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Trademark Appeal Case

原材料名と商品名の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成5年審判第13448号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第31類「しょうゆ、しょうゆ風調味料」を指定商品として、平成3年10月18日に登録出願され、その後、指定商品については、平成5年3月15日付手続補正書により、「昆布のだし成分を含有するしょうゆ」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『昆布』の漢字と『しょうゆ』の仮名文字とを2段に書してなるにすぎず、これよりは商品が『昆布味を加味してなるしょうゆ』と理解されるにとどまり、これを上記商品に使用するときは、商品の品質、原材料表示と認識されるにとどまる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」と認定し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

よって判断するに、「昆布」は、褐藻類コンブ科に属する一群の海藻であって、遊離のグルタミン酸を多量に含み、旨味があるため、だしとして日本料理ではカツオ節とともに基本的な材料である(社団法人全国調理師養成施設協会編集発行「調理用語辞典」)。他方、「しょうゆ」は、わが国の伝統的な液体調味料として一般に用いられているところである。ところで、「しょうゆ」は、わが国において、従来より欠かすことのできない調味料として用いられてきており、「昆布だし」「鰹節」等、他の調味料と合わせ用いることによって、食材の味をひきたたせる工夫が様々になされてきているところである。また、「しょうゆ」は、JAS規格に基づき濃口醤油、淡口醤油、溜醤油等の分類の外に、減塩醤油、味醤油、魚醤油等、様々な名称の下に分類されている(前出、「調理用語辞典」)。そして今日では、調理時間短縮の要請に答えるように、昆布、しいたけ、鰹節等からじっくりだしを採り調理にあたる従来の方法にかわり、それぞれの旨味を一体化した調味料の開発が行われているのが現状である。このことは、「しょうゆ」と同様わが国における代表的調味料である「味噌」等においても見出すことができる。

してみれば、従来より、わが国調理における基本的なだしの材料である「昆布」と、伝統的な調味料である「しょうゆ」を合わせ用いることは十分に考え得るものであって、普通に用いられる方法をもって書された「昆布」「しょうゆ」の文字を二段に書してなる本願商標を、その指定商品に使用したときには、これに接する取引者、需要者は、その製法の如何に拘わらず、本願商標からは、「昆布のだし成分を含有するしょうゆ」を認識するにすぎないものと判断するのが相当である。

したがって、本願商標は、単に商品の品質、原材料を表示したものであって、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。

請求人は、本願商標は商標法第3条第2項の規定に該当し登録されるべきであると主張し、証拠方法として甲第1号証乃至甲第320号証を提出しているが、本願商標は、上記認定のとおりであり、また、「昆布しょうゆ」の語は、インターネットのキッコーマン株式会社のホームページ(平成11年10月1日現在)、羅臼漁業協同組合直営店海鮮工房のホームページ(平成11年10月1日現在)等、一般に使用されている事実が認められる。

そうとすれば、しょうゆ業界において、「昆布しょうゆ」の文字を、請求人のみが使用しているものではなく、請求人の商標として広く認識されているものとは認め難い。

してみると、前記提出の証左をもってしては、本願商標が永年にわたり使用された結果、商標法第3条第2項に該当する要件を具備するに至ったものと認定するには未だ十分なものとは言い難く、その主張は採用し難い。

よって、結論のとおり審決する。

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