結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2024016448 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和5年7月4日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年12月12日付け:拒絶理由通知書
令和6年 5月13日 :意見書の提出
令和6年 7月10日付け:拒絶査定
令和6年10月15日 :審判請求書の提出
令和7年 7月14日付け:審尋
本願商標は、「AI活用アドバイザー(えーあいかつようあどばいざー)」の文字を標準文字で表してなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与」を指定役務として登録出願されたものである。
原査定は、「本願商標は、「AI活用アドバイザー(えーあいかつようあどばいざー)」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「AI」及び「えーあい」の文字は、「人工知能。」、「活用」及び「かつよう」の文字は、「活かして用いること。効果のあるように利用すること。」、「アドバイザー」及び「あどばいざー」の文字は、「助言者。忠告者。顧問。」の意味を有する語である。そして、例えば、「地域振興アドバイザー」、「消費者教育アドバイザー」、「AIアドバイザー」のように、何らかの専門的知識について、助言、すなわちアドバイスする者が「○○○アドバイザー」(○○○には、その助言する内容の語)と称呼されることが一般に行われている実情がある。そうとすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、全体として、「人工知能技術を活用するための助言を行う者」ほどの意味合いを容易に認識、理解するものである。そして、「AI活用」の事例としては、「農業」、「医療」、「製造業」、「教育現場」及び「商業施設」の多方面・多分野に亘って、人工知能(AI)技術を活用した事例がある。また、「AI(活用)講座」が開講されており、このような知識の教授やセミナーの企画・運営又は開催を行う業界においては、講義内容に関するテキスト、問題集及びDVD等が制作・販売されている実情があることは、経験則上明らかである。そうすると、本願商標をその指定役務中「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与」に使用をするときは、これに接する取引者・需要者は、該役務が「人工知能技術を活用するための助言を行う者に関する内容の役務」又は「人工知能技術を活用するための助言を行う者によって提供される役務」であること、すなわち、単に、役務の質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
当審において、令和7年7月14日付けで通知した審尋により、別掲1、別掲2(1)ないし(15)及び別掲3のとおりの証拠を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
請求人は、上記4の審尋に対して、所定の期間内に何ら応答するところがない。
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「AI活用アドバイザー(えーあいかつようあどばいざー)」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、後半の「(えーあいかつようあどばいざー)」の文字及び記号は、前半の「AI活用アドバイザー」の文字の読みを括弧書きで表したものと容易に理解されるものである。
そして、本願商標の構成中の「AI」の文字は、「人工知能。」の意味を、「活用」の文字は、「活かして用いること。効果のあるように利用すること。」等の意味を、「アドバイザー」の文字は、「助言者。忠告者。顧問。」の意味をそれぞれ有する語であって(いずれも「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)、いずれも我が国において広く一般的に親しまれているものである。
ところで、様々な分野において、例えば、「消費生活アドバイザー」、「消費者教育アドバイザー」、「農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー」のように、対象とする何らかの課題、内容について、専門的知識を生かした助言、すなわちアドバイスをする者を「○○アドバイザー」(○○には、その助言する内容等を表す語が入る。)と称することが一般的に行われている実情がある(別掲1)。
そうすると、本願商標は、これに接する取引者、需要者に、全体として「AI(人工知能)の活用に関する助言をする者」程の意味合いを容易に認識、理解させるものといえる。
そして、本願の指定役務に関連する分野においては、AI(人工知能)の活用に関する専門的な知識を有し、その指導、助言をする者が「AI活用アドバイザー」や「生成AI活用アドバイザー」等と名乗り又は称されて活動している実情があり(別掲2)、そのような者により、AI(人工知能)の活用等に関する知識の教授やセミナーの企画・運営又は開催等が行われている実情がある(別掲2(1)ないし(8))。
また、同分野においては、AI(人工知能)に関する専門的な知識を得て、その指導、助言をする者を育成するための講座等が提供され、育成の対象として、例えば、「AIアドバイザー」や「AI活用コンサルタント」のような「AI」又は「AI活用」の文字と人材を表す文字を組み合わせた名称が使用されている実情も見受けられる(別掲3)。
さらに、知識の教授やセミナーの企画・運営又は開催を行う分野においては、講義内容に関するテキスト、問題集などの書籍や、ビデオ、DVD等が制作・販売されている実情があることは、経験則上明らかであるといえる。
そうすると、本願商標をその指定役務中、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与」に使用しても、これに接する取引者、需要者に、「AI(人工知能)の活用に関する専門的な知識を有し、その指導、助言をする者による役務であること」又は「AI(人工知能)の活用に関する専門的な知識を有し、その指導、助言をする者を育成するための役務であること」を認識させるにとどまり、単に役務の質(内容)等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であると判断するのが相当である。
また、本願商標を、「AI(人工知能)の活用に関する専門的な知識を有し、その指導、助言をする者」に関する役務以外の上記役務に使用するときは、役務の質について誤認を生ずるおそれがあるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「AI活用アドバイザー」の文字が本願の指定役務に使用されている実情はないから、本願商標は、AIを活用するアドバイザーに関する何か抽象的、かつ、漠然とした意味合いを暗示させる場合があり得るとしても、これが直ちに本願の指定役務の質等を直接的、具体的に表示するものとはいい得ず、一種の造語を表示したものと理解・認識させるとみるのが相当である旨主張する。
しかしながら、前記(1)のとおり、本願商標を構成する各語の語義や、本願の指定役務を取扱う業界において、AI(人工知能)の活用に関する専門的な知識を有し、その指導、助言をする者が「AI活用アドバイザー」等と名乗り又は称されて活動している実情があること等を考慮すれば、本願商標に接する取引者、需要者は、「AI(人工知能)の活用に関する専門的な知識を有し、その指導、助言をする者」ほどの意味合いを認識するものとみるのが相当である。
イ 請求人は、過去の商標登録例及び審判決例を掲げて、本願商標も登録すべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が自他役務の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と、査定時又は審決時における取引の実情を勘案して、その指定役務の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであるから、他の登録例等に本願の判断が拘束されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)結論
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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