結論テキスト
登録第6791053号商標の商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2024900121 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第6791053号商標(以下「本件商標」という。)は、「FERRICOAT」の欧文字を標準文字で表してなり、令和5年7月19日に商標登録出願、第1類「化学品,工業用化学品,金属表面処理用化学品,金属表面に保護皮膜を形成する化学品,金属表面の腐食抵抗性向上処理用の化学品,金属表面への塗膜の接着性向上処理用の化学品」を指定商品として、同6年3月27日に設定登録されたものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、引用商標1及び2をまとめて「引用商標」という場合がある。)。
(1)登録第654107号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「FERROCOTE」の欧文字を横書きしてなる構成
指定商品:第2類「腐蝕防止剤,防錆剤,金属用曇り止め剤」
登録出願日:昭和37年11月28日
設定登録日:昭和39年 9月26日
書換登録日:平成18年 7月 5日
(2)登録第1995419号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「フェロコート」の片仮名を横書きしてなる構成
指定商品:第1類「化学品」、第2類「腐蝕防止剤,金属用曇り止め剤,防錆剤(保存用のもの),金属表面用錆止め剤」及び第3類「さび除去剤」
登録出願日:昭和53年 1月 9日
設定登録日:昭和62年10月27日
書換登録日:平成21年 4月30日
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
(1)本件商標「FERRICOAT」の指定商品は、第1類の商品類似群「01A01」に属する商品である。
申立人が所有する引用商標1の指定商品は、第2類の商品類似群「01A01」に属する商品であり、申立人が所有する引用商標2の指定商品は、第1類、第2類及び第3類の商品類似群「01A01」に属する商品である。
したがって、本件商標と引用商標に係る指定商品は同一の商品類似群に属する類似商品である。
(2)本件商標「FERRICOAT」は、一般的には「フェリコート」と称呼され、申立人が所有する引用商標1及び2は「フェロコート」と称呼されると考える。
したがって、本件商標及び引用商標は、中間音において長音を含む比較的短い音数5音からなるものである。
本件商標「FERRICOAT」の称呼「フェリコート」と申立人の所有する引用商標1及び2の称呼「フェロコート」は、比較的弱く聴覚される中間音「リ」音と「ロ」音において相違し、ともに50音の「ラ」行に属する比較的近似した音ということができる。
また、それぞれの「リ」音と「ロ」音は調音点がよく似た有声音であって、その位置するところも聴取にやや明確さが欠けている。
称呼の識別上、比較的印象の薄い中間に位置し、そしてそれに続く「コ」が長音を伴い比較的強く発音・聴取されるため、「リ」音と「ロ」音は一層明確性を欠く音としてしか聴取されることはないと考える。
したがって、全体としてみた場合には、語調、語感が極めて酷似し、相紛らわしく、誤認混同を生じさせるおそれのある類似商標であるといえる。
(3)「フェリコート」及び「フェロコート」は称呼において、「コ」が長音とともに強く発音されることから、前音である「リ」音と「ロ」音は必ずしも明確に聴取される音ではないということができるため、それぞれが一連に称呼される場合には、語感や語調が近似することになり、本件商標と引用商標とは、称呼において混同が生ずるものである。
過去の審決(甲4~甲8)においても、本件のようなケースは、称呼において混同の生ずる類似商標であると判断されている。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1第11号に該当する。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、上記1のとおり、「FERRICOAT」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、一般の辞書等に載録された語ではなく、特定の意味合いを表す語として一般に使用されているような特別な事情も認められないものである。
また、特定の語義を有しない欧文字からなる商標については、ローマ字風又は英語風の発音をもって称呼されるのが一般的であり、本件商標は、その構成文字に相応して、「フェリコート」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。
イ 引用商標について
引用商標1は、上記2のとおり、「FERROCOTE」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、一般の辞書等に載録された語ではなく、特定の意味合いを表す語として一般に使用されているような特別な事情も認められないものである。
また、特定の語義を有しない欧文字からなる商標については、ローマ字風又は英語風の発音をもって称呼されるのが一般的であり、引用商標1は、その構成文字に相応して、「フェロコート」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。
引用商標2は、上記2のとおり、「フェロコート」の片仮名を横書きしてなるところ、該文字は、一般の辞書等に載録された語ではなく、特定の意味合いを表す語として一般に使用されているような特別な事情も認められないことから、「フェロコート」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否について
(ア)外観
本件商標と引用商標1は、上記ア及びイのとおりの構成よりなるところ、外観においては、両者は、語頭ないし4文字目の「FERR」及び語中の「CO」の文字部分を共通にするものの、そのほかのつづりは語中の「I」と「O」、後半の「COAT」と「COTE」とで異なるものであって、欧文字9文字の文字構成の比較においては、この差異が全体の視覚的印象に与える影響は小さいとはいえないことからすると、両商標は、外観上、明確に区別し得るものである。
また、本件商標と引用商標2は、上記ア及びイのとおりの構成よりなるところ、外観においては、両者は、欧文字と片仮名で文字種が相違する上、引用商標2の片仮名が本件商標の欧文字の表音を表したものとも認められないことよりすれば、欧文字と片仮名の文字種を相互に変換して表記したものともいえず、両商標は、外観上、明確に区別し得るものである。
(イ)称呼
称呼においては、本件商標から生じる「フェリコート」の称呼と引用商標から生じる「フェロコート」の称呼を比較すると、語頭音「フェ」と語尾の「コート」の音において共通するものの、2音目の「リ」と「ロ」の音の差異を有しているところ、同じ「ラ」行であっても、「i(イ)」と「o(オ)」とで母音を異にするこれらの音の相違が比較的短い5音構成における称呼全体に与える影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼しても語調、語感が異なり、明瞭に聴別できるものである。
(ウ)観念
観念においては、上記アとイのとおり、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上、比較をすることができない。
そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較することができず、外観において明確に区別し得るものであり、称呼の比較において明瞭に聴別できるものであるから、両商標が与える印象、記憶等を総合してみれば、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのない、非類似の商標というのが相当である。
エ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、同一又は類似の商品である。
オ 小括
以上によれば、本件商標の指定商品が、引用商標の指定商品と同一又は類似であるとしても、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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