理 由
1.手続の経緯
特許第7213008号の請求項1ないし43の特許に係る出願は、平成29年7月18日(パリ条約による優先権主張2016年7月15日(US)アメリカ合衆国、2017年6月25日(US)アメリカ合衆国)に特許出願され、令和5年1月18日にその特許権の設定登録がされ、令和5年1月26日に特許掲載公報が発行された。
その後、令和5年7月19日に特許異議申立人フォッケ メレール グルーイング,ソリューションズ,エセ.ア.(以下、「特許異議申立人」という。)により、請求項1ないし43に係る特許に対する特許異議の申し立てがされた。特許異議の手続の概要は、以下のとおりである。
令和5年12月 4日付け 取消理由通知
令和6年 3月 6日 特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
令和6年 4月 8日 特許権者による手続補正書の提出
令和6年 6月12日 特許異議申立人による意見書の提出
令和6年 8月30日付け 訂正拒絶理由通知
令和6年10月23日 特許権者による意見書及び手続補正書の提出
令和7年 3月31日付け 取消理由通知(以下、「決定の予告」という。)
令和7年 7月 3日 特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
令和7年 9月18日 特許異議申立人による意見書の提出
なお、令和6年3月6日に特許権者がした訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。
2.訂正の適否についての判断(1)令和7年7月3日の訂正請求書による訂正の内容
ア 一群の請求項1~16、29~34に係る訂正の内容
一群の請求項1~16及び29~34に係る訂正は、次のとおりのものである。
(ア)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、加熱した液体ホットメルト接着剤を移送する金属製内部チューブであって、酸素が前記 金属製内部チューブを通過して前記加熱した液体ホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成する前記金属製内部チューブと、流体圧力に耐えるように構成された少なくとも1つの構造層と、前記少なくとも1つの構造層の外面を覆う外被と、前記加熱した液体ホットメルト接着剤を設定値に維持するヒーターであって、前記設定値を長時間に亘って約230°C(華氏約450度)以下に維持するように制御される電源に電気的に接続されるようになっているヒーターと、を備える、ホース。」と記載されているのを、「ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、加熱した液体ホットメルト接着剤を移送する
可撓性
金属製内部チューブ
(702)
であって、酸素が前記
可撓性
金属製内部チューブを通過して前記加熱した液体ホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成
し、前記加熱した液体ホットメルト接着剤が流れる前記ホース(700)の作動コアを形成し、複数の継ぎ目のないコルゲート部を有
する前記
可撓性
金属製内部チューブと、流体圧力に耐えるように構成された少なくとも1つの構造層と、前記少なくとも1つの構造層の外面を覆う外被
であって、前記少なくとも1つの構造層の前記外面を覆い、直接接触する多層構造物を有する外被
と、前記加熱した液体ホットメルト接着剤を設定値に維持するヒーターであって、前記設定値を長時間に亘って約230°C(華氏約450度)以下に維持するように制御される電源に電気的に接続されるようになっているヒーターと、を備え
、前記ホースは、一体的に形成されてい
る、ホース。」に訂正する。請求項1の記載を引用する請求項2ないし請求項16及び請求項29ないし請求項34も同様に訂正する。
(イ)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を削除する。
(ウ)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3を削除する。
(エ)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4を削除する。
(オ)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5を削除する。
(カ)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6を削除する。
(キ)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項7を削除する。
(ク)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項8を削除する。
(ケ)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項11を削除する。
(コ)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項12を削除する。
(サ)訂正事項11
特許請求の範囲の請求項13を削除する。
(シ)訂正事項12
特許請求の範囲の請求項30を削除する。
(ス)訂正事項13
特許請求の範囲の請求項31を削除する。
(セ)訂正事項14
特許請求の範囲の請求項32を削除する。
イ 一群の請求項17~25、請求項35~37に係る訂正の内容
一群の請求項17~25及び請求項35~37に係る訂正は、次のとおりのものである。
(ア)訂正事項15
特許請求の範囲の請求項17に「ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、1又は2以上の層が、溶融したホットメルト接着剤を移送する前記ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える酸素バリア層であり、前記ホットメルト接着剤移送用多層ホースは、金属製内部チューブと、流体圧力に耐えるように構成された構造層と、前記構造層の外面を覆う外被と、を備える、ホース。」と記載されているのを、「ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、1又は2以上の層が、溶融したホットメルト接着剤を移送する前記ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える酸素バリア層であり、前記ホットメルト接着剤移送用多層ホースは、
可撓性
金属製内部チューブ
(702)であって、酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、前記溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホース(700)の作動コアを形成し、複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有する前記可撓性金属製内部チューブ
と、流体圧力に耐えるように構成された構造層と、前記構造層の外面を覆う外被と、を備え
、前記可撓性金属製内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、前記構造層は、前記可撓性金属製内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有し、前記ホースは、一体的に形成されてい
る、ホース。」に訂正する(請求項17の記載を引用する請求項18~25及び35~37も同様に訂正する。)。
(イ)訂正事項16
特許請求の範囲の請求項18を削除する。
(ウ)訂正事項17
特許請求の範囲の請求項19を削除する。
(エ)訂正事項18
特許請求の範囲の請求項20を削除する。
(オ)訂正事項19
特許請求の範囲の請求項21を削除する。
(カ)訂正事項20
特許請求の範囲の請求項22を削除する。
(キ)訂正事項21
特許請求の範囲の請求項24を削除する。
(ク)訂正事項22
特許請求の範囲の請求項35を削除する。
ウ 一群の請求項26~27、請求項38~40に係る訂正の内容
一群の請求項26~27及び請求項38~40に係る訂正は、次のとおりのものである。
(ア)訂正事項23
特許請求の範囲の請求項26に「ホットメルト接着剤を吐出する方法であって、ホットメルト接着剤を溶融することと、前記溶融したホットメルト接着剤を、ホースを通してディスペンサーに移送することと、前記ホース内の前記溶融したホットメルト接着剤を約230°C(華氏約450度)以下の設定値で加熱することと、金属製内部チューブを含むバリア層によって前記ホース内の前記接着剤中への酸素の移動を防止することと、前記ホットメルト接着剤を基材上に吐出することと、を含み、前記ホースは、前記金属製内部チューブと、流体圧力に耐えるように構成された構造層と、前記構造層の外面を覆う外被と、を備える、方法。」と記載されているのを、「ホットメルト接着剤を吐出する方法であって、ホットメルト接着剤を溶融することと、前記溶融したホットメルト接着剤を、ホースを通してディスペンサーに移送することと、前記ホース内の前記溶融したホットメルト接着剤を約230°C(華氏約450度)以下の設定値で加熱することと、金属製内部チューブを含むバリア層によって前記ホース内の前記接着剤中への酸素の移動を防止することと、前記ホットメルト接着剤を基材上に吐出することと、を含み、前記ホースは、
請求項1又は請求項17に記載のホースである
、方法。」に訂正する。請求項26の記載を引用する請求項27、請求項38ないし請求項40も同様に訂正する。
(イ)訂正事項24
特許請求の範囲の請求項38を削除する。
エ 一群の請求項28、請求項41~43に係る訂正の内容
一群の請求項28及び請求項41~43に係る訂正は、次のとおりのものである。
(ア)訂正事項25
特許請求の範囲の請求項28に「ホットメルト接着剤を移送する方法であって、ホットメルト接着剤を、約230°C(華氏約450度)の設定値以下の温度で移送用多層ホース内の可撓性金属チューブを通して移送することを含み、前記可撓性金属チューブは、前記ホットメルト接着剤中への酸素の侵入を防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、前記移送用多層ホースは、前記可撓性金属チューブと、流体圧力に耐えるように構成された構造層と、前記構造層の外面を覆う外被と、を備える、方法。」と記載されているのを、「ホットメルト接着剤を移送する方法であって、ホットメルト接着剤を、約230°C(華氏約450度)の設定値以下の温度で移送用多層ホース内の可撓性金属チューブを通して移送することを含み、前記可撓性金属チューブは、前記ホットメルト接着剤中への酸素の侵入を防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、前記移送用多層ホースは、
溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホース(700)の作動コアを形成する
前記可撓性金属チューブ
(702)
と、流体圧力に耐えるように構成された構造層と、前記構造層の外面を覆う外被と、を備え
、前記可撓性金属チューブは、複数の継ぎ目のないコルゲート部を有し、前記ホースは、加熱線で構成されたヒータを有し、前記加熱線は、前記可撓性金属チューブ又は前記構造層の外面の周囲に周方向に巻かれており、前記ホースは、一体的に形成されてい
る、方法。」に訂正する(請求項28の記載を引用する請求項41ないし43も同様に訂正する。)。
(イ)訂正事項26
特許請求の範囲の請求項41を削除する。
(ウ)訂正事項27
特許請求の範囲の請求項42を削除する。
(エ)訂正事項28
特許請求の範囲の請求項43を削除する。
(2)一群の請求項、訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア 一群の請求項1~16、請求項29~34に係る訂正について
(ア)一群の請求項
訂正前の請求項1ないし請求項16及び請求項29ないし請求項34について、請求項2ないし請求項16及び請求項29ないし請求項34は、いずれも請求項1を直接又は間接的に引用した請求項であって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、請求項1ないし請求項16及び請求項29ないし請求項34は、一群の請求項である。
したがって、訂正事項1ないし訂正事項14に係る訂正は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項に対してなされたものである。
(イ)訂正事項1
あ 訂正の目的
訂正事項1は、訂正前の請求項1の「金属製内部チューブ」について、「可撓性金属製内部チューブ」、「可撓性金属製内部チューブ(702)」のように金属の性質に係る限定を付加するとともに、「前記加熱した液体ホットメルト接着剤が流れる前記ホース(700)の作動コアを形成し、複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」するという、チューブの構造に係る限定を付加するものである。また、訂正事項1は、「少なくとも1つの構造層を覆う外被」について、「前記少なくとも1つの構造層の前記外面を覆い、直接接触する多層構造物を有する」という、外被の構造及び少なくとも1つの構造層との関連構成に係る限定を付加するものである。さらに、訂正事項1は、訂正前の請求項1の「ホース」について、「一体的に形成されている」という、ホースの構造に係る限定を付加するものである。
そうすると、訂正事項1は、「金属製内部チューブ」、「少なくとも1つの構造層を覆う外被」及び「ホース」に係る事項を減縮するものといえる。
したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
い 新規事項の有無
訂正事項1により訂正される事項のうち、「可撓性金属製内部チューブ」、「可撓性金属製内部チューブ(702)」及び「前記加熱した液体ホットメルト接着剤が流れる前記ホース(700)の作動コアを形成し、複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」することに係る事項は、願書に添付した明細書の段落【0051】ないし【0053】に記載されている事項である。同様に、「前記少なくとも1つの構造層の前記外面を覆い、直接接触する多層構造物を有する」ことに係る事項は、願書に添付した明細書の段落【0056】及び【0057】に記載されている事項であり、「前記ホースは、一体的に形成されている」ことに係る事項は、訂正前の請求項30に記載されている事項である。
そうすると、訂正事項1による訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。
う 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1は、訂正前の請求項1の「金属製内部チューブ」、「少なくとも1つの構造層を覆う外被」及び「ホース」について、「あ」で述べたとおりの限定を直列的に付加するものである。そうすると、訂正事項1による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。
(ウ)訂正事項2ないし訂正事項14
あ 訂正の目的
訂正事項2ないし訂正事項14は、それぞれ、訂正前の請求項2ないし請求項8、請求項11ないし請求項13及び請求項30ないし請求項32を削除するものである。
したがって、訂正事項2ないし訂正事項14は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
い 新規事項の有無
訂正事項2ないし訂正事項14は、それぞれ訂正前の請求項2ないし請求項8、請求項11ないし請求項13及び請求項30ないし請求項32を削除するものである。
したがって、訂正事項2ないし訂正事項14は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。
う 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項2ないし訂正事項14は、訂正前の請求項2ないし請求項8、請求項11ないし請求項13及び請求項30ないし請求項32を削除するものである。
したがって、訂正事項2ないし訂正事項14は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当するものでなく、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。
イ 一群の請求項17~25、請求項35~37に係る訂正について
(ア)一群の請求項
訂正前の請求項17ないし請求項25及び請求項35ないし請求項37について、請求項18ないし請求項25及び請求項35ないし請求項37は、いずれも請求項17を直接又は間接的に引用した請求項であって、訂正事項15によって記載が訂正される請求項17に連動して訂正されるものであるから、請求項17ないし請求項25及び請求項35ないし請求項37は、一群の請求項である。
したがって、訂正事項15ないし訂正事項22に係る訂正は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項に対してなされたものである。
(イ)訂正事項15
あ 訂正の目的
訂正事項15は、訂正前の請求項17の「金属製内部チューブ」について、「可撓性金属製内部チューブ(702)であって、酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、前記溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホース(700)の作動コアを形成し、複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有する前記可撓性金属製内部チューブ」及び「前記可撓性金属製内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、前記構造層は、前記可撓性金属製内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有し、前記ホースは、一体的に形成されてい」るという、金属の性質及び内部チューブの構成に係る限定を付加するものである。
そうすると、訂正事項15は、「金属製内部チューブ」に係る事項を減縮するものといえる。
したがって、訂正事項15は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
い 新規事項の有無
訂正事項15により訂正される事項である「可撓性金属製内部チューブ(702)であって、酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、前記溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホース(700)の作動コアを形成し、複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有する前記可撓性金属製内部チューブ」に係る事項は、願書に添付した明細書の段落【0051】ないし【0053】、【図13A】及び【図14A】に記載又は図示されている事項である。同様に、「前記可撓性金属製内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、前記構造層は、前記可撓性金属製内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有し、前記ホースは、一体的に形成されてい」ることに係る事項は、訂正前の請求項18及び請求項30に記載されている事項である。
そうすると、訂正事項15による訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。
う 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項15は、訂正前の請求項17の「金属製内部チューブ」について、「あ」で述べたとおりの限定を直列的に付加するものである。そうすると、訂正事項15による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。
(ウ)訂正事項16ないし訂正事項22
あ 訂正の目的
訂正事項16ないし訂正事項22は、それぞれ、訂正前の請求項18ないし請求項22、請求項24、及び請求項35を削除するものである。
したがって、訂正事項16ないし訂正事項22は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
い 新規事項の有無
訂正事項16ないし訂正事項22は、それぞれ訂正前の請求項18ないし請求項22、請求項24、及び請求項35を削除するものである。
したがって、訂正事項16ないし訂正事項22は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。
う 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項16ないし訂正事項22は、訂正前の請求項18ないし請求項22、請求項24、及び請求項35を削除するものである。
したがって、訂正事項16ないし訂正事項22は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当するものでなく、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。
ウ 一群の請求項26~27、請求項38~40に係る訂正について
(ア)一群の請求項
訂正前の請求項26、請求項27及び請求項38ないし請求項40について、請求項27及び請求項38ないし請求項40は、いずれも請求項26を直接又は間接的に引用した請求項であって、訂正事項23によって記載が訂正される請求項26に連動して訂正されるものであるから、請求項26、請求項27及び請求項38ないし請求項40は、一群の請求項である。
したがって、訂正事項23及び訂正事項24に係る訂正は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項に対してなされたものである。
(イ)訂正事項23
あ 訂正の目的
訂正事項23は、訂正前の請求項26の「前記ホース」について、訂正前の請求項26の「前記金属製内部チューブと、流体圧力に耐えるように構成された構造層と、前記構造層の外面を覆う外被と、を備える、」とされているものを、「請求項1又は請求項17に記載のホースである」と訂正するものである。
そして、「請求項1に記載のホース」に係る訂正後の請求項1に記載された「ホース」は、訂正前の請求項26に記載される「前記金属製内部チューブと、流体圧力に耐えるように構成された構造層と、前記構造層の外面を覆う外被」を備えるホースより限定された構成を備えたホースである。
同様に、「請求項17に記載のホース」に係る訂正後の請求項17に記載された「ホース」も、訂正前の請求項26に記載される「前記金属製内部チューブと、流体圧力に耐えるように構成された構造層と、前記構造層の外面を覆う外被」を備えるホースより限定された構成を備えたホースである。
したがって、訂正事項23は、訂正前の請求項26に記載される「前記ホースは、前記金属製内部チューブと、流体圧力に耐えるように構成された構造層と、前記構造層の外面を覆う外被と、を備える、」に係る事項を減縮するものといえるから、訂正事項23は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
い 新規事項の有無
訂正事項23により訂正される事項は、訂正後の請求項1に記載されている事項であるか、訂正後の請求項17に記載されている事項である。
そして、訂正後の請求項1に係る訂正事項1は、上記「ア(イ)い」に説示したとおり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載された事項の範囲内のものである。
同様に、訂正後の請求項17に係る訂正事項15は、上記「イ(イ)い」に説示したとおり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載された事項の範囲内のものである。
そうすると、訂正事項23は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。
う 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項23は、訂正前の請求項26の「前記ホース」について、「前記金属製内部チューブと、流体圧力に耐えるように構成された構造層と、前記構造層の外面を覆う外被と、を備える、」ものを、訂正後の請求項1により特定されるホース、又は訂正後の請求項17により特定されるホースに係る限定とするものであって、訂正後の請求項1又は訂正後の請求項17は、「金属製内部チューブ」、「流体圧力に耐えるように構成された構造層」及び「構造層の外面を覆う外被」を更に限定するものであるから、訂正事項23による訂正後の請求項26は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当するものでなく、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。
(ウ)訂正事項24
あ 訂正の目的
訂正事項24は、訂正前の請求項38を削除するものである。
したがって、訂正事項24は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
い 新規事項の有無
訂正事項24は、訂正前の請求項38を削除するものである。
したがって、訂正事項24は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。
う 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項24は、訂正前の請求項38を削除するものである。
したがって、訂正事項24は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当するものでなく、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。
エ 一群の請求項28、請求項41~43に係る訂正について
(ア)一群の請求項
訂正前の請求項28及び請求項41ないし請求項43について、請求項41ないし請求項43は、いずれも請求項28を直接又は間接的に引用した請求項であって、訂正事項25によって記載が訂正される請求項28に連動して訂正されるものであるから、請求項28及び請求項41ないし請求項43は、一群の請求項である。
したがって、訂正事項25ないし訂正事項28に係る訂正は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項に対してなされたものである。
(イ)訂正事項25
あ 訂正の目的
訂正事項25は、訂正前の請求項28の「移送用多層ホース」について、「前記ホースは、加熱線で構成されたヒータを有し、前記加熱線は、前記可撓性金属チューブ又は前記構造層の外面の周囲に周方向に巻かれて」いること、及び「前記ホースは、一体的に形成されてい」ること、という移送用多層ホースの構成及び構造に係る限定を付加し、同様に「可撓性金属チューブ」について、「溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホース(700)の作動コアを形成する前記可撓性金属チューブ(702)」及び
「前記可撓性金属チューブは、複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」するという可撓性金属チューブの機能及び構造に係る限定を付加するものである。
そうすると、訂正事項25は、「移送用多層ホース」及び「可撓性金属チューブ」に係る事項を減縮するものといえる。
したがって、訂正事項25は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
い 新規事項の有無
訂正事項25により訂正される事項である「溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホース(700)の作動コアを形成する前記可撓性金属チューブ(702)」に係る事項、及び「前記可撓性金属チューブは、複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」することに係る事項は、それぞれ、願書に添付した明細書の段落【0053】及び段落【0013】に記載されている事項である。同様に、「前記ホースは、加熱線で構成されたヒータを有し、前記加熱線は、前記可撓性金属チューブ又は前記構造層の外面の周囲に周方向に巻かれており、前記ホースは、一体的に形成されてい」ることに係る事項は、訂正前の請求項30、請求項42及び請求項43に記載されている事項である。
そうすると、訂正事項25による訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。
う 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項25は、訂正前の請求項28の「移送用多層ホース」及び「可撓性金属チューブ」について、「あ」で述べたとおりの限定を直列的に付加するものである。そうすると、訂正事項25による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。
(ウ)訂正事項26ないし訂正事項28
あ 訂正の目的
訂正事項26ないし訂正事項28は、それぞれ、訂正前の請求項41ないし請求項43を削除するものである。
したがって、訂正事項26ないし訂正事項28は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
い 新規事項の有無
訂正事項26ないし訂正事項28は、それぞれ訂正前の請求項41ないし請求項43を削除するものである。
したがって、訂正事項26ないし訂正事項28は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。
う 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項26ないし訂正事項28は、訂正前の請求項41ないし請求項43を削除するものである。
したがって、訂正事項26ないし訂正事項28は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当するものでなく、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。
オ 小括
以上のとおり、訂正事項1ないし訂正事項28は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第9項において準用する同法第126条第5項ないし第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔1ないし16、29ないし34〕、〔17ないし25、35ないし37〕、〔26ないし27、38ないし40〕、〔28、41ないし43〕についての訂正を認める。
3.本件発明
上記のとおり、訂正後の請求項〔1ないし16、29ないし34〕、〔17ないし25、35ないし37〕、〔26ないし27、38ないし40〕、〔28、41ないし43〕についての訂正が認められたことから、本件特許の請求項1ないし43に係る発明(以下、「本件発明1」ないし「本件発明43」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1ないし請求項43に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】
ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
加熱した液体ホットメルト接着剤を移送する可撓性金属製内部チューブ(702)であって、酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記加熱した液体ホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、前記加熱した液体ホットメルト接着剤が流れる前記ホース(700)の作動コアを形成し、複数の継ぎ目のないコルゲート部を有する前記可撓性金属製内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された少なくとも1つの構造層と、
前記少なくとも1つの構造層の外面を覆う外被であって、前記少なくとも1つの構造層の前記外面を覆い、直接接触する多層構造物を有する外被と、
前記加熱した液体ホットメルト接着剤を設定値に維持するヒーターであって、前記設定値を長時間に亘って約230°C(華氏約450度)以下に維持するように制御される電源に電気的に接続されるようになっているヒーターと、
を備え、
前記ホースは、一体的に形成されている、ホース。
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
(削除)
【請求項4】
(削除)
【請求項5】
(削除)
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
(削除)
【請求項8】
(削除)
【請求項9】
前記少なくとも1つの構造層は、編組ジャケットを含む、請求項1に記載のホース。
【請求項10】
前記少なくとも1つの構造層は、重なり合う2つの編組ジャケットを含む、請求項9に記載のホース。
【請求項11】
(削除)
【請求項12】
(削除)
【請求項13】
(削除)
【請求項14】
ホットメルト接着剤を溶融吐出する装置であって、
固体形態の前記ホットメルト接着剤を受け入れるチャンバーと、
前記チャンバーに接続されるとともに前記ホットメルト接着剤を受け取るように構成された、前記固体形態の前記ホットメルト接着剤を液化する加熱装置と、
前記加熱装置に流体接続される、請求項1に記載のホットメルト接着剤移送用多層ホースと、
を備える、装置。
【請求項15】
ホットメルト接着剤を基材上に吐出するディスペンサーと、
液体ホットメルト接着剤の供給源と前記ディスペンサーとに作動的に接続される、請求項1のホースと、
を備える、ホットメルトシステム。
【請求項16】
前記液体ホットメルト接着剤の供給源は、メルターである、請求項15に記載のホットメルトシステム。
【請求項17】
ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、1又は2以上の層が、溶融したホットメルト接着剤を移送する前記ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える酸素バリア層であり、
前記ホットメルト接着剤移送用多層ホースは、
可撓性金属製内部チューブ(702)であって、酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、前記溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホース(700)の作動コアを形成し、複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有する前記可撓性金属製内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
前記構造層の外面を覆う外被と、
を備え、
前記可撓性金属製内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記可撓性金属製内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有し、
前記ホースは、一体的に形成されている、ホース。
【請求項18】
(削除)
【請求項19】
(削除)
【請求項20】
(削除)
【請求項21】
(削除)
【請求項22】
(削除)
【請求項23】
前記酸素バリア層は、アルミニウムを含む金属性の層を含む、請求項17に記載のホース。
【請求項24】
(削除)
【請求項25】
ホットメルト接着剤を溶融吐出する装置であって、
固体形態の前記ホットメルト接着剤を受け入れるチャンバーと、
前記チャンバーに接続されるとともに前記ホットメルト接着剤を受け取るように構成された、前記固体形態の前記ホットメルト接着剤を液化する加熱装置と、
前記加熱装置に流体接続される、請求項17に記載のホットメルト接着剤移送用多層ホースと、
を備える、装置。
【請求項26】
ホットメルト接着剤を吐出する方法であって、
ホットメルト接着剤を溶融することと、
前記溶融したホットメルト接着剤を、ホースを通してディスペンサーに移送することと、
前記ホース内の前記溶融したホットメルト接着剤を約230°C(華氏約450度)以下の設定値で加熱することと、
金属製内部チューブを含むバリア層によって前記ホース内の前記接着剤中への酸素の移動を防止することと、
前記ホットメルト接着剤を基材上に吐出することと、
を含み、
前記ホースは、請求項1又は17に記載のホースである、方法。
【請求項27】
前記設定値は、約180°C(華氏約350度)以下である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
ホットメルト接着剤を移送する方法であって、
ホットメルト接着剤を、約230°C(華氏約450度)の設定値以下の温度で移送用多層ホース内の可撓性金属チューブを通して移送することを含み、
前記可撓性金属チューブは、前記ホットメルト接着剤中への酸素の侵入を防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、
前記移送用多層ホースは、
溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホース(700)の作動コアを形成する前記可撓性金属チューブ(702)と、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
前記構造層の外面を覆う外被と、
を備え、
前記可撓性金属チューブは、複数の継ぎ目のないコルゲート部を有し、
前記ホースは、加熱線で構成されたヒーターを有し、
前記加熱線は、前記可撓性金属チューブ又は前記構造層の外面の周囲に周方向に巻かれており、
前記ホースは、一体的に形成されている、方法。
【請求項29】
不透過性バリア層は、酸素が前記金属製内部チューブを通過して前記加熱した液体ホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された金属を含む、請求項1に記載のホース。
【請求項30】
(削除)
【請求項31】
(削除)
【請求項32】
(削除)
【請求項33】
前記ヒーターは、加熱線を有する、請求項1に記載のホース。
【請求項34】
前記加熱線は、前記金属製内部チューブ又は前記構造層の外面の周囲に周方向に巻かれている、請求項33に記載のホース。
【請求項35】
(削除)
【請求項36】
加熱線で構成されたヒーターを備える、請求項17に記載のホース。
【請求項37】
前記加熱線は、前記金属製内部チューブ又は前記構造層の外面の周囲に周方向に巻かれている、請求項36に記載のホース。
【請求項38】
(削除)
【請求項39】
前記ホースは、加熱線で構成されたヒーターを有する、請求項26に記載の方法。
【請求項40】
前記加熱線は、前記金属製内部チューブ又は前記構造層の外面の周囲に周方向に巻かれている、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
(削除)
【請求項42】
(削除)
【請求項43】
(削除)」
4.決定の予告の概要
決定の予告の概要は以下のとおりである。
取消理由1 (新規性)本件特許の請求項17、18、22、23、36及び37に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
取消理由2 (進歩性)本件特許の請求項17ないし23、25ないし28、35ないし37、及び39ないし43に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
取消理由3 (サポート要件)本件特許は、特許請求の範囲の請求項24の記載が特許法第36条第6項第1号の規定に違反し、特許法第36条に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
取消理由4 (明確性)本件特許は、特許請求の範囲の請求項19及び請求項20の記載が特許法第36条第6項第2号の規定に違反し、特許法第36条に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
取消理由5 (実施可能要件)本件特許は、発明の詳細な説明の記載が請求項20に係る発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものではなく、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
証拠:
甲第1号証:UNITHERMカタログ
甲第2号証:WINKLERカタログ
甲第4号証:国際公開第96/11356号
甲第5号証:特開2001-246307号公報
甲第6号証:米国特許第4455474号明細書
甲第7号証:isopodカタログ
甲第11号証:欧州特許第2054785号公報
甲第12号証:特表2015-518553号公報
5.甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証ないし甲第7号証、甲第11号証及び甲第12号証について
甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証ないし甲第7号証、甲第11号証及び甲第12号証の記載は、それぞれ以下のとおりである。
(1)甲第1号証
甲第1号証の記載事項、図示事項及び認定事項は、次のとおりである。
ア 表面の2行には、「HEATED HOSE PRODUCTS(当審訳:加熱ホース)」との記載事項がある。
イ 1ページ左欄の「Description-」欄の3ないし7行には、
「Model 450 & 460 feature helical convoluted stainless steel core electrically heated for operations to 625mar ゚F(329 °C). All models feature good flexibility
(異議申立人訳:モデル450&460は、動作のために625 ゚F(329°C)に電気的に加熱される、らせん状のステンレス製のコンボリューテッドコアを特徴とする。すべてのモデルが良好な可撓性を特徴とし)」との記載事項がある。
ウ 1ページ右欄上には、次の図示事項がある。
「
57
97
0001432014000001.jpg
」
ここで、「THERMAL INSLATION」は「断熱層」であり、「HEATER ELEMENT」は「加熱要素」であり、「ABRASION RESISTTANT JACKET」は「耐摩耗ジャケット」であり、「STAINLESS STEEL BRAID」は「ステンレス鋼編組」であり、「CONVOLUTED CORE」は「コンボリューテッドコア」であり、「NON CONDUCTIVEBEDDINGLAYER」は「非導電性基礎層」である(いずれも特許異議申立人訳)。
エ 1ページ右欄の「Typical Application」欄には、「Application Product Transfer(特許異議申立人訳:用途 製品移送)」及び「Type of use Hot Melt Adhesive(特許異議申立人訳:使用の種類 ホットメルト接着剤)」との記載事項がある。
オ 1ページ最下行には、「Copyright 2003 CableUSA Inc. All rights reserved」との記載事項がある。
カ 上記ア及びエの記載事項から、甲第1号証は、「ホットメルト接着剤移送用ホース」といえる。
キ 上記ウの図示事項、イ及びエの記載事項、並びに溶融したホットメルト接着剤の状態でホットメルト接着剤が移送されるとの技術常識を踏まえると、コンボリューテッドコアは、「溶融したホットメルト接着剤を移送する」、「ステンレス製」の「コンボリューテッドコア」といえる。
ク 上記ウの図示事項、イ及びエの記載事項、並びにキの認定事項を踏まえると、コンボリューテッドコアは、第1の内面及び第1の外面を備えるといえる。
ケ 上記ウの図示事項から、ステンレス鋼編組は、コンボリューテッドコアの第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を備えるといえる。
コ 上記ウの図示事項から、非導電性基礎層は、ステンレス鋼編組の第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を備えるといえる。
サ 上記オの記載事項から、甲第1号証は、2003年に発行されたものと認められる。
アないしエ及びカないしコの記載事項、図示事項及び認定事項からみて、甲第1号証には、以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。
[甲1発明]
「 ホットメルト接着剤移送用ホースであって、
ステンレス製のコンボリューテッドコアと、
ステンレス鋼編組と、
前記ステンレス鋼編組の第2の外面を覆う非導電性基礎層と、
を備え、
前記ステンレス製のコンボリューテッドコアは、溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記ステンレス鋼編組は、前記ステンレス製のコンボリューテッドコアの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記非導電性基礎層は、前記ステンレス鋼編組の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有する、ホットメルト接着剤移送用ホース。」
(2)甲第2号証
甲第2号証の記載事項、図示事項及び認定事項は、次のとおりである。
ア 1ページ下から3行には、「2010-03」との記載事項がある。
イ 8ページ1行には、「Tmax=250°C」との記載事項がある。
ウ 8ページ2及び3行には、「Applications
Heated horses for the temperature maintenance and transport of adhesives.
(当審訳:用途
接着剤の温度維持及び移送のための加熱ホース。)」との記載事項がある。
エ 8ページには、次の図示事項がある。
「
49
95
0001432014000002.jpg
」
ここで、「Heating with PTFE insulated heating cable(Tmax<250°C) with protective braiding」は「保護編組を備えたPTFE断熱加熱ケーブル(Tmax<250°C)での加熱部」であり、「Inner hose PTFE hose covered with stainless steel braiding」は「内部チューブ ステンレス鋼編組で覆われたPTFEホース」であり、「Flexible insulation structure with glass-silk braiding(Tmax>250°C) and silicone foam hose」は「ガラス繊維編組(Tmax>250°C)とシリコンホースを備えた柔軟な断熱構造」であり、「Outer jacket made of polyamide braiding」は「ポリアミド編組で作られた外部ジャケット」である(いずれも当審訳。))
オ 9ページ下から2つめの表には、表題に「Maximum Operating Temperature and power(当審訳:最大動作温度と出力)」との記載があり、表の最も左の欄には「Tmax」として、「100°C」、「200°C」、「250°C」との記載事項がある。
カ 10ページ3及び4行には、「Heated hoses for the transport of liquid and viscous pharmaceutical substance or foodstuff while maintaining the desired temperature.(特許異議申立人訳:所望の温度を維持しながら、液体及び粘性の医薬物質又は食料を移送するための加熱ホース。)」との記載がある。
キ 10ページには次の図示事項がある。
「
52
101
0001432014000003.jpg
」
ここで「Inner hose PTFE corrugated hose with corrugated stainless steel hose and stainless steel braiding」は、「内部ホース PTFEコルゲートチューブ、ステンレス製コルゲートチューブ及びステンレス鋼編組」である(特許異議申立人訳)。
ク 上記アの記載事項から、甲第2号証は、2010年3月に発行されたものと認められる。
ケ 上記イ、ウ及びオの記載事項並びにエの図示事項から、甲第2号証は、PTFE断熱加熱ケーブルは加熱部によって250度以下に維持する、接着剤移送用多層加熱ホースを開示するものであり、内部ホースは接着剤を移送するPTFE内部ホースと認められる。
コ 上記エの記載事項及び図示事項から、甲第2号証のPTFE内部ホースは、第1の内面及び第1の外面を備えるPTFE内部ホースと認められる。
サ 上記エの記載事項及び図示事項から、甲第2号証のステンレス鋼編組は、PTFE内部ホースの第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を備えるステンレス鋼編組と認められる。
シ 上記エの記載事項及び図示事項から、甲第2号証の外部ジャケットは、ステンレス鋼編組の第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を備える外部ジャケットと認められる。
ス 上記エの記載事項及び図示事項から、甲第2号証のPTFE断熱加熱ケーブルでの加熱部は、ステンレス鋼編組で覆われたPTFEホースの外面の周囲に周方向に巻かれていると認められる。
イないしオ及びケないしスの記載事項、図示事項及び認定事項からみて、甲第2号証には、次の2つの発明(以下、「甲2発明1」及び「甲2発明2」という。)が記載されている。
[甲2発明1]
「接着剤移送用多層加熱ホースであって、
接着剤を移送するPTFE内部ホースと、
ステンレス鋼編組と、
前記ステンレス鋼編組の第2の外面を覆う外部ジャケットと、
PTFE内部ホースを250°C以下に維持する加熱部と、
を備え、
前記PTFE内部ホースは、接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記ステンレス鋼編組は、前記PTFE内部ホースの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外部ジャケットは、前記ステンレス鋼編組の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有する、加熱ホース。」
[甲2発明2]
「接着剤移送用多層加熱ホースであって、
接着剤を移送するPTFE内部ホースと、
ステンレス鋼編組と、
前記ステンレス鋼編組の第2の外面を覆う外部ジャケットと、
を備え、
PTFE内部ホースを250°C以下に維持する加熱部が、ステンレス鋼編組で覆われたPTFE内部ホースの外面の周囲に周方向に巻かれている、加熱ホース。」
(3)甲第4号証
甲第4号証には、「交換可能なコアを備えたホットメルト可撓性ホース」について、次の記載事項、図示事項及び認定事項がある。
ア 「There are presently a number of commercially important products that are manufactured using thermoplastic materials. Among these are polymer hot melt adhesives which are applied in molten form to substrates for bonding the substrates together. Hot melt adhesives have been used for bonding furniture parts, automotive parts, diaper backings, and the like. These adhesives exist in the solid phase at room conditions and must be heated before application to a substrate. In some manufacturing operations, a supply of the adhesive is maintained in a molten state inside a temperature controlled heating container where the adhesive temperature is typically between 250-350°F. The molten adhesive may be applied to the substrate using either a hand operated dispensing gun or a stationary dispenser for applying adhesive to substrates on a moving conveyor line. In either case, the molten adhesive is usually transferred from the supply container to the dispenser by pumping the adhesive through a heated hose. It is necessary that the hose be heated to maintain the adhesive at the desired operating temperature and in the liquid phase as it flows through the hose.
(特許異議申立人訳)
現在、熱可塑性材料を用いて製造される商業的に重要な数多の製品が存在する。その中でも、ポリマーのホットメルト接着剤は、基材同士を接着させるために、溶融状態で基材に塗布される。ホットメルト接着剤は、家具部品、自動車部品、紙おむつの裏地などの接着に使用されている。これらの接着剤は、室内条件では固相で存在し、基材に塗布する前に加熱される必要がある。一部の製造工程では、接着剤の供給は、温度制御された加熱容器内で溶融可能に維持され、そこでの接着剤の温度は通常250-350°Fの間である。溶融した接着剤は、手動のディスペンサーガンや、移動するコンベアライン上の基材に接着剤を塗布するための固定式ディスペンサーを使用して、基材に塗布されることができる。いずれの場合も、溶融接着剤は、通常は加熱ホースを通じて接着剤をポンプで圧送することにより、供給容器からディスペンサーに移送される。接着剤がホース内を流れる際に所望の動作温度と液相に接着剤を維持するために、ホースを加熱することが必要である。」(1ページ8-21行)
イ 「Tube 14 may be a teflon tube or more preferably a stainless steel tube of the convoluted or corrugated type to give flexibility.
(特許異議申立人訳)
チューブ14は、テフロンチューブ、又はより好ましくは可撓性を与えるコンボリューテッド若しくはコルゲートタイプのステンレス鋼チューブであってもよい。」(5ページ16-17行)
ウ 「Stainless steel braiding 26 may be used to surround tube 14 for providing strength to the inner core tubing 14.
Referring to Figure 1 it may be seen that outer sleeve assembly 12 comprises inner sleeve tube 28, heating element 29, thermal insulation 31, and outer braiding 32.
(特許異議申立人訳)
ステンレス鋼編組26は、内部コアチューブ14に強度を与えるために、チューブ14を囲むために使用されることができる。
図1を参照すると、外側スリーブアセンブリ12は、内側スリーブチューブ28、加熱要素29、断熱層31、及び外側編組32で構成されていることが分かる。」(5ページ26-29行)
エ 「said fluid to be transferred is a molten polymer having a temperature between 100 and 650°F
(特許異議申立人訳)
移送される前記液体は、100-650°Fの溶融ポリマーであり」(請求項7)
オ 「said heating element comprises one of electrical heating wire wrapped around said inner sleeve tube
(特許異議申立人訳)
前記加熱要素は、前記内部スリーブチューブの周りに巻かれる電気加熱線の1つを有し」(請求項9)
カ 「FIG.1
70
108
0001432014000004.jpg
」
キ アの記載事項及びカの図示事項からみて、チューブ14は、溶融した接着剤を移送するチューブ14であって、第1の外面と第1の内面を備えると認められる。
ク ウの記載事項及びカの図示事項からみて、ステンレス編組26は、チューブ14の第1の外面を覆い、第2の外面と第2の内面を備えるといえる。
ケ カの図示事項からみて、外側編組32は、ステンレス編組26の第2の外面を覆い、第3の外面と第3の内面を備えるといえる。
コ カの図示事項からみて、加熱要素29は、加熱線を有する加熱要素29であり、加熱要素29の加熱線は、ステンレス編組26の外周の周囲に周方向に巻かれているといえる。
アないしコの記載事項、図示事項及び認定事項からみて、甲第4号証には、次の2つの発明(以下、「甲4発明1」及び「甲4発明2」という。)が記載されている。
[甲4発明1]
「ホットメルト可撓性ホースであって、
可撓性を与えるコンボリューテッド若しくはコルゲートタイプのステンレス鋼チューブ14と、
チューブ14を囲むために使用され、強度を与えるステンレス編組26と、
外側編組32と、
加熱要素29と、
を備え、
前記チューブ14は、溶融した接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記ステンレス編組26は、前記チューブ14の前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外側編組32は、前記ステンレス編組26の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有する、ホットメルト可撓性ホース。」
[甲4発明2]
「ホットメルト可撓性ホースであって、
可撓性を与えるコンボリューテッド若しくはコルゲートタイプのステンレス鋼チューブ14と、
チューブ14を囲むために使用され、強度を与えるステンレス編組26と、
外側編組32と、
を備え、
前記ホットメルト可撓性ホースは、加熱線を有する加熱要素29を有し、
前記加熱線は、ステンレス編組26の外周の周囲に周方向に巻かれている、ホットメルト可撓性ホース。」
(4)甲第5号証
甲第5号証には、「ホットメルト塗布装置におけるヒーティングホース」について、次の記載事項、図示事項及び認定事項がある。
ア 「【0002】
【従来の技術】公知のホットメルト供給用のヒーティングホースにおいては、本体チューブをテフロンチューブで構成し、該テフロンチューブの外周を加熱してチューブ内のホットメルト接着材を溶融し液体とした状態でチューブ内を通過させて、目的の供給場所に供給することを可能とした。勿論テフロンチューブの外周には網目状のブレードで耐熱処理がなされるとともに、外部の温度を遮断あるいは保温の目的で断熱材で被覆などの施工がなされている。電気加熱ヒーターは一般的に網目状の耐圧ブレードの更に外側に沿って一定のピッチで施工されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記テトロン(登録商標)チューブは曲げることが可能でヒーティイングホースを柔軟性のあるものとするものであるが、テフロン等のブラスチックは曲げに対応して空気中の酸素を完全に遮断することができないため、空気中の酸素を透過する性質を有している。この現象のため、加熱することでテフロンチューブの内壁面では酸化加熱劣化が促進されることとなり、連続加熱時間に比例してホットメルトの劣化が始まりついには炭化物となる。
【0004】この劣化現象により、ゲル状の不完全溶融体や炭化物はホース内の壁面から増長が始まり、やがてホース円周方向とホース長さ方向に堆積することとなり、長いホースほど発生する量が多い。この劣化物(炭化物)がホース壁面から剥離すると、その剥離した炭化物は供給先に押し流され。ホース供給先の最先端にはノズルが装着されているので、そのノズルに劣化物が流れ着き、ノズル詰まりの発生となる問題点があった。この問題点を解決すべく、本体チューブの空気透過性を無くすことを課題とする。」
イ 「【0009】
【実施例】図面に示す本発明の実施例にもとづいて本発明を詳細に説明する。図1を参照して、本願第1発明を説明する。1はテフロンチューブで構成した本体チューブである。該テフロンチューブで構成した本体チューブ1の外周に金層帯板(ステンレス帯板)をスパイラル状に巻回して金属層(テンレス層)2を形成する。金属層(ステンレス層)2の外周に保護(ステンレス)層3を形成する。保護(ステンレス)層3の外周にヒーター4を巻回し、更に、保温層(シリコンスポンジの断熱材層)5、外層(表面メッシュ)層6を形成する。
【0010】前記金属層2として、金属製薄板層で構成し、帯状金属薄板(例えば、帯状アルミ板薄板)をテフロンチューブ1の周面に巻回して隣接部分を互いに溶着してテフロンチューブ1Aを包囲する筒状体とすることができる.更に、本体チューブ1の外周に巻回したアルミ箔等で構成することもできる。更に本体チューブ1の外周に外装したアルミパイプ、ステンレスパイプ等とすることもできるものである。
【0011】金属層2は、テフロンチューブの本体チューブの外周を包囲して形成され、テフロンチューブの本体チューブ1の内面を外面と空気(酸素)の透過遮断状態[空気透過性を皆無]とするものであれば本願第1発明の目的を達成できるものである。
【0012】図2を参照して、本願第2発明を説明する。1は、第1発明と同様に、テフロンチューブで構成した本体チューブである。本体チューブ(テフロンチューブ)1の内側に挿入した金属製チューブ(ステンレスパイプ、アルミパイプ等)で、本体チューブ(テフロンチューブ)1の内側に金属層7を形成する。本体チューブ(テフロンチューブ)1の外周に、保護(ステンレス)層13の外周にヒーター4を巻回し、更に、保温(シリコンスポンジ)層5、外層(表面メッシュ)層6を形成する。
【0013】前記金属層7して、テフロンチューブ1の内面に、コーティングにより形成した金属層で構成することもできる。金属層7は、テフロンチューブの本体チューブの内周面に形成され、テフロンチューブの本体チューブ1の内面側を空気(酸素)の透過遮断状態[空気透過性を皆無]とするものであれば本願第2発明の目的を達成できるものである。
【0014】図3を参照して、本願第3発明を説明する。本体チューブを金属製チューブ10とすることで、図1、図2の第1発明、第2発明の実施例における本体チューブ(テフロンチューブ)1および金属層2、金属層7に代える構成とする。図3の実施例においては、金属製チューブ10(本体チューブ)の外周に金層帯板(ステンレス帯板)をスパイラル状に巻回して金属層(テンレス層)20を形成して、金属製チューブ(ステンレスパイプ)の曲げ折れ対策とするが、第3発明の目的達成のためには、金属層(ステンレス層)20を省いてもよいものである。
【0015】金属製チューブ10をアルミ製チューブとすると、図1、図2のテフロンチューブの本体チューブ1と同様に、可撓性を有するホースとすることが出きる。なお、金属製チューブ10を鉄製チューブ(ステンスパイプ)としても、施工時に配管の曲げ加工を最高曲げ半径を遵守して冶具(ベンダー)にて行い、施工後には通常のホースのごとく繰返し移動することなく、固定状態で使用することで、十分にホースとしての目的に使用できるものである。
【0016】本願第3発明は、本体チューブをテフロンチューブにかえて金属製チューブで構成するものであるから、本体チューブの空気透過性を無い。
【0017】
【発明の効果】本願第1発明は、本体チューブをテフロンチューブとし、テフロンチューブの外周を金属層で被膜し、本願第2発明は、テフロンチューブの内周を金属層で被膜することで、テフロンチューブの空気透過性を無くし、チューブ内部に対し空気を遮断する。本願第3発明は、本体チューブを金属製チューブで構成することで、本体チューブの空気透過性を無くすことができ。したがって、本願第1ないし第3発明は、本体チューブの内方への酸素の進入を阻止することで、チューブ内を搬送されるホットメルト接着材の酸化過熱劣化を防ぐことができて、劣化物(炭化物)によるノズル詰まりが発生しない効果を有する。」
ウ 「【図3】
58
102
0001432014000005.jpg
」
エ 「【図4】
39
108
0001432014000006.jpg
」
オ 「【図5】
36
114
0001432014000007.jpg
」
カ アの記載事項、イの記載事項及びエの図示事項から、ホットメルト接着材を溶融し液体とした状態でチューブ内を通過させる、金属層2を形成した本体チューブ1は、第1の内面と第1の外面を有するといえる。
キ イの記載事項及びエの図示事項から、保護層3は、金属層2を形成した本体チューブ1の第1の外面を覆って配置され、第2の内面と第2の外面を有するといえる。
ク イの記載事項及びエの図示事項から、外層層6は、保護層3の第2の外面を覆って配置され、第3の内面と第3の外面を有するといえる。
アないしクの記載事項、図示事項及び認定事項からみて、甲第5号証には、次の2つの発明(以下、「甲5発明1」及び「甲5発明2」という。)が記載されている。
[甲5発明1]
「ホットメルト塗布装置におけるヒーティングホースであって、
加熱してホットメルト接着剤を溶融し液体の状態で通過させる金属層2を形成した本体チューブ1であって、金属層2は本体チューブ1の内面を外面と酸素の通過遮断状態とする前記金属層2を形成した本体チューブ1と、
保護層3と、
外層層6と、
ヒーター4と、
を備え、
前記金属層2を形成した本体チューブ1は、加熱してホットメルト接着剤を溶融し液体の状態で通過させ、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記保護層3は、前記前記金属層2を形成した本体チューブ1の前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外層層6は、前記保護層3の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有する、ホットメルト塗布装置におけるヒーティングホース。」
[甲5発明2]
「ホットメルト塗布装置におけるヒーティングホースであって、
加熱してホットメルト接着剤を溶融し液体の状態で通過させる金属層2を形成した本体チューブ1であって、金属層2は本体チューブ1の内面を外面と酸素の通過遮断状態とする前記金属層2を形成した本体チューブ1と、
保護層3と、
外層層6と、
を備え、
前記ホットメルト塗布装置におけるヒーティングホースは、保護層3の外周にヒーター4を巻回した、
ホットメルト塗布装置におけるヒーティングホース。」
(5)甲第6号証
甲第6号証には、「加熱ホース10」について、次の記載事項、図示事項及び認定事項がある。
ア 「With reference first to FIG. 1 there is illustrated a heated hose 10 for transporting molten thermoplastic material or so-called "hot melt" material from a melter tank (not shown) to a dispensing gun (not shown). The melter tank or source of molten material is intended to be attached to the unit end 11 of the hose and the dispensing gun is intended to be attached to the gun end 12.
(特許異議申立人訳)
最初に図1を参照すると、溶融した熱可塑性材料、いわゆる「ホットメルト」材料をメルタータンク(図示せず)からディスペンサーガン(図示せず)へ移送するための加熱ホース10が示されている。メルタータンク又は溶融材料の供給源は、ホースのユニット端11に取り付けられることが意図されており、ディスペンサーガンは、ガン端12に取り付けられることが意図されている。」(2欄40-47行)
イ 「In general, this hose 10 is intended to transport molten adhesive at a pressure of several hundred psi and at a temperature on the order of 250°F.-350°F. while maintaining the material at that temperature.
(特許異議申立人訳)
概して、このホース10は、溶融接着剤を数百psiかつおよそ250-350°Fの温度で、材料をその温度に維持しながら移送することを意図している。」(2欄55-58行)
ウ 「Teflon will not withstand the relatively high pressures at which this material is usually pumped, i.e. on the order of 200 psi, and therefore the Teflon tube is encased within the stainless steel metal braiding 21.
(特許異議申立人訳)
テフロンは、この材料(ポリマー材料)が通常ポンプで圧送される比較的高い圧力、すなわち200psiの大きさに耐えられないため、テフロンチューブはステンレス鋼金属網組21内に包まれている。」(3欄9-13行)
エ 「The tape 22 is referred to as double-sided because it has thermosetting adhesive on both sides. Consequently, it adheres to the braiding 21 of the tube and to a double wrap of heater tape 23, 24 which is helically wound over the fiberglass tape 22. The heater tapes 23, 24 are conventional commercially purchaseable items which include an electrical resistance heating wire 25 sinusoidally configured within the tape.
(特許異議申立人訳)
テープ22は両面に熱硬化性接着剤が付いているため、両面テープと呼ばれる。その結果、それはチューブの編組21と、ガラス繊維テープ22にらせん状に巻かれた二本巻きの加熱テープ23、24に接着する。加熱テープ23、24は、テープ内で正弦曲線状に構成された電気抵抗加熱線25を含む従来の市販品である。」(3欄23-30行)
オ 「The full length of the hose is then covered with a braided polyester cover 55
(特許異議申立人訳)
ホースの全長は、網組ポリエステルカバー55で覆われる。」(4欄57-58行)
カ 「Fig.1
74
96
0001432014000008.jpg
」
キ アの記載事項、ウの記載事項及びカの図示事項から、テフロンチューブ20は、溶融したホットメルト材料を移送し、第1の内面及び第1の外面を有するといえる。
ク ウの記載事項及びカの図示事項から、ステンレス鋼金属編組21は、テフロンチューブ20の第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有するといえる。
ケ ウの記載事項、オの記載事項及びカの図示事項から、網組ポリエステルカバー55は、ステンレス鋼金属編組21の第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有するといえる。
アないしケの記載事項、図示事項及び認定事項からみて、甲第6号証には、次の2つの発明(以下、「甲6発明1」及び「甲6発明2」という。)が記載されている。
[甲6発明1]
「加熱ホース10であって、
溶融接着剤を移送するテフロンチューブ20と、
前記テフロンチューブ20を包むステンレス鋼金属編組21と、
編組ポリエステルカバー55と、
電気抵抗加熱線25を含む加熱テープ23、24と、
を備え、
前記テフロンチューブ20は、溶融したホットメルト材料を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記ステンレス鋼金属編組21は、前記テフロンチューブ20の前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記網組ポリエステルカバー55は、前記ステンレス鋼金属編組21の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有する、加熱ホース10。」
[甲6発明2]
「加熱ホース10であって、
溶融接着剤を移送するテフロンチューブ20と、
前記テフロンチューブ20を包むステンレス鋼金属編組21と、
編組ポリエステルカバー55と、
を備え、
電気抵抗加熱線25を含む加熱テープ23、24がステンレス鋼金属編組21とガラス繊維テープ22に巻かれた、加熱ホース10。」
(6)甲第7号証
甲第7号証の記載事項、図示事項及び認定事項は、次のとおりである。
ア 1ページ下から1行には、「2001 Edition」との記載事項がある。
イ 3ページ左欄1行には、「Heated hoses are used in:(特許異議申立人訳:加熱ホースは以下で使用される:)」との記載事項がある。
ウ 3ページ左欄8及び9行には、「・ Hot-glue application plants and devices(Hotmelt)(特許異議申立人訳:・ 熱接着剤塗布設備及び装置(ホットメルト)」との記載事項がある。
エ 3ページ右欄4ないし9行には、「As a rule, our standard horses are provided with a high-quality PTFE inner hose which is resistant to almost all media. It’s withstand temperature ranging from -70°C to +250°C covers a wide range of possible applications.(特許異議申立人訳:原則として、当社の標準ホースは、ほとんどの媒体に耐性のある高品質のPTFE内部ホースを備える。その-70°Cから+250°Cの範囲の耐熱温度は、可能性のある幅広い用途をカバーする。)」との記載事項がある。
オ 3ページ右欄20ないし24行には、「Owing to the fact that the withstand pressure of the PTFE inner hose is limited at high pressures, it is provided with a stainless steel armouring which increases the pressure resistance significantly.(特許異議申立人訳:PTFE内部ホースの耐圧は、高圧では限定されるという事実により、耐圧を大幅に高くするステンレス鋼の外装が備えられる。)」との記載事項がある。
カ 4ページには、以下の図示事項がある。
「
48
97
0001432014000009.jpg
」
ここで「Braiding」は「編組」であり、「Insulating foam」は「断熱フォーム」であり、「Fleece」は「フリース」であり、「Heating element」は「加熱要素」であり、「Stainless steel braiding wound with glass fibre tape」は「ガラス繊維テープと共に巻かれたステンレス鋼編組」であり、「PTFE inner hose」は「PTFE内部ホース」である(いずれも特許異議申立人訳。)。
キ 上記アの記載事項から、甲第7号証は、2001年に発行されたものと認められる。
ク 上記オの記載事項並びにカの記載事項及び図示事項から、「編組」は、ステンレス鋼の外装の外面を覆うものと認められる。
ケ カの図示事項及び記載事項から、PTFE内部ホースは、第1の内面と第1の外面を有するといえる。
コ オの記載事項並びにカの図示事項及び記載事項から、ステンレス鋼の外装は、PTFE内部ホースの第1の外面を覆って配置され、少なくとも第2の外面を有するといえる。
サ カの図示事項及び記載事項から、ステンレス鋼の外装の外面を覆う編組は、ステンレス鋼の外装の第2の外面を覆って配置され、第3の内面と第3の外面を有するといえる。
シ カの図示事項及び記載事項から、加熱要素は加熱線であり、ステンレス鋼の外装の外面を覆う編組の第3の外面の周囲に周方向に巻かれているといえる。
イないしカ及びクないしシの記載事項、図示事項及び認定事項からみて、甲第7号証には、次の2つの発明(以下、「甲7発明1」及び「甲7発明2」という。)が記載されている。
[甲7発明1]
「熱接着剤塗布設備及び装置で使用される加熱ホースであって、
PTFE内部ホースと、
耐圧を大幅に高くするステンレス鋼の外装と、
前記ステンレス鋼の外装の外面を覆う編組と、
加熱要素と、
を備え、
前記PTFE内部ホースは、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記ステンレス鋼の外装は、前記PTFE内部ホースの第1の外面を覆って配置され、少なくとも第2の外面を有し、
前記編組は、ステンレス鋼の外装の第2の外面を覆って配置され、第3の内面と第3の外面を有する、熱接着剤塗布設備及び装置で使用される加熱ホース。」
[甲7発明2]
「熱接着剤塗布設備及び装置で使用される加熱ホースであって、
PTFE内部ホースと、
耐圧を大幅に高くするステンレス鋼の外装と、
前記ステンレス鋼の外装の外面を覆う編組と、
加熱要素と、
を備え、
前記熱接着剤塗布設備及び装置で使用される加熱ホースは加熱線である加熱要素を有し、
前記加熱線は、ステンレス鋼の外装の外面を覆う編組の第3の外面の周囲に周方向に巻かれている、熱接着剤塗布設備及び装置で使用される加熱ホース。」
(7)甲第11号証
甲第11号証には、「HOT-GLUE APPLICATION SYSTEM AND METHOD FOR CONTROLLING AND MONITORING THE HOT-GLUE APPLICATION SYSTEM」について、次の記載事項がある。
ア 「
19
101
0001432014000010.jpg
(特許異議申立人訳)
本発明は、ホットメルト塗布システムおよびホットメルト塗布システムの制御・監視方法に関する。」([0001])
イ 「
18
99
0001432014000011.jpg
(特許異議申立人訳)
圧力開放弁130、運転圧力を超えたときに消費者側を開放し、ホットグルーをタンク110に戻す。」([0006])
(8)甲第12号証
甲第12号証には、「電熱式ホース」について、次の記載事項がある。
ア 「【0014】
コアホース42は、昇温され加圧された液体を送給することが可能な任意の適切なホースまたは管材で構成される。このため、管48は、ナイロン、ゴム、またはポリマといった不浸透性材料からなるのが一般的である。但し、管48は高圧を受けるので、補強層50が管48を覆っている。補強層50は、それ自体は可撓性を有するものであるが、管48内に圧力が加わったときに、管48に圧縮力を加えるように構成されている。補強層50は、管48の膨張時の径よりも小さい最大径(非膨張状態の径)を有して、管48が膨張可能な大きさを制限している。様々な実施形態として、補強層50は、既に知られているように、繊維またはアラミドの編組ストランドにより構成される。被覆52は、補強層50を覆う可撓性スリーブであり、補強層50及び管48を外部環境から隔離するものである。被覆52は、ポリウレタンからなるのが一般的である。様々な実施形態において、コアホース42は、購入可能な組立部品である。」
6.当審の判断
(1)決定の予告に記載した取消理由について
ア 取消理由1及び取消理由2の判断
(ア)甲1発明を主引用発明とした対比・判断
あ 本件発明17
(あ)対比
本件発明17と甲1発明とを対比すると、甲1発明の「ホットメルト接着剤移送用ホース」は、その機能、構成及び技術的意義からみて本件発明17の「ホットメルト接着剤移送用多層ホース」及び「ホース」に相当する。
そして、甲1発明の「ステンレス製のコンボリューテッドコア」と本件発明17の「可撓性金属製内部チューブ(702)であって、酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、前記溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホース(700)の作動コアを形成し、複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有する前記可撓性金属製内部チューブ」とは、「金属製内部チューブ」という限りで一致する。
甲1発明の「ステンレス鋼編組」は、本件発明17の「流体圧力に耐えるように構成された構造層」に相当する。
甲1発明の「非導電性基礎層」は本件発明17の「外被」に相当する。そして、甲1発明の「前記ステンレス鋼編組の第2の外面を覆う」ことは、本件発明17の「前記構造層の外面を覆う」ことに相当する。
そうすると、甲1発明の「前記ステンレス鋼編組の第2の外面を覆う非導電性基礎層」は、「前記構造層の外面を覆う外被」に相当する。
甲1発明の「溶融したホットメルト接着剤を移送する」ことは、本件発明17の「溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送する」ことに相当する。
そうすると、甲1発明の「前記ステンレス製のコンボリューテッドコアは、溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記ステンレス鋼編組は、前記ステンレス製のコンボリューテッドコアの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記非導電性基礎層は、前記ステンレス鋼編組の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有」することと本件発明17の「前記可撓性金属製内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記可撓性金属製内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有」することとは、「前記金属製内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記可撓性金属製内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有」すること、という限りで一致する。
そうすると、両者は、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
前記ホットメルト接着剤移送用多層ホースは、
金属製内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
前記構造層の外面を覆う外被と、
を備え、
前記金属製内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記可撓性金属製内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有する、ホース。」
[相違点1-1]
本件発明17は、「1又は2以上の層が、溶融したホットメルト接着剤を移送する前記ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える酸素バリア層」を備えるのに対し、甲1発明がかかる事項を備えるか不明な点。
[相違点1-2]
本件発明17は、「可撓性金属製内部チューブ(702)であって、酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、前記溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホース(700)の作動コアを形成し、複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有する前記可撓性金属製内部チューブ」を備えるのに対し、甲1発明は、「ステンレス製のコンボリューテッドコア」を備える点。
[相違点1-3]
本件発明17の「ホース」は、「一体的に形成されている」のに対し、甲1発明がかかる事項を備えるか不明な点。
(い)判断
事情に鑑み、まず相違点1-2について検討する。
甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証ないし甲第7号証、甲第11号証及び甲第12号証には、相違点1-2に係る本件発明17の発明特定事項、特に、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成」し、さらに、「複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属製内部チューブ」は開示されていない。また、(2)アのとおり、異議申立人が提出した甲第3号証及び甲第8号証ないし甲第10号証にも、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成」し、さらに、「複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属製内部チューブ」の開示はない。
そうすると、甲1発明に対し、甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項を適用しても、相違点1-2に係る本件発明17の発明特定事項は構成しない。
そして、本件発明17は、相違点1-2に係る本件発明17の発明特定事項によって「可撓性金属チューブからなるホース」において、「ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」ことができる(本願明細書の段落【0011】参照)という格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明17は、甲1発明及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
い 本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37
本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37は、本件発明17を請求項23、請求項25、請求項36又は請求項37に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37も、本件発明17の上記相違点1-2を有する。
そして、上記相違点1-2は、上述したとおり、甲1発明及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37は、甲1発明及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(イ)甲2発明1又は甲2発明2を主引用発明とした対比・判断
あ 本件発明17
(あ)対比
本件発明17と甲2発明1とを対比すると、甲2発明1の「接着剤移送用多層加熱ホース」は、その機能、構成及び技術的意義からみて本件発明17の「ホットメルト接着剤移送用多層ホース」に相当する。
甲2発明1の「PTFE内部ホース」と本件発明17の「金属製内部チューブ」とは、「内部チューブ」という限りで一致する。
甲2発明1の「ステンレス鋼編組」は、PTFE内部ホース内の接着剤の流体圧力に耐えるための構造であるから、本件発明17の「流体圧力に耐えるように構成された構造層」に相当する。
甲2発明1の「外部ジャケット」は、「ステンレス鋼編組」の外面である第2の外面を覆う「外部ジャケット」であるから、本件発明17の「前記構造層の外面を覆う外被」に相当する。
甲2発明1の「前記PTFE内部ホースは、接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記ステンレス鋼編組は、前記PTFE内部ホースの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外部ジャケットは、前記ステンレス鋼編組の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有」することと、本件発明17の「前記可撓性金属製内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記可撓性金属製内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有」することとは、「前記内部チューブは、接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有」すること、という限りで一致する。
甲2発明1の「加熱ホース」は、本件発明17の「ホース」に相当する。
そうすると、両者は、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
前記ホットメルト接着剤移送用多層ホースは、
内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
前記構造層の外面を覆う外被と、
を備え、
前記内部チューブは、接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有する、ホース。」
[相違点2-1]
「内部チューブ」に関し、本件発明17は、「1又は2以上の層が、溶融したホットメルト接着剤を移送する前記ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える酸素バリア層」を備えた「ホットメルト接着剤移送用多層ホース」の「可撓性金属製内部チューブ」であって、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、前記溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホース(700)の作動コアを形成し、複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有」するのに対し、甲2発明1は、「接着剤を移送するPTFE内部ホース」である点。
[相違点2-2]
本件発明17のホットメルト接着剤移送用多層ホースは、「一体的に形成されて」いるのに対し、甲2発明1がかかる事項を備えるか不明な点。
(い)判断
上記相違点2-1について検討する。
甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証ないし甲第7号証、甲第11号証及び甲第12号証には、相違点2-1に係る本件発明17の発明特定事項、特に、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成」し、さらに、「複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属製内部チューブ」は開示されていない。また、(2)アのとおり、異議申立人が提出した甲第3号証及び甲第8号証ないし甲第10号証にも、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成」し、さらに、「複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属製内部チューブ」の開示はない。
そうすると、甲2発明1に対し、甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項を適用しても、相違点2-1に係る本件発明17の発明特定事項は構成しない。
そして、本件発明17は、相違点2-1に係る本件発明17の発明特定事項によって「可撓性金属チューブからなるホース」において、「ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」ことができる(本願明細書の段落【0011】参照)という格別顕著な効果を奏する。
したがって、相違点2-2を検討するまでもなく、本件発明17は、甲2発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
い 本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37
本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37は、本件発明17を請求項23、請求項25、請求項36又は請求項37に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37も、本件発明17の上記相違点2-1を有する。
そして、上記相違点2-1は、上述したとおり、甲2発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37は、甲2発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
う 本件発明26(本件発明17を引用する本件発明26)
(あ)対比
あ(あ)で述べた本件発明17と甲2発明1との対比を踏まえ、本件発明26と甲2発明1とを対比すると、両者は、以下の一致点で一致し、あ(あ)で述べた相違点2-1及び相違点2-2、並びに以下の相違点2-3及び相違点2-4で相違する。
[一致点]
「ホース内の前記溶融したホットメルト接着剤を約230°C(華氏約450度)以下の設定値で加熱すること、
を含み、
前記ホースは、
ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
前記ホットメルト接着剤移送用多層ホースは、
内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
前記構造層の外面を覆う外被と、
を備え、
前記内部チューブは、接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有する、ホース
である、ホース。」
[相違点2-3]
本件発明26は、「ホットメルト接着剤を吐出する方法であって、
ホットメルト接着剤を溶融することと、
前記溶融したホットメルト接着剤を、ホースを通してディスペンサーに移送することと、
前記ホットメルト接着剤を基材上に吐出することと、
を含む、方法」に係る発明であるのに対し、甲2発明1は、「加熱ホース」に係る発明である点。
[相違点2-4]
本件発明26は、「金属製内部チューブを含むバリア層によって前記ホース内の前記接着剤中への酸素の移動を防止すること」を含むのに対し、甲2発明1は、「金属製内部チューブを含むバリア層によって前記ホース内の前記接着剤中への酸素の移動を防止すること」を含むものではない点。
(い)判断
上記相違点2-1は、あ(い)で上述したとおり、甲2発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
そして、本件発明26は、相違点2-1に係る本件発明26の発明特定事項によって「可撓性金属チューブからなるホース」において、「ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」ことができる(本願明細書の段落【0011】参照)という格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明26は、甲2発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
え 本件発明27、本件発明39及び本件発明40(本件発明17を引用する本件発明26を引用する本件発明27、本件発明39及び本件発明40)
本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、本件発明17を引用する本件発明26を、請求項27、請求項39又は請求項40に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明27、本件発明39及び本件発明40も、あ(あ)で上述した上記相違点2-1を有する。
そして、上記相違点2-1は、上述したとおり、甲2発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、甲2発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
お 本件発明28
(あ)対比
本件発明28と甲2発明2を対比すると、両者は、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「ホットメルト接着剤を、約230°C(華氏約450度)以下の設定値で移送用多層ホース内の内部チューブを通して移送することを含み、
前記移送用多層ホースは、
内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
前記構造層の外面を覆う外被と、
を備え、
前記ホースは、加熱線で構成されたヒーターを有し、
前記加熱線は、前記内部チューブ又は前記構造層の外面の周囲に周方向に巻かれている。」
[相違点2-5]
本件発明28は、「ホットメルト接着剤を移送する方法」に係る発明であるのに対し、甲2発明2は「加熱ホース」に係る発明である点。
[相違点2-6]
本件発明28は、ホットメルト接着剤を「可撓性金属チューブを通して移送」し、「可撓性金属チューブ」は、「前記ホットメルト接着剤中への酸素の侵入を防止するように構成された不透過バリア層を形成」するとともに、「溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホース(700)の作動コアを形成する」ものであって、さらに「複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」し、そして、「内部チューブ」が「可撓性金属チューブ」であるのに対し、甲2発明2は、「可撓性金属チューブを通して移送」し、「可撓性金属チューブは、前記ホットメルト接着剤中への酸素の侵入を防止するように構成された不透過バリア層を形成」するものではなく、接着剤を移送する「内部チューブ」が「PTFE内部ホース」である点。
[相違点2-7]
本件発明28は、「ホースは、一体的に形成されている」のに対し、甲2発明2がかかる事項を備えるか不明な点。
(い)判断
事情に鑑み、まず、上記相違点2-6について検討する。
甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証ないし甲第7号証、甲第11号証及び甲第12号証には、相違点2-6に係る本件発明28の発明特定事項、特に、「前記ホットメルト接着剤中への酸素の侵入を防止するように構成された不透過バリア層を形成」し、さらに「複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属チューブ」は開示されていない。また、(2)アのとおり、異議申立人が提出した甲第3号証及び甲第8号証ないし甲第10号証にも、「前記ホットメルト接着剤中への酸素の侵入を防止するように構成された不透過バリア層を形成」し、さらに「複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属チューブ」の開示はない。
そうすると、甲2発明2に対し、甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項を適用しても、相違点2-6に係る本件発明28の発明特定事項は構成しない。
そして、本件発明28は、相違点2-6に係る本件発明28の発明特定事項によって、「可撓性金属チューブからなるホース」において、「ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」ことができる(本願明細書の段落【0011】参照)という格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明28は、甲2発明2及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(ウ)甲4発明1又は甲4発明2を主引用発明とした対比・判断
あ 本件発明17
(あ)対比
本件発明17と甲4発明1とを対比すると、甲4発明1の「ホットメルト可撓性ホース」は、その機能、構成及び技術的意義からみて本件発明17の「ホットメルト接着剤移送用多層ホース」及び「ホース」に相当する。
甲4発明1の「可撓性を与えるコンボリューテッド若しくはコルゲートタイプのステンレス鋼チューブ14」は、可撓性を持つコルゲートタイプの金属製チューブ14であるから、本件発明17の「可撓性金属製内部チューブ(702)であって、酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、前記溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホース(700)の作動コアを形成し、複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有する前記可撓性金属製内部チューブ」とは、「可撓性金属製内部チューブであって、コルゲート部を有する前記可撓性金属製内部チューブ」という限りで一致する。
甲4発明1の「チューブ14を囲むために使用され、強度を与える」ことは本件発明17の「流体圧力に耐えるように構成された」ことに、甲4発明1の「ステンレス編組26」は本件発明17の「構造層」にそれぞれ相当する。
甲4発明1の「外側編組32」は、ステンレス編組26の外面である外面2を覆う外側編組32であるから、本件発明17の「外被」に相当する。
甲4発明1の「溶融した接着剤」は、その機能、構成及び技術的意義からみて本件発明17の「溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤」に相当する。
そうすると、甲4発明1の「前記チューブ14は、溶融した接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記ステンレス編組26は、前記チューブ14の前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外側編組32は、前記ステンレス編組26の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有」することは、本件発明17の「前記可撓性金属製内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記可撓性金属製内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有」することに相当する。
そうすると、両者は、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
前記ホットメルト接着剤移送用多層ホースは、
可撓性金属製内部チューブであって、コルゲート部を有する前記可撓性金属製内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
前記構造層の外面を覆う外被と、
を備え、
前記可撓性金属製内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記可撓性金属製内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有する、ホース。」
[相違点4-1]
本件発明17は、「1又は2以上の層が、溶融したホットメルト接着剤を移送する前記ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える酸素バリア層」を備えるのに対し、甲4発明1は、かかる事項を備えるか不明な点。
[相違点4-2]
「可撓性金属製内部チューブ」に関し、本件発明17は、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、前記溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホースの作動コアを形成し、複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属製内部チューブ」であるのに対し、甲4発明1は、「可撓性を与えるコルゲートタイプのステンレス鋼チューブ14」である点。
[相違点4-3]
本件発明17のホットメルト接着剤移送用多層ホースは、「一体的に形成されて」いるのに対し、甲4発明1がかかる事項を備えるか不明な点。
(い)判断
事情に鑑み、はじめに上記相違点4-2について検討する。
甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証ないし甲第7号証、甲第11号証及び甲第12号証には、相違点4-2に係る本件発明17の発明特定事項、特に、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成」し、さらに、「複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属製内部チューブ」は開示されていない。また、(2)アのとおり、異議申立人が提出した甲第3号証及び甲第8号証ないし甲第10号証にも、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成」し、さらに、「複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属製内部チューブ」の開示はない。
そうすると、甲4発明1に対し、甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項を適用しても、相違点4-2に係る本件発明17の発明特定事項は構成しない。
そして、本件発明17は、相違点4-2に係る本件発明17の発明特定事項によって「可撓性金属チューブからなるホース」において、「ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」ことができる(本願明細書の段落【0011】参照)という格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明17は、甲4発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
い 本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37
本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37は、本件発明17を請求項23、請求項25、請求項36又は請求項37に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37も、本件発明17の上記相違点4-2を有する。
そして、上記相違点4-2は、上述したとおり、甲4発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37は、甲4発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
う 本件発明26(本件発明17を引用する本件発明26)
(あ)対比
あ(あ)で述べた本件発明17と甲4発明1との対比を踏まえ、本件発明26と甲4発明1とを対比すると、両者は、以下の一致点で一致し、あ(あ)で述べた相違点4-1、相違点4-2及び相違点4-3、並びに以下の相違点4-4、相違点4-5及び相違点4-6で相違する。
[一致点]
「ホースは、
ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
前記ホットメルト接着剤移送用多層ホースは、
可撓性金属製内部チューブであって、コルゲート部を有する前記可撓性金属製内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
前記構造層の外面を覆う外被と、
を備え、
前記可撓性金属製内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記可撓性金属製内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有する、ホース
である、ホース。」
[相違点4-4]
本件発明26は、「ホットメルト接着剤を吐出する方法であって、
ホットメルト接着剤を溶融することと、
前記溶融したホットメルト接着剤を、ホースを通してディスペンサーに移送することと、
前記ホットメルト接着剤を基材上に吐出することと、
を含む、方法」に係る発明であるのに対し、甲4発明1は、「ホットメルト可撓性ホース」に係る発明である点。
[相違点4-5]
本件発明26は、ホットメルト接着剤を「約230°C(華氏約450度)以下の設定値」で加熱するのに対し、甲4発明1は、かかる事項が不明な点。
[相違点4-6]
本件発明26は、「金属製内部チューブを含むバリア層によって前記ホース内の前記接着剤中への酸素の移動を防止すること」を含むのに対し、甲4発明1は、かかる事項を備えるか不明な点。
(い)判断
上記相違点4-2は、あ(い)で上述したとおり、甲4発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
そして、本件発明26は、相違点4-2に係る本件発明26の発明特定事項によって「可撓性金属チューブからなるホース」において、「ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」ことができる(本願明細書の段落【0011】参照)という格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明26は、甲4発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
え 本件発明27、本件発明39及び本件発明40(本件発明17を引用する本件発明26を引用する本件発明27、本件発明39及び本件発明40)
本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、本件発明17を引用する本件発明26を、請求項27、請求項39又は請求項40に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明27、本件発明39及び本件発明40も、あ(あ)で上述した上記相違点4-2を有する。
そして、上記相違点4-2は、上述したとおり、甲4発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、甲4発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
お 本件発明28
(あ)対比
本件発明28と甲4発明2を対比すると、両者は、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「ホットメルト接着剤を移送用多層ホース内の可撓性金属チューブを通して移送することを含み、
前記移送用多層ホースは、
前記可撓性金属チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
前記構造層の外面を覆う外被と、
を備え、
前記可撓性金属チューブは、コルゲート部を有し、
前記移送用多層ホースは、加熱線で構成されたヒーターを有し、
前記加熱線は、前記構造層の外面の周囲に周方向に巻かれている。」
[相違点4-7]
本件発明28は、「ホットメルト接着剤を移送する方法」に係る発明であるのに対し、甲4発明2は、「ホットメルト可撓性ホース」に係る発明である点。
[相違点4-8]
本件発明28は、ホットメルト接着剤を「約230°C(華氏約450度)の設定値以下の温度」で移送するのに対し、甲4発明2は、かかる事項についての特定がない点。
[相違点4-9]
「可撓性金属チューブ」に関し、本件発明28は、「可撓性金属チューブは、前記ホットメルト接着剤中への酸素の侵入を防止するように構成された不透過バリア層を形成」し、「溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホースの作動コアを形成」し、さらに、「複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」するのに対し、甲4発明2は、「可撓性を与えるコンボリューテッド若しくはコルゲートタイプのステンレス鋼チューブ14」である点。
[相違点4-10]
本件発明28は、「ホースは、一体的に形成されている」のに対し、甲4発明2がかかる事項を備えるか不明な点。
(い)判断
事情に鑑み、上記相違点4-9について検討する。
甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証ないし甲第7号証、甲第11号証及び甲第12号証には、相違点4-9に係る本件発明28の発明特定事項、特に、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成」し、さらに、「複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属製内部チューブ」は開示されていない。また、(2)アのとおり、異議申立人が提出した甲第3号証及び甲第8号証ないし甲第10号証にも、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成」し、さらに、「複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属製内部チューブ」の開示はない。
そうすると、甲4発明2に対し、甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項を適用しても、相違点4-9に係る本件発明28の発明特定事項は構成しない。
そして、本件発明28は、相違点4-9に係る本件発明28の発明特定事項によって、「可撓性金属チューブからなるホース」において、「ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」ことができる(本願明細書の段落【0011】参照)という格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明28は、甲4発明2及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(エ)甲5発明1又は甲5発明2を主引用発明とした対比・判断
あ 本件発明17
(あ)対比
本件発明17と甲5発明1を対比すると、甲5発明1の「ホットメルト塗布装置におけるヒーティングホース」は、その機能、構成及び技術的意義からみて本件発明17の「ホットメルト接着剤移送用多層ホース」及び「ホース」に相当する。
甲5発明1の「金属層2は本体チューブ1の内面を外面と酸素の通過遮断状態とする」ことは、金属層2が「溶融したホットメルト接着剤を移送する前記ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」層として機能するものであるから、本件発明17の「1又は2以上の層が、溶融したホットメルト接着剤を移送する前記ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える酸素バリア層」に相当する。
甲5発明1の「金属層2を形成した本体チューブ1」と本件発明17の「可撓性金属製内部チューブ(702)であって、酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、前記溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホース(700)の作動コアを形成し、複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有する前記可撓性金属製内部チューブ」とは、金属層2の作用、機能を踏まえると「金属製内部チューブであって、酸素が前記金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成する金属製内部チューブ」という限りで一致する。
甲5発明1の「保護層3」は、技術常識を踏まえると、金属層2を形成した本体チューブ1の流体圧力に耐えるよう構成されたものであるから本件発明17の「流体圧力に耐えるように構成された」、「構造層」に相当し、同様に、甲5発明1の「外層層6」は、甲第5号証の図1ないし図3の図示事項からみて保護層3の外面を覆うものであるから本件発明17の「前記構造層」、「の外面を覆う外被」に相当する。
甲5発明1の「加熱してホットメルト接着剤を溶融し液体の状態で通過させ」ることは、その機能、構成及び技術的意義からみて本件発明17の「溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送」することに相当する。
そうすると、甲5発明1の「前記金属層2を形成した本体チューブ1は、加熱してホットメルト接着剤を溶融し液体の状態で通過させ、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記保護層3は、前記前記金属層2を形成した本体チューブ1の前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外層層6は、前記保護層3の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有」することと、本件発明17の「前記可撓性金属製内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記可撓性金属製内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有」することとは、「前記金属製内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記金属製内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有」すること、という限りで一致する。
そうすると、両者は、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「 ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、1又は2以上の層が、溶融したホットメルト接着剤を移送する前記ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える酸素バリア層であり、
前記ホットメルト接着剤移送用多層ホースは、
金属製内部チューブであって、酸素が前記金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成する前記金属製内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
前記構造層の外面を覆う外被と、
を備え、
前記金属製内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記金属製内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有する、ホース。」
[相違点5-1]
「金属製内部チューブ」について、本件発明17は、「前記溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホースの作動コアを形成」し、「複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有する」、「可撓性金属製内部チューブ」であるのに対し、甲5発明1は、「溶融したホットメルト接着剤を移送する前記ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」層として機能する「金属層2」を形成した「本体チューブ1」である点。
[相違点5-2]
本件発明17は、「ホースは、一体的に形成されている」のに対し、甲5発明1がかかる事項を備えるか不明な点。
(い)判断
相違点5-1について検討する。
甲5発明1の「金属層2」は、本体チューブ1との隣接部分を互いに溶着(甲第5号証の段落【0010】)したり、本体チューブ1の内側に金属製チューブを挿入する(甲第5号証の段落【0012】)すること、すなわち本体チューブ1の面と隣接する金属層2の面について、酸素の通過を遮断するように互い接触することで、「溶融したホットメルト接着剤を移送する前記ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」層として機能するものである。
そうすると、仮に、甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証ないし甲第7号証、甲第11号証及び甲第12号証、並びに異議申立人が提出した甲第3号証及び甲第8号証ないし甲第10号証に、相違点5-1に係る本件発明17の発明特定事項が開示されていたとしても、甲5発明1の「金属層2」に対する当該事項の適用は、金属層2と本体チューブ1において、酸素の通過を遮断するように互い接触することが失われ、結果、「溶融したホットメルト接着剤を移送する前記ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」層としての機能を失うことになる。
また、「本体チューブ1」に対する相違点5-1に係る本件発明17の発明特定事項の適用について検討すると、甲第5号証の段落【0014】に記載されるとおり、「金属層2」を備えた「本体チューブ1」全てに換えて当該事項を適用するものとなるから、本件発明17の発明特定事項である「可撓性金属製内部チューブであって、酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、前記溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホースの作動コアを形成し、複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有する前記可撓性金属製内部チューブ」との事項、特に「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成」するとの事項を構成しない。
してみると、甲5発明1に対する相違点5-1に係る本件発明17の発明特定事項の適用については、阻害要因があると解さざるを得ない。
そして、本件発明17は、相違点5-1に係る本件発明17の発明特定事項によって「可撓性金属チューブからなるホース」において、「ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」ことができる(本願明細書の段落【0011】参照)という格別顕著な効果を奏する。
したがって、本件発明17は甲5発明1ではない。
また、相違点5-2を検討するまでもなく、本件発明17は、甲5発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
い 本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37
本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37は、本件発明17を請求項23、請求項25、請求項36又は請求項37に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37も、本件発明17の上記相違点5-1を有する。
そして、上記相違点5-1は、上述したとおり、甲5発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明23、本件発明36及び本件発明37は、甲5発明1ではない。
また、本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37は、甲5発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
う 本件発明26(本件発明17を引用する本件発明26)
(あ)対比
あ(あ)で述べた本件発明17と甲5発明1との対比を踏まえ、本件発明26と甲5発明1とを対比すると、両者は、以下の一致点で一致し、あ(あ)で述べた相違点5-1及び相違点5-2、並びに以下の相違点5-3及び相違点5-4で相違する。
[一致点]
「ホースは、
ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、1又は2以上の層が、溶融したホットメルト接着剤を移送する前記ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える酸素バリア層であり、
前記ホットメルト接着剤移送用多層ホースは、
金属製内部チューブであって、酸素が前記金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成する前記金属製内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
前記構造層の外面を覆う外被と、
を備え、
前記金属製内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記金属製内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有する、
である、ホース。」
[相違点5-3]
本件発明26は、「ホットメルト接着剤を吐出する方法であって、
ホットメルト接着剤を溶融することと、
前記溶融したホットメルト接着剤を、ホースを通してディスペンサーに移送することと、
前記ホットメルト接着剤を基材に吐出することと、
を含む、方法。」に係る発明であるのに対し、甲5発明1は、「ホットメルト装置におけるヒーティングホース」に係る発明である点。
[相違点5-4]
「設定値」について、本件発明26は、「約230°C(華氏約450度)以下」としているのに対し、甲5発明1は、設定値に係る温度が不明な点。
(い)判断
上記相違点5-1は、あ(い)で上述したとおり、甲5発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
そして、本件発明26は、相違点5-1に係る本件発明26の発明特定事項によって「可撓性金属チューブからなるホース」において、「ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」ことができる(本願明細書の段落【0011】参照)という格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明26は、甲5発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
え 本件発明27、本件発明39及び本件発明40(本件発明17を引用する本件発明26を引用する本件発明27、本件発明39及び本件発明40)
本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、本件発明17を引用する本件発明26を、請求項27、請求項39又は請求項40に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明27、本件発明39及び本件発明40も、あ(あ)で上述した上記相違点5-1を有する。
そして、上記相違点5-1は、上述したとおり、甲5発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、甲5発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
お 本件発明28
(あ)対比
本件発明28と甲5発明2を対比すると、両者は、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「ホットメルト接着剤を移送用多層ホース内の金属製内部チューブを通して移送することを含み、
前記金属製内部チューブは、前記ホットメルト接着剤中への酸素の侵入を防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、
前記移送用多層ホースは、
前記金属製内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
前記構造層の外面を覆う外被と、
を備え、
前記移送用多層ホースは、加熱線で構成されたヒーターを有し、
前記加熱線は、前記構造層の外面の周囲に周方向に巻かれている。」
[相違点5-5]
本件発明28は、「ホットメルト接着剤を移送する方法」に係る発明であるのに対し、甲5発明2は、「ホットメルト装置におけるヒーティングホース」に係る発明である点。
[相違点5-6]
本件発明28は、ホットメルト接着剤を「約230°C(華氏約450度)の設定値以下の温度」で移送するのに対し、甲5発明2は、かかる事項についての特定がない点。
[相違点5-7]
「金属製内部チューブ」に関し、本件発明28は、「溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホースの作動コアを形成」し、「複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属チューブ」であるのに対し、甲5発明2は、甲5発明2は、「溶融したホットメルト接着剤を移送する前記ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」層として機能する「金属層2」を形成した「本体チューブ1」である点。
[相違点5-8]
本件発明28は、「ホースは、一体的に形成されている」のに対し、甲5発明2がかかる事項を備えるか不明な点。
(い)判断
事情に鑑み、上記相違点5-7について検討する。
甲5発明1の「金属層2」は、本体チューブ1との隣接部分を互いに溶着(甲第5号証の段落【0010】)したり、本体チューブ1の内側に金属製チューブを挿入する(甲第5号証の段落【0012】)すること、すなわち本体チューブ1の面と隣接する金属層2の面について、酸素の通過を遮断するように互い接触することで、「溶融したホットメルト接着剤を移送する前記ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」層として機能するものである。
そうすると、仮に、甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証ないし甲第7号証、甲第11号証及び甲第12号証、並びに異議申立人が提出した甲第3号証及び甲第8号証ないし甲第10号証に、相違点5-7に係る本件発明28の発明特定事項が開示されていたとしても、甲5発明2の「金属層2」に対する当該事項の適用は、金属層2と本体チューブ1において、酸素の通過を遮断するように互い接触することが失われ、結果、「溶融したホットメルト接着剤を移送する前記ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」層としての機能を失うことになる。
また、「本体チューブ1」に対する当該事項の適用について検討すると、甲第5号証の段落【0014】に記載されるとおり、「金属層2」を備えた「本体チューブ1」全てに換えて当該事項を適用するものとなるから、本件発明28における「可撓性金属製チューブ」に係る発明特定事項である、「可撓性金属製チューブは、前記溶融したホットメルト接着剤中への酸素の侵入を防止するように構成された不透過性バリア層を形成」するとの事項を構成しない。
してみると、甲5発明2に対する当該事項の適用については、阻害要因があると解さざるを得ない。
そして、本件発明28は、相違点5-7に係る本件発明28の発明特定事項によって「可撓性金属チューブからなるホース」において、「ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」ことができる(本願明細書の段落【0011】参照)という格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明28は、甲5発明2及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(オ)甲6発明1又は甲6発明2を主引用発明とした対比・判断
あ 本件発明17
(あ)対比
本件発明17と甲6発明1とを対比すると、甲6発明1の「加熱ホース10」は、その機能、構成及び技術的意義からみて本件発明17の「ホットメルト接着剤移送用多層ホース」及び「ホース」に相当する。
甲6発明1の「テフロンチューブ20」と本件発明17の「金属製内部チューブ」とは、「内部チューブ」という限りで一致する。
甲6発明1の「テフロンチューブ20を包む」は、甲第6号証の第3欄9ないし13行の記載事項を踏まえると、テフロンチューブ20が流体圧力に耐えるように包むものであるから、本件発明17の「流体圧力に耐えるように構成された」に相当する。そうすると、甲6発明1の「ステンレス鋼金属編組21」は、本件発明17の「構造層」に相当する。同様に、甲6発明1の「編組ポリエステルカバー55」は、甲第6号証のFig.1の図示事項からみて「ステンレス鋼金属編組21」の外面を覆うものであるから、本件発明17の「前記構造層の外面を覆う」、「外被」に相当する。
甲6発明1の「溶融したホットメルト材料」は、その機能、構成及び技術的意義からみて本件発明17の「溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤」に相当する。そうすると、甲6発明1の「前記テフロンチューブ20は、溶融したホットメルト材料を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記ステンレス鋼金属編組21は、前記テフロンチューブ20の前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記網組ポリエステルカバー55は、前記ステンレス鋼金属編組21の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有」することと、本件発明17の「前記可撓性金属製内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記可撓性金属製内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有」することとは、「前記内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有」すること、という限りで一致する。
そうすると、両者は、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
前記ホットメルト接着剤移送用多層ホースは、
内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
前記構造層の外面を覆う外被と、
を備え、
前記内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有する、ホース。」
[相違点6-1]
「内部チューブ」に関し、本件発明17は、「1又は2以上の層が、溶融したホットメルト接着剤を移送する前記ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える酸素バリア層」を備えた「ホットメルト接着剤移送用多層ホース」の「可撓性金属製内部チューブ」であって、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、前記溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホースの作動コアを形成し、複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有」するのに対し、甲6発明1は、「テフロンチューブ20」である点。
[相違点6-2]
本件発明17のホットメルト接着剤移送用多層ホースは、「一体的に形成されて」いるのに対し、甲6発明1がかかる事項を備えるか不明な点。
(い)判断
上記相違点6-1について検討する。
甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証ないし甲第7号証、甲第11号証及び甲第12号証には、相違点6-1に係る本件発明17の発明特定事項、特に、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成」し、さらに、「複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属製内部チューブ」は開示されていない。また、(2)アのとおり、異議申立人が提出した甲第3号証及び甲第8号証ないし甲第10号証にも、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成」し、さらに、「複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属製内部チューブ」の開示はない。
そうすると、甲6発明1に対し、甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項を適用しても、相違点6-1に係る本件発明17の発明特定事項は構成しない。
そして、本件発明17は、相違点6-1に係る本件発明17の発明特定事項によって「可撓性金属チューブからなるホース」において、「ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」ことができる(本願明細書の段落【0011】参照)という格別顕著な効果を奏する。
したがって、相違点6-2を検討するまでもなく、本件発明17は、甲6発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
い 本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37
本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37は、本件発明17を請求項23、請求項25、請求項36又は請求項37に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37も、本件発明17の上記相違点6-1を有する。
そして、上記相違点6-1は、上述したとおり、甲6発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37は、甲6発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
う 本件発明26(本件発明17を引用する本件発明26)
(あ)対比
あ(あ)で述べた本件発明17と甲6発明1との対比を踏まえ、本件発明26と甲6発明1とを対比すると、両者は、以下の一致点で一致し、あ(あ)で述べた相違点6-1及び相違点6-2、並びに以下の相違点6-3、相違点6-4及び相違点6-5で相違する。
[一致点]
「ホース内の前記溶融したホットメルト接着剤を設定値で加熱すること、
を含み、
前記ホースは、
ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
前記ホットメルト接着剤移送用多層ホースは、
内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
前記構造層の外面を覆う外被と、
を備え、
前記内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有する、ホース
である、ホース。」
[相違点6-3]
本件発明26は、「ホットメルト接着剤を吐出する方法であって、
ホットメルト接着剤を溶融することと、
前記溶融したホットメルト接着剤を、ホースを通してディスペンサーに移送することと、
前記ホットメルト接着剤を基材上に吐出することと、
を含む、方法。」に係る発明であるのに対し、甲6発明1は、「加熱ホース」に係る発明である点。
[相違点6-4]
本件発明26は、「金属製内部チューブを含むバリア層によって前記ホース内の前記接着剤中への酸素の移動を防止すること」を含むのに対し、甲6発明1は、「金属製内部チューブを含むバリア層によって前記ホース内の前記接着剤中への酸素の移動を防止すること」を含むものではない点。
[相違点6-5]
「設定値」について、本件発明26は、「約230°C(華氏約450度)以下」であるのに対し、甲6発明1は、設定値に係る温度が不明な点。
(い)判断
上記相違点6-1は、あ(い)で上述したとおり、甲6発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
そして、本件発明26は、相違点6-1に係る本件発明26の発明特定事項によって「可撓性金属チューブからなるホース」において、「ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」ことができる(本願明細書の段落【0011】参照)という格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明26は、甲6発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
え 本件発明27、本件発明39及び本件発明40(本件発明17を引用する本件発明26を引用する本件発明27、本件発明39及び本件発明40)
本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、本件発明17を引用する本件発明26を、請求項27、請求項39又は請求項40に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明27、本件発明39及び本件発明40も、あ(あ)で上述した上記相違点6-1を有する。
そして、上記相違点6-1は、上述したとおり、甲6発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、甲6発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
お 本件発明28
(あ)対比
本件発明28と甲6発明2を対比すると、両者は、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「ホットメルト接着剤を、設定値で移送用多層ホース内の内部チューブを通して移送することを含み、
前記移送用多層ホースは、
内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
前記構造層の外面を覆う外被と、
を備え、
前記ホースは、加熱線で構成されたヒーターを有し、
前記加熱線は、前記内部チューブ又は前記構造層の外面の周囲に周方向に巻かれている。」
[相違点6-6]
本件発明28は、「ホットメルト接着剤を移送する方法」に係る発明であるのに対し、甲6発明2は「加熱ホース」に係る発明である点。
[相違点6-7]
本件発明28は、ホットメルト接着剤を「可撓性金属チューブを通して移送」し、「可撓性金属チューブ」は、「前記ホットメルト接着剤中への酸素の侵入を防止するように構成された不透過バリア層を形成」するとともに、「溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホースの作動コアを形成する」ものであって、さらに「複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」し、そして、「内部チューブ」が「可撓性金属チューブ」であるのに対し、甲6発明2は、「可撓性金属チューブを通して移送」し、「可撓性金属チューブは、前記ホットメルト接着剤中への酸素の侵入を防止するように構成された不透過バリア層を形成」するものではなく、接着剤を移送する「内部チューブ」が「テフロンチューブ20」である点。
[相違点6-8]
「設定値」について、本件発明28は、「約230°C(華氏約450度)以下」であるのに対し、甲6発明2は、設定値に係る温度が不明な点。
[相違点6-9]
本件発明28は、「ホースは、一体的に形成されている」のに対し、甲6発明2がかかる事項を備えるか不明な点。
(い)判断
事情に鑑み、まず、上記相違点6-7について検討する。
甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証ないし甲第7号証、甲第11号証及び甲第12号証には、相違点6-7に係る本件発明28の発明特定事項、特に、「前記ホットメルト接着剤中への酸素の侵入を防止するように構成された不透過バリア層を形成」し、さらに「複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属チューブ」は開示されていない。また、(2)アのとおり、異議申立人が提出した甲第3号証及び甲第8号証ないし甲第10号証にも、「前記ホットメルト接着剤中への酸素の侵入を防止するように構成された不透過バリア層を形成」し、さらに「複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属チューブ」の開示はない。
そうすると、甲6発明2に対し、甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項を適用しても、相違点6-7に係る本件発明28の発明特定事項は構成しない。
そして、本件発明28は、相違点6-7に係る本件発明28の発明特定事項によって、「可撓性金属チューブからなるホース」において、「ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」ことができる(本願明細書の段落【0011】参照)という格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明28は、甲6発明2及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(カ)甲7発明1又は甲7発明2を主引用発明とした対比・判断
あ 本件発明17
(あ)対比
本件発明17と甲7発明1とを対比すると、甲7発明1の「熱接着剤」は、その機能、構成及び技術的意義からみて本件発明17の「ホットメルト接着剤」に相当する。そうすると、甲7発明1の「熱接着剤塗布設備及び装置で使用される加熱ホース」は「ホットメルト接着剤移送用多層ホース」及び「ホース」に相当する。
甲7発明1の「PTFE内部ホース」と本件発明17の「金属製内部チューブ」とは、「内部チューブ」という限りで一致する。
甲7発明1の「耐圧を大幅に高くする」ことは、加熱ホース内に流れる熱接着剤の流体圧力に耐えることを意図するものであるから、本件発明17の「流体圧力に耐えるように構成された」に相当する。そうすると、甲7発明の「ステンレス鋼の外装」は本件発明17の「構造層」に相当する。同様に、甲7発明の「編組」は、ステンレス鋼の外装の外面を覆う「編組」であるから、本件発明17の「前記構造層を覆う外被」に相当する。
甲7発明1の「前記PTFE内部ホースは、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記ステンレス鋼の外装は、前記PTFE内部ホースの第1の外面を覆って配置され、少なくとも第2の外面を有し、
前記編組は、ステンレス鋼の外装の第2の外面を覆って配置され、第3の内面と第3の外面を有」することと、本件発明17の「前記可撓性金属製内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記可撓性金属製内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有」することとは、「前記内部チューブは、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有」すること、という限りで一致する。
そうすると、両者は、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
前記ホットメルト接着剤移送用多層ホースは、
内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
前記構造層の外面を覆う外被と、
を備え、
前記内部チューブは、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有する、ホース。」
[相違点7-1]
「内部チューブ」に関し、本件発明17は、「1又は2以上の層が、溶融したホットメルト接着剤を移送する前記ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える酸素バリア層」を備えた「ホットメルト接着剤移送用多層ホース」の「可撓性金属製内部チューブ」であって、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、前記溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホースの作動コアを形成し、複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有」し、さらに「溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送」するのに対し、甲7発明1は、「PTFE内部ホース」である点。
[相違点7-2]
「構造層」に関し、本件発明17は「第2の内面」を有するのに対し、第7発明1がかかる事項を有するか不明な点。
[相違点7-3]
本件発明17のホットメルト接着剤移送用多層ホースは、「一体的に形成されて」いるのに対し、甲7発明1がかかる事項を備えるか不明な点。
(い)判断
上記相違点7-1について検討する。
甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証ないし甲第7号証、甲第11号証及び甲第12号証には、相違点7-1に係る本件発明17の発明特定事項、特に、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成」し、さらに、「複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属製内部チューブ」は開示されていない。また、(2)アのとおり、異議申立人が提出した甲第3号証及び甲第8号証ないし甲第10号証にも、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成」し、さらに、「複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属製内部チューブ」の開示はない。
そうすると、甲7発明1に対し、甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項を適用しても、相違点7-1に係る本件発明17の発明特定事項は構成しない。
そして、本件発明17は、相違点7-1に係る本件発明17の発明特定事項によって「可撓性金属チューブからなるホース」において、「ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」ことができる(本願明細書の段落【0011】参照)という格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明17は、甲7発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
い 本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37
本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37は、本件発明17を請求項23、請求項25、請求項36又は請求項37に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37も、本件発明17の上記相違点7-1を有する。
そして、上記相違点7-1は、上述したとおり、甲7発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37は、甲7発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
う 本件発明26(本件発明17を引用する本件発明26)
(あ)対比
あ(あ)で述べた本件発明17と甲7発明1との対比を踏まえ、本件発明26と甲7発明1とを対比すると、両者は、以下の一致点で一致し、あ(あ)で述べた相違点7-1、相違点7-2及び相違点7-3、並びに以下の相違点7-4、相違点7-5及び相違点7-6で相違する。
[一致点]
「ホース内の前記溶融したホットメルト接着剤を設定値で加熱すること、
を含み、
前記ホースは、
ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
前記ホットメルト接着剤移送用多層ホースは、
内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
前記構造層の外面を覆う外被と、
を備え、
前記内部チューブは、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有する、ホース
である、ホース。」
[相違点7-4]
本件発明26は、「ホットメルト接着剤を吐出する方法であって、
ホットメルト接着剤を溶融することと、
前記溶融したホットメルト接着剤を、ホースを通してディスペンサーに移送することと、
前記ホットメルト接着剤を基材上に吐出することと、
を含む、方法。」に係る発明であるのに対し、甲7発明1は、「熱接着剤塗布設備及び装置で使用される加熱ホース」に係る発明である点。
[相違点7-5]
本件発明26は、「金属製内部チューブを含むバリア層によって前記ホース内の前記接着剤中への酸素の移動を防止すること」を含むのに対し、甲7発明1は、「金属製内部チューブを含むバリア層によって前記ホース内の前記接着剤中への酸素の移動を防止すること」を含むものではない点。
[相違点7-6]
「設定値」について、本件発明26は、「約230°C(華氏約450度)以下」であるのに対し、甲7発明1は、設定値に係る温度が不明な点。
(い)判断
上記相違点7-1は、あ(い)で上述したとおり、甲7発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
そして、本件発明26は、相違点7-1に係る本件発明26の発明特定事項によって「可撓性金属チューブからなるホース」において、「ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」ことができる(本願明細書の段落【0011】参照)という格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明26は、甲7発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
え 本件発明27、本件発明39及び本件発明40(本件発明17を引用する本件発明26を引用する本件発明27、本件発明39及び本件発明40)
本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、本件発明17を引用する本件発明26を、請求項27、請求項39又は請求項40に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明27、本件発明39及び本件発明40も、あ(あ)で上述した上記相違点7-1を有する。
そして、上記相違点7-1は、上述したとおり、甲7発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、甲7発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
お 本件発明28
(あ)対比
本件発明28と甲7発明2を対比すると、両者は、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「ホットメルト接着剤を、設定値で移送用多層ホース内の内部チューブを通して移送することを含み、
前記移送用多層ホースは、
内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
前記構造層の外面を覆う外被と、
を備え、
前記ホースは、加熱線で構成されたヒーターを有し、
前記加熱線は、外面の周囲に周方向に巻かれている。」
[相違点7-7]
本件発明28は、「ホットメルト接着剤を移送する方法」に係る発明であるのに対し、甲7発明2は、「熱接着剤塗布設備及び装置で使用される加熱ホース」に係る発明である点。
[相違点7-8]
本件発明28は、ホットメルト接着剤を「可撓性金属チューブを通して移送」し、「可撓性金属チューブ」は、「前記ホットメルト接着剤中への酸素の侵入を防止するように構成された不透過バリア層を形成」するとともに、「溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホースの作動コアを形成する」ものであって、さらに「複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」し、そして、「内部チューブ」が「可撓性金属チューブ」であるのに対し、甲7発明2は、「可撓性金属チューブを通して移送」し、「可撓性金属チューブは、前記ホットメルト接着剤中への酸素の侵入を防止するように構成された不透過バリア層を形成」するものではなく、接着剤を移送する「内部チューブ」が「PTFE内部ホース」である点。
[相違点7-9]
「設定値」について、本件発明28は、「約230°C(華氏約450度)以下」であるのに対し、甲7発明2は、設定値に係る温度が不明な点。
[相違点7-10]
「前記加熱線は、外面の周囲に周方向に巻かれている」について、本件発明28は、「加熱線は、前記可撓性金属チューブ又は前記構造層の外面の周囲に周方向に巻かれて」いるのに対し、甲7発明2は、「前記加熱線は、ステンレス鋼の外装の外面を覆う編組の第3の外面の周囲に周方向に巻かれて」いる点。
[相違点7-11]
本件発明28は、「ホースは、一体的に形成されている」のに対し、甲7発明2がかかる事項を備えるか不明な点。
(い)判断
事情に鑑み、まず、上記相違点7-8について検討する。
甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証ないし甲第7号証、甲第11号証及び甲第12号証には、相違点7-8に係る本件発明28の発明特定事項、特に、「前記ホットメルト接着剤中への酸素の侵入を防止するように構成された不透過バリア層を形成」し、さらに「複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属チューブ」は開示されていない。また、(2)アのとおり、異議申立人が提出した甲第3号証及び甲第8号証ないし甲第10号証にも、「前記ホットメルト接着剤中への酸素の侵入を防止するように構成された不透過バリア層を形成」し、さらに「複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属チューブ」の開示はない。
そうすると、甲7発明2に対し、甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項を適用しても、相違点7-8に係る本件発明28の発明特定事項は構成しない。
そして、本件発明28は、相違点7-8に係る本件発明28の発明特定事項によって、「可撓性金属チューブからなるホース」において、「ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」ことができる(本願明細書の段落【0011】参照)という格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明28は、甲7発明2及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(キ)小括
(ア)ないし(カ)のとおり、訂正前の請求項17、請求項23、請求項25ないし請求項28、請求項36、請求項37、請求項39及び請求項40に対する取消理由1及び取消理由2に係る取消理由は、訂正により解消した。
イ 取消理由3の判断
取消理由3の対象であった、訂正前の請求項24は、訂正により削除された。
したがって、取消理由3は解消した。
ウ 取消理由4の判断
取消理由3の対象であった、訂正前の請求項19及び請求項20は、訂正により削除された。
したがって、取消理由4は解消した。
エ 取消理由5の判断
取消理由5の対象であった、請求項20は、訂正により削除された。
したがって、取消理由5は解消した。
(2)決定の予告に記載しなかった取消理由及び特許異議申立理由についてア 甲第3号証及び甲第8号証ないし甲第10号証について
特許異議申立人が提出した甲第3号証及び甲第8号証ないし甲第10号証は以下のとおりのものである。
甲第3号証:TEATカタログ
甲第8号証:米国特許第4510974号明細書
甲第9号証:中国特許出願公開第103115204号明細書
甲第10号証:国際公開第03/022614号
そして、甲第3号証及び甲第8号証ないし甲第10号証の記載は、それぞれ以下のとおりである。
(ア)甲第3号証
甲第3号証には、以下の記載事項、図示事項及び認定事項がある。
あ 第34ページには、以下の記載事項がある。
「The electrically heated hose INOX-type is based on a AISI 321 flexible stainless austhenitic steel hose with paralel andulation, without gaskets and seam, which guarantees perfect tight of pressure and also very high flexibility」
(特許異議申立人訳:電気的な加熱ホースのINOX型は、圧力の完全な気密及び非常に高い可撓性を保証する、ガスケット及び継ぎ目のない、平行の波打ちを備えたAISI321の可撓性のステンレスオーステナイト鋼のホースに基づく。)
い 第34ページには、以下の記載事項がある。
「T100 for operating temperatures up to 100°C」
「T200 for operating temperatures up to 200°C」
「T250 for operating temperatures up to 250°C」
「T350 for operating temperatures up to 350°C」
(特許異議申立人訳:
100°Cまでの動作温度用のT100
200°Cまでの動作温度用のT200
250°Cまでの動作温度用のT250
350°Cまでの動作温度用のT350)
う 第35ページには、以下の記載事項がある。
「Applications at very high temperatures(>250°C/482 ゚F)In particular tar transport, road-working machinery」
(特許異議申立人訳:非常に高温(>250°C/482 ゚F)、特にタールを移送する道路工事機械の用途)
え 第40-41ページには以下の図示事項がある。
「
67
129
0001432014000012.jpg
」
第40ページの図示事項左側の記載は、以下のとおりである。
「
201
114
0001432014000013.jpg
」
ここで、「Sheat」、「Inslation」、「Glass fibre tape」、「Stainless steel braid」、「Heating Element」及び「PTFE or INOX core」の訳は、それぞれ、「シート」、「断熱層」、「ガラス繊維テープ」、「ステンレス鋼編組」、「加熱要素」及び「PTFE又はINOXコア」である(いずれも特許異議申立人訳)
お 第44-45ページの次の、略中央部に「TEAT」「THE HEATING HOSES COMPANEY」との記載があるページに記載された「TEAT/versione1.0/aprile 2013」との記載から、甲第3号証は、2013年に作成されたものと理解できる。
か 「え」の図示事項及び記載事項から、INOXコアは、第1の内面と第1の外面を有するといえる。
き 「え」の図示事項及び記載事項から、ステンレス鋼編組は、INOXコアの第1の外面を覆うように配置され、第2の内面と第2の外面を有するといえる。
く 「え」の図示事項及び記載事項から、シートは、第3の内面と第3の外面を有するといえる。
け 「え」の図示事項及び記載事項から、加熱要素は加熱線であり、ステンレス鋼編組の第2の外面の周囲に周方向に巻かれている、といえる。
「あ」ないし「け」から、甲第3号証には、以下2つの発明(以下、「甲3発明1」及び「甲3発明2」という。)が記載されていると認められる。
[甲3発明1]
「 タールを移送する道路工事機械用のINOX型の加熱ホースであって、
INOXコアと、
ステンレス鋼編組と、
シートと、
加熱要素と、
を備え、
前記INOXコアは、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記ステンレス鋼編組は、前記INOXコアの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記シートは、第3の内面及び第3の外面を有する、タールを移送する道路工事機械用のINOX型の加熱ホース。」
[甲3発明2]
「 タールを移送する道路工事機械用のINOX型の加熱ホースであって、
INOXコアと、
ステンレス鋼編組と、
シートと、
を備え、
前記タールを移送する道路工事機械用のINOX型の加熱ホースは、加熱線で構成された加熱要素を有し、
前記加熱線は、ステンレス鋼編組の第2の外面の周囲に周方向に巻かれている、タールを移送する道路工事機械用のINOX型の加熱ホース。」
(イ)甲第8号証
甲第8号証には、以下の記載事項がある。
あ 「A first example of a fluid conveying hose constructed according to the invention, as shown in FIG. 1, includes an inner tube 1, an impermeable layer 2 which here is a thin aluminum film formed on the outer surface of the inner tube 1 by vacuum evaporation, and an outer layer 3 formed on the surface of the impermeable layer 2.」(第2欄第48-53行)
(特許異議申立人訳:本発明に従って構成された流体移送ホースの第1の実施例は、図1に示すように、内部チューブ1と、真空蒸着によって内部チューブ1の外面に形成された、ここではアルミニウム薄膜である不透過層2と、不透過層2の表面に形成された外層3とを含む。)
い 「The impermeable layer 2 is constructed as a single thin member. The layer 2 serves effectively as a barrier to prevent the permeation of fluids from both inside and outside without affecting the flexibility of the hose. More specifically, in the case where, for instance, a refrigerant gas is conveyed by the hose, the gas may permeate the inner tube 1 but it is blocked by the layer 2 so that leakage of gas from inside the hose is prevented while the entry of moisture from the outside is blocked by the layer 2. Thus, such a hose can be used to prevent gas from entering the related equipment such as the compressor system of an automotive air conditioner.」(第2欄第65行-第3欄第8行)
(特許異議申立人訳:不透過層2は単一の薄い部材として構成されている。この層2は、ホースの可撓性に影響を与えることなく、内部及び外部からの流体の透過を防止するバリアとして有効に機能する。より具体的には、例えば冷媒ガスをホースで移送する場合、ガスは内部チューブ1を透過する可能性があるが、その層2によって遮断されるため、ホース内部からのガスの漏れは防止され、一方で外部からの水分の侵入は層2によって遮断される。したがって、そのようなホースを使用することにより、自動車用エアコンのコンプレッサーシステムなどの関連機器へのガスの侵入を防止することができる。)
う 「A third example of a hose constructed according to the invention is shown in FIG. 4 in which an impermeable layer 10 provided between an inner tube 1 and a reinforcing layer 4 is an aluminum tape which extends longitudinally of the hose to surround the inner tube 1 with an overlap 9.」(第3欄第40-45行)
(特許異議申立人訳:本発明より構成されたホースの第3の例を図4に示す。そこでは、内部チューブ1と補強層4との間に備えられた不透過層10はアルミニウムチューブであり、それはホースの長手方向に延びて、重なり部9を備えて内部チューブ1を取り囲む。)
(ウ)甲第9号証
甲第9号証には、以下の記載事項がある。
あ 「
29
153
0001432014000014.jpg
」
(特許異議申立人訳:[0029] 本発明の金属間(当審注:「金属管」の誤記と解する。)ケーシング12は、耐食性に優れたステンレス鋼帯や亜鉛メッキ鋼帯を使用することができる。
[0030] シール層1は高弾性シール材を採用し、金属ホースの機密性を確保し、チューブ内壁は平滑であり、チューブ内の流体の流動抵抗を減少させ、圧力損失を減少させ、伝達効率を向上させ、金属ホースの耐用年数を延長させることができる。)
(エ)甲第10号証
甲第10号証には、以下の記載事項がある。
あ 「The present invention relates to the field of tubes, and particularly to the field of automobile fuel and vapor transmission tubes having reduced permeability to such fuel and vapor. More particularly, the invention relates to multi-layer nylon fuel transport tubes which have a thin aluminum barrier layer between an inner conductive nylon tube and an outer non-conductive nylon tube, and to the use of such fuel transport tubes to reduce the amount of fuel vapor released to the atmosphere from motor vehicles.」(第1ページ第14-24行)
(特許異議申立人訳:本発明は、チューブの分野に関し、特に、そのような燃料及び蒸気に対する透過性が低減された自動車用燃料及び蒸気輸送チューブの分野に関する。より具体的には、本発明は、内側の導電性ナイロンチューブと外側の非伝導性ナイロンチューブとの間に薄いアルミニウムバリア層を有する多層ナイロン燃料輸送チューブ、及び自動車から大気中に放出される燃料蒸気の量を低減するためのそのような燃料輸送チューブの使用に関する。)
い 「A fuel hose manufactured in accordance with the present invention is illustrated in Figs. 1 and 2, wherein a fuel tube 10 has an inner tubular structure 12 comprising a conductive nylon, an aluminum barrier layer 14 surrounding the outermost surface of the conductive nylon tube 12, and a non-conductive nylon outer tubular structure 16 adjacent to and surrounding the outermost surface of the aluminum barrier layer 14.」(第6ページ第13-18行)
(特許異議申立人訳:本発明に従って製造された燃料チューブが図1及び図2に示されており、そこで燃料チューブ10は、導電性ナイロンからなる内部チューブ構造体12と、その導電性ナイロンチューブ12の再外面を取り囲むアルミニウムバリア層14と、アルミニウムバリア層14に隣接し、アルミニウムバリア層14の再外面を取り囲む非導電性ナイロン外部チューブ構造体16とを有する。)
う 「The non-conductive nylon layer can be applied around the aluminum coated nylon tubular structure by extrusion techniques known in the art.」(第10ページ第11-13行)
(特許異議申立人訳:非導電性ナイロン層は、アルミニウム被覆ナイロン管状構造体の周囲に、当該分野で公知の成形技術により塗布されることができる。)
イ 本件発明1、本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16、並びに本件発明1を引用する本件発明26、本件発明27、本件発明39及び本件発明40の進歩性に係る取消理由について(甲3発明を主引用例とした取消理由を除く)
(ア)甲1発明を主引用発明とした対比・判断
あ 本件発明1
(あ)対比
本件発明1と甲1発明とを対比すると、甲1発明の「ホットメルト接着剤移送用ホース」は、その機能、構成及び技術的意義からみて本件発明1の「ホットメルト接着剤移送用多層ホース」及び「ホース」に相当する。
甲1発明の「ステンレス製のコンボリューテッドコア」は、「溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送する」「ステンレス製のコンボリューテッドコア」であるから、本件発明1の「加熱した液体ホットメルト接着剤を移送する可撓性金属製内部チューブ(702)であって、酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、前記溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホース(700)の作動コアを形成し、複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有する前記可撓性金属製内部チューブ」とは、「加熱した液体ホットメルト接着剤を移送する金属製内部チューブ」という限りで一致する。
甲1発明の「ステンレス鋼編組」は、本件発明1の「流体圧力に耐えるように構成された少なくとも1つの構造層」に相当する。
甲1発明の「前記ステンレス鋼編組の第2の外面を覆う非導電性基礎層」と本件発明1の「前記少なくとも1つの構造層の外面を覆う外被であって、前記少なくとも1つの構造層の前記外面を覆い、直接接触する多層構造物を有する外被」とは、「前記少なくとも1つの構造層の外面を覆う外被であって、前記少なくとも1つの構造層の前記外面を覆う、外被」という限りで一致する。
そうすると、両者は、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
加熱した液体ホットメルト接着剤を移送する金属製内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された少なくとも1つの構造層と、
前記少なくとも1つの構造層の外面を覆う外被であって、前記少なくとも1つの構造層の前記外面を覆う、外被と、
を備える、ホース。」
[相違点1-ア]
「加熱した液体ホットメルト接着剤を移送する金属製内部チューブ」に関し、本件発明1は、「可撓性金属製内部チューブ」であって、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記加熱した液体ホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、前記加熱した液体ホットメルト接着剤が流れる前記ホースの作動コアを形成し、複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」する、「可撓性金属製内部チューブ」であるのに対し、甲1発明は、「ステンレス製のコンボリューテッドコア」である点。
[相違点1-イ]
「外被」に関し、本件発明1は「少なくとも1つの構造層の前記外面を覆い、直接接触する多層構造物を有する外被」であるのに対し、甲1発明は「前記ステンレス鋼編組の第2の外面を覆う非導電性基礎層」である点。
[相違点1-ウ]
本件発明1は、「前記加熱した液体ホットメルト接着剤を設定値に維持するヒーターであって、前記設定値を長時間に亘って約230°C(華氏約450度)以下に維持するように制御される電源に電気的に接続されるようになっているヒーター」を備えるのに対し、甲1発明はかかる事項を備えるか不明な点。
[相違点1-エ]
本件発明1のホットメルト接着剤移送用多層ホースは、「一体的に形成されて」いるのに対し、甲1発明がかかる事項を備えるか不明な点。
(い)判断
事情に鑑み、相違点1-イについて検討する。
甲第1号証ないし甲第12号証には、相違点1-イに係る本件発明1の発明特定事項、特に、「多層構造物を有する外被」を「前記少なくとも1つの構造層の前記外面を覆」うことに係る事項は開示されていない。
そうすると、甲1発明に対し、甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項を適用しても、相違点1-イに係る本件発明1の発明特定事項は構成しない。
そして、本件発明1は、相違点1-イに係る本件発明1の発明特定事項によって、本願明細書の段落【0056】に記載された格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
い 本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16
本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16は、本件発明1を請求項9、請求項10、請求項14、請求項15又は請求項16に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16も、本件発明1の上記相違点1-イを有する。
そして、上記相違点1-イは、上述したとおり、甲1発明及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16は、甲1発明及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
う 本件発明26(本件発明1を引用する本件発明26)
(あ)対比
あ(あ)で述べた本件発明1と甲1発明との対比を踏まえ、本件発明26と甲1発明とを対比すると、両者は、以下の一致点で一致し、あ(あ)で述べた相違点1-ア、相違点1-イ、相違点1-ウ及び相違点1-エ、並びに以下の相違点1-オで相違する。
[一致点]
「ホースは、
ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
加熱した液体ホットメルト接着剤を移送する金属製内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された少なくとも1つの構造層と、
前記少なくとも1つの構造層の外面を覆う外被であって、前記少なくとも1つの構造層の前記外面を覆う、外被と、
を備える、ホース
である、ホース。」
[相違点1-オ]
本件発明26は、「ホットメルト接着剤を吐出する方法であって、
ホットメルト接着剤を溶融することと、
前記溶融したホットメルト接着剤を、ホースを通してディスペンサーに移送することと、
前記ホース内の前記溶融したホットメルト接着剤を約230°C(華氏約450度)以下の設定値で加熱することと、
金属製内部チューブを含むバリア層によって前記ホース内の前記接着剤中への酸素の移動を防止することと、
前記ホットメルト接着剤を基材上に吐出することと、
を含む、方法」に係る発明であるのに対し、甲1発明は、「ホットメルト接着剤移送用多層ホース」に係る発明である点。
(い)判断
上記相違点1-イは、あ(い)で上述したとおり、甲1発明及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
そして、本件発明26は、相違点1-イに係る本件発明26の発明特定事項によって、本願明細書の段落【0056】に記載された格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明26は、甲1発明及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
え 本件発明27、本件発明39及び本件発明40(本件発明1を引用する本件発明26を引用する本件発明27、本件発明39及び本件発明40)
本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、本件発明1を引用する本件発明26を、請求項27、請求項39又は請求項40に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明27、本件発明39及び本件発明40も、あ(あ)で上述した上記相違点1-イを有する。
そして、上記相違点1-イは、上述したとおり、甲1発明及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、甲1発明及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(イ)甲2発明1を主引用発明とした対比・判断
あ 本件発明1
(あ)対比
本件発明1と甲2発明1を対比すると、両者は、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
内部チューブ内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された少なくとも1つの構造層と、
前記少なくとも1つの構造層の外面を覆う外被と、
加熱した液体ホットメルト接着剤を設定値に維持するヒーターであって、約230°C(華氏約450度)以下に維持するように制御されるヒーターと、
を備える、ホース。」
[相違点2-ア]
「内部チューブ」に関し、本件発明1は、「加熱した液体ホットメルト接着剤を移送する可撓性金属製内部チューブ」であって、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記加熱した液体ホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成」し、「前記加熱した液体ホットメルト接着剤が流れる前記ホースの作動コアを形成」し、「複数の継ぎ目のないコルゲート部」を有する「可撓性金属製内部チューブ」であるのに対し、甲2発明1は、「接着剤を移送するPTFE内部ホース」である点。
[相違点2-イ]
「外被」に関し、本件発明1は、「少なくとも1つの構造層の前記外面を覆い、直接接触する多層構造物」を有する「外被」であるのに対し、甲2発明1は、「ステンレス鋼編組の第2の外面を覆う外部ジャケット」である点。
[相違点2-ウ]
「ヒーター」に関し、本件発明1は、「前記設定値を長時間に亘って約230°C(華氏約450度)以下に維持するように制御される電源に電気的に接続される」ようになっている「ヒーター」であるのに対し、甲2発明1は、「PTFE内部ホースを250°C以下に維持する加熱部」である点。
[相違点2-エ]
本件発明1のホットメルト接着剤移送用多層ホースは、「一体的に形成されて」いるのに対し、甲2発明1がかかる事項を備えるか不明な点。
(い)判断
事情に鑑み、相違点2-イについて検討する。
甲第1号証ないし甲第12号証には、相違点2-イに係る本件発明1の発明特定事項、特に、「多層構造物を有する外被」を「前記少なくとも1つの構造層の前記外面を覆」うことに係る事項は開示されていない。
そうすると、甲2発明1に対し、甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項を適用しても、相違点2-イに係る本件発明1の発明特定事項は構成しない。
そして、本件発明1は、相違点2-イに係る本件発明1の発明特定事項によって、本願明細書の段落【0056】に記載された格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明1は、甲2発明及1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
い 本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16
本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16は、本件発明1を請求項9、請求項10、請求項14、請求項15又は請求項16に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16も、本件発明1の上記相違点2-イを有する。
そして、上記相違点2-イは、上述したとおり、甲2発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16は、甲2発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
う 本件発明26(本件発明1を引用する本件発明26)
(あ)対比
あ(あ)で述べた本件発明1と甲2発明1との対比を踏まえ、本件発明26と甲2発明1とを対比すると、両者は、以下の一致点で一致し、あ(あ)で述べた相違点2-ア、相違点2-イ、相違点2-ウ及び相違点2-エ、並びに以下の相違点2-オ及び相違点2-カで相違する。
[一致点]
「ホース内の前記溶融したホットメルト接着剤を約230°C(華氏約450度)以下の設定値で加熱すること、
を含み、
前記ホースは、
ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
内部チューブ内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された少なくとも1つの構造層と、
前記少なくとも1つの構造層の外面を覆う外被と、
加熱した液体ホットメルト接着剤を設定値に維持するヒーターであって、約230°C(華氏約450度)以下に維持するように制御されるヒーターと、
を備える、ホース
である、ホース。」
[相違点2-オ]
本件発明26は、「ホットメルト接着剤を吐出する方法であって、
ホットメルト接着剤を溶融することと、
前記溶融したホットメルト接着剤を、ホースを通してディスペンサーに移送することと、
前記ホットメルト接着剤を基材上に吐出することと、
を含む、方法」に係る発明であるのに対し、甲2発明1は、「加熱ホース」に係る発明である点。
[相違点2-カ]
本件発明26は、「金属製内部チューブを含むバリア層によって前記ホース内の前記接着剤中への酸素の移動を防止すること」を含むのに対し、甲2発明1は、「金属製内部チューブを含むバリア層によって前記ホース内の前記接着剤中への酸素の移動を防止すること」を含むものではない点。
(い)判断
上記相違点2-イは、あ(い)で上述したとおり、甲2発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
そして、本件発明26は、相違点2-イに係る本件発明26の発明特定事項によって、本願明細書の段落【0056】に記載された格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明26は、甲2発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
え 本件発明27、本件発明39及び本件発明40(本件発明1を引用する本件発明26を引用する本件発明27、本件発明39及び本件発明40)
本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、本件発明1を引用する本件発明26を、請求項27、請求項39又は請求項40に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明27、本件発明39及び本件発明40も、あ(あ)で上述した上記相違点2-イを有する。
そして、上記相違点2-イは、上述したとおり、甲2発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、甲2発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(ウ)甲4発明1を主引用発明とした対比・判断
あ 本件発明1
(あ)
本件発明1と甲4発明1を対比すると、両者は、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「 ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
加熱した液体ホットメルト接着剤を移送する可撓性金属製内部チューブであって、コルゲート部を有する前記可撓性金属製内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された少なくとも1つの構造層と、
前記少なくとも1つの構造層の外面を覆う外被と、
前記ヒーターと、
を備える、ホース。」
[相違点4-ア]
「可撓性金属製内部チューブ」に関し、本件発明1は、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記加熱した液体ホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成」し、「前記加熱した液体ホットメルト接着剤が流れる前記ホースの作動コアを形成」し、「複数の継ぎ目のない」コルゲート部を有するのに対し、甲4発明1は、「可撓性を与えるコルゲートタイプのステンレス鋼チューブ14」である点。
[相違点4-イ]
「外被」に関し、本件発明1は、「少なくとも1つの構造層の前記外面を覆い、直接接触する多層構造物」を有する「外被」であるのに対し、甲4発明1は、「ステンレス編組26の前記第2の外面を覆って配置され」る「外側編組32」である点。
[相違点4-ウ]
「ヒーター」に関し、本件発明1は「前記加熱した液体ホットメルト接着剤を設定値に維持」する「ヒーター」であって、「前記設定値を長時間に亘って約230°C(華氏約450度)以下に維持するように制御される電源に電気的に接続される」ようになっている「ヒーター」であるのに対し、甲4発明1は、「加熱要素29」である点。
[相違点4-エ]
本件発明1のホットメルト接着剤移送用多層ホースは、「一体的に形成されて」いるのに対し、甲4発明1がかかる事項を備えるか不明な点。
(い)判断
事情に鑑み、相違点4-イについて検討する。
甲第1号証ないし甲第12号証には、相違点4-イに係る本件発明1の発明特定事項、特に、「多層構造物を有する外被」を「前記少なくとも1つの構造層の前記外面を覆」うことに係る事項は開示されていない。
そうすると、甲1発明に対し、甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項を適用しても、相違点4-イに係る本件発明1の発明特定事項は構成しない。
そして、本件発明1は、相違点4-イに係る本件発明1の発明特定事項によって、本願明細書の段落【0056】に記載された格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明1は、甲2発明及1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(う)特許異議申立人の意見について
令和7年9月18日提出の意見書4ページ3-18行において、特許異議申立人は、層28が構造層26に直接接触することがあることも明らかに暗黙的に理解する旨、主張する。しかしながら、甲第4号証の記載事項及び図示事項から、「層28」を「多層構造物」と解することはできない。そうすると、本件発明1において「外被」として機能する「外側編組32」に「層28」に係る技術事項を適用しても、相違点4-イに係る本件発明1の発明特定事項は構成しない。
したがって、特許異議申立人の上記主張は当を得ない。
い 本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16
本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16は、本件発明1を請求項9、請求項10、請求項14、請求項15又は請求項16に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16も、本件発明1の上記相違点4-イを有する。
そして、上記相違点4-イは、上述したとおり、甲4発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16は、甲4発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
う 本件発明26(本件発明1を引用する本件発明26)
(あ)対比
あ(あ)で述べた本件発明1と甲4発明1との対比を踏まえ、本件発明26と甲4発明1とを対比すると、両者は、以下の一致点で一致し、あ(あ)で述べた相違点4-ア、相違点4-イ、相違点4-ウ及び相違点4-エ、並びに以下の相違点4-オで相違する。
[一致点]
「ホースは、
ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
加熱した液体ホットメルト接着剤を移送する可撓性金属製内部チューブであって、コルゲート部を有する前記可撓性金属製内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された少なくとも1つの構造層と、
前記少なくとも1つの構造層の外面を覆う外被と、
前記ヒーターと、
を備える、ホース
である、ホース。」
[相違点4-オ]
本件発明26は、「ホットメルト接着剤を吐出する方法であって、
ホットメルト接着剤を溶融することと、
前記溶融したホットメルト接着剤を、ホースを通してディスペンサーに移送することと、
前記ホース内の前記溶融したホットメルト接着剤を約230°C(華氏約450度)以下の設定値で加熱することと、
金属製内部チューブを含むバリア層によって前記ホース内の前記接着剤中への酸素の移動を防止することと、
前記ホットメルト接着剤を基材上に吐出することと、
を含む、方法」に係る発明であるのに対し、甲4発明1は、「ホットメルト可撓性ホース」に係る発明である点。
(い)判断
上記相違点4-イは、あ(い)で上述したとおり、甲4発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
そして、本件発明26は、相違点4-イに係る本件発明26の発明特定事項によって、本願明細書の段落【0056】に記載された格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明26は、甲4発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
え 本件発明27、本件発明39及び本件発明40(本件発明1を引用する本件発明26を引用する本件発明27、本件発明39及び本件発明40)
本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、本件発明1を引用する本件発明26を、請求項27、請求項39又は請求項40に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明27、本件発明39及び本件発明40も、あ(あ)で上述した上記相違点4-イを有する。
そして、上記相違点4-イは、上述したとおり、甲4発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、甲4発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(エ)甲5発明1を主引用発明とした対比・判断
あ 本件発明1
(あ)対比
本件発明1と甲5発明1を対比すると、両者は、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「 ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
加熱した液体ホットメルト接着剤を移送する金属製内部チューブであって、酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記加熱した液体ホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成する前記金属製内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された少なくとも1つの構造層と、
前記少なくとも1つの構造層の外面を覆う外被と、
ヒーターと、
を備える、ホース。」
[相違点5-ア]
「金属製内部チューブ」に関し、本件発明1は、「加熱した液体ホットメルト接着剤が流れる前記ホースの作動コアを形成」し、「複数の継ぎ目のないコルゲート部」を有する「可撓性金属製内部チューブ」であるのに対し、甲5発明1は、「金属層2を形成した本体チューブ1」である点。
[相違点5-イ]
「外被」に関し、本件発明1は、「少なくとも1つの構造層の前記外面を覆い、直接接触する多層構造物」を有する「外被」であるのに対し、甲5発明1は、「前記保護層3の前記第2の外面を覆って配置され」る「外層層6」である点。
[相違点5-ウ]
「ヒーター」に関し、本件発明1は、「前記加熱した液体ホットメルト接着剤を設定値に維持」する「ヒーター」であって、「前記設定値を長時間に亘って約230°C(華氏約450度)以下に維持するように制御される電源に電気的に接続されるようになっている」のに対し、甲5発明1は「ヒーター4」である点。
[相違点5-エ]
本件発明1のホットメルト接着剤移送用多層ホースは、「一体的に形成されて」いるのに対し、甲5発明1がかかる事項を備えるか不明な点。
(い)判断
事情に鑑み、相違点5-イについて検討する。
甲第1号証ないし甲第12号証には、相違点5-イに係る本件発明1の発明特定事項、特に、「多層構造物を有する外被」を「前記少なくとも1つの構造層の前記外面を覆」うことに係る事項は開示されていない。
そうすると、甲5発明1に対し、甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項を適用しても、相違点5-イに係る本件発明1の発明特定事項は構成しない。
そして、本件発明1は、相違点5-イに係る本件発明1の発明特定事項によって、本願明細書の段落【0056】に記載された格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明1は、甲5発明及1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
い 本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16
本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16は、本件発明1を請求項9、請求項10、請求項14、請求項15又は請求項16に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16も、本件発明1の上記相違点5-イを有する。
そして、上記相違点5-イは、上述したとおり、甲5発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16は、甲5発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
う 本件発明26(本件発明1を引用する本件発明26)
(あ)対比
あ(あ)で述べた本件発明1と甲5発明1との対比を踏まえ、本件発明26と甲5発明1とを対比すると、両者は、以下の一致点で一致し、あ(あ)で述べた相違点5-ア、相違点5-イ、相違点5-ウ及び相違点5-エ、並びに以下の相違点5-オで相違する。
[一致点]
「ホースは、
ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
加熱した液体ホットメルト接着剤を移送する金属製内部チューブであって、酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記加熱した液体ホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成する前記金属製内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された少なくとも1つの構造層と、
前記少なくとも1つの構造層の外面を覆う外被と、
ヒーターと、
を備える、ホース
である、ホース。」
[相違点5-オ]
本件発明26は、「ホットメルト接着剤を吐出する方法であって、
ホットメルト接着剤を溶融することと、
前記溶融したホットメルト接着剤を、ホースを通してディスペンサーに移送することと、
前記ホース内の前記溶融したホットメルト接着剤を約230°C(華氏約450度)以下の設定値で加熱することと、
金属製内部チューブを含むバリア層によって前記ホース内の前記接着剤中への酸素の移動を防止することと、
前記ホットメルト接着剤を基材上に吐出することと、
を含む、方法」に係る発明であるのに対し、甲5発明1は、「ホットメルト塗布装置におけるヒーティングホース」に係る発明である点。
(い)判断
上記相違点5-イは、あ(い)で上述したとおり、甲5発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
そして、本件発明26は、相違点5-イに係る本件発明26の発明特定事項によって、本願明細書の段落【0056】に記載された格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明26は、甲5発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
え 本件発明27、本件発明39及び本件発明40(本件発明1を引用する本件発明26を引用する本件発明27、本件発明39及び本件発明40)
本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、本件発明1を引用する本件発明26を、請求項27、請求項39及び本件発明40に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明27、本件発明39及び本件発明40も、あ(あ)で上述した上記相違点5-イを有する。
そして、上記相違点5-イは、上述したとおり、甲5発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、甲5発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(オ)甲6発明1を主引用発明とした対比・判断
あ 本件発明1
(あ)対比
本件発明1と甲6発明1を対比すると、両者は、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「 ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
加熱した液体ホットメルト接着剤を移送する内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された少なくとも1つの構造層と、
前記少なくとも1つの構造層の外面を覆う外被と、
ヒーターと、
を備える、ホース。」
[相違点6-ア]
「内部チューブ」に関し、本件発明1は、「可撓性金属製内部チューブ」であって、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記加熱した液体ホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成」し、「前記加熱した液体ホットメルト接着剤が流れる前記ホースの作動コアを形成」し、「複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属製内部チューブ」であるのに対し、甲6発明1は、「溶融接着剤を移送するテフロンチューブ20」である点。
[相違点6-イ]
「外被」に関し、本件発明1は、「少なくとも1つの構造層の前記外面を覆い、直接接触する多層構造物」を有する「外被」であるのに対し、甲6発明1は、「前記ステンレス鋼金属編組21の前記第2の外面を覆って配置され」る「編組ポリエステルカバー55」である点。
[相違点6-ウ]
「ヒーター」に関し、本件発明1は、「加熱した液体ホットメルト接着剤を設定値に維持」する「ヒーター」であって、「前記設定値を長時間に亘って約230°C(華氏約450度)以下に維持するように制御される電源に電気的に接続される」ようになっている「ヒーター」であるのに対し、甲6発明1は「電気抵抗加熱線25を含む加熱テープ23、24」である点。
[相違点6-エ]
本件発明1のホットメルト接着剤移送用多層ホースは、「一体的に形成されて」いるのに対し、甲6発明1がかかる事項を備えるか不明な点。
(い)判断
事情に鑑み、相違点6-イについて検討する。
甲第1号証ないし甲第12号証には、相違点6-イに係る本件発明1の発明特定事項、特に、「多層構造物を有する外被」を「前記少なくとも1つの構造層の前記外面を覆」うことに係る事項は開示されていない。
そうすると、甲6発明1に対し、甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項を適用しても、相違点6-イに係る本件発明1の発明特定事項は構成しない。
そして、本件発明1は、相違点6-イに係る本件発明1の発明特定事項によって、本願明細書の段落【0056】に記載された格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明1は、甲6発明及1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
い 本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16
本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16は、本件発明1を請求項9、請求項10、請求項14、請求項15又は請求項16に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16も、本件発明1の上記相違点6-イを有する。
そして、上記相違点6-イは、上述したとおり、甲6発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16は、甲6発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
う 本件発明26(本件発明1を引用する本件発明26)
(あ)対比
あ(あ)で述べた本件発明1と甲6発明1との対比を踏まえ、本件発明26と甲6発明1とを対比すると、両者は、以下の一致点で一致し、あ(あ)で述べた相違点6-ア、相違点6-イ、相違点6-ウ及び相違点6-エ、並びに以下の相違点6-オ、相違点6-カ及び相違点6-キで相違する。
[一致点]
「ホース内の前記溶融したホットメルト接着剤を設定値で加熱すること、
を含み、
前記ホースは、
ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
加熱した液体ホットメルト接着剤を移送する内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された少なくとも1つの構造層と、
前記少なくとも1つの構造層の外面を覆う外被と、
ヒーターと、
を備える、ホース
である、ホース。」
[相違点6-オ]
本件発明26は、「ホットメルト接着剤を吐出する方法であって、
ホットメルト接着剤を溶融することと、
前記溶融したホットメルト接着剤を、ホースを通してディスペンサーに移送することと、
前記ホットメルト接着剤を基材上に吐出することと、
を含む、方法。」に係る発明であるのに対し、甲6発明1は、「加熱ホース」に係る発明である点。
[相違点6-カ]
本件発明26は、「金属製内部チューブを含むバリア層によって前記ホース内の前記接着剤中への酸素の移動を防止すること」を含むのに対し、甲6発明1は、「金属製内部チューブを含むバリア層によって前記ホース内の前記接着剤中への酸素の移動を防止すること」を含むものではない点。
[相違点6-キ]
「設定値」について、本件発明26は、「約230°C(華氏約450度)以下」であるのに対し、甲6発明1は、設定値に係る温度が不明な点。
(い)判断
上記相違点6-イは、あ(い)で上述したとおり、甲6発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
そして、本件発明26は、相違点6-イに係る本件発明26の発明特定事項によって、本願明細書の段落【0056】に記載された格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明26は、甲6発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
え 本件発明27、本件発明39及び本件発明40(本件発明1を引用する本件発明26を引用する本件発明27、本件発明39及び本件発明40)
本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、本件発明1を引用する本件発明26を、請求項27、請求項39及び請求項40に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明27、本件発明39及び本件発明40も、あ(あ)で上述した上記相違点6-イを有する。
そして、上記相違点6-イは、上述したとおり、甲6発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、甲6発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(カ)甲7発明1を主引用発明とした対比・判断
あ 本件発明1
(あ)対比
本件発明1と甲7発明1を対比すると、両者は、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「 ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された少なくとも1つの構造層と、
前記少なくとも1つの構造層の外面を覆う外被と、
ヒーターと、
を備える、ホース。」
[相違点7-ア]
「内部チューブ」に関し、本件発明1は、「加熱した液体ホットメルト接着剤を移送する可撓性金属製内部チューブ」であって、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記加熱した液体ホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成」し、「前記加熱した液体ホットメルト接着剤が流れる前記ホースの作動コアを形成」し、「複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属製内部チューブ」であるのに対し、甲7発明1は、「PTFE内部ホース」である点。
[相違点7-イ]
「外被」に関し、本件発明1は、「少なくとも1つの構造層の前記外面を覆い、直接接触する多層構造物」を有する「外被」であるのに対し、甲7発明1は、「ステンレス鋼の外装の外面を覆」う「編組」である点。
[相違点7-ウ]
「ヒーター」に関し、本件発明1は、「前記加熱した液体ホットメルト接着剤を設定値に維持するヒーターであって、前記設定値を長時間に亘って約230°C(華氏約450度)以下に維持するように制御される電源に電気的に接続されるようになっているヒーター」であるのに対し、甲7発明1は、「加熱要素」である点。
[相違点7-エ]
本件発明1のホットメルト接着剤移送用多層ホースは、「一体的に形成されて」いるのに対し、甲7発明1がかかる事項を備えるか不明な点。
(い)判断
事情に鑑み、相違点7-イについて検討する。
甲第1号証ないし甲第12号証には、相違点7-イに係る本件発明1の発明特定事項、特に、「多層構造物を有する外被」を「前記少なくとも1つの構造層の前記外面を覆」うことに係る事項は開示されていない。
そうすると、甲7発明1に対し、甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項を適用しても、相違点7-イに係る本件発明1の発明特定事項は構成しない。
そして、本件発明1は、相違点7-イに係る本件発明1の発明特定事項によって、本願明細書の段落【0056】に記載された格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明1は、甲7発明及1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
い 本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16
本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16は、本件発明1を請求項9、請求項10、請求項14、請求項15又は請求項16に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16も、本件発明1の上記相違点7-イを有する。
そして、上記相違点7-イは、上述したとおり、甲7発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16は、甲7発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
う 本件発明26(本件発明1を引用する本件発明26)
(あ)対比
あ(あ)で述べた本件発明1と甲7発明1との対比を踏まえ、本件発明26と甲7発明1とを対比すると、両者は、以下の一致点で一致し、あ(あ)で述べた相違点7-ア、相違点7-イ、相違点7-ウ及び相違点7-エ、並びに以下の相違点7-オ、相違点7-カ及び相違点7-キで相違する。
[一致点]
「ホース内の前記溶融したホットメルト接着剤を設定値で加熱すること、
を含み、
前記ホースは、
ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された少なくとも1つの構造層と、
前記少なくとも1つの構造層の外面を覆う外被と、
ヒーターと、
を備える、ホース
である、ホース。」
[相違点7-オ]
本件発明26は、「ホットメルト接着剤を吐出する方法であって、
ホットメルト接着剤を溶融することと、
前記溶融したホットメルト接着剤を、ホースを通してディスペンサーに移送することと、
前記ホットメルト接着剤を基材上に吐出することと、
を含む、方法。」に係る発明であるのに対し、甲7発明1は、「熱接着剤塗布設備及び装置で使用される加熱ホース」に係る発明である点。
[相違点7-カ]
本件発明26は、「金属製内部チューブを含むバリア層によって前記ホース内の前記接着剤中への酸素の移動を防止すること」を含むのに対し、甲7発明1は、「金属製内部チューブを含むバリア層によって前記ホース内の前記接着剤中への酸素の移動を防止すること」を含むものではない点。
[相違点7-キ]
「設定値」について、本件発明26は、「約230°C(華氏約450度)以下」であるのに対し、甲7発明1は、設定値に係る温度が不明な点。
(い)判断
上記相違点7-イは、あ(い)で上述したとおり、甲7発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
そして、本件発明26は、相違点7-イに係る本件発明26の発明特定事項によって、本願明細書の段落【0056】に記載された格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明26は、甲7発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
え 本件発明27、本件発明39及び本件発明40(本件発明1を引用する本件発明26を引用する本件発明27、本件発明39及び本件発明40)
本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、本件発明1を引用する本件発明26を、請求項27、請求項39又は請求項40に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明27、本件発明39及び本件発明40も、あ(あ)で上述した上記相違点7-イを有する。
そして、上記相違点7-イは、上述したとおり、甲7発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、甲7発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
ウ 本件発明17を引用した本件発明26、本件発明27、本件発明39及び本件発明40、並びに本件発明28に対する甲1発明に基づく進歩性の判断
(ア)本件発明26(本件発明17を引用する本件発明26)
あ 対比
(1)ア(ア)あ(あ)で述べた本件発明17と甲1発明との対比を踏まえ、本件発明26と甲1発明とを対比すると、両者は、以下の一致点で一致し、(1)ア(ア)あ(あ)で述べた相違点1-1、相違点1-2及び相違点1-3、並びに以下の相違点1-カで相違する。
[一致点]
「ホースは、
ホットメルト接着剤移送用多層ホースであって、
前記ホットメルト接着剤移送用多層ホースは、
金属製内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
前記構造層の外面を覆う外被と、
を備え、
前記金属製内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記可撓性金属製内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有する、ホース
である、ホース。」
[相違点1-カ]
本件発明26は、「ホットメルト接着剤を吐出する方法であって、
ホットメルト接着剤を溶融することと、
前記溶融したホットメルト接着剤を、ホースを通してディスペンサーに移送することと、
前記ホース内の前記溶融したホットメルト接着剤を約230°C(華氏約450度)以下の設定値で加熱することと、
金属製内部チューブを含むバリア層によって前記ホース内の前記接着剤中への酸素の移動を防止することと、
前記ホットメルト接着剤を基材上に吐出することと、
を含む、方法」に係る発明であるのに対し、甲1発明は、「ホットメルト接着剤移送用多層ホース」に係る発明である点。
い 判断
上記相違点1-2は、(1)ア(ア)あ(い)で上述したとおり、甲1発明及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
そして、本件発明26は、相違点1-2に係る本件発明26の発明特定事項によって「可撓性金属チューブからなるホース」において、「ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」ことができる(本願明細書の段落【0011】参照)という格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明26は、甲1発明及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(イ)本件発明27、本件発明39及び本件発明40(本件発明1を引用する本件発明26を引用する本件発明27、本件発明39及び本件発明40)
本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、本件発明1を引用する本件発明26を、請求項27、請求項39又は請求項40に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明27、本件発明39及び本件発明40も、(1)ア(ア)あ(あ)で上述した上記相違点1-2を有する。
そして、上記相違点1-2は、上述したとおり、甲4発明及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、甲1発明及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(ウ)本件発明28
あ 対比
本件発明28と甲1発明を対比すると、両者は、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「移送用多層ホースは、
金属チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
前記構造層の外面を覆う外被と、
を備える。」
[相違点1-キ]
本件発明28は、「ホットメルト接着剤を移送する方法」に係る発明であるのに対し、甲1発明は、「ホットメルト接着剤移送用ホース」に係る発明である点。
[相違点1-ク]
本件発明28は、「ホットメルト接着剤を、約230°C(華氏約450度)の設定値以下の温度で移送用多層ホース内の可撓性金属チューブを通して移送すること」を含み、「前記ホースは、加熱線で構成されたヒーターを有し、
前記加熱線は、前記可撓性金属チューブ又は前記構造層の外面の周囲に周方向に巻かれて」いるのに対し、甲1発明はかかる事項を備えていない点、
[相違点1-ケ]
「可撓性金属チューブ」に関し、本件発明28は、「可撓性金属チューブは、前記ホットメルト接着剤中への酸素の侵入を防止するように構成された不透過バリア層を形成」し、「溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホースの作動コアを形成」し、さらに、「複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」するのに対し、甲1発明は、「ステンレス製のコンボリューテッドコア」である点。
[相違点1-コ]
本件発明28は、「ホースは、一体的に形成されている」のに対し、甲1発明がかかる事項を備えるか不明な点。
い 判断
事情に鑑み、上記相違点1-ケについて検討する。
甲第1号証ないし甲第12号証には、相違点1-クに係る本件発明28の発明特定事項、特に、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成」し、さらに、「複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属製内部チューブ」は開示されていない。
そうすると、甲1発明に対し、甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項を適用しても、相違点1-クに係る本件発明28の発明特定事項は構成しない。
そして、本件発明28は、相違点1-クに係る本件発明28の発明特定事項によって「可撓性金属チューブからなるホース」において、「ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」ことができる(本願明細書の段落【0011】参照)という格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明28は、甲1発明及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
エ 甲3発明1又は甲3発明2を主引用発明とした対比・判断
(ア)本件発明1
あ 対比
本件発明1と甲3発明1とを対比すると、甲3発明1の「タールを移送する道路工事機械用のINOX型の加熱ホース」と、本件発明1の「ホットメルト接着剤移送用多層ホース」及び「ホース」とは、「移送用ホース」及び「ホース」という限りで一致する。
甲3発明1の「INOXコア」と、本件発明1の「加熱した液体ホットメルト接着剤を移送する可撓性金属製内部チューブであって、酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記加熱した液体ホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、前記加熱した液体ホットメルト接着剤が流れる前記ホースの作動コアを形成し、複数の継ぎ目のないコルゲート部を有する前記可撓性金属製内部チューブ」とは、「内部チューブ」という限りで一致する。
甲3発明1の「ステンレス鋼編組」は、INOXコア内のタールの流体圧力に耐えるための構造であるから、本件発明1の「流体圧力に耐えるように構成された構造層」に相当する。
甲3発明1の「シート」と本件発明1の「前記少なくとも1つの構造層の外面を覆う外被であって、前記少なくとも1つの構造層の前記外面を覆い、直接接触する多層構造物を有する外被」とは、「外被」という限りで一致する。
甲3発明1の「シート」と本件発明1の「前記少なくとも1つの構造層の外面を覆う外被であって、前記少なくとも1つの構造層の前記外面を覆い、直接接触する多層構造物を有する外被」とは、「外被」という限りで一致する。
甲3発明1の「加熱要素」と本件発明1の「前記加熱した液体ホットメルト接着剤を設定値に維持するヒーターであって、前記設定値を長時間に亘って約230°C(華氏約450度)以下に維持するように制御される電源に電気的に接続されるようになっているヒーター」とは、「ヒーター」という限りで一致する。
そうすると、両者は、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「移送用ホースであって、
内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された少なくとも1つの構造層と、
外被と、
ヒーターと、
を備える、ホース。」
[相違点3-ア]
「移送用ホース」に関し、本件発明1は、「ホットメルト接着剤移送用多層ホース」であるのに対し、甲3発明1は、「タールを移送する道路工事機械用のINOX型の加熱ホース」である点。
[相違点3-イ]
「内部チューブ」に関し、本件発明1は、「加熱した液体ホットメルト接着剤を移送」する「可撓性金属製内部チューブ」であって、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記加熱した液体ホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成」し、「前記加熱した液体ホットメルト接着剤が流れる前記ホースの作動コアを形成」し、「複数の継ぎ目のないコルゲート部」を有する「可撓性金属製内部チューブ」であるのに対し、甲3発明1は「INOXコア」である点。
[相違点3-ウ]
「外被」に関し、本件発明1は、「前記少なくとも1つの構造層の外面を覆」う「外被」であって、「前記少なくとも1つの構造層の前記外面を覆い、直接接触する多層構造物を有」する「外被」であるのに対し、甲3発明1は「シート」である点。
[相違点3-エ]
「ヒーター」に関し、本件発明1は「前記加熱した液体ホットメルト接着剤を設定値に維持」する「ヒーター」であって、「前記設定値を長時間に亘って約230°C(華氏約450度)以下に維持するように制御される電源に電気的に接続される」ようになっている「ヒーター」であるのに対し、甲3発明1は「加熱要素」である点。
[相違点3-オ]
本件発明1のホットメルト接着剤移送用多層ホースは、「一体的に形成されて」いるのに対し、甲3発明1がかかる事項を備えるか不明な点。
い 判断
事情に鑑み、相違点3-ウについて検討する。
甲第1号証ないし甲第12号証には、相違点3-ウに係る本件発明1の発明特定事項、特に、「多層構造物を有する外被」を「前記少なくとも1つの構造層の前記外面を覆」うことに係る事項は開示されていない。
そうすると、甲3発明1に対し、甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項を適用しても、相違点3-ウに係る本件発明1の発明特定事項は構成しない。
そして、本件発明1は、相違点3-ウに係る本件発明1の発明特定事項によって、本願明細書の段落【0056】に記載された格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明1は、甲3発明及1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(イ)本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16
本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16は、本件発明1を請求項9、請求項10、請求項14、請求項15又は請求項16に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16も、本件発明1の上記相違点3-ウを有する。
そして、上記相違点3-ウは、上述したとおり、甲3発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明9、本件発明10及び本件発明14ないし本件発明16は、甲3発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(ウ)本件発明17
本件発明17と甲3発明1とを対比すると、甲3発明1の「タールを移送する道路工事機械用のINOX型の加熱ホース」と、本件発明17の「ホットメルト接着剤移送用多層ホース」及び「ホース」とは、「移送用ホース」及び「ホース」という限りで一致する。
甲3発明1の「INOXコア」と、本件発明17の「可撓性金属製内部チューブであって、酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成し、前記溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホースの作動コアを形成し、複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有する前記可撓性金属製内部チューブ」とは、「内部チューブ」という限りで一致する。
甲3発明1の「ステンレス鋼編組」は、INOXコア内のタールの流体圧力に耐えるための構造であるから、本件発明17の「流体圧力に耐えるように構成された構造層」に相当する。
甲3発明1の「シート」と本件発明17の「前記少なくとも1つの構造層の外面を覆う外被であって、前記少なくとも1つの構造層の前記外面を覆い、直接接触する多層構造物を有する外被」とは、「外被」という限りで一致する。
甲3発明1の「前記INOXコアは、第1の内面及び第1の外面を有」することと、本件発明17の「前記可撓性金属製内部チューブは、溶融状態の前記溶融したホットメルト接着剤を移送し、第1の内面及び第1の外面を有」することとは、「前記内部チューブは、第1の内面及び第1の外面を有」すること、という限りで一致する。
甲3発明1の「前記ステンレス鋼編組は、前記INOXコアの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有」することと、本件発明17の「前記構造層は、前記可撓性金属製内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、」とは、「前記構造層は、前記内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有」すること、という限りで一致する。
甲3発明1の「前記シートは、第3の内面及び第3の外面を有」することと、本件発明17の「前記外被は、前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され、第3の内面及び第3の外面を有」することとは、「前記外被は、第3の内面及び第3の外面を有」すること、という限りで一致する。
そうすると、両者は、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「移送用ホースであって、
前記移送用ホースは、
内部チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
外被と、
を備え、
前記内部チューブは、第1の内面及び第1の外面を有し、
前記構造層は、前記内部チューブの前記第1の外面を覆って配置され、第2の内面及び第2の外面を有し、
前記外被は、第3の内面及び第3の外面を有する、ホース。」
[相違点3-カ]
「移送用ホース」に関し、本件発明17は、「ホットメルト接着剤移送用多層ホース」であるのに対し、甲3発明1は、「タールを移送する道路工事機械用のINOX型の加熱ホース」である点。
[相違点3-キ]
本件発明17は、「1又は2以上の層が、溶融したホットメルト接着剤を移送する前記ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える酸素バリア層」を備えるのに対し、甲3発明1はかかる事項を備えていない点。
[相違点3-ク]
「内部チューブ」として、本件発明17は、「可撓性金属製内部チューブ」であって、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成」し、「前記溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホースの作動コアを形成」し、「複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部」を有する「可撓性金属製内部チューブ」であるのに対し、甲3発明1は、「INOXコア」である点。
[相違点3-ケ]
「外被」に関し、本件発明17は、「前記構造層の外面を覆」う「外被」であって、「前記構造層の前記第2の外面を覆って配置され」るのに対し、甲3発明1は、かかる事項を備えるか不明な点。
[相違点3-コ]
本件発明17の「ホース」は、「一体的に形成されている」のに対し、甲3発明1がかかる事項を備えるか不明な点。
(い)判断
事情に鑑み、まず相違点3-クについて検討する。
甲第1号証ないし甲第12号証には、相違点3-クに係る本件発明17の発明特定事項、特に、「酸素が前記可撓性金属製内部チューブを通過して前記溶融したホットメルト接着剤に侵入することを防止するように構成された不透過性バリア層を形成」し、さらに、「複数のヘリカルな継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属製内部チューブ」は開示されていない。
そうすると、甲3発明1に対し、甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項を適用しても、相違点3-クに係る本件発明17の発明特定事項は構成しない。
そして、本件発明17は、相違点3-クに係る本件発明17の発明特定事項によって「可撓性金属チューブからなるホース」において、「ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」ことができる(本願明細書の段落【0011】参照)という格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明17は、甲3発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(エ)本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37
本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37は、本件発明17を請求項23、請求項25、請求項36又は請求項37に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37も、本件発明17の上記相違点3-クを有する。
そして、上記相違点3-クは、上述したとおり、甲3発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明23、本件発明25、本件発明36及び本件発明37は、甲3発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(オ)本件発明26
本件発明26は、請求項26に記載される「ホットメルト接着剤を吐出する方法」において、「ホース」を本件発明1に係る「ホース」又は本件発明17に係る「ホース」としたものである。そうすると、本件発明26は、本件発明1の上記相違点3-ウ又は本件発明17の上記相違点3-クを含む。
そして、上記相違点3-ウ、相違点3-クのいずれについても、上述したとおり、甲3発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(カ)本件発明27、本件発明39及び本件発明40
本件発明27、本件発明39及び本件発明40は、本件発明26を請求項27、請求項39又は請求項40に記載される発明特定事項により特定したものである。そうすると、本件発明27、本件発明39及び本件発明40も、本件発明26の上記相違点3-ウ又は上記相違点3-クを有する。
そして、上記相違点3-ウ、上記相違点3-クのいずれについても、上述したとおり、甲3発明1及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(キ)本件発明28
本件発明28と甲3発明2とを対比すると、甲3発明2の「INOXコア」と、本件発明28の「可撓性金属チューブ」とは、「チューブ」という限りで一致する。
甲3発明2の「ステンレス鋼編組」は、INOXコア内のタールの流体圧力に耐えるための構造であるから、本件発明28の「流体圧力に耐えるように構成された構造層」に相当する。
甲3発明2の「シート」と本件発明28の「前記構造層の外面を覆う外被」とは、「外被」という限りで一致する。
甲3発明2の「加熱要素」は、その機能、構成及び技術的意義からみて本件発明28の「ヒーター」に相当する。同様に、甲3発明2の「タールを移送する道路工事機械用のINOX型の加熱ホース」と本件発明28の「移送用多層ホース」とは、「ホース」という限りで一致する。
そうすると、甲3発明2の「タールを移送する道路工事機械用のINOX型の加熱ホースは、加熱線で構成された加熱要素を有し、
前記加熱線は、ステンレス鋼編組の第2の外面の周囲に周方向に巻かれて」いることと、本件発明28の「前記ホースは、加熱線で構成されたヒーターを有し、
前記加熱線は、前記可撓性金属チューブ又は前記構造層の外面の周囲に周方向に巻かれて」いることとは、「ホースは、加熱線で構成されたヒーターを有し、
前記加熱線は、前記前記構造層の外面の周囲に周方向に巻かれて」いること、という限りで一致する。
そうすると、両者は、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
「 チューブと、
流体圧力に耐えるように構成された構造層と、
外被と、
を備え、
ホースは、加熱線で構成されたヒーターを有し、
前記加熱線は、前記可撓性金属チューブ又は前記構造層の外面の周囲に周方向に巻かれている。」
[相違点3-サ]
本件発明28は、「ホットメルト接着剤を移送する方法」に係る発明であって、「ホットメルト接着剤を、約230°C(華氏約450度)の設定値以下の温度で移送用多層ホース内の可撓性金属チューブを通して移送することを含」むのに対し、甲3発明2は、「タールを移送する道路工事機械用のINOX型の加熱ホース」に係る発明である点。
[相違点3-シ]
本件発明28は、ホットメルト接着剤を「可撓性金属チューブを通して移送」し、「可撓性金属チューブ」は、「前記ホットメルト接着剤中への酸素の侵入を防止するように構成された不透過バリア層を形成」するとともに、「溶融したホットメルト接着剤が流れる前記ホースの作動コアを形成する」ものであって、さらに「複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」し、そして、「チューブ」が「可撓性金属チューブ」であるのに対し、甲3発明2は、「タールを移送」し、「チューブ」が「INOXコア」である点。
[相違点3-ス]
「外被」に関し、本件発明28は、「前記構造層の外面を覆う外被」であるのに対し、甲3発明2は、かかる構成を備えるか不明な点。
[相違点3-セ]
「ホース」に関し、本件発明28は、「移送用多層ホース」であるのに対し、甲3発明2は、「タールを移送する道路工事機械用のINOX型の加熱ホース」である点。
[相違点3-ソ]
本件発明28は、「ホースは、一体的に形成されている」のに対し、甲3発明2がかかる事項を備えるか不明な点。
(い)判断
事情に鑑み、まず、上記相違点3-シについて検討する。
甲第1号証ないし甲第12号証には、相違点3-シに係る本件発明28の発明特定事項、特に、「前記ホットメルト接着剤中への酸素の侵入を防止するように構成された不透過バリア層を形成」し、さらに「複数の継ぎ目のないコルゲート部を有」する「可撓性金属チューブ」は開示されていない。
そうすると、甲3発明2に対し、甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項を適用しても、相違点3-シに係る本件発明28の発明特定事項は構成しない。
そして、本件発明28は、相違点3-シに係る本件発明28の発明特定事項によって「可撓性金属チューブからなるホース」において、「ホースの導管への酸素の侵入を防止又は最小限に抑える」ことができる(本願明細書の段落【0011】参照)という格別顕著な効果を奏する。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明28は、甲3発明2及び甲第1号証ないし甲第12号証に開示される事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
7.むすび
上述したとおり、本件発明1、本件発明9、本件発明10、本件発明14ないし本件発明16、本件発明17、本件発明23、本件発明25ないし本件発明29、本件発明33、本件発明34、本件発明36、本件発明37、本件発明39及び本件発明40に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては取り消すことができない。また他に取り消すべき理由を発見しない。
本件発明2ないし本件発明8、本件発明11ないし本件発明13、本件発明18ないし本件発明22、本件発明24、本件発明30ないし本件発明32、本件発明35、本件発明38、本件発明41ないし本件発明43は、上記のとおり訂正により削除された。これにより、特許異議申立てにおける本件発明2ないし本件発明8、本件発明11ないし本件発明13、本件発明18ないし本件発明22、本件発明24、本件発明30ないし本件発明32、本件発明35、本件発明38、本件発明41ないし本件発明43の特許異議の申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。