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Trademark Appeal Case

著名商標の保護範囲

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025900081
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
登録第6892148号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

理 由

第1 本件商標

本件登録第6892148号商標(以下「本件商標」という。)は、「LUMIFY」の文字を標準文字で表してなり、令和6年6月25日に登録出願、第5類「サプリメント」及び第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、同7年1月22日に登録査定、同年2月3日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議の申立てにおいて、本件商標が商標法第4条第1項第19号に該当するとして引用する商標は、「LUMIFY」(以下「引用商標」という。)の欧文字からなり、申立人の業務に係る商品「点眼薬」等について使用し、外国の需要者の間に広く認識されているとするものである。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第59号証を提出した。

1 商標法第4条第1項第19号該当性について

(1)申立人について

申立人である「Bausch & Lomb Incorporated」及び「Bausch + Lomb Ireland Limited」は、カナダのケベック州ラヴァルに本社を置く多角的製薬会社で、消化器病学、神経学、皮膚科、眼科などの分野で製品を世界100以上の国に提供する「Bausch Health Companies Inc.」(以下「Bausch & Lomb Incorporated」、「Bausch + Lomb Ireland Limited」及び「Bausch Health Companies Inc.」を、まとめて「申立人等」という。)の子会社であり(甲2~甲4)、「Bausch & Lomb Incorporated」は、1853年にニューヨーク州ロチェスターで設立され、1971年に世界で初めてソフトコンタクトレンズを製品化したアイケアのリーディングカンパニーであり(甲5及び甲6)、「Bausch + Lomb Ireland Limited」は、アイルランドのウォーターフォードに拠点を置く「Bausch & Lomb Incorporated」の子会社であり、主にコンタクトレンズやその他の眼科用製品の製造を行っている(甲7)。

申立人等の事業グループ「Bausch + Lomb(ボシュロム)」(以下「ボシュロム」という。)は、光学機器の製造から始まり、コンタクトレンズや眼科用製品など、多様化するユーザーのニーズに合わせた様々な製品を開発してきた。1971年には世界で初めてソフトコンタクトレンズを製品化し、その後、1980年代後半にディスポーザブル(使い捨て)コンタクトレンズやソフトレンズ用コールド消毒ケア用品などを製造し、世界のコンタクトレンズ市場をリードしてきた。さらに、1990年代には、眼科用医薬品分野に参入し、白内障手術や屈折矯正手術関係の機器を扱うサージカル部門を設立し、眼科医療のプロフェッショナル分野でのポジションを固め、現在、世界100以上の国においてビジネスを展開する世界の総合アイケアカンパニーである(甲6)。

また、2024年には、約7兆1644億6140万円($4.791Billion)の売上高を記録するなど、ボシュロムは、世界中で最もよく知られ、また高い評価を受けているヘルスケアブランドのひとつである(甲8)。なお、日本においては、ボシュロム・ジャパン株式会社を通じて、コンタクトレンズ、レンズケア製品、眼科用医薬品、眼内レンズ、その他眼科用手術機器など高品質なアイヘルス製品を幅広く取り扱っており(甲9、甲10)、ソフトコンタクトレンズケア用品「ボシュロム レニュー シリーズ」のイメージキャラクターには、Number_iの平野紫耀を起用している(甲11、甲12)。

ア 申立人等の商標「LUMIFY」の使用態様及び使用期間

商標「LUMIFY」は、申立人等が提供するアイヘルスと美容をサポートする製品ラインであり、具体的には点眼薬、クレンジング、アイクリームやまつ毛及び眉毛美容液の商品を「LUMIFY」ブランドとして展開している(甲13~甲18)。

「LUMIFY」ブランドは、2017年に米国食品医薬品局(FDA)において承認を得た後、2018年にアメリカで充血除去点眼薬を発売した(甲5、甲14、甲19及び甲20)。さらに、2023年には、アイケア製品ラインの「LUMIFY EYE ILLUMINATIONS」を展開した(甲15~甲18、甲21)。2024年4月に、「LUMIFY」の防腐剤フリーの点眼薬が米国食品医薬品局(FDA)の承認を得たため、2025年初頭に販売を予定している(甲20)。

なお、「LUMIFY」の充血除去点眼薬は、眼充血の治療のために低用量のブリモニジン酒石酸塩0.025%を配合した世界初で唯一の市販点眼薬であり、Glamour誌の「The Best Beauty Innovators of 2022」をはじめ、12以上の賞を受賞しており、眼科医が推奨する充血除去点眼薬ブランド第1位であり、約90%の医師が推奨している(甲20)。さらに、2020年には、卓越した売上と成長が評価され、「スーパースター」部門において「U.S.BASES Top 25Breakthrough Innovations List」にも選ばれている(甲22)。これらのことから、「LUMIFY」は、アイケア分野において、アメリカをはじめとする海外において高い人気と知名度を誇っていることは明らかである。

イ 申立人等の商標「LUMIFY」の使用地域及び販売状況(売上高)

申立人等は、アメリカ、カナダ、ギリシャ、UAE、ヨルダン、レバノン、サウジアラビア、韓国で「LUMIFY」の点眼薬を販売している。また、大手ECサイトにて「LUMIFY」ブランドの商品を販売している(甲23~甲27)。また、申立人等は「LUMIFY」について、「LUMIFY」を含む商標を韓国、スイス、台湾、タイ、トルコ、アラブ首長国連邦、英国、アメリカ、ウルグアイ、ベネズエラなど40以上の国及び地域で商標出願及び登録をしている(甲28、甲29)。

前記のとおり、ボシュロムの2024年の売上高は、約7兆1,644億6,140万円($4.791 Bilion)であるが、そのうち、「LUMIFY」ブランドの売上高は約2,840億6,900万円($190M)であり、ボシュロムが展開する製品ラインにおいて、売上高第9位を誇っている(甲8、甲30)。なお、ボシュロムの2023年の売上高は、約6兆2,003億4,300万円($4.146 Billion)であり、そのうち、「LUMIFY」ブランドの売上高は約2,482億5,300万円($166M)である(甲31、甲32)。ボシュロムの2022年の売上高は、約5兆6,350億4,400万円($3.768 Billion)であり、そのうち、「LUMIFY」ブランドの売上高は約1,958憶9,740万円($131M)である(甲33)。これらの点からも、「LUMIFY」が本件商標の出願日である令和6年6月25日前から、アイケア分野において、世界規模で広く一般に知られるに至っていることは明らかである。

ウ 広告宣伝等

申立人等は、インターネットなどの各種媒体等を活用して広告宣伝を行っている(甲34~甲39)。さらに、SNSでも公式アカウントを設置して積極的に情報発信を行っており、若年層に人気のSNSであるインスタグラムにおいては1.9万人以上のフォロワーを抱えており(甲40)、TikTokにおいては、#LUMIFYEyeDance Challengeが「Business Intelligence Group(BIG)」の2022年広報・マーケティング優秀賞(年間最優秀外部キャンペーン賞)を受賞した(甲41)。なお、この際に、TikTokにおいて、#LUMIFYEyeDanceのハッシュタグで約2,000万回再生された。

さらに、ドラックストアの陳列にも力を入れ、「The National Association of Chain Drug Stores(全米チェーンドラッグストア協会)」から2018年トータル・ストア・エキスポのヘルスケア・一般用医薬品(OTC)部門で「Product Showcase Winner(製品ショーケース受賞者)」に選ばれた(甲42)。

また、数多くのアメリカの有名人が「LUMIFY」を公的に支持している(甲43~甲47)。これらのことから、アメリカをはじめとする海外において、「LUMIFY」がアイケア分野において、高い人気と知名度を誇っていることがうかがえる。

以上のとおり、「LUMIFY」は、アメリカをはじめとする海外において高い人気及び知名度を誇る申立人等のアイケア製品として、本件商標の出願日である令和6年6月25日のはるか前から、外国の需要者に広く認識されている商標というべきである。

エ 本件商標が商標「LUMIFY」と同一であることについて

本件商標「LUMIFY」は、申立人等の商標「LUMIFY」と同一の文字で構成される商標であるから、申立人等の商標と同一である。

(2)本件商標権者が本件商標を不正の目的をもって使用するものであることについて

ア 一以上の外国において周知な商標と同一又は極めて類似するものであること及びその周知な商標が造語よりなるものであること

商標審査基準によれば、不正の目的をもって使用するものと推認する場合として、「一以上の外国において周知な商標と同一又は極めて類似するものである」及び「その周知な商標が造語よりなるものであること」とされている。

前記(1)のとおり、「LUMIFY」は、アメリカをはじめとする海外において申立人等のアイケア製品として、本件商標の出願日である令和6年6月25日のはるか前から、外国の需要者に広く認識されている商標である。

また、本件商標「LUMIFY」は、申立人等の商標「LUMIFY」と同一である。

さらに、「LUMIFY」は、辞書等に掲載されておらず、特定の意味を有しない造語である。

したがって、本件商標は、一以上の外国において周知な商標と極めて類似するものであって、かつ造語よりなるものであるから、本件商標が申立人等の周知な商標を不正の目的をもって使用するものと推認される。

また、以下に述べるとおり、本件商標権者と申立人等との関係において、本件商標権者が不正の目的を有することは明確である。

イ 本件商標権者が不正の目的を有すること

本件商標権者と申立人等との関係、本件商標権者の不正の目的について述べると以下とおりである。

2 本件商標権者について

本件商標権者である「千寿製薬株式会社」は、1947年に設立された大阪府大阪市中央区に本社を置く、主に眼科薬の製造・販売を行なう医薬品メーカーである(甲48、甲49)。本件商標権者は、一般消費者向けの目薬・点眼薬「マイティア」シリーズなどの販売行っており(甲50)、同シリーズにおいて、「LUMIFY」の名称を使用した、点眼薬「マイティアLUMIFY(マイティアルミファイ)」の販売を行っている(甲51~甲53)。

点眼薬「マイティアLUMIFY(マイティアルミファイ)」は、日本初の充血除去成分「ブリモニジン酒石酸塩」を配合した点眼薬であり、前記のとおり、申立人等が販売を行っている「LUMIFY」の充血除去点眼薬と同様の成分を配合している(甲51、甲54)。「マイティアLUMIFY(マイティアルミファイ)」は、医薬局医薬品審査管理課によって行われた審議結果報告書によれば、「結膜充血除去を目的とした本薬を含有するOTC点眼液の開発が進められ、米国等では既に販売されていること」との記載があり、さらに、「本薬0.025%を含有する米国のOTC(以下「Lumify」という。)の開発の際に実施した臨床試験」との記載があることから(甲54)、本件商標権者は申立人等が販売している「LUMIFY」の存在を知っており、知った上で、「マイティアLUMIFY(マイティアルミファイ)」の名のもと同様の充血除去点眼薬の販売を行っている。

さらに、同報告書によれば、本剤の販売名は、適正使用の観点から、申請後に、本件商標権者が最初申請した名称から「マイティアルミファイ」に変更された旨の記載があることからも(甲54)、申立人等が販売している「LUMIFY」ありきの「マイティアLUMIFY(マイティアルミファイ)」であることは明白である。

それにもかかわらず、本件商標者は、申立人等の記載を一切せず、本件商標権者の名義のもと、「マイティアLUMIFY(マイティアルミファイ)」の販売を行っており、さらには、商品名の語源は「Luminous(光り輝く)」の文字から命名されたものであるとし、あたかも、本件商標権者が創作した商品名かのように記載している(甲55)が、「LUMIFY」の名称は、申立人等が、CENTER FOR DRUG EVALUATION AND RESEARC(アメリカ食品医薬品局(FDA)の医薬品評価センター)において承認された名称である(甲56)。

また、本件商標権者は本件商標を商品に使用しており、「マイティア」の文字を小さく記載し、「LUMIFY」の文字が目立つように記載をしており、さらに、「LUMIFY」の文字は、申立人等が販売している「LUMIFY」シリーズに使用されている書体と類似するゴシック体調の文字で書かれている(甲13~甲18、甲21、甲51~甲53)。数千以上ある書体の中から、あえて、申立人等が販売している「LUMIFY」シリーズに使用されている書体と類似する書体を使用していることからも、本件商標権者が、申立人等が販売している「LUMIFY」シリーズを彷彿させるような記載をしていることは明らかであり、これは非常に悪意のある行為であり、取引上の信義則に反する行為である。

なお、申立人等は本件商標権者に「LUMIFY」の使用許可等を一切出しておらず、また、前記のとおり、申立人等が提供する「LUMIFY」シリーズが、アメリカをはじめとする海外において、高い人気と知名度を誇っていることからも、「LUMIFY」に化体する業務上の信用、グッドウィルにフリーライドする行為であることは明白である。

このように、本件商標権者は申立人等の販売している「LUMIFY」シリーズの存在を知った上でなおかつ、その知名度にあやかって、「LUMIFY」の名称を使用しているのは明らかであり、さらに、後述するとおり、本件商標権者が、不正の利益を得る目的及び損害を加える目的で本件商標を本件指定商品・役務において出願したのは明白である。

3 本件商標「LUMIFY」と「LUMIFY」の関連性

前記のとおり、本件商標権者が、申立人等の販売している「LUMIFY」シリーズに化体する業務上の信用にフリーライドして、「LUMIFY」の名称を使用して点眼薬を販売しているのは客観的に明らかであるが、本件商標である「LUMIFY」の指定商品・役務は、第5類の商品「サプリメント」及び第35類の役務「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」である。

この点に関し、東京高等裁判所平成14年(行ケ)第555号審決取消請求事件の判決(平成15年5月22日言渡)において、健康食品あるいは栄養補助食品(サプリメント)と医薬品としてのビタミン剤あるいは滋養強壮変質剤とは、いずれも薬品店、ドラッグストア、薬局等において多数の種類のものが販売されていること、その商品の内容、用途が類似していること及び販売店舗ないし販売方法が類似していることから、一般の需要者にとってその区別が付きにくく、紛らわしい商品群になっていることが明らかであるとし、「加工食料品」に含まれる健康食品や栄養補助食品(サプリメント)と「薬剤」中のビタミン剤や滋養強壮変質剤とは、その商品の内容、用途、販売店舗及び販売方法が共通しており、商品として類似しているものである旨判示されている。このことを鑑みると、申立人等の販売している点眼薬と本件商標の指定商品である「サプリメント」は、いずれも薬品店、ドラッグストア、薬局等において多数の種類のものが販売されており、商品の内容、用途、販売店舗及び販売方法が共通する類似の商品であるといえる。また、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」には、健康食品や栄養補助食品(サプリメント)が含まれており、さらには、本件商標権者がサプリメント・機能性表示食品を販売している事実を踏まえると、本件商標権者は、本件商標を第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」中の「健康食品や栄養補助食品(サプリメント)」に専ら使用する蓋然性が極めて高いことは明らかであり、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と申立人等の販売している点眼薬と類似するといえる(甲57~甲59)。

したがって、本件商標権者は、申立人等の販売している点眼薬と類似する商品・役務に、申立人等の周知な商標である「LUMIFY」と同一の本件商標「LUMIFY」を出願しており、これは、「LUMIFY」に化体する信用や顧客吸引力に便乗し、不正の利益を得るとともに、申立人等に損害を与えることを目的とした出願であることは明白である。さらに、本件商標権者は、申立人等の販売している点眼薬と類似する商品・役務を指定しているだけでなく、あえて、類似群の異なる、第5類の商品「サプリメント」及び第35類の役務「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定しており、これは、特許庁が類似群コードを基に審査を行っている制度を逆手に取り、審査をすり抜けようとする意図があると考えざるを得ず、極めて悪意のある行為であると言わざるを得ない。

また、前記のとおり、申立人等の販売している点眼薬と健康食品や栄養補助食品(サプリメント)は、いずれも薬品店、ドラッグストア、薬局等で販売されているため、仮に申立人等が日本で「LUMIFY」の点眼薬を販売した際に、商品の内容、用途、販売店舗及び販売方法が共通することから、本願商標の使用は、申立人等の「LUMIFY」ブランドの希釈化を招き、申立人等の業務上の信用を毀損するものであると同時に、その信用を不当に利用するものである。本件商標権者は、「LUMIFY」に化体した申立人等の業務上の信用を不当に利用する意図のもと、本件商標を採択したものであることは明らかである。

さらに、前記のとおり、申立人等は40カ国以上の国において、「LUMIFY」について商標登録出願・登録をしている中、本件商標権者が、申立人等がいまだ出願・登録されていない日本にあえて出願をしたことは客観的に明らかであり、不正の利益を得る目的及び損害を加える目的で出願されたといえるものである。

なお、本件商標権者が日本において出願することについて、申立人等は一切知らされておらず、これは非常に悪意のある行為であり、取引上の信義則に反する目的のもとに出願されたものである。

したがって、本件商標は不正の目的をもって使用するものに該当する。

4 まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当することから、その登録は商標法第43条の3第2項の規定により取り消されるべきである。

第4 当審の判断

1 引用商標の周知性について

(1)申立人提出の証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。

ア 申立人等は、1971年に世界で初めてソフトコンタクトレンズを製品化し、その後、1980年代後半よりディスポーザブル(使い捨て)コンタクトレンズやソフトレンズ用コールド消毒ケア用品などを製造している。さらに、1990年代には、眼科用医薬品分野に参入し、白内障手術や屈折矯正手術関係の機器を扱うサージカル部門を設立した。そして、現在、世界100以上の国においてビジネスを展開している(甲6)。

イ 申立人の製造する「LUMIFY」の充血除去点眼薬は、眼充血の治療のために低用量のブリモニジン酒石酸塩0.025%を配合した世界初で唯一の市販点眼薬であり、Glamour誌の「The Best Beauty Innovators of 2022」をはじめ、12以上の賞を受賞した。また、申立人等のウェブサイトには、「医師が推奨するNo.1の赤み解消剤点眼液ブランドであり、医師の推奨の約90%を占めています。」の記載があり(甲20)、さらに、2020年に「BASES Top 25 Breakthrough Innovations」を受賞した旨の記載がある(甲22)。

ウ 申立人等は、アメリカ、カナダ、ギリシャ、UAE、ヨルダン、レバノン、サウジアラビア、韓国で「LUMIFY」の点眼薬を販売している。また、大手ECサイトにて「LUMIFY」ブランドの商品(具体的には、点眼薬、クレンジング、アイクリームやまつ毛及び眉毛美容液の商品をいう。)を販売している(甲23~甲27)。

ボシュロムの2024年の売上高は、約7兆1,644億6,140万円($4.791 Bilion)であるが、そのうち、「LUMIFY」ブランドの売上高は約2,840億6,900万円($190M)であり、ボシュロムが展開する製品ラインにおいて、売上高第9位を誇っている(甲8、甲30)。なお、ボシュロムの2023年の売上高は、約6兆2,003億4,300万円($4.146 Billion)であり、そのうち、「LUMIFY」ブランドの売上高は約2,482億5,300万円($166M)である(甲31及び甲32)。ボシュロムの2022年の売上高は、約5兆6,350億4,400万円($3.768 Billion)であり、そのうち、「LUMIFY」ブランドの売上高は約1,958憶9,740万円($131M)である(甲33)

エ InStyle、WHO WHAT WEAR等のウェブサイトにおいて、2018年から2023年にかけて、「LUMIFY」の文字を付した点眼液が紹介されている(甲34~甲39)。さらに、LUMIFYブリモニジン酒石酸点眼液0.025赤み緩和点眼薬が、「The National Association of Chain Drug Stores(全米チェーンドラッグストア協会)」から2018年トータル・ストア・エキスポのヘルスケア・一般用医薬品(OTC)部門で「Product Showcase Winner(製品ショーケース受賞者)」に選ばれた(甲42)。

また、yahoo!life(2023年9月13日付け)、Cosmoporitan(2022年11月14日付け)及びNew York Magazine(2021年10月26日付け)等のウェブサイト記事に、米国の著名人が「LUMIFY」の文字を使用した点眼液を使用していることが掲載されている(甲43~甲45)。

(2)上記(1)のとおり、申立人等は1971年に世界で初めてソフトコンタクトレンズを製品化し、その後、1980年代後半よりディスポーザブル(使い捨て)コンタクトレンズやソフトレンズ用コールド消毒ケア用品などを製造している。さらに、申立人等は、眼科用医薬品分野などに参入し、「LUMIFY」の文字を使用した点眼薬については、アメリカをはじめとする外国においても販売し、アメリカ国内では、医師が推奨する点眼薬の1位となるなど、申立人等の取り扱う商品の中で、「LUMIFY」ブランドの商品は一定程度の売上高があるものといえる。

しかしながら、申立人等の「LUMIFY」ブランドについては、同ブランドの売上実績(2022年~2024年)は、複数の商品が含まれているため、その各取扱商品の業界別の市場シェアが不明であり、また、申立人等による広告宣伝についても、広告費、広告の期間、方法、地域及びその規模などが不明であることから、「LUMIFY」ブランドの周知、著名性を確認できる証拠の提出は見いだせない。

そうすると、申立人の引用商標「LUMIFY」は、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、我が国及び外国の需要者の間において広く認識されていたとはいえない。

したがって、申立人が、外国において周知であるとする引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、我が国又は外国における需要者の間において広く認識されているものと認めることはできない。

2 商標法第4条第1項第19号該当性について

本件商標は、上記第1のとおり「LUMIFY」の文字からなり、また、引用商標は「LUMIFY」の欧文字からなるところ、両者は「ルミファイ」の称呼を同じくし、文字構成も同一といえるから、同一又は類似の商標であったとしても、上記1(2)のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国又は外国における需要者の間に広く認識されている商標とは認められないものである。

そして、申立人は、申立人の業務に係る商品は、いずれも薬品店、ドラッグストア、薬局等で販売されているため、仮に申立人の業務に係る商品を日本で販売した際に、本件商標を使用した商品と、商品の内容、用途、販売店舗及び販売方法が共通することから、本件商標の使用は、申立人等の「LUMIFY」ブランドの希釈化を招き、申立人等の業務上の信用を毀損するものであると同時に、その信用を不当に利用するものであり、本件商標権者は、「LUMIFY」に化体した申立人等の業務上の信用を不当に利用する意図のもと、本件商標を採択したものであることは明らかである旨主張する。

しかしながら、申立人提出の全証拠からは、本件商標権者が、本件商標をその指定商品及び指定役務に使用して不正の利益を得ている事実や申立人又は申立人等の事業グループに経済的損害を加えるなどの具体的な行為に及んでいる事実を把握することができない。

そうすると、本件商標は、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的など)でなされたものと認めることはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。

3 むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものではなく、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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