結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2024890077 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第6814676号商標(以下「本件商標」という。)は、「FOREVER KEY」の文字を標準文字で表してなり、令和5年7月13日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,香料,薫料,化粧用接着剤,つけづめ,つけまつ毛,口臭用消臭剤,歯磨き,化粧用脱脂綿,ネイルアート用ステッカー,人造軽石,洗濯用漂白剤」を指定商品として、同6年3月19日に登録査定され、同年6月17日に設定登録されたものである。
請求人が、本件審判の請求の理由(商標法第4条第1項第10号、同項第15号)において引用する商標は、請求人が第3類の化粧品関係の商品に使用して広く世界で販売しており、周知・著名な商標となっていると主張している、「FOREVER KEY」の文字からなる商標(以下「引用商標」という。)である。
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由(商標法第4条第1項第10号、同項第15号)を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証から甲第7号証(枝番号を含む。以下証拠の表記に当たっては、「甲(乙)第○号証」を「甲○」と表記する。)を提出した。
(1)引用商標について
請求人は本件商標出願前に、多数の国で引用商標を第3類の指定商品「シャンプー,洗浄剤,研磨剤,研磨紙,エッセンシャルオイル,化粧品,身体用防臭剤,歯磨き,線香,芳香剤」を指定して商標登録を受けている(中華人民共和国:甲2及び甲3のほか、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシア、韓国)。
これらの引用商標の登録による強力な法的保護の下、請求人は、引用商標を第3類の化粧品関係等の多種類の商品に使用して広く世界で販売しており、この関連商品では周知・著名な商標となっている。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
請求人は、本件商標出願前より、以下のウェブサイト等において「化粧品」などの販売や、広告・宣伝を行っている。
ア TIKTOKにおいて、2022年(令和4年)7月20日以降、引用商標を使用して、「化粧品」などの広告・宣伝を多数行っている(甲4)。
イ ショッピングモール京東において、2022年(令和4年)9月15日以降、引用商標を使用して、「化粧品」などを、多数の注文を受けて販売している(甲5)。
ウ ショッピングモールドウインにおいて、2021年(令和3年)10月22日以降、引用商標を使用して、「化粧品」などを、多数の注文を受けて販売している(甲6)。
エ ショッピングモール天猫68において、2022年(令和4年)1月30日以降、引用商標を使用して、「化粧品」などを、多数の注文を受けて販売している(甲7)。
このように、請求人は、本件商標出願前より、引用商標を種々のサイトにて第3類の「化粧品」等と同一又は類似の多種類の商品に使用して広告、宣伝、販売しており、取引者や消費者の間に広く認識されていて、この関連商品では周知・著名な商標である。
以上のことから、本件商標をその指定商品に使用することは、請求人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがある。
したがって、本件商標は他人の周知商標と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品に使用するものであるから商標法第4条第1項第10号に該当し、又、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれのある商標であるから商標法第4条第1項第15号に該当する。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を審判事件答弁書において、要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙1を提出した。
(1)引用商標の日本における使用について
ア 請求人が引用商標を使用していることの客観的資料として提出した甲4は、TIKTOKの画面のスクリーンショットであると考えられるところ、当該サイトで投稿されている動画において使用されている言語は日本語ではなく、本来英語で表記されていると思われるTIKTOKの画面を機械翻訳で日本語に翻訳したものであると考えられる。例えば、「永遠にkey_vn」というのは、当該サイトのアカウント名「@forever key_vn」を機械翻訳で日本語に直したものであると推察される。
したがって、甲4のサイトは日本人が使用することは想定されておらず、日本人が同サイトを訪れることはほとんどないものであるといえる。
イ 甲5も甲4と同様、一部の部分について機械翻訳にて日本語翻訳されているだけであり、サイトのほとんどの部分において日本語が使用されていない。
したがって、甲5のサイトについても、日本人が使用することは想定されておらず、日本人が同サイトを訪れることはほとんどないものであるといえる。
ウ 甲6は、中国語版TIKTOKである「抖音(Douyin)」のサイトであり、そもそも日本人の使用は全く想定されておらず、日本人が同サイトを訪れることは皆無であると考えられる。同様に、甲7は、中国人を対象としたECサイトである天猫内に存在するサイトであり、そもそも日本人の使用は全く想定されておらず、日本人が同サイトを訪れることは皆無であると考えられる。
エ 以上の点及び引用商標が外国にて商標登録されていることをふまえると、引用商標は日本において使用されているわけではなく、主として外国で商標として使用されているものであると考えられる。
そして、主として外国で使用されている商標が「需要者の間に広く認識されている商標」であるといえるためには、日本において報道、引用された結果、日本において他人の業務にかかる商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されるにいたる必要があるところ(乙1)、引用商標が使用されているサイトを日本人が訪れることはほとんどない又は皆無であるといえるため、引用商標が、日本において広く認識されているということはあり得ない。
(2)外国における周知性について
主として外国で使用されている商標の場合には、周知性の判断にあたって、外国で周知であること、数か国に商品が輸出されていること等を考慮するものとされている(商標審査基準第9の1.(2)(イ))ところ、甲4のサイトのフォロワーはわずか1073人にすぎず、甲5及び甲7は、サイトの存在だけを示す資料にすぎず、同サイトをどの程度の人間が訪れているのかは全く不明である。
したがって、甲4、甲5及び甲7をもって、引用商標が日本以外の外国において周知であると判断することはできない。
以上から、引用商標は外国においても周知であるとは認められない。
(3)小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号には該当しない。
(1)商標法第4条第1項第15号は、条文上、「第10号から前号までに掲げるものを除く」と規定されており、本号に該当する可能性のある類型としては、ア 商標が同一又は類似で、商品・役務が非類似である場合、イ 商標が非類似で、商品・役務が同一又は類似である場合、ウ 商標が非類似で、商品・役務も非類似である場合と考えられる。
引用商標については、本件商標と商標は同一であり、商品についても同一又は類似している。この点は、請求人も審判請求書にて認めており、争いは存在しない。
したがって、そもそも、本件商標は、商標法第4条第1項第15号が適用される類型ではない。
(2)「混同を生じるおそれ」について
商標法第4条第1項第15号「混同を生じるおそれ」とは、主として、その他人の業務にかかる商品又は役務であると誤信し、その商品又は役務の需要者が出所について混同するおそれがある場合をいう(商標審査基準第13の1.(1))。
仮に、本件商標について、商標法第4条第1項第15号が適用されるとしても、前述したように、引用商標が使用されているサイトは、日本人が訪れることはほとんどないか皆無であるサイトであり、日本における周知性を有しておらず、日本人の需要者が出所を誤信するという事態がそもそも発生しない。
(3)小括
したがって、本件商標には、「混同を生じるおそれ」が存在せず、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
請求人が本件審判を請求するにつき、利害関係を有する者であることについては、当事者間に争いがないので、本案に入って審理する。
(1)請求人の提出証拠及び主張によれば、以下のとおりである。
ア 請求人は、本件商標の出願前から、同人のTIKTOK(2022年(令和4年)7月20日以降)、ウェブサイト(ショッピングモール京東(2022年(令和4年)9月15日以降)、ショッピングモールドウイン(2021年(令和3年)10月22日以降)、ショッピングモール天猫68(2022年(令和4年)1月30日以降))において、引用商標を使用して、「化粧品」などの注文を受け、販売している(請求人主張、甲4~甲7)。
イ 請求人は、引用商標について、中国を含め諸外国で商標登録している(請求人主張、甲2及び甲3)。
(2)上記(1)によれば、以下のとおり判断できる。
ア 上記TIKTOKやウェブサイトで、引用商標や引用商標を付した化粧品が掲載されていることはうかがえる。
しかしながら、請求人提出の証拠からは、上記TIKTOKやウェブサイトに、これらのウェブサイト等の運営者として商標権者の記載は見いだせず、これらのウェブサイト等の運営者が商標権者であることを確認できない。また、掲載されている引用商標を付した化粧品についても、商標権者の記載は見いだせないから、請求人に係る商品であることも不明である。
イ 請求人は、ショッピングモールドウインには2021年10月22日以降、その他の上記TIKTOKやウェブサイトにおいては2022年1月以降、引用商標を付した化粧品を掲載している旨主張しているが、それを裏付ける客観的な証拠はないため、請求人が主張する日付から、これらのウェブサイト等に引用商標を付した化粧品を掲載していたことを確認できない。
ウ 上記TIKTOKやウェブサイト等は、機械翻訳とみられる日本語が一部表示されているものの、基本的に中国語で表示されているものであるから、我が国の需要者向けのウェブサイトということはできない。
また、これらのウェブサイト等において、引用商標を付した請求人の商品が我が国又は外国の需要者等と取引があったことは確認できない。
さらに、引用商標が、例えば中国等の外国で周知であることを認め得る客観的な証拠はなく(販売実績や市場シェア等)、その他に、引用商標を付した請求人の商品が外国や我が国のテレビや雑誌などのメディアを通じた広告宣伝実績等も確認できない。
エ そうすると、請求人の提出した証拠からは、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、請求人の業務に係る商品(化粧品等)を表示するものとして外国で周知な商標と認めることはできず、かつ、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
本件商標及び引用商標は、上記第1及び第2のとおり、いずれも「FOREVER KEY」の欧文字からなるものであるから、両商標が同一又は類似するものであることは明らかである。
しかしながら、引用商標は、上記2のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、他人(請求人)の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間において広く認識されていると認められないものである。
そうすると、本件商標は、商標法第4条第1項第10号を適用するための要件を欠くものであるから、その他の要件について検討するまでもなく、本件商標は同号に該当しない。
(1)引用商標の周知性及び独創性の程度
上記2のとおり、引用商標は、請求人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。
また、引用商標を構成する文字「FOREVER KEY」は、造語といえるものの、我が国で親しまれた「永久に」などの意味を有する英単語「forever」と、同じく親しまれた「鍵」の意味を有する英単語「key」を結合してなるものといえるから、その独創性の程度は高いものとはいえない。
(2)本件商標と引用商標の類似性の程度
上記3のとおり、本件商標と引用商標は、いずれも「FOREVER KEY」の欧文字からなるものであるから、同一又は類似の商標であり、その類似性の程度は高いといえる。
(3)混同のおそれ
上記(2)のとおり、本件商標と引用商標は同一又は類似の商標であり、その類似性の程度は高いといえるものの、上記(1)のとおり、引用商標は、請求人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、その独創性の程度は高いものとはいえないから、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(請求人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
(4)小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといえない。
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に違反してされたものではないから、同法第46条第1項第1号の規定により、無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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