結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025300027 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第5740581号商標(以下「本件商標」という。)は、「グライド」の片仮名を上段に「GLIDE」の欧文字を下段に書してなり、平成25年5月16日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同27年2月13日に設定登録され、その後、令和5年12月21日に商標権一部取消し審判が請求され、同6年1月19日に同審判の請求の予告登録がされ、同年6月17日に本件商標の指定商品中、第28類「スキーワックス,囲碁用具,歌がるた,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具(スノーボード,スノーボード用具,スノーボードケースを除く。),昆虫採集用具」についての登録を取り消す旨の審決が確定した。
そして、本件審判請求の登録日は、令和7年1月27日であり、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和4年(2022年)1月27日ないし同7年(2025年)1月26日である(以下「要証期間」という。)。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を、被請求人の提出した令和7年3月12日付けの審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年5月22日付けの審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)において、要旨次のように述べた。また、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証(枝番号を含む。)を提出した。
なお、証拠の記載については、以下、「甲第1号証」を「甲1」のように省略して記載することがあり、枝番号の全てを示すときは枝番号を省略する場合がある(乙各号証についても以下同じ。)。
本件商標はその指定商品について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(1)本件商標について
ア 被請求人の主張
被請求人は、答弁書の中で、「上段の「グライド」の文字は下段の「GLIDE」の文字の読みを片仮名で表したものと容易に理解できる」こと、及び「観念に差異はない」ことを自認している。さらに、「使用行為において示す使用商標がいずれも欧文字の「GLIDE」をゴシック体調、筆記体調からなる」こと、及び「「GLIDE」の文字が独立した要部として需要者等に容易に認識、理解される」ことも自認している。
さらに、「本件商標の構成中の「GLIDE」の文字部分と、使用商標の要部である「GLIDE」の文字部分は書体において相違がある」ことも自認している。
イ 請求人の反論
本件商標は、2013年5月16日に出願され、同年8月30日(審決注:先の日付は書類の発送日。起案日は同年8月26日付け。)に商標法第4条第1項第11号に基づく拒絶理由を受けている。
(ア)審決による認定
被請求人は、拒絶査定不服審判(不服2014-004562)を請求し、登録審決(甲3の1)を受けているが、この審決の中で、「上段の片仮名は下段の文字から生じる読みを特定しているものと無理なく理解できるものである。そして、下段の「GLIDE」の欧文字は、「滑るように動く、滑る」の意味を有するものであるから、本願商標からは「グライド」の称呼を生じる」と認定されている。
したがって、本願商標中の片仮名表記は「GLIDE」の称呼という位置付けになるが、「グライド」は広辞苑にも掲載されておらず、特段の観念は生じない(甲3の2)。
(イ)商標法第50条第1項でいう類否
一方で、商標法第50条第1項でいう類否については、以下の類型が登録商標の使用例として認められている(甲3の3)。
a 書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標
b 平仮名の文字の表示を変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標
c 外観において同視される図形からなる商標
d その他社会通念上同一と認められる商標
二段書きの商標については、上記dの例2として、「登録商標が二段併記の構成からなる場合であって、上段及び下段の各部が観念を同一とするときに、その一方の使用」が挙げられている。すなわち、「その他社会通念上同一の商標」と認められるためには、上段及び下段の各部が観念を同一とすることが要件となる(甲3の9)。
また、登録商標の使用と認められない例として、「平仮名及び片仮名とローマ字の相互間の使用」の例として、「同一の称呼が生ずる場合であって、平仮名及び片仮名とローマ字のいずれかに別異の観念が含まれるときの相互間の使用」が挙げられている(甲3の3)。
「グライド」という称呼を有するローマ字(欧文字の文字列)は、「GLIDE」及び「GRIDE」があり、「GLIDE」からは甲第3号証の1で認定されたとおりの「滑るように動く、滑る」という観念が生じるが、「GRIDE」からは「ガリガリ切る(こする)、ギーギーきしる(すれる)、突き通す、深く切る」という観念が生じる(甲3の4)。また、人名として使用される「Glayde」(甲3の5)、「GRAYD」(甲3の7)、ソフトウェアの名称として使用されている「Graide」(甲3の6)及び「Grayed」(甲3の8)等もあり、「グライド」の称呼からは複数の観念が生じる。そうすると、「グライド」の使用は「同一の称呼が生ずる場合であって、平仮名及び片仮名とローマ字のいずれかに別異の観念が含まれるときの相互間の使用」に該当するため、社会通念上同一の商標とはいえない。
(2)本件商標の使用態様について
ア 被請求人の主張
被請求人は、本件商標の使用を示す証拠として乙第1号証ないし乙第5号証を提出し、本件商標を使用していると主張している。
イ 請求人の反論
しかし、請求人は、要証期間、使用態様の点について、以下のとおり反論をする。
(ア)商標的使用態様とは言えない使用
乙第1号証及び乙第2号証では、「GLIDE」の文字列のみが使用されている。
乙第3号証の2に掲載された商品には、筆記体の「Glide」が表示されており、この商品を示す表記として、「GLIDE」の横に小さく「グライド」と記載されている。乙第3号証の2ないし4に掲載されたスノーボード及びスノーボードウェアの表示を表にまとめたが、これは、乙第3号証の2ないし4に掲載された全ての商品について言及したものではない。しかし、商標登録の有無にかかわらず、欧文字(アルファベット)で表された商品名には読み方を片仮名で付すという表示形式は共通である。
そうすると、乙第3号証の2ないし4に掲載された商品の画像の下の記載は、商品名とその読み方を示す表示にすぎないため、商標的使用態様とはいえない。
さらに、商品に示された筆記体の「Glide」又は「glide」(以下、集合的に「筆記体Glide」という。)は、本件の商標には記載されている片仮名の「グライド」がない。また、乙第3号証の3に掲載された商品に付された「GLIDE」の欧文字列も読めないほどにデフォルメされている。このため、商標法38条第5項に規定される「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標、外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標」には該当しない。
乙第3号証の4に掲載されている商品についても「GLIDE」の欧文字のみが表示されている。乙第5号証に掲載されている商品には相当程度デフォルメされた筆記体Glideのみが使用されている。
乙第5号証では、「GLIDE」という本件商標の一部のみが使用されており、本件商標と社会通念上同一の商標とは言えない。
(イ)二段併記商標の「社会通念上同一」の判断基準
「社会通念上同一」の判断基準は、「登録商標が二段併記等の構成からなる場合であって、上段及び下段等の各部が観念を同一とするときに、その一方の使用」となる場合に限って認められることが明記されている(甲3の9)。本件商標は片仮名の文字列「グライド」と欧文字の文字列「GLIDE」とが二段に記載されているが、「グライド」には特定の観念はないと認定されている。
そうすると、下段に記された「GLIDE」が「滑る」という意味を有するとしても、この商標の一方のみの使用は「上段及び下段等の各部が観念を同一とする」という要件を満たさない。
また、「グライド」という称呼が生じる文字列は「GLIDE」のみならず、ガリガリ切る、深く切るという意味を有する「GRIDE」もある。そうすると、この点でもこの商標の一方のみの使用は「上段及び下段等の各部が観念を同一とする」という要件を満たさず、社会通念上同一の商標とはいえないものとなる。
そして、使用された「GLIDE」の文字列が筆記体や大きくデフォルメされた態様の文字列となっていた場合には、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標、外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標(商標法第38条第5項)には該当しない(甲3の3)。
(ウ)要証期間
本件審判の予告登録日は2025年1月27日であるから、本件審判のみを考えるならば要証期間は2022年1月27日~2025年1月27日(審決注:「2025年1月27日」は、「2025年1月26日」の誤記と認める。)となるが、乙第2号証の2には日付が記載されていない。また、乙第3号証の1は、2022年1月発行となっているため、要証期間内の証拠か否かが不明である。
乙第4号証の1は、2022年1月18日の受領印が押されているため、要証期間内の証拠ではない。
また、乙第4号証の2には「ヨネックス【FSC】スノーボードカタログ」と記載され、納入完了日が23年1月6日となっている。一方で、乙第3号証の2は2023年1月発行と記載されているが、乙第4号証の2に記載されたカタログが乙第3号証の2であるならば、上述した要証期間内の証拠ではないことになる。
また、乙第3号証の3の余白には「2024年1月11日」と記載され、2024年1月発行と記載されているが、納品書がないため、納入完了日が不明である。
さらに、乙第4号証の3には「ヨネックス【FSC】スノーボードカタログ」と記載され、納入日が7年1月9日となっているが、乙第3号証の4の表紙と乙第4号証の3の記載とが一致しないため、納品されたカタログが乙第3号証の4であることは立証されていない。
(3)まとめ
以上から、日付の記載のない乙第2号証の2、2022年1月発行の乙第3号証の1は、要証期間内の証拠ではなく、本件商標を使用したことの証拠になり得ない。また、2022年1月18日の受領印が押されている乙第4号証の1についても、要証期間内の証拠ではない。
さらに、被請求人によって提出された証拠は、上述したように登録商標と社会通念上同一の商標であることを示すものはなく、また、商標的使用態様で使用されたものでもない。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の要件を満たし、取り消されるべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を答弁書において、要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標
本件商標は、「グライド」の片仮名及び「GLIDE」の欧文字を二段に横書きにしてなるところ、上段の「グライド」の文字は下段の「GLIDE」の文字の読みを片仮名で表したものと容易に理解できるものであり観念に差異はない。
以下、使用行為において示す使用商標はいずれも欧文字の「GLIDE」をゴシック体調、筆記体調からなるところ、その構成からは「GLIDE」の文字が独立した要部として需要者等に容易に認識、理解される。
本件商標の構成中の「GLIDE」の文字部分と、使用商標の要部である「GLIDE」の文字部分は、書体において若千相違するとしても、同一の文字を表したものであり、その称呼も同一であることから、両商標は社会通念上同一の商標である。
(2)使用者、使用行為、使用時期
ア ショッピングサイト(ヨネックスショップ)
乙第1号証は、2025年2月18日における被請求人であり商標権者であるヨネックス株式会社(審決注:以下、単に「本件商標権者」という場合がある。)が運営するインターネット上のショッピングサイトであるヨネックスショップにおいてカテゴリーからスノーボードを検索した際に表示されるウェブサイトのプリントアウトである。
中央上段の赤四角枠で囲ったところに商品「スノーボード」について「GLIDE」の欧文字からなる表示が記載されている。
乙第2号証の1は「Wayback Machine(ウェイバックマシン)」に保存された令和6年(2024年)2月27日時点での乙第1号証に相当するヨネックスショップにおけるスノーボードのカテゴリーの商品の販売状況を示すウェブサイトのプリントアウトである。乙第1号証と同様にページ右側の赤四角枠で示した箇所に商品「スノーボード」について「GLIDE」の欧文字からなる表示が記載されており、上部右側赤丸枠の示した箇所に「FEB 27 2024」の表示がある。なお、証拠における赤枠の表示は被請求人が付したものである(以下同じ)。
当該ショッピングサイトの運営者は本件商標権者であり、乙第2号証の1上部左側にもYONEXのロゴが表示されていることから、使用商標を使用したのは、本件商標権者であることが示される。本件ショッピングサイトは、スノーボードについて各種情報を提供するものであり、本件商標権者の名称等とともに使用商標が表示されることから、要証期間における「スノーボード」に係る広告に該当する(商標法第2条第3項第8号)。
また、乙第2号証の2は、乙第2号証の1の赤四角枠部分を拡大したものであり、スノーボード本体に欧文字筆記体で「Glide」の文字が付されている(商標法第2条第3項第1号)。
イ カタログ
使用商標が表示された商品カタログ(乙3)には、本件商標権者の名称が住所や電話番号などともに記載されていることから、本件カタログにおいて使用商標を使用したのは、本件商標権者であることが明らかである。以下、各商品カタログ(乙3)について説明する。
乙第3号証の1について、1ページ目左下の赤四角枠で囲ったところに本件商標権者名及び2022年1月発行の記載があり、また5ページ目右側の赤四角枠で囲ったところに「GLIDE」の商品名とともにスノーボードの写真が表示されている。
乙第3号証の2について、1ページ目左下の赤四角枠で囲ったところに本件商標権者名及び2023年1月発行の記載があり、また6ページ目中央右側の赤四角枠で囲ったところに「GLIDE」の商品名とともにスノーボードの写真が表示されており、かつスノーボード本体中央部赤丸で囲った箇所には筆記体で「Glide」の文字が付されている。
乙第3号証の3について、15ページ目下部の赤四角枠で囲ったところに本件商標権者名及び2024年1月発行の記載があり、また6ページ目中央左側の赤四角枠で囲った箇所に「GLIDE」の商品名とともにスノーボードの写真が表示されている。
乙第3号証の4について、1ページ目左下部の赤四角枠で囲ったところに本件商標権名及び2025年1月発行の記載があり、また7ページ目右側の赤四角枠で囲った箇所に「GLIDE」の商品名とともにスノーボードの写真が表示され、かつ、スノーボード本体中央部赤丸で囲った箇所にはゴシック体調で「GLIDE」の文字が付されている。
乙第3号証の2の写真にあるスノーボードの中央には赤丸で囲ったとおり欧文字筆記体調で表された「Glide」の表示が付されており、乙第3号証の4の写真にあるスノーボードの中央には赤丸で囲ったとおリゴシック体調で表された「GLIDE」の表示が付されている(商標法第2条第3項第1号)。また、本件カタログには「スノーボード」の写真や価格等が掲載されており、商品についての各種情報を提供するものであって、本件商標権者の名称等とともに使用商標が表示されていることから、「スノーボード」に係る広告に該当する(商標法第2条第3項第8号)。
上記カタログにおける本件商標の使用時期については、いずれも上述のとおり「2022年1月発行」(乙3の1)、「2023年1月発行」(乙3の2)、「2024年1月発行」(乙3の3)、「2025年1月発行」(乙3の4)とある。
さらに、乙第4号証はカタログの製作者である凸版印刷株式会社(TOPPAN株式会社)から発行された上記カタログの納品書の一部であるが、乙第3号証の1の納品日は令和4年(2022年)1月18日(乙4の1)、乙第3号証の2の納品日は令和5年(2023年)1月6日(乙4の2)、乙第3号証の4の納品日は令和7年(2025年)1月9日であることがわかる(乙4の3)。
このことから要証期間における上記日付において本件商標権者に納品され、その後に取引先に頒布されたものであることが示される。なお、一部要証期間を外れるものもあるが、被請求人が当該期間以前から継続して本件商標を使用していることを明らかにするため提出している。
ウ YouTube
乙第5号証は、YouTubeにおける本件商標権者の公式チャンネルにおいて公開された自社のスノーボードを紹介するための動画から映像を抽出したスクリーンショットである(左下に提供者として「YONEX JAPAN」の表示等がある)。動画においては0:05、0:46、1:20あたりで「GLIDE」の文字が表示されるがこのうち1:20あたりに表示される画像を証拠として提出している。YouTubeにおいては要証期間に該当する2022年7月25日の日付が表示されており(左下部の赤四角枠)、ページ中央の赤丸で囲った箇所に「GLIDE」が商品名としてスノーボードの画像とともに表示されている。本件YouTubeはスノーボードについて各種情報を提供するものであって、本件商標権者の名称等とともに使用商標が表示されていることから、「スノーボード」に係る広告に該当する(商標法第2条第3項第8号)。
本件商標権者は商標登録出願の後、2013年以降継続して商品「スノーボード」について商標「GLIDE」を使用しており、以上のとおり要証期間において本件不使用取消審判に係る商品のうち「スノーボード」について本件商標権者が本件商標を使用していることは明らかである。
(1)本件商標権者のウェブサイトについて(乙2の1)
乙第2号証の1は、「WaybackMachine(ウェイバックマシン)」により、2024年2月27日に存在していたと認められる本件商標権者が運営するウェブサイトの写しであり、当該ウェブサイトには、「YONEX」の記載の下、スノーボード(以下「使用商品」という。)の写真が掲載されるとともに、「GLIDE」の文字のほか、品番や価格などが記載されている。
(2)カタログについて
ア 乙第3号証の4のカタログの1葉目には、本件商標権者名、「2025/SNOWBOARDS」及び「ヨネックス株式会社 2025年1月発行」の記載、7葉目に、「GLIDE グライド」(以下「使用商標1」という。)の記載の下、使用商品の写真が掲載され、その中央部には別掲のとおりの「GLIDE」の文字(以下「使用商標2」という。また、以下「使用商標1」と「使用商標2」をまとめていう場合は、単に「使用商標」という。)が付された使用商品の写真が掲載されるとともに、商品の説明、価格、サイズ、カラーなどの記載がある。
イ 乙第3号証の1のカタログの1葉目には、本件商標権者名、「SNOWBOARDING/2022_2023」及び「ヨネックス株式会社 2022年1月発行」、5葉目に、使用商標1の記載の下、使用商品の写真が掲載されるとともに、商品の説明、価格、サイズ、カラーなどの記載がある。
ウ 乙第3号証の2のカタログの1葉目には、本件商標権者名、「SNOWBOARDING/2023_2024」及び「ヨネックス株式会社 2023年1月発行」、6葉目に、使用商標1の記載の下、本件商標権者が運営するウェブサイト(乙2の1)に掲載された商品と品番や価格が一致し、同一視し得る使用商品の写真が掲載されるとともに、商品の説明、価格、サイズ、カラーなどの記載がある。
エ 乙第3号証の3のカタログの1葉目に、「2024年1月11日」、「SNOWBOARDING/2024_2025」、6葉目に、使用商標1の記載の下、使用商品の写真が掲載されるとともに、商品の説明、価格、サイズ、カラーなどの記載、15葉目に、本件商標権者名及び「ヨネックス株式会社 2024年1月発行」などの記載がある。
(3)納品書について(乙4)
乙第4号証は、カタログ(乙3の1、乙3の2及び乙3の4)の納品書とされるものであり、納入者Aから印刷業者B宛ての、納入日を2025年1月9日とする「納品書」(乙4の3)、印刷業者C宛ての、納入完了日を2023年1月6日とする「納品書」(乙4の2)及び納入者Aから印刷業者C宛ての、納入日を2022年1月18日とする「納品書」(乙4の1)には、「品名」として「ヨネックス/【FSC】スノーボードカタログ」及び納品明細欄に当該商品の数量、納入数量(各数字はマスキングされている。以下同じ。)などの記載がある。
上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)本件商標と使用商標の社会通念上の同一性について
本件商標は、「グライド」の片仮名を上段に「GLIDE」の欧文字を下段に書してなるところ、「GLIDE」の文字は、「(静かに)すべる」(「ジーニアス英和辞典」第6版)の意味を有する語であり、上段の「グライド」の片仮名は、下段の「GLIDE」の欧文字の表音を示すものといえるから、「グライド」の称呼及び「(静かに)すべる」の観念を生じる。
一方、使用商標1は、「GLIDE」の欧文字と「グライド」の片仮名との間に1文字程度の間隔を有した構成よりなるところ、本件商標とは各文字の配置が異なり、同一の構成からなるものとはいえないものの、商標の使用は、商標を付する対象に応じて、適宜変更を加えて使用するのがむしろ一般的であり、本件商標と使用商標1は、「グライド」の片仮名及び「GLIDE」の欧文字の構成文字を共通にし、「(静かに)すべる」の観念を生じることから、「グライド」の称呼において同一であり、観念についても異なるものではないから、使用商標1は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
また、使用商標2は、別掲のとおり、「GLIDE」の欧文字よりなるところ、上記のとおり、本件商標の上段の「グライド」の片仮名は、下段の「GLIDE」の欧文字の表音を示すものといえるから、「グライド」の称呼及び「(静かに)すべる」の観念を生じるものであり、使用商標2と本件商標とは、片仮名の有無について相違はあるものの、欧文字部分のつづりを共通にするものであって、両者の欧文字部分から生じる「グライド」の称呼及び「(静かに)すべる」の観念において相違はないものといえるから、使用商標2は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(2)使用商品について
カタログ(乙3)に掲載された使用商品は、スノーボードであるから、請求に係る指定商品中、第28類「スノーボード」に該当する。
(3)使用者、使用時期、使用行為について
使用商標が表示されている各カタログ(乙3)には、本件商標権者名の記載があるから、使用商標の使用者は、本件商標権者である。
また、カタログ(乙3)には、使用商標の記載の下、使用商品の写真、商品の説明、価格、サイズ、カラーなどが記載され、使用商品の広告としての体裁が備わっており、一般に商品カタログは掲載した商品を販売する目的で需要者に頒布するために作成されるものであるから、上記各カタログも同様に頒布されることを目的に作成されたものと推認できる。
そして、カタログ(乙3の2)に掲載された使用商品と同一視し得る商品が掲載された本件商標権者が運営するウェブサイト(乙2の1)により、使用商品が少なくとも要証期間内の令和6年(2024年)2月27日に存在し、使用商標1の記載のもと、商品の説明、価格、サイズ、カラーなどの記載等の体裁が一致するカタログ(乙3)が本件商標権者によって定期的に作成され、いずれも本件商標権者に係るスノーボードのカタログである点において共通していること、カタログ(乙3の1、乙3の2及び乙3の4)の発行日と納品書(乙4)の納入日の日付の点においても不自然な点は見いだせないことなどを併せみれば、少なくともカタログ(乙3の2及び乙3の4)は、納品書(乙4)の納入日(納入完了日)である令和5年(2023年)1月6日及び同7年(2025年)1月9日頃に本件商標権者によって頒布されたとみるのが自然である。
また、カタログ(乙3の4)に掲載された使用商品に使用商標2を付して使用されていることは、上記1(2)アのとおりである。
これらから、使用商標1を使用した上記カタログが頒布された時期並びに使用商標2を使用商品に付して使用した時期は、いずれも要証期間内といえ、当該カタログは日本語で記載されたものであるから、日本国内での使用が明らかである。
(4)小括
以上によれば、本件商標権者は、要証期間内に、日本国内において、請求に係る指定商品中、「スノーボード」に該当する使用商品に本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標2を付する行為を行ったものであり、当該行為は、商標法第2条第3項第1号の使用行為に該当する。
また、本件商標権者は、要証期間内に、日本国内において、請求に係る指定商品中、「スノーボード」に該当する使用商品を掲載したカタログに本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標1を付して当該カタログを頒布する行為を行ったものであり、当該行為は、商標法第2条第3項第8号の使用行為に該当する。
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標権者が、その審判請求に係る指定商品中、「スノーボード」について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしたことを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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