結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025004875 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和6年3月26日の商標登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 8月23日付け:拒絶理由通知書
令和6年11月29日 :意見書の提出
令和7年 1月 6日付け:拒絶査定
令和7年 4月 1日 :審判請求書の提出
令和7年 9月 5日付け:審尋
本願商標は、「Campus ID」の文字を標準文字で表してなり、第9類「電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品,電子手帳,携帯情報端末,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,電子出版物」を指定商品として商標登録出願されたものである。
原査定は、「本願商標は、「Campus ID」の文字を標準文字で表してなるところ、本願の指定商品の分野において、大学構内に入る際や自身の成績情報などが閲覧できるシステムへログインする際に、本願商標に通ずる「キャンパスID」と称されるものを使用することが一般的に行われている実情が見受けられることから、本願商標及びそれに通ずる「キャンパスID」の文字は、「大学構内に入るためや大学に関する情報にアクセスするために使用する身分証明」ほどの意味合いを有すると認められ、それを本願の指定商品に使用した場合、取引者・需要者は、「大学構内に入るためや大学に関する情報にアクセスするために使用する身分証明に関する商品」ほどの意味合いを認識するにとどまるから、本願商標は、単に商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
当審において、令和7年9月5日付けで通知した審尋により、別掲1から別掲5のとおりの証拠を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
請求人は、上記4の審尋に対し、所定の期間を経過するも、何ら意見を述べていない。
(1)商標法第3条第1項第3号の趣旨について
商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品の識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定商品との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年(行ケ)第10107号 同年10月21日判決等参照)。
そして、本願商標の取引者、需要者によって、本願商標が、その指定商品に使用された場合に商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるかどうかは、当該商標の構成やその指定商品に関する取引の事情を考慮して判断すべきである(知財高裁令和3年(行ケ)第10113号 同4年1月25日判決参照)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「Campus ID」の文字を標準文字で表してなるところ、構成中の「Campus」の文字(語)は、別掲1のとおり、「大学や専門学校などの構内」ほどの語義を有し、「キャンパスライフ」のように使用され、広く親しまれているものである。
そして、本願商標の構成中、「ID」の文字(語)は、別掲2のとおり、「識別、身分証明」ほどの語義を有し、「ID番号・IDカードの略」として使用され、また、本願の指定商品との関係においては、「コンピューターネットワークなどで、ユーザーや機器を識別するための符号」ほどの意味合いを表すものである。
そうすると、本願商標は、その構成文字及び意味合いから、「Campus」及び「ID」の各文字(語)を組み合わせたものと容易に理解されるものである。
ところで、大学などの教育現場においては、別掲3のとおり、ID管理システム等の名称として、「○○ Campus ID」(〇〇には任意の文字が入る。)の文字(語)が使用されており、また、別掲4によれば、構内への入退管理やシステムにログインする際に使用するカードなどが、「キャンパスIDカード」、「キャンパスID型セキュリティキー」及び「キャンパスIDパス」のように、「キャンパスID○○」(〇〇には任意の文字が入る。)と称されている実情が認められる。
さらに、別掲5のとおり、本願の指定商品に関連する分野においても、教育機関の構内やシステムにアクセスするなどに、「キャンパスID」の文字(語)が使用されている実情も認められる。
そうすると、本願商標の構成及び上記取引の実情を踏まえれば、「Campus ID」の文字からなる本願商標を、その指定商品「電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品,電子手帳,携帯情報端末,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,電子出版物」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「教育機関の構内やシステムにアクセスするためのIDカードやID番号」ほどの意味合いを認識し、当該表示が「教育機関の構内やシステムにアクセスするためのIDカードやID番号」に関連した商品であること、すなわち、商品の品質又は用途を表したものとして理解、認識するにとどまるというのが相当である。 また、本願商標は、標準文字で表されているから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
したがって、本願商標は、商品の品質又は用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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