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Trademark Appeal Case

NPSの著名性と類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025900071
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
登録第6887213号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

理 由

1 本件商標

本件登録第6887213号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、令和6年5月21日に商標登録出願、第5類、第29類、第30類、第32類、第35類及び第41類ないし第44類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年12月23日に登録査定、同7年1月20日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する商標は以下のとおりであり、現に有効に存続している。

国際登録第1242315号商標(以下「引用商標」という。)

商標の態様 NPS

指定役務 第35類及び第41類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの役務

国際登録日 2014年(平成26年)9月29日

設定登録日 平成28年7月15日

更新登録日 令和6年11月5日

3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するから、その登録は第35類の全指定役務について同法第43条の2第1号の規定により、取り消されるべきである旨申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第113号証(以下「甲○」と表記する。)を提出した。

(1)申立人とその商標「NPS」について

申立人であるBain & Companyは、1973年に米国で設立された世界有数の経営コンサルティングファームであり、40カ国、65都市に広がるグローバルなオフィスネットワークを通じて、企業の成長戦略、顧客ロイヤルティ向上、オペレーション改革等に関する専門的なコンサルティングサービスを提供している。日本法人であるベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッドは1991年に設立され、日本市場においても多岐にわたる業種の企業に対してコンサルティング業務を展開している。

申立人は、企業のアンケート調査で頻繁に目にする「0~10点で表すとして、●●を友人や同僚に薦める可能性はどのくらいありますか?」という質問により顧客ロイヤルティを定量的に測定・向上させるという「Net Promoter Score(ネット・プロモーター・システム)」という手法を開発し、これを「NPS」と名付けた。

NPSは、上記の質問に基づき、企業の製品やサービスに対する顧客の推奨度を評価し、企業が顧客からのフィードバックを活かして経営改善を図るための有効な指標として広く認識されている。また、この顧客ロイヤリティの指標を発展した従業員エンゲージメント向上のための指標も「eNPS」として広く認識されている。

申立人はこのNPS手法を用いたコンサルティングサービスを、日本を含む世界各国の様々な業界へ提供している。

NPSは単なる指標にとどまらず、申立人が長年にわたって培ってきたコンサルティング知見に基づく包括的な顧客戦略フレームワークとして、申立人の提供するサービスに深く結びついている(甲3~甲8)。

(2)商標「NPS」の著名性について

ア 長期的な使用及び積極的なライセンス展開

申立人の「NPS」は、2003年の米国の著名なビジネス誌「Harvard Business Review(ハーバードビジネスレビュー)」で発表された論文「The one number you need to grow」により注目された(甲9、甲13、甲16、甲100)。

加えて、NPSが世界的に著名となる契機の一つには、Apple社、Nike社、Cisco社などのグローバルな著名企業がいち早くこの手法を導入したことが挙げられる。日本語版書籍「ネット・プロモーター経営」(プレジデント社)(2013年発行)においても、Appleのリテール部門幹部による言及が紹介されており、NPSが高い有効性をもって企業経営に資するものであることが強調され、多数の記事において紹介されている(甲10~甲19)。

さらに、申立人は「NPS」をグローバルに展開するため、多数の企業と戦略パートナーシップ契約を結び、さらに「NPS」商標のグローバルなライセンス・システムを展開し、2012年以降、「NPS」及び「eNPS」に関して商業的使用を認めるライセンス契約を締結してきた。現在、申立人から135社以上が「NPS」の使用についてライセンスを受けており、そのうち20社以上が日本を拠点とする企業である(甲3及び甲4、甲18~甲60)。

これらライセンシーは、顧客・従業員満足度調査に関するサービスを提供するにあたり、「NPS」商標を正規に使用している。日本国内の主なライセンシーは甲20ないし甲60のとおりであり、各社が申立人の手法を用いて自社又はクライアント向けのサービスを自社顧客企業へ提供している(甲19、甲61~甲104)。

また、申立人自身も、日本において、保険、証券、印刷、製薬、電化製品、ヘッジファンド等幅広い企業に対しNPS指標を用いたサービスを提供している(甲105~甲112)。

イ 小括

このように、申立人の提供するNPS手法は、日本国内においても長年にわたる使用実績とライセンス制度を通じて広く知られており、「NPS」商標は申立人の業務と密接不可分な著名な標識として確立されている。

(3)商標法第4条第1項第11号の該当性

ア 本件商標と引用商標について

本件商標は、令和6年5月21日に商標登録出願され、同7年1月20日に国内登録された(甲1)。

他方、引用商標は、本件商標に先んじて、平成26年9月29日に国際登録され、同28年7月15日に我が国で商標登録されていた(甲2)。

イ 商標の類似性

(ア)外観

本件商標は、上記1のとおり、欧文字「Meiji」と「NPS」が標準的な字体でスペースを挟んで並び、その直下に数字「1」「2」「3」「4」「5」を含む図形とからなる。

このような本件商標の構成上、文字部分と図形部分は分離して把握されるものであり、また、「Meiji」と「NPS」の間には明確なスペースが存在するため、「Meiji」と「NPS」は視覚的に一体不可分とはいえず、「NPS」は分離して観察し得るものである。

引用商標は、上記2のとおり、欧文字「NPS」を標準的な字体で表して成る。

上述の両商標の外観を比較すると、本件商標から分離して把握され得る「NPS」と引用商標は同一であるから、両商標は互いに類似するものといえる。

(イ)観念

結合商標の分離判断における「支配的な印象」とは、本件役務の取引者・需要者が本件商標に触れた場合、出所識別標識としていかなる認識を有するかということを問題とすべきである。

引用商標「NPS」及び本件商標の構成中「NPS」部分は、既述のとおり、主に顧客ロイヤルティを測定する指標及び従業員エンゲージメント向上のための指標として国際的に極めて広く認知されている。そうすると、本件役務の取引者・需要者であるビジネス関係者は、本件商標の「NPS」から引用商標に係る出所を連想・認識すると考えるのが妥当であり、したがって本件商標の「NPS」は、強く支配的な印象を与える部分というべきである。

一方、本件商標の構成中、「Meiji」部分は、我が国の取引者・需要者には、漢字の「明治」を想起させるものの、「明治」は年号の「明治」や大学の「明治学院大学」等複数の意味を有するとしても、いずれも本件役務との関係では特段の観念を生じない(甲113)。よって、「Meiji」部分は、本件商標のうち支配的な印象を与えるものとはいえない。

また、本件商標の構成のうち、5つの数字の羅列は出所識別機能を発揮せず、図形も本件役務との関係において特定の観念を想起させるものではない。

したがって、本件商標及び引用商標は、申立人の事業に係る「NPS」又は「ネット・プロモーターシステム」との共通の観念を生じさせるため、同一の観念を生じさせる。

(ウ)称呼

上記の外観及び観念に応じ、本件商標においては、「エヌ・ピー・エス」の称呼が生じるから、両商標は称呼において同一である。

(エ)小括

以上のとおり、本件商標と引用商標とは、外観において類似し、同一の観念及び称呼を生じるから、互いに類似するものである。

ウ 役務の同一・類似性

本件役務のうち、「経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,市場調査又は分析,消費者調査,消費者嗜好調査及び分析,健康器具・健康食品又は栄養補助食品の販売に関する情報の提供,商品の販売に関する情報の提供,栄養及びヘルスケアの分野における事業に関する助言及び事業に関する情報の提供,商品の販売促進のための企画及び運営,企業の新商品・新役務に関する企画・立案,商品開発の企画に関する指導・助言,新商品の販売促進に関する助言・情報提供,商業に関する情報の提供,商業又はマーケティングのための消費者プロファイリング,インターネット上及びその他の媒体上での商品・役務の紹介」は、引用商標の指定役務「事業に関する助言及び情報の提供,事業に関する指導及び助言、すなわち業績・製品・役務・価格設定・販売及びマーケティング・顧客満足体験及び顧客サービスの比較・品質の格付け及び向上のための顧客調査及び従業員の調査・測定基準及びフィードバックプロセスに関する役務の提供,事業に関する指導及び助言、すなわち顧客及び従業員の満足度及び忠誠度に関する役務の提供」と同様、事業の管理又は組織及び運営事業に関する役務であり、引用商標の指定役務と同一又は類似する。

そして、本件役務のうち、「広告業,販売促進のための試飲会の企画・運営又は開催(商品の販売促進を目的とするものに限る。),消費者のための商品及び役務の選択における助言と情報の提供」は、引用商標の指定役務と共通性の高い役務である。すなわち、取引者・需要者は、いずれも事業者・企業経営者・マーケティング担当者等を主たる対象とする点で一致しており、専門性の高い情報と助言を必要とする者である。また、役務の質の観点からみて、いずれも経営上の意思決定や顧客戦略、従業員のエンゲージメントに関するコンサルティング、調査、分析を要し、定性的・定量的データを用いた高度な専門的サービスが提供される点で共通する。さらに、役務の提供の方法においても、各企業の課題に応じたカスタマイズがなされる対面・オンラインによる助言、レポートの提出、セミナー・ワークショップの開催等、多様な方法により実施される点で共通している。

したがって、本件役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似する役務を含む。

エ 混同を生ずるおそれ

以上のとおり、本件商標と引用商標は、商標が互いに類似し、本件役務と引用商標に係る指定役務が同一又は類似するから、本件商標が本件役務に使用された場合、その出所について引用商標に係るものと混同を生ずる蓋然性が極めて高い。

オ 小括

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は認められないものである。

(4)商標法第4条第1項第15号の該当性

ア 商標の類似性

引用商標は申立人の使用に係る商標と同一であり、既述のとおり、本件商標と引用商標とは互いに類似の商標である。

イ 役務の同一・類似性

本件役務と上記3(1)で述べた申立人の引用商標に係る事業は、通信、保険、製造、小売、銀行、製薬等、多種多様な業種において、経営上の意思決定や顧客戦略、従業員のエンゲージメントに関するコンサルティング、調査、分析を用い、定性的・定量的データを用いた専門的なサービスであるから、本件役務のうち、「広告業,経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,市場調査又は分析,消費者調査,消費者嗜好調査及び分析,健康器具・健康食品又は栄養補助食品の販売に関する情報の提供,商品の販売に関する情報の提供,栄養及びヘルスケアの分野における事業に関する助言及び事業に関する情報の提供,商品の販売促進のための企画及び運営,企業の新商品・新役務に関する企画・立案,商品開発の企画に関する指導・助言,新商品の販売促進に関する助言・情報提供,商業に関する情報の提供,商業又はマーケティングのための消費者プロファイリング,販売促進のための試食会の企画・運営又は開催,試飲会の企画・運営又は開催(商品の販売促進を目的とするものに限る。),インターネット上及びその他の媒体上での商品・役務の紹介,消費者のための商品及び役務の選択における助言と情報の提供」と、同一又は極めて近似した役務である。

したがって、本件役務は、申立人の引用商標に係る役務と同一又は類似する役務を含む。

ウ 引用商標の著名性

上記3(2)で述べたとおり、引用商標は申立人の事業に係る「NPS(ネット・プロモーターシステム)」を示すものとして、我が国の取引者・需要者の間で広く知られている著名な商標である。

エ 引用商標の独自性

引用商標「NPS」は、経営上の意思決定や顧客戦略、従業員のエンゲージメントに関するコンサルティング、調査、分析等の専門的なサービス分野において信頼を獲得してきた著名な商標であり、申立人はそのNPSブランドを保護するため、正当なNPSの使用者以外の使用はできる限り排除するよう努めてきた。そのため、本件役務の分野において、引用商標と同一の商標の使用はなく、引用商標は極めて独自性の高い商標となっている。

オ 混同を生ずるおそれ

上述の商標及び役務の類似性、そして引用商標の独自性、及び本件役務における著名性を総合的に勘案すれば、本件役務の取引者・需要者に対し、引用商標が与える印象は非常に強い。

よって、そのために生じる連想作用等により、本件商標が本件役務に使用された場合これに触れた取引者・需要者は、これを申立人の業務に係る役務であると誤認し、その役務の取引者・需要者が商品の出所について混同するおそれがあるのみならず、申立人又は申立人と経済的・組織的に関連するものにより提供される役務であるかのような誤認を生じさせ、結果として役務の出所に混同を生じさせるおそれがあることは明白である。

カ 小括

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に規定される「混同を生ずるおそれがある商標」であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当し、その登録は認められないものである。

(5)むすび

上述の理由により、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び第15号に該当し、同法第43条の2第1項の規定により取り消されるべきものである。よって、申立人は、本件商標の登録を取り消すとの決定を求める次第である。

4 当審の判断

(1)引用商標の周知著名性について

ア 申立人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。

なお、提出された証拠のうち甲9、甲20ないし甲60、甲64及び甲105ないし甲112は、外国語で作成されたものであり、翻訳文の提出がないから、具体的な内容を把握することができない。

(ア)申立人は、1973年に設立され、世界31カ国に48拠点のネットワーク、約5400名を擁する世界有数の戦略コンサルティングファームである(甲11)。

(イ)申立人は、2003年に顧客ロイヤルティを測る調査手法を開発し、これに引用商標を使用した(甲5及び甲17)。

(ウ)引用商標を使用した顧客ロイヤルティを測る調査手法を内容とした書籍が2013年に我が国で発売された(甲10~甲12)。

(エ)インターネット上において、顧客ロイヤルティを測る調査手法に関する内容が取り上げられており、その際、引用商標が使用されている(甲13~甲17及び甲62)。

(オ)日本を拠点とする企業が、顧客ロイヤルティを測る調査手法を用いて自社又はクライアント向けのサービスを自社顧客企業へ提供しており、日本を拠点とする企業は、引用商標を正規に使用している(甲61、甲69~甲75、甲81~甲83、甲90~甲94、甲97及び甲98)。

イ 上記アから、引用商標は、申立人が開発した顧客ロイヤルティを測る調査手法の名称であり、日本を拠点とする企業により使用されていることがうかがえる。

しかしながら、引用商標を使用した申立人の業務に係る役務の我が国における売上高、売上シェア等の具体的な提供実績及び宣伝広告の費用や期間等の広告実績など、その周知性を数量的に判断し得る客観的、かつ、具体的な証拠の提出はない。そして、提出された証拠によっては、引用商標の周知性を推し量ることができず、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたということができない。

(2)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標について

本件商標は、上記1のとおり、赤色からなる「Meiji NPS」の欧文字部分(以下「文字部分」という場合がある。)を上段に、その下に5つの略台形図形を全体で半円を描くように配し(略台形図形内の中央には、「1」「2」「3」「4」「5」の数字が白抜きでそれぞれ表されている。)、さらに、当該略台形図形の下に、円の右下が一部切れた円図形、その下に略横長長方形を配してなるものである(以下、文字部分以外を「図形部分」という。図形部分は全て灰色で表されている。)。

本件商標の文字部分は赤色で、まとまりよく一体に表され、図形部分は灰色からなるところ、両者を構成する色彩は異なり、また、その文字部分と図形部分とは、重なることなく配置されており、それぞれが、視覚上、分離して看取、把握され得るものであって、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているとはいえないものである。

また、「Meiji」及び「NPS」の文字は、それぞれ一般的な辞書類に載録されていないことから、「Meiji NPS」の文字部分は、一種の造語としてみるのが相当である。

以上からすると、本件商標よりは、構成中の要部の一つである、「Meiji NPS」の文字部分から「メイジエヌピーエス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

イ 引用商標について

引用商標は、上記2のとおり「NPS」の文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、当該文字は一般的な辞書類に載録されていないことから、一種の造語としてみるのが相当である。

したがって、引用商標は、その構成文字に相応して「エヌピーエス」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。

ウ 本件商標と引用商標の類否について

本件商標の要部の一つである「Meiji NPS」の文字部分と引用商標とを比較すると、外観においては「Meiji」の文字の有無が異なるから、外観上、相紛れるおそれはない。また、称呼においては、構成音及び音数が明らかに異なり、聴別は可能である。さらに、観念においては、いずれも特定の観念を生じないから、比較できない。

そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないものの外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両商標が需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は非類似の商標というべきものである。

エ 申立人の主張について

申立人は、引用商標「NPS」及び本件商標の構成中「NPS」の文字は、顧客ロイヤルティを測定する指標及び従業員エンゲージメント向上のための指標として国際的に極めて広く認知されていることから、本件商標構成中の「NPS」の文字は、強く支配的な印象を与える部分というべきである旨主張する。

しかしながら、上記(1)のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたということができないことから、その主張は採用できない。

オ 小括

以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の役務が同一又は類似するとしても、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第15号該当性について

上記(1)のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されているとはいえないものであり、また、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、本件商標は、本件商標権者がこれをその第35類の指定役務について使用をしても、これに接する需要者が、引用商標を連想、想起することはなく、その役務が他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように誤認し、その役務の出所の混同を生ずるおそれはないものというべきである。

その他、本件商標について、出所の混同を生ずるおそれがあるというべき事情も見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではなく、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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