結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2023300448 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第4569875号商標(以下「本件商標」という。)は、「Treasure」の欧文字を横書きにしてなり、平成13年4月27日に登録出願、第25類「履物,被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服」を指定商品として、同14年5月24日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、令和5年7月10日になされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和2年7月10日~令和5年7月9日)を以下「要証期間」という。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とするとの審決を求め、審判請求書にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
請求人は、令和5年9月1日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対して、何ら弁駁していない。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証(枝番号を含む。)を提出した。
なお、以下、証拠の表記に当たっては、乙第1号証を「乙1」のように省略して表示する場合があり、枝番号を含む号証で、枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。
(1)答弁の概要
本件商標は、審判請求日以前の3年の間で、サンダルなどの商品に「TREASURE」を付して使用され、現在も使用しているから、審判請求人の主張は認められない。
(2)商標を使用している者
被請求人は、商標権者である(以下「被請求人」又は「商標権者」という。)。
商標権者は、S社の店舗において、本件商標の指定商品である履物中の「サンダル」に「TREASURE」を付して販売していることで使用している。
すなわち、商標権者は、仕様書(作成日:2022/6/8)(乙1)にあるように、商標権者が企画したサンダル(商品記号:12-21129)をS社に提案したところ、その商談成立(商談終了日:2022/4/14)によって、商標権者の中国における製造担当の子会社であるK有限公司(上海市)において製造し、S社が中国において商品を管理委託している物流拠点であるA上海分公司(上海市)に納品している。そして、このA上海分公司に納品された商品は、S社が日本に輸入し、同社の各店舗で販売されている(乙7)。
また、同様に、仕様書(作成日:2022/6/8)(乙3)に記載のサンダル(商品記号:12-21131)、同じく仕様書(作成日:2023/11/5)(乙5)に記載(審決注:「2023/11/5」は「2023/8/30」の誤記と認める。)のサンダル(商品記号:12-31105)についても、同様に中国で製造され、S社によって輸入され、同社の各店舗で販売されている(乙7)。
したがって、商標「TREASURE」は、商標権者によって使用されている。
なお、これら乙第1号証、乙第3号証及び乙第5号証等に記載されているA社、K有限公司及びS社との取引関係、「センター納品日」などについては、後述する。
(3)本件商標の使用時期
乙第1号証(商品記号:12-21129)仕様書に記載のサンダルは令和4年(2022年)9月21日以降で、同じく乙第3号証(商品記号:12-21131)仕様書に記載のサンダルは令和4年(2022年)12月1日以降で、同じく乙第5号証(商品記号:12-31105)仕様書に記載のサンダルは令和5年(2023年)4月5日以降で、S社の各店舗で販売されている。これはS社に係る証明書(乙7)によって明らかである。
したがって、本件商標は、本件審判請求の登録日以前に使用されたことは明らかである。
また、現在においても引き続き、該当商品のサンダルに商標「TREASURE」を付して使用されている(乙10)。
(4)本件商標が使用されている商品
本件商標が使用されている商品は、上記のように履物中のサンダルであり、乙第1号証における画像1の拡大写真(乙2)、乙第3号証における画像1の拡大写真(乙4)、乙第5号証における画像1の拡大写真(乙6)によって明らかである。
(5)本件商標の使用態様
本件商標は、語頭字が英大文字の「T」であり、他の6文字は英小文字の「reasure」である。
これに対し、乙第1号証ないし乙第6号証に示された商品写真においては、その表示態様は7文字の全てが英大文字の「TREASURE」である。
英文字からなる商標において、大文字-小文字相互間の変更使用は、商慣習上からも一般的に行われており、またこれらの称呼、観念も異ならず、外観においても同視されることから、社会通念上同一と認められている。
したがって、使用されている表示態様の「TREASURE」は、本件商標の使用と認められるのは明らかである。
(6)商標権者とS社との取引形態の説明
商標権者とS社とは、昭和61年12月頃から商標権者が製造したサンダルなどの履物をS社に納品し、それらの各店舗にて販売している。
取引の開始当初は、企画書、発注書、受注書、納品書、請求書などの紙媒体の取引書類によっていたが、これらの合理化を一層促進した結果、平成15年頃からはこれらの取引書類は電子化され、EDI(Electronic Date Interchange)システムによって、発注データ受領、納品データ送信、請求データ送信などの全てのデータがやりとりされており、S社とはこうした電子データの送受信によって取引されているのである。
その一方、商標権者の商品の多くは、中国における商標権者の製造担当の子会社によって製造され、それを日本に輸入し、輸入した商品をS社に納品することとしていた。
その後、S社では、扱う商品が納入されるにつき、その多くが中国内で製造されていることを鑑み、中国で製造されて納品される商品を集約する物流拠点として、これの管理を上記のA上海分公司(上海市)に委託しているのである。
そして、日本国内で販売するに必要な各種の商品を、その都度、積み合わせまとめて、一括して日本での輸入元をS社として輸出されているのである。
ところで、乙第1号証、乙第3号証及び乙第5号証において記載されているK有限公司は商標権者の関連会社である(乙8)。
また、A社は、日本国内と中国を中心とした総合物流業を展開しており、上記したA上海分公司はA社の関連会社であり、S社はA社の主な取引先の一つである(乙9)。
ちなみに、A社では、A上海分公司への当該商品のK有限公司からの納品、中国から日本への輸送、日本におけるS社の物流センターヘの納品を担当している。
「センター納品日」として記載されている年月日は、日本におけるS社の物流センターヘの納品日としてのものである。
(1)被請求人の主張及び乙各号証によれば、以下の事実が確認できる。
ア 乙第1号証
乙第1号証は、被請求人が企画したサンダルに関する仕様書と主張するものであり、左上に、「仕様書」の記載、その下に提示された表中、「サプライヤー名」欄に、「貿易部」及びA社の社名の記載、その右の「商品記号」欄に、「12-21129」の記載、その右の「商談終了日」欄に、「2022/4/14」の記載、その右の「仕様書作成日」欄に、「2022/6/8」の記載があり、その下の「画像1」の記載がある四角枠内に、デザインが同じで配色が異なる3種類のサンダルを撮影した写真が提示されている。
また、上記表中、左側中ほどの「センター納品日」欄に、「2022/9/21」の記載があり、同じく中央下寄りの「SHIPPER名」欄に、K有限公司の社名の記載、その下の「最終検針」欄に、K有限公司の社名の記載、その下の「企画会社」欄に、商標権者の社名の記載がある。
イ 乙第3号証
乙第3号証は、被請求人が企画したサンダルに関する仕様書と主張するものであり、左上に、「仕様書」の記載、その下に提示された表中、「サプライヤー名」欄に、「貿易部」及びA社の社名の記載、その右の「商品記号」欄に、「12-21131」の記載、その右の「商談終了日」欄に、「2022/4/14」の記載、その右の「仕様書作成日」欄に、「2022/6/8」の記載があり、その下の「画像1」の記載がある四角枠内に、デザインが同じで配色が異なる3種類のサンダル(いずれも乙第1号証における写真のサンダルとは異なる)を撮影した写真が提示されている。
また、上記表中、左側中ほどの「センター納品日」欄に、「2022/11/17」の記載があり、同じく中央下寄りの「SHIPPER名」欄に、K有限公司の社名の記載、その下の「最終検針」欄に、K有限公司の社名の記載、その下の「企画会社」欄に、商標権者の社名の記載がある。
ウ 乙第5号証
乙第5号証は、被請求人が企画したサンダルに関する仕様書と主張するものであり、左上に、「仕様書」の記載、その下に提示された表中、「サプライヤー名」欄に、「貿易部」及びA社の社名の記載、その右の「商品記号」欄に、「12-31105」の記載、その右の「商談終了日」欄に、「2022/9/22」の記載、その右の「仕様書作成日」欄に、「2022/8/30」の記載があり、その下の「画像1」の記載がある四角枠内に、デザインが同じで配色が異なる2種類のサンダル(いずれも乙第1号証及び乙第3号証における各写真のサンダルとは異なる)を撮影した写真が提示されている。
また、上記表中、左側中ほどの「センター納品日」欄に、「2023/3/21」の記載があり、同じく中央下寄りの「SHIPPER名」欄に、K有限公司の社名の記載、その下の「最終検針」欄に、K有限公司の社名の記載、その下の「企画会社」欄に、商標権者の社名の記載がある。
エ 乙第6号証
乙第6号証は、被請求人が、仕様書(乙5)の商品社品の拡大図と主張するものであり、その写真から、乙第5号証における「画像1」の写真と同じ2種類のサンダルが拡大されて写っていることが見て取れ、さらに、各サンダルには、別掲に示すとおりの、「TREASURE」の欧文字の下に、サイズを示すものと解される「-M-」の文字を配した商標が共通して表示されていることが見て取れる。
オ 乙第7号証
乙第7号証は、表題を「証明書」とする文書であり、上部に、その表題の記載、その右下に、「令和5年8月21日」の記載、その下に、末尾が「・・・を証明いたします。」とされた文章の記載があり、その下に、商品番号、商品名等を記載した一覧表が提示され、その下に、S社の社名の記載、その下に、「貿易部 部長」の記載、その右に、人物の氏名の記載及び押印がある。
そして、上記文章及び一覧表によれば、上記人物は、以下の事項について証明するとしている。
(ア)商標権者の中国における製造担当の子会社であるK有限公司(上海市)から、S社が中国において管理委託した物流拠点であるA上海分公司(上海市)に、商品番号が「12-21129」、「12-21131」及び「12-31105」の各サンダルが納品され、各サンダルのA上海分公司への納品日は、それぞれ2022年9月3日、同年10月30日、2023年3月3日であり、日本での販売開始日がそれぞれ2022年9月21日、同年12月1日、2023年4月5日であること。
(イ)納品後、A上海分公司から日本に輸出しており、その輸入元はS社であること。
(ウ)輸入品のサンダルは、日本において、S社の各店舗にて販売していること。
カ 乙第8号証
乙第8号証は、被請求人が、商標権者のホームページにおける会社概要のページと主張するものであり、左上に、「会社案内」の記載があり、その下に提示された「会社概要」を記載した一覧中、「社名」欄に、商標権者の社名の記載、「事業内容」欄に、「フットウェア(サンダル・シューズなど)や服飾雑貨を通じて快適なライフスタイルを提案します。」の記載、「所在地」欄に、商標権者のものと一致する住所の記載、「関連会社」欄に、K有限公司の社名の記載がある。
キ 乙第9号証
乙第9号証は、被請求人が、A社のホームページにおける会社概要のページと主張するものであり、1葉目において、左上に、A社の社名の記載、その下に、「会社概要」の記載、その下に、A社の事業内容が「日本国内および中国を中心」とした「物流」であることが理解できる記載がある。
また、1葉目の下部から2葉目にかけての「会社概要」を記載した一覧中、「関連会社」欄に、複数の社名が記載され、その中に、「A有限公司 上海分公司」が含まれており、「主な取引先」欄に、複数の社名が記載され、その中に、S社の社名が含まれている。
ク 乙第10号証
乙第10号証は、被請求人が、販売店舗における商品写真と主張するものであり、乙10号証の2及び乙10号証の3の各写真から、別掲の商標と同様の商標又は当該商標と文字色を除いて同様の商標が表示され、値札が取り付けられた多数のサンダルが、同様の値札や日本語表記が表示されたラベルが取り付けられた他のサンダルとともに、金属製のかごに載せた状態で陳列されていることが見て取れる。
(2)上記(1)アないしオによれば、次の事実を認めることができる。
ア S社の部長を勤める人物が、表題を「証明書」とする文書(以下「証明書」という。)において、上記(1)オ(ア)ないし(ウ)の各事項について証明するとしている(乙7)ところ、これによれば、商品番号が「12-31105」のサンダルについては、2023年3月3日に、商標権者の中国における製造担当の子会社であるK有限公司(上海市)から、S社が中国において管理委託した物流拠点であるA上海分公司に納品され、日本での販売が2023年4月5日に開始されたとされている。
イ 上記アの証明事項は、「商品記号」として証明書と同じ「12-31105」の記載があり、サンダルの写真が提示された、仕様書とされる書類(以下「仕様書」という。)において、「SHIPPER名」欄にK有限公司の社名の記載があり、かつ「企画会社」欄に商標権者の社名の記載がある(乙5)ことと整合し、商標権者が、事業内容としてサンダル等を取り扱い、K有限公司を関連会社とする会社である(乙8)こととも整合するものといえる。
また、証明書における2023年3月3日等の日付についても、仕様書における「商談終了日」の2022年9月22日、同「センター納品日」(被請求人が日本におけるS社の物流センターへの納品日と主張する日付)の2023年3月21日等と矛盾する点はない。
さらに、仕様書の「サプライヤー名」欄に記載されている「A社」については、A社が、日本国内および中国を中心とした物流を事業内容とし、A有限公司 上海分公司を関連会社、S社を主な取引先とする会社であり(乙9)、ここで、A有限公司 上海分公司が仕様書及び証明書にいうA上海分公司を指していることは明らかであることから、A上海分公司の中国における物流拠点からS社への物流を担当した者として記載されているものと理解できる。
ウ 上記ア及びイで述べた点は、商品番号が「12-21129」及び「12-21131」のサンダル(乙1、乙3、乙7)についても同様である。
エ 上記アないしウによれば、商標権者は、2023年3月3日に、商品番号が「12-31105」の商品「サンダル」(以下「使用商品」という。)を、A上海分公司の中国における物流拠点において、S社に納品したことが認められる。
オ 仕様書に提示された2種類のサンダルが拡大されて写っている写真において、各サンダルに、別掲の商標が表示されていることが見て取れる(乙6)ところ、これと同様の商標又は当該商標と文字色を除いて同様の商標が表示され、値札が取り付けられた多数のサンダルが、同様の値札や日本語表記が表示されたラベルが取り付けられた他のサンダルとともに陳列されている様子が見て取れる写真(乙10の2、乙10の3)が存在することからすれば、上記エの使用商品のS社への納品は、S社が日本国内で使用商品を販売することを前提として行われ、その後、証明書のとおり、日本での販売が開始されたものと推認することができる。
よって、商標権者が2023年3月3日に、使用商品をA上海分公司の中国における物流拠点においてS社へ納品したことは、実質的に、日本国内における販売行為として行われたものといえる。
また、納品の際、使用商品には、別掲の商標(以下「使用商標」という。)が表示されていたものと推認できる。
カ 上記エ及びオによれば、商標権者は、2023年3月3日に日本国内において、使用商標が表示された使用商品を、S社に販売したことが認められる。
上記1(2)カの行為について、次のとおり判断できる。
(1)使用商標について
使用商標は、「TREASURE」の欧文字の下に、サイズを示すものと解される「-M-」の文字を配したものであって、後者が本件商標との比較において捨象し得ることは明らかであり、前者の欧文字は、本件商標の小文字部分を大文字に変更の上、全体の文字色を変更したものであって、本件商標とつづりが同じであるから、称呼、観念が相違するものではない。
そうすると、本件商標と使用商標とは、社会通念上同一の商標であると認められる。
(2)使用商品について
使用商品は、サンダルであって、本件商標の指定商品中、「履物」の範ちゅうに属する商品といえる。
(3)使用者、使用時期及び使用行為について
使用商標の使用者は、商標権者であり、使用商標の使用時期は、2023年3月3日であって、要証期間であり、使用商標が表示された使用商品を販売する行為は、日本国内において行われたものであり、当該行為は、商標法第2条第3項第2号にいう、商品に標章を付して譲渡し又は引き渡す行為に該当する。
(4)小括
上記(1)ないし(3)によれば、商標権者は、要証期間に日本国内において、本件商標の指定商品中「履物」の範ちゅうに属する商品に、本件商標と社会通念上同一の商標を付して譲渡し又は引き渡す、商標法第2条第3項第2号に該当する行為を行ったことが認められる。
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、本件商標の指定商品中「履物」の範ちゅうに属する商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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