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Trademark Appeal Case

同一商標の周知性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025900173
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
登録第6935491号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

理 由

第1 本件商標

本件登録第6935491号商標(以下「本件商標」という。)は、「Codeer」の文字を標準文字で表してなり、令和6年12月11日に登録出願、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの提供」を指定役務として、令和7年5月28日に登録査定、同年6月5日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件異議申立てにおいて引用する商標は、申立人が、コンピュータシステム・同ソフトウェアの企画立案、設計、開発及び保守に使用しているとする、「Codeer」の文字(以下「引用商標」という。)である。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第8号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号の規定に違反して登録されたものであり、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第134号証を提出した。

1 申立人及び申立人代表者について

(1)申立人は2011年に設立された会社であり、設立時より継続して引用商標及び「codeer.co.jp」のドメインを、上記第2記載の役務に使用している(甲2~甲7)。

(2)申立人が独自に開発したアプリ操作用のライブラリ(ある特定の機能を持ったコンピュータプログラムを他のプログラムから呼び出して利用できるように部品化し、そのようなプログラム部品を複数集めて一つのファイルに収納したもの)を用いた役務は、一部上場企業を含む非常に多くの企業等に採用されている(甲4~甲7)。

(3)申立人は、複数の共同開発プラットフォームに上記のライブラリを公開しており、例えば、前記プラットフォームの一つである「Nuget」においては、41個のライブラリを作成し、これらは計1,547,751回ダウンロードされている(甲8)。

(4)申立人の代表取締役(以下「申立人代表者」という。)は、プログラマーとして長年にわたり活躍しており、2014年から継続して「Microsoft MVP」(Microsoft社による外部人材に対する表彰制度)に認定される、講演を行う、技術イベントで表彰される等の実績を有している(甲11~甲17)。

2 申立人及び申立人の代表者による公開資料等について

(1)申立人代表者によるプレゼンテーション資料が、プレゼンテーション資料等をオンラインで共有することができるウェブサイトで公開されており、多くの需要者に閲覧されている(甲18~甲31)。

(2)申立人代表者は、自身のYoutubeチャンネルにおいて、プレゼンテーションを内容とする動画を公開するほか、他者の動画にも出演している(甲32~甲36)。

(3)申立人は、コンピュータソフトウェア開発者等を対象とした展示会等のイベントにおいて、事例報告や発表などを行っている(甲40~甲50)。

(4)申立人は、コンピュータソフトウェア開発者等を対象とした展示会に継続的に出展している(甲51~甲69)。

(5)申立人及び申立人に係るライブラリが、第三者によってインターネット上のウェブサイト、ブログ、掲示板及びSNSで紹介されている(甲70~甲126)

(6)以上を踏まえれば、申立人の名称及び引用商標は、本件商標の指定役務の分野における需要者・取引者にとって広く知られているものである。

3 商標法第4条第1項第8号について

引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の名称の略称として需要者・取引者に著名となっていたものである。そして、本件商標は、引用商標を含むものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第8号に該当する。

4 商標法第4条第1項第10号について

引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、コンピュータシステム開発等を行う申立人の商標として周知・著名であり、本件商標と引用商標は同一であり、かつ、申立人による前記役務と、本件商標の指定役務中「電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守」とは同一又は類似の役務である。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当する。

5 商標法第4条第1項第15号について

引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、コンピュータシステム開発等を行う申立人の商標として周知・著名であり、本件商標と引用商標は同一であり、かつ、申立人による前記役務と、本件商標の指定役務中「電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守」とは相当近似するものであることを考慮すると、本件商標がその指定役務に使用された場合、これに接する需要者・取引者は、本件商標が申立人の商標であるかのごとく誤認し、当該役務が申立人の業務に係るもの、又は申立人と何らかの関係がある者の業務に係る役務と誤認混同するおそれがある。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

6 商標法第4条第1項第19号について

引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、少なくとも日本において、コンピュータシステム開発等を行う申立人の商標として周知・著名であったことから、本件商標の権利者が、引用商標と同一である本件商標をその指定役務に使用した場合、引用商標に化体した信用、名声、顧客吸引力を毀損させるおそれがある。さらに、本件商標の権利者は日本に事業所を有していない可能性が高く、また、SNSにおいて公開されている同権利者の代表者の過去の勤務先(甲127~甲133)、本件商標及び引用商標である「Codeer」の文字が辞書等に載録されている既存の語ではないこと、申立人が特許を取得していること(甲134)からすると、本件商標は、例えば、引用商標の著名性にフリーライドする目的で出願されたもの、本件商標を高額で買い取らせるために先取り的に出願されたもの、又は。申立人との業務提携を強制する目的のために出願されたものと推察されることから、本件商標の権利者には不正の目的がある。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。

7 商標法第4条第1項第7号について

本件商標は、「Codeer」の文字が辞書等に載録されている既存の語ではないことから、偶然に採択されたものとは考えられない。また、申立人が本件商標の指定役務の分野において周知・著名であること、申立人が特許を取得していること、及び、本件商標の権利者の代表者の過去の勤務先を考慮すると、本件商標の権利者は、申立人の存在を知った上で本件商標を出願したと考えられるのが自然であり、本件商標が、仮に、引用商標の著名性にフリーライドする目的で出願されたもの、本件商標を高額で買い取らせるために先取り的に出願されたもの、又は、申立人との業務提携を強制する目的のために出願されたものであるとすれば、その出願の経緯は社会相当性を欠くものであり、商標法の予定する秩序に反して登録されたものといえる。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当する。

第4 当審の判断

1 引用商標の周知著名性について

(1)申立人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。

ア 申立人である株式会社Codeerのウェブサイトには引用商標が表示されており、同ウェブサイト中には、「設立」として「2011年3月14日」の記載がある。また、「事業内容」として、「1.コンピュータシステムの企画立案、開発及び保守、運用に関する事業」等の記載がある(甲2)。同ウェブサイトに、「ソフトウェア開発」の記載があり(甲4)、「Codeer.LowCode.Blazor」等のコンピュータプログラムについて、「価格」、「導入事例」等の記載がある(甲5~甲7)。また、同ウェブサイトには、「メンバー」として、「代表取締役 石川 達也」の記載がある(甲11)。

イ 「jPRS」のウェブサイト中に、「ドメイン名」として、「CODEER.CO.JP」の記載が、「組織名」として、「株式会社Codeer」の記載が、「登録年月日」として、「2011/03/09」の記載がある(甲3)。

ウ 「nuget」、「TestAssist Pro」及び「TestAssist Pro」のウェブサイトにおいて、「ishikawa-tatsuya」又は「Codeer」名義で「Codeer.Friendly.Windows」等のファイルが公開されている。これらのファイルへのリンクの付近に「Last updated 9 months ago」、「Last updated 2021/10/26」等の記載がある。また、これらのファイルへのリンク付近には、「18,125 total downloads」(最少)から「190,841 total downloads」(最多)の記載がある(甲8~甲10)。

エ 「Microsoft」のウェブサイト(2025年8月18日~9月2日出力:甲12~甲17)に、「MVP Most Valuable Professionals」として、「Tatsuya Ishikawa」、「Codeer Ltd.」、「12 years in the program」の記載、及び、「Microsoft Most Valuable Professional(MVP)プログラム」の内容等に関する記載がある。

オ 「Slideshare」のウェブサイト(2025年8月27日出力:甲18~甲31)に、「Tatsuya Ishikawa」名義でプレゼンテーション資料が公開されている。また、公開されている各資料中において、「自己紹介」として、「石川達也」、「株式会社Codeer代表取締役」等の記載がある。なお、これらの証拠中には、「1,116views」(最少)から「35,202views」(最多)の記載がある(甲26を除く)。

カ 動画投稿サイト「YouTube」に、「石川達也」又は「Codeer」若しくは第三者名義で動画が公開されている。表示されている動画を切り取ったとおぼしき画像中に「Codeer」の文字等が使用されている。これらの動画は、公開日が「2014/9/26」から「2024/11/29」となっている。また、これらの動画の視聴数は、255回(最少)から2,191回(最多)である(甲32~甲36)。

キ 「ソフトウェア品質シンポジウム2014」(開催時期不明)、「ソフトウェア品質シンポジウム2015」(開催時期不明)、「システムソフト自動化カンファレンス2015」(2015年12月13日開催)、「Developers Summit 2018 KANSAI」(2018年9月28日開催)及び「Open Source Conference 2025 Kyoto」(2025年8月3日開催)なるイベントに関するウェブサイトの写し等において、「株式会社Codeer 石川 達也」等の記載がある(甲37~甲41、甲44~甲50)。なお、これらのイベントの来場者数は不明であるが、「ソフトウェア品質シンポジウム2014」及び「ソフトウェア品質シンポジウム2015」については、案内文中に、「3日間で有料参加者延べ約1,000名が来場するSQiPを代表する人気イベントです。」の記載がある(甲37)。

ク 独立行政法人情報処理推進機構による「先進的な設計・検証技術の適用事例報告書2015年度版」(2015年11月18日公開)中に、「株式会社Codeer 石川 達也」名義による報告が掲載されている。この報告書の閲覧数は不明である(甲42、甲43)。

ケ 「ET&IoT Technology West 2018」(2018年7月5日・6日開催、来場者延べ4,633名)、「ET&IoT Technology West 2021」(2021年7月5日~7月16日開催、来場者延べ6,368名)、「第6回 Japan IT Week 関西」(2022年1月19日~1月21日開催、来場者延べ6,353名)、「Edge Tech 2024」(2024年11月20日~11月22日開催、来場者延べ32,427名)、「Edge Tech + West 2024」(2024年7月11日・12日開催、来場者延べ5,885名)、「DXシステム開発 EXPO 2024」(2024年8月21日開催、来場者1,152名)及び「第1回 IT・情シスDXPO大阪’25」(2025年3月13日・14日開催、来場者数不明)なる展示会に関するウェブサイトの写し等に、「株式会社Codeer」、「Codeer」の文字が記載されている(甲51~甲57、甲59~甲69)また、申立人のウェブサイトにおいて、「2022年1月19日(水)~21日(金)の3日間「第6回Japan IT Week 関西」(インテックス大阪)に参加します」の記載がある(甲58)。

コ 第三者によるウェブサイト及びブログにおいて、申立人代表者による記事(甲70)、申立人によるプレスリリース(甲78、甲82及び甲83)及び第三者による申立人又は申立人に係る製品又はサービスに関する記事(甲71~甲77及び甲79~甲81、甲84~甲99)が、計29回掲載されている。これらの記事の掲載日は2014年12月13日~2025年8月27日で、閲覧数等は不明である。

サ SNS「X」において、申立人に係る製品又はサービスに関して言及している投稿が、計27回投稿されている。これらの投稿が行われた時期は2023年1月31日から2025年7月31日で、閲覧数は25回(最少)~2,415回(最多)である(甲100~甲126)。

(2)上記アないしサの事実によれば、申立人は、2011年3月14日に設立された法人で、遅くとも2013年には、「株式会社Codeer」の名称を用いて事業を開始し(甲70)、その業務の内容は、ソフトウェア開発(甲4)、コンピュータプログラムの提供(甲5~甲7)であり、少なくとも2025年9月2日まで、継続して前記名称の略称又は申立人に係るハウスマークとして、自己のウェブサイト、動画投稿サイト、展示会等において引用商標を使用していることがうかがえる(甲2、甲4~甲7、甲11、甲33~甲36及び甲51~甲69)。

また、申立人代表者は、「Microsoft MVP」(Microsoft社による外部人材に対する表彰制度)に認定される、コンピュータシステムに関するイベントで講演を行う等の実績を有していることがうかがえる。そして、同者に言及する記事及び同者によるインターネット上の投稿等には、申立人代表者の所属を示す記載として「株式会社Codeer」、「(株)Codeer」又は「Codeer Ltd.」の文字が使用されていることが認められる(甲12、甲18~甲25、甲27~甲30、甲38~甲41、甲43、甲45、甲50、甲70及び甲81)。

しかしながら、申立人からは、申立人に係る役務の売上高、市場シェア、広告宣伝費などの客観的な証拠が提出されておらず、その周知・著名性を推し量ることができない。

また、展示会への出展、動画投稿サイトでの紹介等の宣伝広告については、その回数、展示会の来場者数、動画の閲覧数等が示されている証拠もあるものの、引用商標の周知・著名性を考察するうえで、これらの回数、来場者数、閲覧数等について、比較の対象とする同業他社の数値等を客観的に把握する証拠は提出されていないことから、これらの証拠からは、コンピュータシステムの開発等を扱う事業者が多数存在する中で、引用商標を使用した申立人の業務に係る役務が、どの程度需要者に知られているかを把握することができない。

加えて、申立人代表者が、引用商標に係る役務の分野において、一定の実績、知名度を有することはうかがえるものの、前記のとおり、申立人代表者に関する記事、投稿等には、同者が所属する組織として、申立人の名称が記載されているのみで、引用商標が記載されていないものも少なくないことから、同者の実績、知名度を示す証拠からは、ただちに、引用商標の周知・著名性を評価することはできない。

なお、提出された証拠には、申立人代表者名又は申立人に係る製品又はサービスの名称のみが掲載されている記事又は投稿が含まれている(甲8、甲17、甲26、甲32、甲71、甲74、甲80、甲85、甲88、甲90、甲92、甲98、甲100、甲102~甲105、甲107、甲110、甲111、甲117、甲122~甲125)が、これらの証拠中には、申立人の商号又はその略称、及び、引用商標の記載はなく、これらの証拠は、引用商標の周知著名性を示すものとして採用することはできない。

また、提出された証拠には、本件商標の登録出願日及び登録査定日より後に公開又は投稿された記事が含まれている(甲82、甲83、甲99、甲121~甲126)。

以上を踏まえると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国又は外国における取引者・需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。

2 商標法第4条1項第10号該当性について

本件商標は、「Codeer」の文字を標準文字で表してなるところ、これと、普通に用いられる方法で表された「Codeer」の文字よりなる引用商標は、すべての構成文字を同一にする、類似のものである。

そして、本件商標に係る指定役務は、申立人の業務に係る役務と類似するものである。

しかしながら、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国又は外国における取引者・需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。

そうすると、本件商標は引用商標と類似の商標で、申立人の業務に係る役務と類似の役務に使用するものであるとしても、引用商標は申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標とは認められない。

その他、本件商標が、他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品若しくは役務又はこれらに類似する役務について使用をするものであるというべき事情も見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。

3 商標法第4条第1項第15号該当性について

上記2のとおり、本件商標と引用商標は類似の商標といえるから、本件商標と引用商標との類似性の程度は高い。

しかしながら、引用商標は、上記1のとおり、申立人の業務に係る役務について使用する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者等の間に広く認識されているものとは認められない。

そうすると、たとえ、申立人の業務に係る役務と、本件商標の指定役務中「電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守」とは関連性が高いとしても、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定役務について使用しても、需要者等が、引用商標を連想又は想起することはなく、その役務が引用商標の使用者あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないとするのが相当である。

その他、本件商標が、他人の業務に係る商品又は役務と出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

4 商標法第4条第1項第19号該当性について

上記2のとおり、本件商標と引用商標は類似の商標である。

しかしながら、引用商標は、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者等の間に広く認識されているとは認められないものである。

また、申立人が提出した証拠(甲127~甲134)からは、本件商標権者が本件商標を不正の利益を得る目的、他人に損害を与える目的その他不正の目的をもって使用するものと認めるに足りる具体的事実は見いだせない。

そうすると、本件商標と引用商標が類似の商標であるとしても、本件商標は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものということはできない。

その他、本件商標が、他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものというべき事情も見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。

5 商標法第4条第1項第8号該当性について

上記1のとおり、引用商標のうち、「Codeer」の文字からなる商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者等の間に広く認識されているとは認められず、また、提出された証拠からは、これが、申立人の名称である「株式会社Codeer」の著名な略称に該当するといった証拠は見当たらない。

そうすると、本件商標が、申立人の名称である「株式会社Codeer」の一部である「Codeer」の文字からなるものであったとしても、同社の名称若しくはその著名な略称を含むものと認識し、把握されることはないというのが相当である。

その他、本件商標が、他人の名称若しくは他人の著名な略称等を含む商標又は他人の氏名を含む商標であって、政令で定める要件に該当しないものであるというべき事情も見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当しない。

6 商標法第4条第1項第7号該当性について

上記2のとおり、本件商標と引用商標が類似の商標であるとしても、上記1のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者等の間に広く認識されているものとはいえず、本件商標を登録出願したことが、直ちに本件商標権者が不正の目的をもって剽窃的に出願したものと推認することはできない。

そして、申立人が提出した証拠(甲127~甲134)からは、本件商標の登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠く等の事実は見当たらず、本件商標をその指定役務について使用することが、社会の一般道徳観念に反するものともいえず、その他、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標であると認めるに足りる証拠の提出はない。

してみると、本件商標は、引用商標の周知性にただ乗りするなど不正の目的をもって使用をするものと認めることはできず、また、本件商標が、その登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないというべき事情は見いだせない。

その他、本件商標権者が、本件商標の登録出願をし、登録を受ける行為が「公の秩序や善良の風俗を害する」という公益に反する事情に該当するものという事情も発見できない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。

7 むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第8号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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