sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標の称呼と外観の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025900156
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
登録第6927865号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

理 由

第1 本件商標

本件登録第6927865号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「Apopee」(5文字目の「e」にアクサンテギュが付されている。以下同じ。)の欧文字を普通に用いられる方法で横書きしてなり、令和6年(2024年)9月23日に大韓民国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、同年11月18日に登録出願、第3類「芳香剤,化粧品,香水,身体用洗浄剤,精油,皮膚用化粧品,ローション状の化粧品,日焼け用クリーム,メイクアップ用化粧品,ボディーローション,ボディーバーム」を指定商品として、令和7年5月13日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。

第2 登録異議申立人が引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する国際登録第1248536号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおり、「APOGEE」(5文字目の「E」にアクサンテギュが付されている。以下同じ。)の欧文字を普通に用いられる方法で横書きしてなり、2014年(平成26年)8月8日にフランスにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して、2015年(平成27年)2月6日に国際商標登録出願、第3類に属する別掲3の商品を指定商品として、2016年(平成28年)12月9日に設定登録され、この商標権は、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由

本件商標は、第3類の「全指定商品」(以下「申立てに係る商品」という。)について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

以下、証拠の表記に当たっては、「甲第1号証」を「甲1」のように省略して記載する。

1 本件商標

本件商標は、別掲1のとおり、「Apopee」の欧文字からなるものであって、特許庁が参考情報として付した称呼は「アポピー」であり(甲第1号証)、これは造語であるから、何らの観念も有するものではない。

2 引用商標

引用商標は、別掲2のとおり、「APOGEE」の欧文字からなるものであって、特許庁が参考情報として付した称呼は「アポジー」「アポギー」「アポジェ」であり(甲第2号証)、これはフランス語において「頂上」等の意味を有する語であるが、我が国におけるフランス語の周知性を考慮に入れれば、指定商品の需要者において何らの観念も生ぜしめないとも考えられるものである。

3 本件商標と引用商標の類否について

(1) 外観について

本件商標と引用商標とは、いずれも6文字の欧文字で構成されており、本件商標は6文字全てが大文字であるのに対し、引用商標は1文字目のみが大文字で、ほかは小文字であることと(以下、「相違点1」という。)、本件商標の4文字目は「p」であるのに対し、引用商標の4文字目は「G」である(以下、「相違点2」という。)点が異なる。

このうち相違点1については、需要者において欧文字の大文字と小文字とを意識的に区別して認識することはなく、両者の相違点は極めて些末なものである。

また、相違点2については、「p」と「G」の文字はそれぞれ文字列の中間部に位置しており、当該相違はその余の文字列の中で埋没しているため、これも些末な相違である。

よって、両者の共通点を考慮に入れれば、本件商標と引用商標について、需要者が視覚を通じて認識する外観の全体的印象は互いに紛らわしいことは明白である。

(2) 称呼について

本件商標の称呼「アポピー」と、引用商標の称呼「アポジー」及び「アポギー」を比較すると、いずれも3音節からなる同音数の称呼であり、そのうち2音節を共通にする。

また、3音節目について、本件商標の「ピ」と、引用商標の「ジ」及び「ギ」は異なるが、これらの音は全て母音が「イ」で共通している。

そうすると、これは1音の相違であって、語尾に位置し、母音「イ」が共通しているから、商標審査基準に照らすと、「音質(母音、子音の質的きまりから生じる音の性質)に関する判断要素」のうち、「相違する音の母音を共通にしている」ものであって、「1音の相違にあって、その音が中間又は語尾に位置し、母音を共通にするとき」として、「全体的印象が近似して聴覚されることが多い」例に完全に合致している。

また、本件商標と引用商標の称呼のうち、聴覚上印象の強い部分は、「アポ」の部分であるから、「その他、称呼の全体的印象が近似すると認められる要素」のうち、「発音上、聴覚上印象の強い部分が共通する場合」にも該当する。

したがって、本件商標と引用商標の称呼は、両商標が称呼され、聴覚されるときに需要者に与える称呼の全体的印象が、互いに紛らわしく、類似する。

(3) 観念について

本件商標は造語であって観念は生じないから、引用商標からどのような観念が生じようとも両者の観念は類似しない。

(4) 小括

本件商標と引用商標とは、観念において類似しないとしても、称呼及び外観において類似する商標である。

4 指定商品の類否

本件商標の指定商品中、申立てに係る商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似である。

5 まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、申立てに係る商品について、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してなされたものである。

第4 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標

本件商標は、上記第1のとおり、「Apopee」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は一般的な辞書等に載録された成語ではなく、特定の意味合いを想起させる語として知られているというような事情も見いだせないものであることから、特定の観念を生じることのない造語として認識されるというのが相当である。

そして、造語からなる欧文字については、これを称呼する場合、我が国において親しまれている英語の読み又はローマ字の読みに倣って称呼するのが自然であることからすれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「アポピー」及び「アポペエ」の称呼を生じるものである。

また、本件商標の指定商品である「化粧品」等を取り扱う分野においては、英語のみならず、しばしばフランス語由来の商標が採択されることは一般に知られており、加えて、フランス語において、語尾の「e」は通常発音しないことからすれば、本件商標は、その構成文字に相応して、フランス語風に「アポペ」の称呼をも生じ得るといえるものである。

そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「アポピー」、「アポペエ」及び「アポペ」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。

(2)引用商標

引用商標は、上記第2のとおり、「APOGEE」の欧文字を横書きしてなるところ、上記(1)のとおり、引用商標の指定商品である「化粧品」等を取り扱う分野においては、英語のみならず、しばしばフランス語由来の商標が採択されることは一般に知られており、当該文字はフランス語で「絶頂」等(クラウン仏和辞典 第七版 三省堂)の意味合いを有する語であることから、フランス語を理解する取引者、需要者においては、「アポジェ」の称呼と、「絶頂」等の観念をも生じる場合があるというのが相当である。

そして、これを称呼する場合、我が国において親しまれている英語の読み又はローマ字の読みに倣って称呼することもあることからすれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「アポジェ」のほか、「アポジー」、「アポギー」及び「アポゲエ」の称呼をも生じるものである。

(3)本件商標と引用商標の類否

本件商標と引用商標とを比較するに、両者は、上記第1及び第2のとおりの構成からなるところ、外観においては、本件商標は全て大文字で表され、引用商標は1文字目のみが大文字で表され、ほかの文字は小文字で表されている。

また、4文字目について、本件商標の4文字目は「p」であるのに対し、引用商標の4文字目は「G」である。

そうすると、両商標は、全体として6文字であることと、語頭の「APO」「Apo」の3文字及び語尾「EE」「ee」(1つ目の「E」「e」にアクサンテギュが付されている。)の2文字を共通にするものの、4文字目の「p」及び「G」の文字が異なり、共に全体として6文字という短い文字構成においては、その差異が全体の印象に及ぼす影響が小さいとはいえず、それぞれ別異の語を表したものと理解できることから、これらは、外観上、区別できるものといえる。

また、本件商標から生じる「アポピー」、「アポペエ」及び「アポペ」の称呼と、引用商標から生じる「アポジェ」、「アポジー」、「アポギー」及び「アポゲエ」の称呼とでは、「アポ」の2音を共通にするものの、語尾が異なり、また、全体で3音又は4音という短い音構成においては、その差異の語調語感に与える影響が小さいとはいえないことから、両者は、明瞭に聴別し得るものである。

さらに、観念については、本件商標は特定の観念が生じないのに対し、引用商標は、フランス語を理解する取引者、需要者においては、「絶頂」等の観念を生じる場合があるといえることから、両商標は、観念上、相紛れるおそれはない。

そうすると、本件商標と引用商標とは、外観及び称呼において区別し得るものであって、観念において相紛れるおそれはないものであるから、外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(4)小括

本件商標と引用商標は、上記(3)のとおり、非類似の商標であるから、本件商標の指定商品が、引用商標の指定商品と同一又は類似のものを含むとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 むすび

以上のとおり、本件商標の指定商品についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。