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Trademark Appeal Case

記述的商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2024020781
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

1 手続の経緯

本願は、令和5年9月29日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和6年3月22日付け:拒絶理由通知書

令和6年8月2日 :意見書の提出

令和6年9月25日付け:拒絶査定

令和6年12月25日 :審判請求書の提出

令和7年7月17日付け:審尋

2 本願商標

本願商標は、「やわらかにぎにぎラトル」の文字を標準文字で表してなり、第28類「遊園地用機械器具,業務用テレビゲーム機,おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具」を指定商品として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、「やわらかにぎにぎラトル」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「やわらか」の文字は、「堅くないさま。」、「にぎにぎ」の文字は、「幼児が手を握ったりひろげたりすること。」の意味を有し、「ラトル」の文字は、「ガラガラ鳴る器具(幼児のガラガラ)」等の意味を有する英語「rattle」の読みを片仮名で表したものである。そして、本願商標の指定商品に関する分野において、「やわらかにぎにぎ」の文字が、乳児用おもちゃのやわらかくて握りやすい品質を表すものとして使用され、「ラトル」は、「ガラガラ鳴る器具(幼児のガラガラ)」を表し、やわらかい素材を使用した「ラトル」を、「やわらかラトル」、赤ちゃんが握りやすいことを謳った「ラトル」を、「にぎにぎラトル」と称して、取引されている実情も認められる。そうすると、本願商標は全体として「やわらかくて握りやすいガラガラ鳴る器具(幼児のガラガラ)」ほどの意味合いを需要者は容易に認識する。してみれば、本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する需要者又は取引者は、単に、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものと認識するにすぎないため、商標法第3条第1項第3号に該当し、「ガラガラ鳴る器具(幼児のガラガラ)」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるため、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

4 当審における審尋及びそれに対する請求人の回答

当審において、令和7年7月17日付け審尋により、別掲1ないし別掲3の事実を示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の合議体の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。

請求人は、当該審尋に対し、指定した期間を経過するも、何ら回答書(意見書)を提出していない。

5 当審の判断

(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について

本願商標は、「やわらかにぎにぎラトル」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標の構成中、「やわらか」の文字は、「堅くないさま。」(「広辞苑 第七版」岩波書店)、「にぎにぎ」の文字は、「幼児が手を握ったりひろげたりすること。」(前掲書)の意味を有し、「ラトル」の文字は、「がらがら《おもちゃ》」(「新英和中辞典 第7版」研究社)の意味を有する「rattle」の片仮名表記であるから、本願商標は全体として「やわらかくてにぎにぎするがらがら(ラトル)」ほどの意味合いを容易に認識させるというのが相当である。

そして、別掲1のとおり、やわらかい素材を使用したラトルが「やわらかラトル」と称され、別掲2のとおり、乳幼児がにぎにぎするラトルが「にぎにぎラトル」と称され、別掲3のとおり、やわらかくてにぎにぎする商品が「やわらかにぎにぎ」と称されて取引されていたり、やわらかくてにぎにぎする商品が販売されている事実が認められる。

そうすると、本願商標の構成各文字の意味及び上記商品の取引の実情に照らせば、本願商標を、本願の指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「やわらかくてにぎにぎするがらがら(ラトル)」であること、すなわち、商品の品質を表示したものと認識するにとどまるものというべきである。

そして、上記のとおり、本願商標は標準文字で表してなるものであるから、その態様上顕著な特徴は認められない。

したがって、本願商標は、指定商品との関係において、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「がらがら(ラトル)」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるため、同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、本願商標を構成する「やわらかにぎにぎラトル」の文字はその構成全体をもって、特定の意味合いを想起させることのない、一種の造語として理解されるものである旨主張する。

しかしながら、本願商標の各構成文字の語義及び別掲1ないし別掲3の取引の実情に照らせば、本願商標は、上記(1)のとおり、これに接する取引者、需要者に、「やわらかくてにぎにぎするがらがら(ラトル)」の意味合いを容易に認識させるものであるから、本願の指定商品の品質を表示したものと一般に認識されるものというのが相当である。

イ 請求人は、本願の指定商品を取り扱う業界において「やわらかにぎにぎラトル」の文字が一般に使用されているとはいえず、そのような実情にある以上、本願商標がその指定商品に使用されたとしても、商品の品質を表示したものと取引者、需要者によって一般に認識されるとは必ずしもいえない旨主張する。

しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、当該表示態様が、商品の品質等を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解されるところ(知財高裁平成27年10月21日判決(平成27年(行ケ)第10107号))、本願商標からは「やわらかくてにぎにぎするがらがら(ラトル)」ほどの意味合いが一般に認識されるというべきであるから、「やわらかにぎにぎラトル」の文字が使用されている事実がないことをもって、本願商標が同号に該当しないとはいえない。

ウ 請求人は、登録例は、構成全体をもって、その指定商品との関係において自他商品識別標識としての機能を果たしうるという請求人の主張の妥当性を裏付けるものである旨主張する。

しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務との関係や、その商品及び役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成文字、指定商品等が異なるものであり、取引の実情も異なる点において、本願商標とは、事案を異にするものというべきであるから、過去の登録例が存在することをもって、本願商標の登録の適否の判断基準とするのは必ずしも適切ではない。

加えて、審決時の別掲1ないし別掲3の取引の実情を考慮すれば、本願商標からは、「やわらかくてにぎにぎするがらがら(ラトル)」の意味合いが理解、認識されるというべきである。

エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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