Trademark Appeal Case
称呼類似と一音の差異
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第8984号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本願商標は、「INOCAL」の欧文字を書してなり、第1類「医療用機械器具のカリブレーションに使用するカリブレーション・ガス、その他の化学品」を指定商品とし平成8年6月5日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定において、本願の拒絶の理由に引用された登録第2243949号商標(以下、「引用商標」という。)は「イネカル」の片仮名文字を書してなり、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和62年9月14日に登録出願、平成2年7月30日に登録されたものである。
3 当審の判断
そこで、本願商標と引用商標との類否について判断するに、本願商標は「INOCAL」の文字を書してなるところ、その文字は特定の称呼・観念を有する外国語の成語を表したものでないから、これに接する取引者・需要者は、一般に慣れ親しんでいる英語読み風をもって、称呼・観念を生じさせる場合も少なくないとみられる。
しかして、請求人が主張する如く、本願商標からは「イノカール」、「イノキャル」、「アイノカール」の称呼を生ずるとしても、「radical」の文字が「ラジカル」、「medical」の文字が「メディカル」、「chemical」の文字が「ケミカル」とそれぞれ読んでいる例に倣って、本願商標はその構成中の「CAL」の文字を「カル」と読む場合も少なくないものといえる。
してみると、本願商標はその構成文字に相応して「イノカル」の称呼をも生ずるものであって、特定の意味合い有しない造語というのが相当である。
一方、引用商標は「イネカル」の文字を書してなるところ、これからは「イネカル」の称呼を生ずるものであって、特定の意味合いを有しない造語というのが相当である。
そこで、本願商標より生ずる「イノカル」と引用商標より生ずる「イネカル」の称呼を比較するに、両者は、共に4音構成よりなるところ、称呼における識別上重要な要素を占める語頭音のを含め「イ」、「カ」、「ル」の3音を共通にし、第2音において「ノ」と「ネ」の音に差異を有するにすぎないものである。そして、上記の差異する音はその音質、音感を同じくする近似の音であって、その差異が称呼全体に及ぼす影響は小さいものであるから、両称呼を全体として一連に称呼するときには、両者が共に造語であることとも相俟って、その全体の語調、語感は近似したものとなり、彼此聴き誤らせるおそれがあると判断するのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標とは、称呼上類似する商標であり、かつ、その指定商品も同一又は類似するものであるから、結局、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当し登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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