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Trademark Appeal Case

不使用取消と通常使用権

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2024300830
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

理 由

第1 本件商標

本件登録第4028295号商標(以下「本件商標」という。)は、「LAB」の文字を横書きしてなり、平成7年12月1日に登録出願、第3類「化粧品,歯みがき,香料類」を指定商品とし、同9年7月18日に設定登録されたものである。

そして、本件審判請求の登録日は、令和6年11月26日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である同3年11月26日から同6年11月25日までを、以下「要証期間」という場合がある。

第2 請求人の主張

1 請求の趣旨

請求人は、本件商標の指定商品中、第3類「化粧品,香料類」(以下「請求に係る指定商品」という場合がある。)についての登録を取消す。審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書においてその理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。

2 請求の理由

本件商標は、本件審判請求日前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品について使用されていないから、商標法第50条第1項の規定により、請求に係る指定商品について取り消すべきである。

3 答弁に対する弁駁

請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書に対して、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、令和7年1月9日付け審判事件答弁書において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第20号証を提出している。

1 通常使用権者について

被請求人は、平成8年11月28日付で、エスティローダー株式会社(以下「エスティローダー社」という。)との間で、本件商標(契約時は出願中:商標登録出願平成7年第125091号)について、「化粧品」に関する日本国一円での通常使用権の許諾に合意する旨の契約を結んでいる(乙3、以下「原契約」という場合がある。)。

当該契約書の第6条(契約期間)では、本契約締結日から5年間継続して有効なものとすることに加え、エスティローダー社が契約期間満了日の少なくとも3か月前までに被請求人に契約の更新を希望する旨の書面を提出した場合には、さらに5年間更新され、爾後もまた同様とする旨の取り決めを明記している。

その後、被請求人は、令和3年11月1日付で、ELCジャパン株式会社との間で、「原契約」(乙3)について、同8年11月27日迄の期間の延長を明記する覚書を交わしている(乙4)。

なお、平成8年11月28日の契約書締結時の通常使用権者であるエスティローダー社(東京都港区南青山)は、同13年7月1日付で東京都千代田区永田町に本店を移転した(乙5)。

その後、平成26年7月1日付で、ELGC株式会社(東京都千代田区永田町)に合併され解散した後、同31年2月1日には、商号をELCジャパン株式会社に変更し、本店住所も東京都千代田区丸の内に移転した(乙6)。

さらに、令和5年9月15日付で、ELCジャパン株式会社を組織変更し、ELCジャパン合同会社(東京都千代田区丸の内)が設立され、現在に至る(乙6、乙7)。

よって、前述のような経緯により、令和5年9月15日以降の本件商標の通常使用権者は、ELCジャパン合同会社(東京都千代田区丸の内)であり、現在も原契約の継続期間内である。

2 商標の使用について

アメリカ合衆国に本社を有するELCは、化粧品・スキンケア用品・ヘアケア用品・香水の製造販売を行い、数多くのブランドを傘下におさめる世界的企業である。

そして、本件商標の通常使用権者であるELCジャパン合同会社は、ELCの日本法人として、国内におけるブランド展開を担っている(乙2)。

その中の1つである「LAB/SERIES」(ラボシリーズ)は、1987年の誕生以来、男性用化粧品として数多くのシリーズを展開するブランドで、洗顔料・化粧水・乳液・クリーム・日焼け止め・目元/口元ケア・美容液・シェーブといった商品カテゴリーが存在する。また、男性の肌悩みに合わせて「デイリー」「オールインワン」「オイルコントロール」「マックスLS」「グルーミング」「インスタFIX」の6つのスキンケアシリーズを揃え、全商品のパッケージには、上下二段で「LAB/SERIES」と表記されている(乙8、乙9)。

乙第10号証は、小学館発行の美容雑誌「美的」が運営する美容記事に関するウェブサイト「美的.com」の商品紹介記事である。1頁目には、【ラボシリーズXクリスマスコフレ2022】と題し、「メンズスキンケアのパイオニアでもある「LAB SERIES〈ラボシリーズ〉のクリスマスコフレが2022年10月21日(金)、2022年11月11日(金)より、それぞれ発売されます。」とあり、各商品の写真とともに紹介されている。1頁目には「コンプリートハイドレーション」(¥5,720税込)※2022年10月21日(金)限定発売とあり、「ラボシリーズ」のセットの写真が掲載されている。

記事では、化粧水・ジェル洗顔料・ジェル乳液の記載があり、化粧品のセットであることがわかる。

2頁目には、「ザアルティメットアップグレード」(¥15,950税込)※2022年10月21日(金)限定発売とあり、「ラボシリーズ」の「マックスLS」シリーズのセットの写真が掲載されている。

記事では、クリーム・洗顔料・化粧水の記載があり、化粧品のセットであることがわかる。

その下には、「トリプルウオーターローションセット」(¥4,400税込)※2022年11月11日(金)限定発売とあり、「デイリーウオーターローション」のセットの写真が掲載されている。記事では、化粧水の記載があり、化粧品のセットであることがわかる。

いずれの商品パッケージにも、大きく「LAB/SERIES」の上下二段の表記が独立して付されており、商品に接する需要者・消費者は、これを目にすることで、「LAB/SERIES」であることを認識することができる。

なお、「LAB」と「SERIES」の文字は、同書・同大で表されているものの、上下二段の構成態様であることから、「LAB」と「SERIES」は分離して認識され、特に上段の「LAB」は、僅か3文字からなることから、視覚的にも際立っていることは明らかである。

また、「SERIES」部分は、「シリーズ」「1組」の意味を有し、一連の関連のある事象を表す語として一般に使用される識別力の乏しい語であるといえる。

とりわけ、化粧品関連の取引業界にあっては、一つのブランドで複数の商品ラインナップを展開し、それらの商品を、ブランド名「○○」に続けて、「○○SERIES」「○○シリーズ」と称することが一般に行われている実情を加味すれば、本件の「LAB」「SERIES」についても、「LAB」のSERIES(シリーズ)として認識するのが相当である。

実際に、「LAB SERIES〈ラボシリーズ〉」のように、記事の中で横一連に記載せざるを得ない場合であっても、アルファベット表記、その読みを表す片仮名表記にかかわらず、「LAB」と「SERIES」、「ラボ」と「シリーズ」の間に必ずスペースを介して表記している。これは、「LAB」(ラボ)のSERIES(シリーズ)であることに他ならない。

一方、「LAB」は、「実験室、研究室」を意味する「laboratory」の略語「lab」を大文字表記したものと想起し得るものの、直ちに特定の意味合いを生じさせるものではない。以上の点を考慮すれば、乙第10号証で掲載されている商品パッケージに付された「LAB/SERIES」は、「LAB」部分のみが独立して識別機能を有するものと認められることから、本件商標「LAB」とは社会通念上同一と認められ、商標の使用であることは明らかである。

また、記事に明記された発売日からも、本件審判請求の登録前3年以内の使用であることがわかる。

よって、本件商標の通常使用権者が、要証期間内に日本国内において、男性用化粧品について本件商標を使用していたことは明白である。

乙第11号証は、ハースト婦人画報社発行の雑誌「Esquire」日本版のエスクァイア・メールマガジンに掲載された商品紹介記事である。

俳優のG氏が「ラボシリーズ」のアンバサダーに就任し、ホリデー限定キットが2022年10月21日(金)と同年11月11日(金)に発売予定であることを伝えている。1頁目には、大きく「LAB/SERIES」の文字が入った限定キット用バッグがある。

2、4、5頁には、限定キットの各商品の写真が掲載され、いずれも、商品パッケージに大きく「LAB/SERIES」の文字が付されている。

各セット内容と発売日は、3頁「化粧水/洗顔料/乳液」(発売日:2022年10月21日(金))、4頁「保湿クリーム/化粧水/洗顔料」発売日:2022年10月21日(金))、5頁「化粧水/化粧水/化粧水」(発売日:2022年11月11日(金))であることがわかる。

前述の〈「LAB/SERIES」公式オンラインショップ〉でもわかるとおり、いずれの商品パッケージにも、同様の「LAB/SERIES」の二段表記が付されている。

そして、前述のとおり、「LAB/SERIES」は、「LAB」部分のみが独立して識別機能を有するものであり、本件商標「LAB」とは社会通念上同一と認められ、商標の使用であることは明らかである。

また、記事に明記された発売日からも、本件審判請求の登録前3年以内の使用であることがわかる。

よって、乙第11号証からも、本件商標の通常使用権者が、要証期間内に日本国内において、男性用化粧品について本件商標を使用していたことは明白である。

乙第11号証と記事内容が重複するが、乙第12号証として、プレスリリース配信サイト「PRTIMES」にて、本件商標の通常使用権者であるELCジャパン株式会社のプレスリリース記事を提出する。ホリデーキャンペーンに先駆けて、2022年10月5日付で配信している。

乙第13号証は、伊勢丹新宿店メンズ館運営のウェブサイト「ISETAN MEN’S net」に2024年5月22日付で掲載された「LAB/SERIES」に関するイベント開催告知の記事である。

1頁目には、プロフィギュアスケーターのT氏の横に「LAB/SERIES」の表記が認められる。2、3頁目には、「マックスLSウオーターローションN」(エイジングケア化粧水)、「マックスLSローションN」(エイジングケア乳液)、「マックスLS セラムN」(エイジングケア美容液)の商品写真が掲載され、いずれの商品パッケージにも「LAB/SERIES」の文字が大きく付されている。

また、1頁目には、「2024年3月に化粧水、美容液、乳液が生まれ変わって新登場した、ブランド最高峰の先進エイジングケア「マックスLSシリーズ」にフォーカスしご紹介します。」とあり、3頁目には〈ラボシリーズ〉プロモーションとして、開催期間:5月29日(水)~6月11日(火)、開催場所:伊勢丹新宿店メンズ館1階コスメティクスと明記されている。開催期間に西暦の記載はないが、1頁目の記載からも、プロモーション開催期間が2024年5月29日(水)ないし6月11日(火)であることは容易に認識できる。

1頁目に掲載された「LAB/SERIES」の表記や、各商品に付された「LAB/SERIES」は、これまで述べたとおり、「LAB」部分のみに識別力が認められ、商標「LAB」の使用であるといえる。

また、プロモーション開催日からも、本件審判請求の登録前3年以内の使用であることがわかる。

したがって、乙第13号証からも、本件商標の通常使用権者が、要証期間内に日本国内において、男性用化粧品について本件商標を使用していたことは明らかである。

乙第14号証ないし乙第20号証は、集英社の男性ファッション誌「MEN’S NON-NO」が運営するウェブサイト「MEN’S NON-NO WEB」に掲載された「LAB/SERIES」に関する記事である。

乙第14号証ないし乙第16号証の「MEN’S NON-NO/BEAUTY/ONLINE STORE」では、記事で紹介された以下の商品のオンラインショッピングができる。

乙第14号証:LAB SERIES デイリーウオーターローション(化粧水)2022年11月18日掲載

乙第15号証:LAB SERIES デイリーウオーターローション(化粧水)、LAB SERIES デイリーハイドレイティングエマルジョン(乳液)、LAB SERIES オールインワンフェーストリートメント(オールインワン) 2023年6月13日掲載

乙第16号証:LAB SERIES マックスLSウオーターローション(化粧水) 2023年12月6日掲載

乙第17号証は、「第8回メンズノンノ美容大賞2022」の化粧水部門において、「ラボシリーズ」のデイリーウオーターローションが第3位に選出された記事である。2022年11月9日配信の時点で、既に多数の支持を集めていることからも、「LAB/SERIES」ブランドが継続して使用されてきた事実がわかる。

乙第18号証は、「ラボシリーズ」の「オールインワンマルチアクションフェースウオッシュ」(洗顔料)、「デイリーウオーターローション」(化粧水)、「デイリーEZフェースローション」(乳液)を紹介している。2022年12月8日配信の記事の中で、「読者にもおなじみのブランドが、2021年リブランドし進化した。」とあり、長きにわたり継続して使用されていることがわかる。

乙第19号証は、携帯できるコスメの特集記事として、「ラボシリーズ」の「マックスLSアイトリートメント」(アイクリーム)が紹介されている(2023年10月6日掲載)。

乙第20号証は、「ラボシリーズ」の「マックスLSウオーターローション」(化粧水)の特集記事である(2024年10月31日掲載)。

なお、商品掲載記事には、商品公式サイトのリンクが貼られており、読者はオンラインで商品を購入することも可能である。

以上のとおり、乙第14号証ないし乙第20号証において掲載された「LAB/SERIES」の各商品についても、本件商標「LAB」の使用にあたることは、先に述べたとおりである。

また、掲載記事の発信日からも、本件審判請求の登録前3年以内の使用といえる。

よって、乙第14号証ないし乙第20号証からも、本件商標の通常使用権者が、要証期間内に日本国内において、男性用化粧品において本件商標を使用していたことは明らかである。

3 むすび

以上のとおり、本件商標については、その通常使用権者が、要証期間内に、請求に係る指定商品中、第3類「化粧品」に含まれる商品について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用しているので、請求人の主張は、根拠のないものである。

第4 当審の判断

1 被請求人の提出に係る乙各号証及び被請求人の主張によれば、以下の事実が認められる。

(1)通常使用権の契約について

ア 被請求人について

被請求人(本件商標権者)は、「大阪府大阪市西区西本町」に所在の「株式会社クラブコスメチックス」である(乙1)。

イ エスティローダー社について

「エスティローダー社」は、昭和51年3月31日に「東京都港区南青山」で設立され、平成26年7月1日に「ELGC株式会社」に合併され解散した(乙5)。

そして、「ELGC株式会社」は、平成31年2月1日に商号を「ELCジャパン株式会社」に変更するとともに、「東京都千代田区丸の内」に移転し(乙6)、その後、令和5年9月15日付で組織変更し、「ELCジャパン合同会社」が設立された(乙7 以下、商号変更の前後及び組織変更の前後も併せて「ELC社」という。)。

ウ 商標の使用契約

本件商標権者とエスティローダー社とは、平成8年11月28日付けで本件商標に関する通常使用権契約を締結している。

その契約書の書面には、以下の記載が認められる(乙3)。

「第1条(通常使用権の許諾)

クラブコスメチックスは、エスティローダーに対し、第3類「化粧品、歯みがき、香料類」を指定商品とする「LAB」商標に関する日本国商標登録出願平成7年第125091号(以下「本件商標登録出願」という)及び本件商標登録出願から生ずる商標登録に基づいて、上記指定商品中の化粧品について現在使用中の13品目・・・に関して、日本国一円において、同商標を使用する通常使用権を許諾することを合意する。」

「第3条(本商標権の使用範囲)

クラブコスメチックスは、エスティローダーに対し、エスティローダーが「LAB」商標、「ラボ」商標、「LAB SERIES」商標及び「ラボ シリーズ」商標(以下総称して「本商標」という)を使用することを認める。」

「第6条(契約期間)

1.本契約及び本契約に基づいて許諾される使用権は、本契約締結日から5年間維続して有効なものとする。

2.本契約及び本契約に基づいて許諾される使用権は、エスティローダーが前項の契約期間満了日の少なくとも3ヶ月前までにクラブコスメチックスに契約の更新を希望する旨の書面を提出した場合には、さらに5年間更新されるものとする。爾後もまた同様とする。」

エ 本件使用契約の更新

上記ウの契約は、令和3年11月1日に、「覚書」と題する書面において本件商標権者とELC社との間で、令和8年(2026年)11月27日まで更新する旨の合意がなされている。

その「覚書」と題する書面には、以下の記載が認められる(乙4)。

「株式会社クラブコスメチックス(以下「甲」という。)とELCジャパン株式会社(以下「乙」という。)とは、甲が所有する登録商標「LAB」(商標登録番号第4028295号)・・・に関する平成8年11月28日付通常使用権許諾契約(原契約)について、以下の通り合意する。

第1条(期間の延長)

甲及び乙は、原契約第6条第2項の定めに基づき、原契約の有効期間は5年間延長され、令和8(2026)年11月27日迄であることを確認する。」

(2)商標の使用について

PRTIMESが2022年10月5日に配信した「プレステージメンズスキンケア〈ラボシリーズ〉新グローバルアンバサダーに俳優G氏が就任」と題するプレスリリース(乙12)の3/7ページに「2022年10月21日(金)【数量限定】」「コンプリートハイドレーション」と称する商品に【セット内容】「・デイリーウオーターローション(化粧水) 現品200mL」「・デイリージェルクレンザー(洗顔料) 30mL」「・デイリーEZフェースローション(乳液) 20mL」の記載があり、別掲の「LAB」の文字と「SERIES」の文字を上下二段に横書きした商標(以下「使用商標」という。)が商品のパッケージ及び包装箱に掲載されている。また、同ページに「2022年10月21日(金)【数量限定】」「ザアルティメットアップグレード」と称する商品に【セット内容】「・マックスLSクリーム(保湿クリーム) 現品50mL」「・マックスLSウオーターローション(化粧水) 30mL」の記載があり、使用商標が商品のパッケージ及び包装箱に掲載されている。4/7ページにも、「2022年11月11日(金)【数量限定】」「トリプルウオーターローションセット」と称する商品に【セット内容】「・デイリーウオーターローション(化粧水) 現品200mL」「・デイリーウオーターローション(化粧水) 30mL」「・デイリーウオーターローション(化粧水) 30mL」の記載があり、使用商標が商品のパッケージ及び包装箱に掲載されている。また、同ページの中央よりやや下に使用商標が掲載され、その下に商品の紹介記事が記載されている(以下、上記使用商標が付された、デイリーウオーターローション(化粧水)、マックスLSウオーターローション(化粧水)、デイリーEZフェースローション(乳液)、マックスLSクリーム(保湿クリーム)を「使用商品」という。)。

そして、6/7ページに会社概要として「ELCジャパン株式会社」及び「本社所在地 東京都千代田区丸の内」との記載がある。

2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。

(1)通常使用権者について

本件商標権者は、平成8年11月28日付けでエスティローダー社との間で、本件商標に関する通常使用権契約を締結しており、当該契約に係る契約期間は、ELC社との間で令和8年(2026年)11月27日まで延長されていることから、要証期間においては、ELC社が本件商標の通常使用権者ということができる。なお、エスティローダー社はELC社に合併され解散したものであるが、当該契約に係る契約期間は、上記のとおり延長されていることから、当該契約は合併後のELC社との間でも有効に存続していたものということができる。

(2)本件商標と使用商標の社会通念上の同一性及び使用商品について

本件商標は、上記第1のとおり、「LAB」の文字をやや横長に表した太字のゴシック体で横書きした構成からなるものである。

他方、使用商標は、別掲のとおり、「LAB」の文字と「SERIES」の文字(下線が付されている。)を太字のゴシック体で上下2段に横書きしてなるところ、構成する各文字が上下に表されており、視覚上分離されて看取されることに加え、「SERIES」の文字が請求に係る指定商品中「化粧品」との関係においては、特定のブランドの一連の商品を表示する際に「シリーズ」の文字が用いられていることから、「SERIES」の文字は自他商品の識別力の弱い部分であるといえ、「LAB」の文字が使用商標の要部であるとみるのが相当である。

そこで、本件商標と使用商標の「LAB」の文字部分を比較すると、本件商標がやや横長に表されており、両者はその書体にわずかな差異を有するにすぎないことから、両者は書体のみに変更を加えた同一の文字からなるものである。

そうすると、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標といえる。

そして、使用商品である「化粧水」「乳液」「保湿クリーム」は、請求に係る指定商品「化粧品」の範ちゅうに含まれる商品である。

(3)商標の使用行為、使用時期、使用者について

上記1(2)によれば、PRTIMESで2022年10月5日に配信された記事は、「ラボシリーズ」の商品の広告を内容とするものであり、その内容において、本件商標と社会通念上同一の商標といえる使用商標が表示されている使用商品が掲載されていることが認められる。

そうすると、この行為は、商標法第2条第3項第8号にいう「商品に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」といえるものである。

また、この配信記事はELCジャパン株式会社、すなわちELC社が主体であるところ、ELC社は上記(1)のとおり本件商標の通常使用権者である。

そうすると、PRTIMESの記事における商品の広告は通常使用権者により行われたものということができる。

そして、上記配信日は要証期間内である。

(4)小括

以上によれば、本件商標の通常使用権者は、要証期間内である2022年10月5日に日本国内の需要者に向けて、請求に係る指定商品中「化粧品」の範ちゅうに含まれる「化粧水」「乳液」「保湿クリーム」(使用商品)について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標(使用商標)を使用して商品の広告を行ったといえる。そして、この行為は商標法第2条第3項第8号に該当する。

3 まとめ

以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の通常使用権者が、請求に係る指定商品中「化粧品」の範ちゅうに含まれる商品「化粧水」「乳液」「保湿クリーム」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきではない。

よって、結論のとおり審決する。

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