https://www.jmrlsi.co.jp/trend/mranking/02-drink/mranking269.html、https://www.jmrlsi.co.jp/trend/mranking/02-drink/mranking293.html)。

(コ)JMR生活総合研究所による消費者調査No.365「エナジードリンク(2022年5月版)」によれば、ブランド認知率の1位は「リアルゴールド」、2位が「レッドブル」で57.6%、3位が「モンスターエナジー」で55.4%であった(甲449)。

(サ)申立人及びアサヒ飲料株式会社(以下、両者をあわせて「申立人等」という。)は、本件商標の登録出願時前から、申立人商品に係るニュースリリース、ポスターなどで申立人商品を「モンスターエナジー」「モンスター」及び「MONSTER」と表示し、また、申立人等以外のウェブページにおいても、申立人商品は「モンスターエナジー」「MONSTER」及び「モンスター」と表されている(甲58、甲63、甲69、甲71、甲79、甲101~甲103、甲113、甲115、甲118、甲119、甲124、甲132、甲162、甲163、甲165、甲241、甲251、甲256、甲258~甲260、ほか)。

イ 上記アからすれば、以下のとおり判断できる。

(ア)申立人等は、我が国において、2012年5月からエナジードリンク「MONSTER ENERGY」及び「MONSTER KHAOS」の販売を開始し、その後現在まで25種類以上の申立人商品を販売してきた。

そして、2013年にはエナジードリンクの出荷数約950万ケースのうち、申立人商品の出荷数は240万ケースでエナジードリンクの販売シェア第2位であり、その後、申立人商品は2018年に1千万ケースに近づいた頃に販売シェア第1位となり、それ以後2022年まで毎年販売シェアの40%前後を有し、継続して第1位であると推認することができる。

また、エナジードリンクのブランド認知度の調査において、申立人商品「モンスターエナジー」は、2014年にジャストシステムが行った調査において47.6%、JMR生活総合研究所が行った調査において31%で、いずれも第2位の認知度がある結果であり、その後、JMR生活総合研究所の2016年、2018年及び2019年の調査では「リアルゴールド」「レッドブル」とともに上位3位を占めており、同調査の2022年では55.4%で第3位であったことが認められる。

そうすると、申立人商品は、本件商標の登録出願時(令和4年(2022年)9月30日)以前から、登録査定時(令和4年(2022年)12月13日)においても、我が国のエナジードリンクの需要者の間に広く認識されているものといえるものである。

(イ)次に、申立人商品の商標の使用について検討すると、申立人商品は、いずれの商品の容器にも「MONSTERロゴ」が使用されていることが認められるが、ほとんどの容器において爪痕のような図形及び「ENERGY」の文字を「MONSTERロゴ」の上下に伴うもの、すなわち、引用商標2の構成及び態様からならなるものであることから、引用商標2が申立人商品の容器に使用される商標として需要者に強く印象を与えるといえるものである。

そして、申立人商品は、上記ア(ウ)ないし(カ)の各メディアの情報及び(キ)ないし(コ)の調査結果において、いずれも「モンスターエナジー」(「MONSTER ENERGY」の表示を含む。)と表示されており、さらに、上記(サ)のとおり、申立人等自身が商品の広告においても「モンスターエナジー」の文字を多用していることから、「MONSTER ENERGY」及び「モンスターエナジー」の文字は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、いずれも申立人等の業務に係る商品(エナジードリンク)を表示するものとして、エナジードリンクの需要者の間に広く認識されているものというのが相当であるとしても、その他の商品及び役務については需要者の間に広く認識されているものとは認められない。

なお、申立人等は、申立人商品のニュースリリース、ポスター、ウェブサイト等において、「MONSTER」の文字又は「モンスター」の文字を用いていることが認められるものの、申立人商品については、引用商標2、「MONSTER ENERGY」及び「モンスターエナジー」の文字の使用が圧倒的であり、加えて、「MONSTER」及び「モンスター」の文字は、「怪物。化物。」(広辞苑第七版 株式会社岩波書店)を意味する我が国で親しまれた成語であることを考慮すると、「MONSTER」及び「モンスター」の文字が申立人商品を表すものとして需要者の間に広く認識されている商標であるということはできない。

(ウ)したがって、「MONSTER」の文字からなる使用商標1及び「モンスター」の文字からなる使用商標2は、申立人商品(エナジードリンク)を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものとは認められない。

(2)商標法第4条第1項第11号該当性

ア 本件商標

本件商標は、上記1のとおり、「怪獣村 Monster Village」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「怪獣」は「あやしいけもの。正体不明の不思議な獣。映画・漫画などで、恐竜などをもとに創作した、特別な力をもつ生き物。」、「村」は「普通地方公共団体の一つ。そん。同類の人や物が集まっている所。」等を意味し、また、「Monster」は「怪物。化物。」を意味する英語、「Village」は「村」(いずれも、広辞苑第7版 株式会社岩波書店)を意味する英語で共に我が国で慣れ親しまれた語である。

また、「怪獣」は、英語で「monster」の語が当てられる(新英和中辞典第5版 株式会社研究社)ことから、本件商標は、「怪獣村」の文字とそれに相応する英語「Monster Village」の文字とをスペースを介して、横一連に表してなるものというのが相当である。

そうすると、本件商標は、全体の構成文字に相応して「カイジュウムラモンスタービレッジ」の称呼を生ずるほか、「怪獣村」及び「Monster Village」の文字部分がそれぞれ商品の出所を識別する機能を果たすといえることから、該文字部分に相応して「カイジュウムラ」及び「モンスタービレッジ」の称呼を生じ、「怪獣がいる村」ほどの観念を生じるものというのが相当である。

(以下、本件商標の構成中「Monster Village」の文字部分を「本件商標の要部」という。)

イ 引用商標1

引用商標1は、上記2(1)のとおり、「MONSTER」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字に相応して「モンスター」の称呼を生じ、「モンスター(怪物、化物)」の観念を生じるものである。

ウ 本件商標と引用商標1の類否

上記アのとおりの構成からなる本件商標と上記イのとおりの構成からなる引用商標1の類否を検討すると、両者は、外観において、「Monster(MONSTER)」の文字のつづりを共通にするものの、「怪獣村」及び「Village」の文字の有無の差異があり、また、本件商標の要部と引用商標1との類否においても、「Village」の文字の有無の差異があり、いずれにおいても構成全体が明らかに相違することから、明確に区別できる。

次に、称呼において、本件商標の要部より生じる「モンスタービレッジ」の称呼と引用商標1より生じる「モンスター」の称呼は、「ビレッジ」の音の有無に差異があることから、両称呼を一連に称呼するときは明瞭に聴別できるものである。

そして、観念において、本件商標より生じる「怪獣がいる村」と引用商標より生じる「怪物、化物」の観念は、明らかにその意味合いが相違している。

そうすると、本件商標と引用商標1は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。

エ 小括

以上のとおり、本件商標と引用商標1は、非類似の商標であるから、両商標の指定商品が同一又は類似するとしても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第15号該当性

ア 使用商標の周知性

使用商標は、上記(1)イ(ウ)のとおり、申立人等の業務に係る商品(エナジードリンク)を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものとは認められない。

イ 本件商標と引用商標及び使用商標の類似性の程度

(ア)本件商標

本件商標は、上記(2)アのとおり、「怪獣村 Monster Village」の文字を標準文字で表してなるところ、全体の構成文字に相応して「カイジュウムラモンスタービレッジ」の称呼及び本願商標の要部の文字部分に相応して「モンスタービレッジ」を生じ、「怪獣がいる村」の観念を生じるものである。

(イ)引用商標及び使用商標

a 引用商標1

引用商標1は、上記(2)イのとおり、「MONSTER」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字に相応して「モンスター」の称呼を生じ、「怪物、化物」の観念を生じるものである。

そして、「MONSTER」の文字は、「怪物、化物」を意味する慣れ親しまれた語であるといえるから、独創性の程度は高いとはいえない。

b 引用商標2

引用商標2は、別掲2のとおり、爪痕のような図形と文字部分の構成からなるところ、両者は分離し看取する場合もあるといえ、該文字部分は「MONSTERロゴ」及び「ENERGY」の文字を二段書きしてなるところ、該文字に相応して、「モンスターエナジー」の称呼を生じ、「MONSTERロゴ」は、特徴的な書体であることから、その独創性は高いといえるものであり、また、「MONSTERロゴ」及び「ENERGY」の文字は、申立人商品(エナジードリンク)を表示するものとして、エナジードリンクの需要者の間に広く認識されているものといえることからすれば、「申立人のブランド」の観念を生じるものである。

c 引用商標3

引用商標3は、上記2(3)のとおり、「MONSTER ENERGY」の文字よりなるところ、該文字に相応して、「モンスターエナジー」の称呼を生じ、該文字は、慣れ親しまれた語であるといえる「MONSTER」及び「ENERGY」の文字より構成され、独創性の程度は高いとはいい難いものの、申立人商品(エナジードリンク)を表示するものとして、エナジードリンクの需要者の間に広く認識されているものといえることからすれば、「申立人のブランド」の観念を生じるものである。

d 引用商標4

引用商標4は、別掲3のとおり、上段に「MONSTERロゴ」、中段に「ENERGY」、下段に「ULTRA PARADISE」の文字を三段書きしてるところ、該文字に相応して、「モンスターエナジーウルトラパラダイス」の称呼を生じ、「MONSTERロゴ」は特徴的な書体であるといえるから、独創性の程度は高いといえる。

そして、その構成文字中、上段の「MONSTERロゴ」及び中段の「ENERGY」の文字部分は、「申立人のブランド」を表すものとして需要者の間に広く認識されていることから、該文字部分を要部として抽出し、取引にあたる場合も少なくないというのが相当である。

そうすると、引用商標4は、構成全体から生じる「モンスターエナジーウルトラパラダイス」の称呼のほか、その要部である「MONSTERロゴ」及び「ENERGY」の文字部分に相応して「モンスターエナジー」の称呼を生じ、申立人商品(エナジードリンク)を表示するものとして、エナジードリンクの需要者の間に広く認識されているものといえることからすれば、「申立人のブランド」の観念を生じるものである。

e 引用商標5

引用商標5は、上記2(5)のとおり、「MONSTER REHAB」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成は、「MONSTER」及び「REHAB」の両文字に間にスペースを介して、同じ大きさ及び書体で、横一連にまとまりよく一体に表されているものであり、構成文字全体より生じる「モンスターリハブ」の称呼は淀みなく一連に称呼し得るものである。

また、引用商標5を構成する「MONSTER」の文字は「怪物、化物」の意味を有し、「REHAB」の文字は一般の辞書に掲載されていないものであるから、独創性の程度は高いとはいえるもので、直ちに特定の意味合いを生じるものではなく、構成全体で表した「MONSTER REHAB」の文字が、我が国において特定の意味合いを有するものとして認識され親しまれているというべき事情は認められず、「MONSTER」又は「REHAB」の文字のいずれか一方が引用商標5に係る指定商品との関係で、強い識別力を発揮するという事情も見いだすこともできない。

そうすると、引用商標5は、その構成全体をもって、把握されるものというのが相当であるから、構成文字に相応して「モンスターリハブ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

なお、引用商標2ないし5における「MONSTER」の文字部分は、上記(1)イ(ウ)のとおり、「MONSTER」の文字が申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標とは認められないため、その構成部分の「MONSTER」の文字のみを捉えて、これより「モンスター」の称呼及び「申立人のブランド」の観念を生じるということはできない。

f 使用商標1

使用商標1は、「MONSTER」の欧文字よりなるところ、上記aのとおり、独創性の程度は高いとはいえず、該文字に相応して「モンスター」の称呼を生じ、「怪物、化物」の観念を生じるものである。

g 使用商標2

使用商標2は、「モンスター」の片仮名よりなるところ、上記aのとおり、独創性の程度は高いとはいえず、該文字に相応して「モンスター」の称呼を生じ、「怪物、化物」の観念を生じるものである。

(ウ)本件商標と引用商標及び使用商標の類似性の程度

a 本件商標と引用商標1及び使用商標の類似性の程度

本件商標と引用商標1は、上記(2)ウのとおり、非類似の商標であって、別異の商標であるから、類似性の程度は低いものである。

また、本件商標と使用商標1を比較すると、使用商標1は、引用商標1と同一の「MONSTER」の文字からなることからすれば、本件商標と引用商標1が非類似の商標であると同様の理由により、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標であるから、類似性の程度は低いものである。

さらに、本件商標と使用商標2を比較すると、使用商標2は、使用商標1を片仮名で表したにすぎないことから、本件商標と使用商標2は、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標であるから、類似性の程度は低いものである。

b 本件商標と引用商標2の類似性の程度

本件商標と引用商標2を比較すると、両者は、外観において、「Monster(MONSTER)」の文字のつづり共通にするものの、引用商標2の文字部分は「MONSTERロゴ」及び「ENERGY」の文字であるから、本件商標と構成態様を異にするとともに、「怪獣村」及び「Village」の文字と「ENERGY」の文字の差異を有しており、明確に区別できるものであり、称呼において、「カイジュウムラモンスタービレッジ」と「モンスターエナジー」の称呼の比較においては、その全体の構成音数が明らかに異なるものであり、また、「モンスタービレッジ」と「モンスターエナジー」の称呼の比較においては、「ビレッジ」と「エナジー」の音の差異を有しており、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは明瞭に聴別できるものであり、観念において、本件商標は「怪獣がいる村」の観念が生じるのに対して、引用商標2は「申立人のブランド」の観念が生じることからすれば相紛れるおそれはない。

そうすると、本件商標と引用商標2は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標であるから、類似性の程度は低いものである。

c 本件商標と引用商標3の類似性の程度

本件商標と引用商標3を比較すると、両者は、外観において、「Monster(MONSTER)」の文字のつづりを共通にするものの、「怪獣村」及び「Village」と「ENERGY」の文字の差異を有するから、明確に区別できるものであり、称呼において、「カイジュウムラモンスタービレッジ」と「モンスターエナジー」の比較においては、その全体の構成音数が明らかに異なるものであり、また、「モンスタービレッジ」と「モンスターエナジー」の称呼の比較においては、「モンスター」の音を共通にするとしても、「ビレッジ」と「エナジー」の音の差異において相違することから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは明瞭に聴別できるものであり、観念において、本件商標は「怪獣がいる村」の観念が生じるのに対して、引用商標3は「申立人のブランド」の観念を生じることからすれば相紛れるおそれはない。

そうすると、本件商標と引用商標3は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標であるから、類似性の程度は低いものである。

d 本件商標と引用商標4の類似性の程度

本件商標と引用商標4を比較すると、両者は、外観において、「Mon

ster(MONSTER)」の文字のつづり共通にするものの、引用商標4は「MONSTERロゴ」、「ENERGY」及び「ULTRA PARADISE」の文字であるから、本件商標と構成態様を異にするとともに、「怪獣村」及び「Village」の文字と「ENERGY」及び「ULTRA PARADISE」の文字の差異を有しており、明確に区別できるものであり、称呼において、「カイジュウムラモンスタービレッジ」と「モンスターエナジーウルトラパラダイス」の称呼の比較においては、その全体の構成音数が明らかに異なるものであり、また、「モンスタービレッジ」と「モンスターエナジー」の称呼の比較においては、「ビレッジ」と「エナジー」の音の差異を有しており、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは明瞭に聴別できるものであり、観念において、本件商標は「怪獣がいる村」の観念が生じるのに対して、引用商標4は「申立人のブランド」の観念が生じることからすれば相紛れるおそれはない。

そうすると、本件商標と引用商標4は、外観、称呼及び観念のいずれの点

においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標である

から、類似性の程度は低いものである。

e 本件商標と引用商標5の類似性の程度

本件商標と引用商標5を比較すると、両者は、外観において、「Monster(MONSTER)」の文字のつづりを共通にするものの、「怪獣村」及び「Village」と「REHAB」の文字の差異を有することから、明確に区別できるものであり、称呼において、「カイジュウムラモンスタービレッジ」と「モンスターエナジー」の比較においては、その全体の構成音数が明らかに異なるものであり、また、「モンスタービレッジ」と「モンスターエナジー」の称呼の比較にいおいては、「ビレッジ」と「リハブ」の音の差異を有しており、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは明瞭に聴別し得るものであり、観念において、本件商標は「怪獣がいる村」の観念が生じるのに対し、引用商標5は特定の観念が生じないことからすれば相紛れるおそれはない。

そうすると、本件商標と引用商標5は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標であるから、類似性の程度は低いものである。

ウ 混同のおそれ

使用商標は、上記アのとおり、申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものとは認められず、また、上記イ(イ)のとおり、引用商標2、引用商標4及び引用商標5以外の引用商標並びに使用商標は独創性の程度は高いとはいえないものである。

そして、本件商標と引用商標及び使用商標は、上記イ(ウ)のとおり、いずれも相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標であるから、類似性の程度は低いものである。

してみると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標及び使用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人等)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。

エ 申立人の主張

申立人は、使用商標は需要者の間で広く認識され、申立人の商品ブランドを強く印象付けるために十分な程度の独創性を具備しており、また、エナジードリンクに関して申立人商品以外に製品名に「MONSTER(モンスター)」の文字を使用したものは知られていないから、申立人商品の出所識別標識として極めて強い出所表示力を有するなどとして、エナジードリンクの分野において「Monster(MONSTER)」の文字を包含する製品名は、申立人商品を直ちに想起、連想させる旨主張している。

しかしながら、上記(1)イ(ウ)のとおり、使用商標は、申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものとはいえないものであるから、本件商標の構成中に「Monster」の文字が含まれるとしても、需要者はこれが申立人商品であることを直ちに想起、連想させるとはいえない。

したがって、申立人のかかる主張は採用できない。

オ 小括

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(4)商標法第4条第1項第19号及び同項第7号該当性

本件商標は、上記(3)イ(ウ)のとおり、引用商標及び使用商標と非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第19号の要件である類似する商標に該当せず、同号の他の要件を判断するまでもなく同号に該当しない。

また、本件商標は、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激又は他人に不快な印象を与えるような文字ではなく、商標権者がこれを本件商標の指定商品に使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する場合や国際信義等に反する場合に該当する事情を有するものでもない。

そして、本件商標を登録出願するにあたり、引用商標及び使用商標の名声にフリーライドし、その顧客吸引力を利用する意図があるなど、その登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ない場合に該当するという事情を見いだすこともできない。

したがって、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ではないことから、商標法第4条第1項第7号に該当しない。

(5)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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