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Trademark Appeal Case

拗音による称呼・外観の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2024900196
審判種別記載はありません。
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

結 論
登録第6836244号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

理 由

第1 本件商標

本件登録第6836244号商標(以下「本件商標」という。)は、「コレステン」の片仮名を標準文字で表してなり、第5類「栄養補助食品,サプリメント」を指定商品として、令和5年7月10日に登録出願、同6年8月1日に登録査定、同月22日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立人が引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標について引用する登録第4815831号商標(以下「引用商標」という。)は、「CHOLESTIN」の欧文字及び「コレスティン」の片仮名を上下2段に書してなり、第29類「ビタミン類・ミネラル・カルシウム・アミノ酸・蛋白質・食物繊維・野菜・アセロラ・果物・ハーブ・クロレラ・菌類・海藻・魚介類・野菜エキス・種子エキス・動物エキス・紅麹の少なくとも一つを主原料とする錠剤状・カプセル状・粒状・チュアブル状・キャプレット状・粉末状・液状・板状・棒状・クリーム状・ペースト状・シロップ状・ゼリー状・ゲル状の加工食品」を指定商品として、平成15年6月13日登録出願、同16年11月12日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証から甲第12号証(以下「甲○」と表記する。)を提出した。

1 本件商標

本件商標は、「コレステン」の片仮名を横書きしてなり、その構成文字に相応して「コレステン」の称呼を生じ、当該文字は、一般の辞書等に載録された特定の意味合いを表す語ではなく、特定の意味合いを表す語として一般に使用されているような特別な事情はないことから、これよりは、特定の観念は生じないものである。

2 引用商標

引用商標は、「CHOLESTIN」の欧文字を横書きし、その下に「コレスティン」の片仮名を表してなり、欧文字を外国語風の発音として表記した片仮名に相応して「コレスティン」の称呼を生じ、当該文字は一般の辞書等に載録された特定の意味合いを表す語ではなく、特定の意味合いを表す語として一般に使用されているような特別な事情はないことから、これよりは、特定の観念は生じないものである。

3 本件商標と引用商標との対比

ア 外観について

引用商標の下段の「コレスティン」は、上段の「CHOLESTIN」の読みを表したものと容易に理解できるものであり、標準的な書体で構成され特徴的な外観を有さない構成においては、引用商標に接した取引者、需要者は、上下各文字が独立して認識し記憶することも考えられ、読み仮名としての「コレスティン」の文字も強く印象に残るものである。

このような場合には、本件商標と引用商標の外観上の類否の判断は、本件商標「コレステン」と引用商標の「コレスティン」とを比較対照して行うのが相当である。両者は、語頭の4文字「コレステ」と語尾の「ン」の5文字を共通にし、捨て仮名(拗音)の「ィ」のみの相違であり、この相違は外観全体の印象に与える影響は極めて小さいといえる。

したがって、本件商標と引用商標は、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合は、外観上相紛れるおそれがある。

イ 称呼について

本件商標「コレステン」と引用商標「コレスティン」の称呼は、ともに5音よりなり、称呼における識別上重要な要素を占める語頭音を含めた「コレス」と語尾音「ン」の音を同じくし、異なるところは、第4音における「テ」と「ティ」の音にあるにすぎないものである。また両称呼のアクセントは、第2音の「レ」に置かれるとみるのが自然であり、弱音「ス」に伴って、後半部分は流れるように発音され、第4音の「テ」と「ティ」は全体の音に与える影響は小さいといえる。そして、差異音である「テ」と「ティ」の音は、無声子音「t」を共通にし、かつ、前者の母音「e」と後者の母音「i」においても、母音相互の関係は比較的近接するものといえるから、この差異が両称呼の全体に及ぼす影響は決して大きいものとは認め難く、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が相似たものとして聴取され、聴き誤るおそれがあるといえる。

さらに、拗音「ィ」の文字は外来語を片仮名表記する際に用いられる捨て仮名であるところ、商標審査基準〔改訂第16版〕の第4条第1項第11号の項目において、称呼が類似する例として、「(オ)その他、称呼の全体的印象が近似すると認められる要素・・・相違する音の一方が外国語風の発音をするときであって、これと他方の母音又は子音が近似する場合」が記載されており、例えば、「TYREX(タイレックス)」と「TWYLEX(トウイレックス)」、「FOLIOL(フォリオール)」と「HELIOL(ヘリオール)」が類似する例として挙げられている(甲3)。

引用商標は、欧文字を外国語風の発音として表記した片仮名に相応して「コレスティン」の称呼を生じるものであるため、商標審査基準に基づけば、本件商標と引用商標の称呼は類似すると判断されるべきである。

ウ 観念について

本件商標と引用商標はともに特定の観念を生じないため、観念上比較できない。

エ 本件商標と引用商標の類否について

以上より、両商標は、観念上比較し得ないとしても、外観上相紛れるおそれがあり、また称呼上類似するものであるから、その出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。

4 指定商品の類似性について

本件商標と引用商標の指定商品は、同一又は類似のものである。

5 結び

商標審査基準(甲3)及び過去の判断事例(甲4~甲10)に従えば、本件商標は引用商標と類似するものと判断されるべきであり、また、その指定商品も同一又は類似のものである。さらに、本件商標登録に係る意見書及び登録査定は妥当性に欠けるものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。

第4 当審における取消理由通知

当審において、令和7年8月19日付けの取消理由通知書をもって、本件商標の権利者(以下「本件商標権者」という。)に対し、本件商標は、引用商標と類似する商標であり、その指定商品は引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである旨通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。

なお、本件商標権者は、上記取消理由通知書に対して、意見書を提出していない。

第5 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標

本件商標は、「コレステン」の片仮名を標準文字で表してなるところ、当該語は、一般の辞書類に載録されている語ではなく、特定の意味合いを表す語として一般に使用されているような特別な事情もないことから、一種の造語として認識されるものといえる。

そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「コレステン」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。

(2)引用商標

引用商標は、「CHOLESTIN」の欧文字及び「コレスティン」の片仮名を上下2段に書してなるところ、下段の「コレスティン」の片仮名は、上段の「CHOLESTIN」の欧文字の読みを片仮名表記したものと理解されるものである。

そして、当該語は、一般の辞書類に載録されている語ではなく、特定の意味合いを表す語として一般に使用されているような特別な事情もないことから、一種の造語として認識されるものといえる。

そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して「コレスティン」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。

(3)本件商標と引用商標の類否について

本件商標と引用商標とを比較すると、両者は、外観において、その全体は相違するとしても、本件商標「コレステン」と引用商標の下段の「コレスティン」とは、語頭の4文字「コレステ」と語尾の「ン」の5文字を共通にするものであるから、両者は、外観上近似した印象を与えるとみるのが相当である。

そして、称呼において、本件商標より生じる「コレステン」の称呼と引用商標より生じる「コレスティン」の称呼とは、ともに5音からなり、称呼の識別上重要な語頭部分の「コレス」と語尾の「ン」の音を共通にし、異なるのは、わずかに第4音の「テ」と「ティ」の音の差にすぎないものである。

その上、当該差異音は、比較的聴取され難い中間に位置し、かつ、その発音の方法においても、舌尖を上前歯のもとに密着して破裂させて発する無声子音(t)を共通にし、母音「e」と「i」においてのみ相違するものであるから、「コレステン」と「コレスティン」をそれぞれ一連に称呼したときは、その語調、語感が極めて近似したものとなり、互いに聞き誤るおそれが十分にあるものというべきである。

さらに、観念において、本件商標と引用商標とは、ともに特定の観念を生じないものであるから、両者は観念において比較することはできない。

そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較することができないとしても、外観において近似した印象を与え、かつ、称呼においても類似するものであるから、両者の外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのある類似の商標とみるのが相当である。

(4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について

本件商標の指定商品は、上記第1のとおり、「栄養補助食品,サプリメント」であって、引用商標の指定商品である「ビタミン類・ミネラル・カルシウム・アミノ酸・蛋白質・食物繊維・野菜・アセロラ・果物・ハーブ・クロレラ・菌類・海藻・魚介類・野菜エキス・種子エキス・動物エキス・紅麹の少なくとも一つを主原料とする錠剤状・カプセル状・粒状・チュアブル状・キャプレット状・粉末状・液状・板状・棒状・クリーム状・ペースト状・シロップ状・ゼリー状・ゲル状の加工食品」とは、その製造部門、販売部門、用途等が一致する同一又は類似する商品といえる。

(5)まとめ

以上を考慮すると、本件商標と引用商標とは、類似の商標であり、その指定商品についても同一又は類似する商品といえる。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。

2 むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その商標登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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