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Trademark Appeal Case

商標「IRIS」の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2024650076
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理由

第1 手続の経緯

本願は、2022年(令和4年)6月1日に国際商標登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

2023年(令和5年)4月6日付け :暫定拒絶通報

令和5年(2023年)10月20日 :意見書の提出

2024年(令和6年)4月26日付け:拒絶査定

令和6年(2024年)8月16日 :審判請求書の提出

令和7年(2025年)2月18日付け:審尋

令和7年(2025年)3月21日 :回答書の提出

令和7年(2025年)4月17日付け:審尋

第2 本願商標

本願商標は、「IRIS」の欧文字を横書きしてなり、日本国を指定する国際登録において指定された第9類「Software-controlled systems used in the semiconductor manufacturing industry, namely, recorded software for automating and controlling machines that manufacture semiconductors and computer memory hardware containing the foregoing recorded software.」を指定商品として、国際商標登録出願されたものである。

第3 原査定の拒絶の理由(要点)

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下に掲げるとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

1 登録第4309867号の1商標(以下「引用商標1」という。)

商標の構成 「IRIS」の欧文字と「アイリス」の片仮名を2段に表してなるもの

指定商品 第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク及び磁気テープ,その他の電子応用機械器具及びその部品,ロケット,遊園地用機械器具,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,盗難警報器,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,検卵器,電動式扉自動開閉装置但し、理化学機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,ロケット,遊園地用機械器具,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,盗難警報器,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,磁心,抵抗線,電極,映写フイルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,検卵器,電動式扉自動開閉装置を除く」

登録出願日 平成10年3月4日

設定登録日 平成11年8月27日

2 登録第5424541号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の構成 ILIS(標準文字)

指定商品 第9類「図書館向け業務パッケージソフトウェア」

登録出願日 平成20年12月15日

設定登録日 平成23年7月8日

3 登録第5793712号商標(以下「引用商標3」という。)

商標の構成 「IRIS」の欧文字を横書きしてなるもの

指定商品 第9類「無線又は有線で医療用機器と接続され、医療用機器からのデータを制御し又は表示し、中央モニターシステム又は電子診療録システム又は通知装置へデータを伝送する電子応用機械器具」

登録出願日 平成25年1月11日

優先権主張 2012年(平成24年)7月11日(アメリカ合衆国)

設定登録日 平成27年9月18日

以下、引用商標1ないし引用商標3をまとめて「引用商標」という。

第4 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本願商標

本願商標は、上記第2のとおり、「IRIS」の欧文字からなるところ、当該文字は、「アイリス《アヤメ属の植物;アヤメ・イチハツ・ハナショウブなど》」(「新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典」株式会社研究社)の意味を有する語である。

したがって、本願商標は、その構成文字に相応して「アイリス」の称呼を生じ、「アイリス」の観念を生じる。

(2)引用商標

ア 引用商標1

引用商標1は、上記第3の1のとおり、「IRIS」の欧文字と「アイリス」の片仮名を2段に表してなるところ、その構成中「IRIS」の文字は、上記(1)のとおり、「アイリス《アヤメ属の植物;アヤメ・イチハツ・ハナショウブなど》」の意味を有するものであり、「アイリス」の文字は「IRIS」の文字の読みを片仮名で表記したものと容易に理解できるものである。

したがって、引用商標1は、その構成文字に相応して、「アイリス」の称呼を生じ、「アイリス」の観念を生じる。

イ 引用商標2

引用商標2は、上記第3の2のとおり、「ILIS」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は一般的な辞書等に掲載のないものであって、特定の意味合いを認識させるものではない。

したがって、引用商標2は、その構成文字に相応して「アイリス」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。

ウ 引用商標3

引用商標2は、上記第3の3のとおり、「IRIS」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は、上記(1)及びアのとおり、「アイリス《アヤメ属の植物;アヤメ・イチハツ・ハナショウブなど》」の意味を有するものである。

したがって、引用商標3は、その構成文字に相応して「アイリス」の称呼を生じ、「アイリス」の観念を生じる。

(3)本願商標と引用商標との類否

ア 本願商標と引用商標1

本願商標は欧文字のみからなるのに対し、引用商標1は欧文字と片仮名からなるという差異及び、書体における差異を有するものであるものの、引用商標1において、「アイリス」の文字は「IRIS」の文字の読みを片仮名で表記したものと容易に理解できるものであること、また、本願商標と引用商標1の構成中の「IRIS」の文字は、いずれも一般的な書体で表されたものであって、文字つづりを共通にするものであることからすれば、これらの外観上の差異が看者に対し、強い印象を与えるとまではいえないから、両者は外観において似通った印象を与えるものである。

そして、両者は、ともに「アイリス」の称呼と「アイリス」の観念を生じるものであるから、称呼及び観念を共通にするものである。

以上によれば、本願商標と引用商標1は、外観において似通った印象を与えるものであって、称呼及び観念を共通にするものであるから、その外観、称呼及び観念が、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合すれば、本願商標と引用商標1は、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。

イ 本願商標と引用商標2

本願商標と引用商標は、2文字目における「R」の文字と「L」の文字の差異を有するものであるところ、いずれも欧文字4文字という短い構成においては、この差異が両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は大きいものといえるから、両商標は、外観上区別し得るものである。

そして、両者は、ともに「アイリス」の称呼を生じるものであるから、称呼を共通にするものである。

また、本願商標は「アイリス」の観念を生じるのに対し、引用商標2は特定の観念を生じないから、観念において紛れるおそれはない。

以上によれば、本願商標と引用商標2は、「アイリス」の称呼を共通にするものであるものの、外観において区別し得るものであって、観念において紛れるおそれはないであるから、その外観、称呼及び観念が、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合すれば、本願商標と引用商標2は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのない非類似の商標というのが相当である。

ウ 本願商標と引用商標3

本願商標と引用商標3は、書体における差異を有するものであるものの、いずれも一般的な書体であって、文字つづりを共通にするものであるから、外観上近似した印象を与えるものである。

そして、両者は、ともに「アイリス」の称呼と「アイリス」の観念を生じるものであるから、称呼及び観念を共通にするものである。

以上によれば、本願商標と引用商標3は、外観において似通った印象を与えるものであって、称呼及び観念を共通にするものであるから、その外観、称呼及び観念が、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合すれば、本願商標と引用商標3は、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。

(4)本願の指定商品と引用商標の指定商品の類否

本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。

(5)小括

本願商標と引用商標1及び引用商標3とは、相紛れるおそれのある類似の商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標1及び引用商標3の指定商品と同一又は類似のものである。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

2 請求人の主張について

請求人は、令和6年9月27日付け提出の手続補正書において、引用商標の各商標権者と引用商標の譲渡や譲受けのための交渉を行うため、審理の猶予を希望する旨を述べたことに対し、審判長は、同7年2月18日付けの審尋を発し、当該交渉の状況の具体的な説明と、当該交渉の事実が確認できる証拠の提出を求めたところ、請求人は、同年3月21日に回答書及び第1号証ないし第4号証を提出し、引用商標3の商標権者から上記交渉には応じられないという回答があったものの、交渉継続について検討中である旨、また、引用商標3の商標権者から応じられないと回答があったことを理由に、引用商標1及び引用商標2の商標権者との交渉は中断している状況である旨述べるとともに、審理の更なる猶予を希望する旨を述べている。

しかしながら、上記回答書及び第1号証ないし第4号証によっては、現時点において、各引用商標の商標権者との交渉の事実が存在するとは認めることはできないことから、当該交渉の意思があることだけをもって、審理の猶予をするに合理的とは認められず、また、ほかに審理の猶予をすべき合理的な理由も見当たらない。

そこで、審判長は、令和7年4月17日付けの審尋を行い、すべての引用商標の商標権者と交渉が行われている事実があることが確認できる証拠の提出等を求めたところ、請求人は、当該審尋に対し、指定した期間を経過するも、何ら回答していない。

そのため、合議体は、これ以上本件の審理を遅延させるべき合理的な理由はないものと判断し、審理を終結することとした。

3 まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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