結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025000400 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和5年11月1日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年6月14日付け:拒絶理由通知書
令和6年9月5日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年10月8日付け:拒絶査定
令和7年1月10日 :審判請求書の提出
令和7年4月22日付け:証拠調べ通知書
令和7年7月24日 :意見書の提出
本願商標は、「AVATAR」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第35類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、上記第1の手続補正書により、第35類「ウェブサイト経由による消費者への商品及びサービスの推薦の提供,インターネット経由による商品・役務の買い手及び売り手のためのオンライン市場の提供及びこれに関する情報の提供,消費者のための商品及び役務の選択における助言と情報の提供,検索可能なオンライン経由での広告ガイドの提供,ウェブサイト経由による商品・役務の買い手及び売り手のためのオンライン市場の提供及びこれに関する情報の提供,ウェブサイト経由による商業用のユーザーによる格付け・レビュー又は推薦に関する商業情報の提供,コンピューターデータベースへの情報収集及び情報構築,コンピューターデータベースへの消費者動向に関する情報の収集および編集,販売促進材料及び宣伝材料の作成(他人のためのこと),マーケティング,ブランド戦略に関する指導及び助言,インターネット経由による販売業者に対する消費者動向に関する情報の提供,消費者調査」及び第42類「ユーザーが定義した情報を特徴とするカスタマイズされたウェブページの開発,ユーザーが定義した情報を特徴とするカスタマイズされたデータ提供フォーマットの開発を含むウェブページの開発,ユーザーが定義した情報を特徴とするカスタマイズされたウェブページの開発に関する指導・助言及び情報の提供,ウェブサイト経由によるユーザーが定義した情報を特徴とするカスタマイズされたウェブページの操作方法に関する紹介及び説明,ユーザーが定義した情報を特徴とするカスタマイズされたデータ提供フォーマットの作成・設計・開発及び保守を含むウェブページの作成・設計・開発及び保守,ユーザーが定義した情報を特徴とするカスタマイズされた消費者動向に関するウェブページの開発,ユーザーが定義した情報を特徴とするカスタマイズされた消費者動向に関するデータ提供フォーマットの開発を含むウェブページの開発」とされた。
本願商標は、「AVATAR」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「コンピューターネットワーク上の仮想的な空間において、自分の分身として表示されるキャラクターのこと」等の意味を有する語として知られているものであるから、本願商標は、構成全体として「コンピューターネットワーク上の仮想的な空間において、自分の分身として表示されるキャラクター」程度の意味を認識させるものである。
そして、本願の指定役務中の第42類の役務と関連する分野においては、アバターを作成する、アバターを動かす等の機能を備えた、アバターに関するアプリケーションソフトウェアが取引されている実情があり、そのようなソフトウェアの中には、ウェブベースで提供されるものも存在する。
また、本願の指定役務中の第35類の役務と関連する分野においては、アバターに関する商品やサービスについて、ウェブサイトを通じて各種の情報が提供されている実情、及び企業の宣伝活動やマーケティングにアバターが活用されている実情がある。
そうすると、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その役務が「アバター(コンピューターネットワーク上の仮想的な空間において、自分の分身として表示されるキャラクター)」に関する役務であることを認識するにすぎないから、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、これをその指定役務中の「アバター(コンピューターネットワーク上の仮想的な空間において、自分の分身として表示されるキャラクター)」に関するもの以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
本願商標が、その指定役務との関係において、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲1ないし別掲3のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。
請求人は、上記第4の証拠調べ通知書に対し、令和7年7月24日に意見書を提出し、要旨以下(1)及び(2)のとおりの意見を述べた。
(1)別掲1及び別掲2について
別掲1及び別掲2には、「AVATAR」の文字はほぼ含まれていないか、全く含まれていないため、これらからは、「AVATAR」の文字が、取引者において一般的に使用がされているものとはいえず、また、役務を取引過程におく場合に必要な表示であって何人も使用をする必要があるともいえない。
(2)別掲3について
別掲3は、「AVATAR」の文字が、「アバター」の文字と同じ意味合いで使用されている例とはいえない。
このため、たとえ、別掲1及び別掲2に記載される「アバター」の文字が、役務の質又は役務の提供の用に供する物(役務の質等)を具体的に表示したものとして一般的に使用されていると仮定した場合であっても、「AVATAR」の文字と、「アバター」の文字とが同じ意味合いで使用されているとはいえない以上、別掲1ないし別掲3は、「AVATAR」の文字が、役務の質等を具体的に表示したものとして一般的に使用されている事実を示すものではない。
また、別掲3からは、「AVATAR」の文字が、本質的に異なる複数の意味合いを有しているといえるので、本願商標が、構成全体として「コンピューターネットワーク上の仮想的な空間において、自分の分身として表示されるキャラクター」程度の意味を認識させるものとは到底結論付けることができない。
本願商標は、上記第2のとおり、「AVATAR」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字及びその片仮名表記である「アバター」の片仮名は、「インターネットのコミュニティーなどで、利用者自身の表象として示す図像」の意味を有する語である(「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)。
また、実際に「アバター」の片仮名と「AVATAR」の欧文字は併記されて使用されるなど、「アバター」の片仮名が「AVATAR」の欧文字の片仮名表記として一般に使用されていることからすれば、両者は需要者に同じ意味合いのものとして認識されるというのが相当である(別掲3)。
そして、アバターの作成や編集等の機能を備えた、アバターに関するアプリケーションソフトウエアやそれを利用できるウェブサイトが存在し(別掲1)、接客や商品説明でアバターが活用される等、アバターが幅広い分野で活用されている実情がある(別掲2)。
以上からすれば、本願商標をその指定役務について使用しても、これに接する需要者は、当該役務が「アバター(インターネットのコミュニティーなどで、利用者自身の表象として示す図像)に関する役務」であるという役務の質・特徴を表したものと認識するにとどまり、自他役務の識別標識としては認識し得ないというのが相当である。
また、本願商標を、その指定役務中、「アバター(インターネットのコミュニティーなどで、利用者自身の表象として示す図像)に関する役務」以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(1)請求人は、「アバター(avatar)」という語が、ITの分野においても、一義的な意味を有するとは限らないのであるから、本願商標をその指定役務のいずれの役務に使用したとしても、その質を具体的に特定することができず、依然としてその内容に具体性を欠くものであるから、本願商標に接する需要者が役務の質を直接的に表示したものと認識するとはいい難い旨を主張している。
しかしながら、本願商標を構成する文字の語義や、別掲1ないし別掲3に挙げた取引の実情を踏まえれば、上記1のとおり、本願商標をその指定役務について使用しても、これに接する需要者は、当該役務が「アバター(インターネットのコミュニティーなどで、利用者自身の表象として示す図像)に関する役務」であるという役務の質・特徴を表したものとを表示したものと認識するにとどまり、自他役務の識別標識としては認識し得ないというのが相当である。
(2)請求人は、過去における審決例及び登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨を主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標がその指定役務との関係において、自他役務の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と指定役務との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の示す審決例及び登録例と本願商標とは、構成文字が異なり、事案を異にするものであるし、本願商標が自他役務の識別力を欠くものであることは、上記1のとおりであるから、請求人の挙げる審決例及び登録例があるからといってその判断が左右されることはない。
(3)したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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