結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2024650025 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由
本願は、2021年(令和3年)8月2日に国際商標登録出願(事後指定)されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
2022年(令和4年) 5月16日付け:暫定拒絶通報
2022年(令和4年)11月28日 :意見書、手続補正書の提出
2023年(令和5年) 7月 7日付け:通知書
2023年(令和5年)10月27日 :意見書の提出
2023年(令和5年)12月 4日付け:拒絶査定
2024年(令和6年) 4月12日 :審判請求書の提出
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第36類、第38類及び第42類に属する日本国を指定する国際登録において指定された役務を指定役務として、国際商標登録出願(事後指定)されたものであり、その後、本願の指定役務については、原審における上記1の手続補正書により、別掲2のとおりの役務に補正されたものである。
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4568652号(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「ジェットストリーム」(標準文字)
登録出願日:平成13年 3月16日
設定登録日:平成14年 5月17日
指定役務:「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入あっせん,金融及び投資に関する助言,証券投資に関する情報の提供,証券投資信託受益証券の発行・募集・売出し,金融に関する情報の提供,投資顧問契約に基づき顧客のために行う投資,有価証券の売買,有価証券指数等先物取引,有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,企業の信用に関する調査」を含む第36類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
(2)登録第6430819号(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「JET STREAM」(標準文字)
登録出願日:令和 3年 3月30日
設定登録日:令和 3年 8月18日
指定役務:第38類「ラジオ放送,オンデマンド方式による放送,放送,電気通信(「放送」を除く。)」及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、「JETSTREAM, a Credit Agricole CIB」及び「Electronic Solution」の欧文字を2段に横書きにしてなるところ、本願商標を構成する文字全体から生じる称呼は「ジェットストリームアクレジットアグリコールシイアイビイエレクトロニックソリューション」と極めて冗長といえるものであり、一気一連に称呼することは困難である。
また、本願商標の構成中、「JETSTREAM」の文字部分は、語頭に配置され、全て大文字で表されており、当該文字部分の直後に「,(カンマ)」の記号が配されていることから、「JETSTREAM」の文字部分とそれ以降の文字部分は、視覚上分離して観察されるものである。
さらに、本願商標の構成中、「JETSTREAM」の文字部分は「ジェット気流」を意味する「jet stream」(出典:「新英和中辞典 第7版」株式会社研究社)を表したものと容易に理解されるものであるところ、その構成中「a Credit Agricole CIB」の文字部分は特定の意味を有するものとして知られているといった事情は見いだせないものであり、また、その構成中「Electronic Solution」の文字部分は「電子的解決法」ほどの意味を理解させるものであるから、これらの文字部分に観念上のつながりはなく、常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の事情は見いだせないものである。
してみると、視覚上目につきやすい語頭に配され、文中の切れ目に用いられる「,(カンマ)」によって、後半部と分離して観察され、容易に称呼し得る「JETSTREAM」の文字部分が、独立して自他役務の識別標識として機能し、取引者、需要者に認識、記憶され得るといえる。
そうすると、本願商標は、その構成中「JETSTREAM」の文字部分とこれ以外の文字部分とを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとは認められないから、該文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較することも許されるというべきである(以下「JETSTREAM」の文字部分について「本願商標の要部」という。)。
したがって、本願商標は、その要部である「JETSTREAM」の文字部分に相応して、「ジェットストリーム」の称呼を生じ、「ジェット気流」の観念を生じるものである。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1について
引用商標1は、「ジェットストリーム」の片仮名を標準文字で表してなるところ、上記アのとおり、該文字は、「ジェット気流」を意味する「jet stream」の読みを片仮名で表したものと容易に理解されるものであるから、その構成文字に相応して、「ジェットストリーム」の称呼を生じ、「ジェット気流」の観念を生じるものである。
(イ)引用商標2について
引用商標2は、「JET STREAM」の欧文字を標準文字で表してなるところ、上記アのとおり、該文字は、「ジェット気流」を意味するものであるから、その構成文字に相応して、「ジェットストリーム」の称呼が生じ、「ジェット気流」の観念を生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
(ア)本願商標と引用商標1の類否について
本願商標と引用商標1は、それぞれ上記ア及び上記イ(ア)のとおりの構成よりなり、両者は、全体の外観において、構成文字数の差異等を有することから区別できるとしても、本願商標の要部と引用商標1との比較においては、本願商標の要部が欧文字のみからなるのに対し、引用商標1は片仮名のみからなるところ、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われている取引の実情があることに鑑みれば、両者における文字種の相違が、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
そして、本願商標の要部と引用商標1は、称呼において、「ジェットストリーム」の称呼を共通にし、観念において、「ジェット気流」の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標1とは、全体の外観においては相違があるものの、本願商標の要部と引用商標1との比較において、外観上の差異が顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえず、「ジェットストリーム」の称呼及び「ジェット気流」の観念を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、役務の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
(イ)本願商標と引用商標2の類否について
本願商標と引用商標2は、それぞれ上記ア及び上記イ(イ)のとおりの構成よりなり、両者は、全体の外観において、「JETSTREAM(JET STREAM)」の文字を共通にするから近似した印象を与え、本願商標の要部と引用商標2の比較においては、それぞれを構成する「JETSTREAM(JET STREAM)」の文字を共通にし、「ジェットストリーム」の称呼及び「ジェット気流」の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標2とは、全体の外観において近似した印象を与え、本願商標の要部と引用商標2との比較においては、外観において構成文字を共通にし、「ジェットストリーム」の称呼及び「ジェット気流」の観念を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、役務の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
エ 本願の指定役務と引用商標の指定役務との類否について
(ア)本願の指定役務中、第36類の指定役務と、引用商標1の指定役務中、第36類の指定役務には互いに同一又は類似の役務を含んでいる。
(イ)本願の指定役務中、第38類の指定役務と、引用商標1の指定役務中、第38類の指定役務には互いに同一又は類似の役務を含んでいる。
オ 小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は全体としてまとまりよく構成されており、その構成文字全体からは「ジェット気流、すなわち請求人Credit Agricole CIBによる電子的な解決方法」、その構成中の上段の文字部分からは「請求人Credit Agricole CIBによるJETSTREAM」と認識されることから、本願商標は、全体を一体不可分のものとして認識される商標、又は少なくとも上段の文字部分を一体不可分の要部として認識される商標というべきである旨主張する。
しかしながら、本願商標の構成中「Credit Agricole CIB」の文字部分が、請求人を表すものとして需要者の間に認識されているといった事情は見いだせないものであるから、当該文字部分が請求人を表したものと認識されることを前提とした請求人の主張は、採用することができない。
そして、本願商標から「JETSTREAM」の文字部分を要部として抽出できることは、上記(1)アのとおりである。
イ 請求人は、過去の併存登録例及び審決例を挙げ、本願商標の登録が認められるべきである旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、出願された商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断すべきものであり、また、請求人の挙げる併存登録例及び審決例と本願商標とは、商標の構成等を異にするものであるから、当該審決例によって、本件の判断が左右されるものではない。
したがって、請求人の上記ア及びイの主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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