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Trademark Appeal Case

周知商標の類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2024900186
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
登録第6822198号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

理 由

1 本件商標

本件登録第6822198号商標(以下「本件商標」という。)は、「rosantica」の欧文字を標準文字で表してなり、第25類「ブーツ及び運動用特殊ブーツ,体操用衣服及び体操競技用衣服,被服,サイクリング競技用衣服,ドレス,履物及び運動用特殊靴,毛皮製被服,ガードル,手袋(被服),帽子,ジャケット(被服),作業服,自動車競技用衣服,オーバーオール,オーバーコート,ズボン,スキー用手袋,スカーフ,ワイシャツ類及びシャツ」を指定商品として、令和5年10月27日に登録出願、同6年6月13日に登録査定、同年7月9日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する商標は、申立人の業務に係る「バッグ、ファッションジュエリー(ビジューで作られた被服等を含む)」(以下「申立人商品」という。)に使用する「ROSANTICA」及び「Rosantica」の欧文字からなる商標(以下、まとめて「引用商標」という。)である。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第19号証(枝番号を含む。)を提出した。

以下、証拠の記載に当たっては、甲第1号証を甲1のように表記し、枝番号の全てを示すときは、枝番号を省略する。

(1)引用商標の周知性について

ア 申立人の歴史及び事業について

申立人は、イタリアのミラノに所在する企業であり(甲2)、申立人の創業者は、ミラノのトップデザイナー達とのコラボレーションを経て、2010年に自身のファッションジュエリーブランドとして申立人を創設した(甲3、甲4)。申立人は、主な事業として、バッグやファッションジュエリーの製造販売を行っている(甲5、甲6)。

イ 申立人の事業規模について

申立人は、申立人自身のウェブサイト上のオンラインストアにおける販売(甲5、甲6)に加えて、本件商標の出願前である2023年6月1日時点で全世界20か国の実店舗においても引用商標とともに申立人商品を販売しており(甲7の1)、その販売展開は、2024年11月現在までに32か国にまで広げている(甲7の2)。本国のイタリアにおいては、2023年10月27日時点から2024年11月21日現在に至るまで、ミラノのスピーガ通りにある旗艦店を含めた23店を販売(販売予定)店舗としており、その所在は一都市にとどまらない(甲8)。

また、これらの店舗における通常の販売のほか、ミラノの大手百貨店「RINASCENTE(リナシェンテ)」を始めとした世界各国のデパートにおいても、ポップアップ店舗による販売を行っていた(甲7の3・4)。

加えて、日本においても、申立人商品は、中小規模のセレクトショップから高島屋のような大手百貨店デパートまで多種多様な店舗において取り扱われている(甲9)。

また、本件商標の出願日よりも前の2022年3月8日時点でも、申立人商品は、引用商標の記載とともに「FARFETCH」などの世界各地の店舗商品を取り扱うデジタルマーケットプレイスにおいても販売されていた(甲10)。

申立人の売上高は、本件商標出願前の2023年3月31日締めでは、約316万1,845ユーロ(約5億円)、2024年3月31日締めでは、約241万5,030ユーロ(約3.9億円)である(甲2)。申立人の事業は、バッグやファッションジュエリーの販売であり、売上高には、輸送費の払い戻しの金額がごく僅かに含まれているものの、ほとんどはバッグやファッションジュエリーの売上げに係る数値である。また、全ての商品の販売時には、必ず申立人のハウスマーク「ROSANTICA」、「Rosantica」が付されているため、当該売上高は、引用商標が付された商品の販売等によるものであるといえる。

申立人は、イタリア本国において、2022年1月から12月までは、3901点、2023年1月から12月までは、約3246点もの商品を販売している(甲11)。また、申立人は、上述のとおり、世界中で商品の販売を行っており、イタリアを除いた国においても、2022年には計7713点、2023年には計8223点、2024年11月時点で計4255点もの商品を販売している(甲12)。申立人の販売するバッグは1個10万円~30万円程のものがほとんどであり、ファッションジュエリーも数万円を下らないものばかりであることを鑑みると(甲3、甲5、甲6)、世界各国にこれだけの商品を販売できていることは、その周知性の故である。

これらの事実から、申立人商品は、本件商標の出願前から、イタリア本国及び日本を含めた世界各国において大規模に販売されており、申立人のハウスマーク「ROSANTICA」、「Rosantica」は、特にイタリア本国において、多くの需要者に認識されていたと考えられる。

ウ 申立人についての広告宣伝等

申立人は、主にファッション関連商品について、本件商標の出願前から本国であるイタリアやその他世界各国で発行されている雑誌等、様々な多数の媒体において宣伝広告又は紹介されている。

申立人は、本件商標の出願前の2021年から2023年に至るまでの間に、「WWD」、「ELLE」等といった主にイタリアやアメリカ等で販売されているファッション関連の情報を取り扱う雑誌のほか、各社プレスリリースやファッション関連の最新情報等を掲載するウェブサイトにおいて、宣伝広告又は紹介されている(甲13)。

加えて、ソーシャルネットワークサービス「Instagram」においても、申立人商品は、2023年12月時点で多くのインフルエンサーが申立人のアカウント「@rosantica_official」をメンション(アカウント名を投稿内に明記すること)やタグ付け(投稿を他のアカウントと紐づけする設定を行うこと)する形で紹介をしている(甲13の3)。

これらの事実から、申立人は、本件商標の出願前及び登録査定時において、国内外において大規模に宣伝広告又は紹介されており、申立人のハウスマークは、多くの需要者に認識されていたと考えられる。

エ 申立人が有する商標ポートフォリオ

申立人は、イタリア特許商標庁や欧州連合知的財産庁はもちろん、アメリカ、中国、イギリスでも文字商標「ROSANTICA」を本件商標の出願時までに出願又は登録しており、これらは現在においても存続している(甲14)。

これらの事実から、申立人のハウスマーク「ROSANTICA」は、専ら申立人によって商標登録されていることが分かる。

オ 検索エンジンでの検索結果

インターネット検索エンジン「Google」において、本件商標の出願時までに絞って、「ROSANTICA」を検索すると、上位5ページ目までの全ての検索結果が申立人に言及するものであった(甲15)。

これらの事実から、申立人のハウスマークである「ROSANTICA」又は「Rosantica」は、専ら申立人によって使用されており、申立人のみに結びついている商標であることが分かる。

カ ソーシャルネットワークサービス

申立人は、ソーシャルネットワークサービス「Instagram」において、公式のアカウントを有している。2024年11月22日時点でフォロワー数は、10.1万人となっている(甲16の1)。これらのフォロワー数は、最近急激に伸びたものではなく、本件商標出願時においても9.5万人超のフォロワーがいたと考えられる(甲16の2)。

このことから、申立人、ひいてはそのハウスマークである「ROSANTICA」又は「Rosantica」は、本件商標の出願前から、多くの需要者に認識されていたことが理解できる。

キ 小括

以上の事実から、申立人のハウスマークである引用商標は、申立人の業務に係るファッション関連商品を表示するものとして、本件商標の出願前から、日本国内又は外国、特にイタリア本国の需要者の間に広く認識されていたことは明らかである。

(2)商標の類否について

本件商標と引用商標は、全体において大文字と小文字の相違があるものの、同一の綴りを有しているから、本件商標は、引用商標と外観上実質的に同一である。

また、本件商標と引用商標は、いずれも既存の一般的に知られた単語ではなく、造語として認識するのが相当であり、特定の読み方は決まっていないため、我が国において親しまれている英語又はローマ字読みに倣って称呼することが自然である。このため、本件商標と引用商標からは、いずれもローマ字読みの「ロサンティカ」又は「ロザンティカ」との称呼が自然と生ずるので、本件商標の称呼は、引用商標の称呼と同一である。

本件商標は、造語であり、特定の観念は生じず、引用商標も造語であり、特定の観念は生じないから、本件商標と引用商標は、観念においては比較し得ない。

以上のとおり、本件商標と引用商標とは、外観上実質的に同一であり、同一の称呼が生じ、観念については比較し得ない。

したがって、本件商標及び引用商標がその外観、称呼又は観念等によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に観察すると、本件商標をその指定商品に使用した場合に、引用商標と出所混同のおそれがあり、本件商標は、引用商標と実質的に同一である。

(3)商標法第4条第1項第7号について

上記のとおり、本件商標は引用商標と実質的に同一である。

また、本件商標の指定商品は、いずれも被服又は履物に関連するものであり、引用商標が周知となっているファッション関連の商品(バッグ、ファッションジュエリー)とは関連性が高いものである。

上述のとおり、申立人のハウスマークは少なくともイタリア本国において周知となっている。また、日本においても遅くとも2019年から現在に至るまで大手百貨店をはじめとした実店舗でのオフライン販売やデジタルマーケットプレイスにおけるオンラインの販売を行っており(甲7の1・2、甲9、甲10、甲12)、本件商標の出願日以前にインターネットで検索しても申立人の情報のみにて上位5頁超を占めている(甲15)。加えて、2017年4月時点において、ファッション雑誌「Numero」の日本版ウェブサイトにおいて、申立人商品は紹介されていた(甲17)。

なお、本件商標の出願及び登録に関して、本件商標権者は、申立人から何らの許可も得ていない。

これらの事実を考慮すると、本件商標の指定商品に係る本件商標の使用は、申立人の業務に係る商品との混同を生ずるおそれがあり、本件商標権者が本件商標を使用して品質又は質の劣化した商品を提供した場合は、申立人の周知商標に化体した信用、名声及び顧客吸引力等を毀損させるおそれがある。加えて、本件商標権者は、既に国内参入している申立人の存在を知り、申立人への商標の買取りや代理店契約締結等の要求を意図しているものと推認できる。

以上より、本件商標は、不正の利益を得る目的又は申立人に損害を加える目的で使用をするものであると考える。したがって、本件商標の出願の経緯に社会的妥当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして容認し得ないため、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

(4)商標法第4条第1項第19号について

ア 周知性について

上述のとおり、引用商標は、申立人の業務に係るファッション関連商品を表示するものとして、本件商標の出願時及び登録査定時において、少なくともイタリア本国において需要者の間に広く認識されている商標である。

イ 商標の類否について

本件商標と引用商標は、いずれも同一の綴りからなる文字商標であり、実質的に同一又は極めて類似する商標である。

ウ 不正の目的について

引用商標は、少なくともイタリア本国において需要者の間に広く認識されている商標である。

また、引用商標は、造語よりなり、既存の語ではなく、本件商標出願前より引用商標が日本を含む世界各国で使用されており、本件商標の検索結果は、専ら申立人に関連していたことも考慮すると、本件商標の出願人が本件商標を偶然に採択したとは考えられない。

申立人は、本件商標出願前より既に日本において、引用商標を使用して、引用商標の指定商品と関連性が高いバッグ等を販売しており、既に日本には進出していた。

中国における「ROSANTICA」の商標登録を検索すると、本件商標の指定商品である第25類を含めて、全ての商標が申立人によって登録されている(甲19)。本件商標権者は、中国に住所があるにも関わらず、自国において「ROSANTICA」の商標登録を有していない。また、上記検索結果に示すように、本件商標権者による本件商標の使用は全く見当たらなかった。これらの事実から、本件商標権者が本件商標を使用する意図があるとは考えられない。

上記を考慮すると、本件商標権者は、引用商標が日本において登録されていないのを奇貨として、本件商標を登録することによって、商標の買取りやライセンスを申立人に求めて不正の利益を得ようとする等、不正の目的をもって出願したとしか考えられない。

また、商標法第4条第1項第19号の審査基準においては、〈1〉「一以上の外国において周知な商標又は日本国内で全国的に知られている商標と同一又は極めて類似するものであること。」及び〈2〉「その周知な商標が造語よりなるものであるか、又は、構成上顕著な特徴を有するものであること。」の要件が充たされれば、不正の目的を持って使用するものと推認して取り扱うものとするとの規定がある。要件〈1〉及び〈2〉が充たされることは上記のとおりであるため、本件商標は、不正の目的をもって使用するものと推認される。

エ 小括

以上より、本件商標は、他人である申立人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている引用商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用するものである。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断

(1)引用商標の周知著名性について

ア 申立人の主張及び提出された証拠によれば、以下のとおりである。

(ア)申立人は、イタリアのミラノ所在の企業であり(甲2)、申立人の創業者は、2010年に自身のファッションジュエリーブランドとして申立人を創設した(甲3、甲4)。

(イ)申立人のウェブサイトには、「ROSANTICA」の文字が上部中央に表示されているとともに、バッグやネックレス及びブレスレット等が掲載されている(甲4~甲6)。

(ウ)申立人のウェブサイトによれば、2023年6月1日時点では、イタリアを含む20か国、2024年11月時点では、イタリア及び日本を含む32か国に申立人の店舗が存在し、申立人のイタリアの旗艦店や外国の百貨店において、バッグやジュエリー等が取り扱われていることがうかがえる(甲7、甲8、申立人の主張)。

(エ)我が国においては、2017年及び2022年のウェブサイト並びにInstagramでバッグやジュエリー等が掲載、広告宣伝されたことはうかがえる(甲10、甲16、甲17)。

また、2019年ないし2024年に、申立人と我が国の複数の企業との間でバッグやジュエリー等が取引されたことはうかがえる(甲9)。

(オ)2024年3月31日付けの申立人に係る財務諸表によれば、申立人商品の販売及びサービスからの収益は、241万5,030ユーロとされ(甲2、申立人の主張)、また、申立人の作成に係る販売数量の一覧表によれば、イタリア本国において、2022年1月から12月までは、3,901点、2023年1月から12月までは約3,246点の商品を販売(甲11)、イタリアを除いた国(日本を含む)において、2022年には計7,713点、2023年には計8,223点、2024年11月時点で計4,255点の商品を販売したとされる(甲12)。

(カ)2021年ないし2023年に外国で発行された雑誌及び2023年及び2024年のウェブサイトとされるものに、バッグやジュエリー等が広告されていることは見受けられるが、それらの記事のほとんどが翻訳文のない外国語で記載された抜粋ページである(甲13)。

(キ)本件商標の登録出願日前(2023年10月27日)の検索エンジン「Google」における検索結果には、引用商標が表示されているが、日本語表記のものは最初の1ページのみで、2ページ目以降は、外国語表記のものである(甲15)。

イ 上記アによれば、申立人はイタリアのミラノ所在の企業であり、2010年に創設されたこと、2023年6月1日時点でイタリアを含む20か国、2024年11月時点で、イタリア及び日本を含む32か国に申立人の店舗が存在し、申立人のイタリアの店舗や外国の百貨店において、申立人商品が取り扱われており、申立人はイタリアを含む外国において、2022年ないし2023年に申立人商品を販売したこと、2021年ないし2023年に外国で発行された雑誌及び2023年及び2024年のウェブサイトに申立人商品が広告されていること、我が国において、2022年のウェブサイト、2017年の雑誌及びInstagramで申立人商品が広告宣伝されたこと、2019年ないし2024年に、申立人と我が国の複数の企業との間で申立人商品が取引されたことはうかがえる。

しかしながら、申立人商品の収益額及び販売個数について、当該販売実績が引用商標を使用した申立人商品に係るものであったとしても、申立人商品分野の市場シェアが確認できないため、申立人主張の申立人商品の販売実績について評価し得ない。

また、2021年ないし2023年に発行されている雑誌及び2023年及び2024年のウェブサイトとされる記事のほとんどが翻訳文のない外国語で記載された抜粋ページであるところ、当該雑誌及びウェブサイトの記事の詳細は確認できない。

さらに、我が国における取引についても、取引に係る商品が引用商標を使用した商品に限定されたものであるかは確認できない。

加えて、我が国における広告宣伝については、申立人商品が掲載されたウェブサイト及び雑誌の掲載回数は多いとはいえない上、Instagram等のSNSにおける広告宣伝についても、幅広い需要者を対象に宣伝広告が行われたとはいえないから、引用商標に対する需要者の認識の程度を把握することができない。

そうすると、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、イタリアを含む外国及び我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとは認めることができない。

(2)商標法第4条第1項第19号該当性について

本件商標は、上記1のとおり「rosantica」の欧文字を表してなるのに対し、引用商標は、「ROSANTICA」又は「Rosantica」の欧文字からなるところ、大文字及び小文字において差異を有するとしても、文字の綴りを同一にするものであるから、本件商標と引用商標とは、類似の商標といえる。

しかしながら、上記(1)のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、イタリアを含む外国及び我が国の需要者等の間に広く認識されているものとはいえない。

また、申立人が提出した証拠からは、本件商標権者が本件商標を不正の利益を得る目的、他人に損害を与える目的その他の不正の目的をもって使用をするものと認めるに足りる具体的事実は見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第7号該当性について

上記(1)のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、イタリアを含む外国及び我が国の需要者の間に広く認識されている商標とはいえない。

そして、申立人が提出した証拠からは、本件商標の出願の経緯に社会的相当性を欠く等の事実は見当たらず、本件商標をその指定商品について使用することが、社会の一般的道徳観念に反するものともいえず、その他、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標であると認めるに足りる証拠の提出はない。

してみると、本件商標は、引用商標と類似のものであるとしても、引用商標の周知性にただ乗りするなど不正の目的をもって使用をするものと認めることはできず、また、本件商標が、その登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないというべき事情は見いだせないものであるから、本件商標権者が、本件商標の登録出願をし、登録を受ける行為が「公の秩序や善良の風俗を害する」という公益に反する事情に該当するものということはできない。

その他、本件商標が、商標法第4条第1項第7号にいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当するというべき事情も見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同項第19号に該当するとはいえず、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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