結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2023021496 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、2018年(平成30年)10月 2日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2017年10月 2日、(US)米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯の概要は以下のとおりである。
令和4年 8月25日付け:拒絶理由通知(最初)
令和4年11月29日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年 2月 8日付け:拒絶理由通知(最後)
令和5年 5月17日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年 8月14日付け:補正却下の決定、拒絶査定
令和5年12月18日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和6年 2月 5日 :手続補正書(方式)の提出
令和7年 1月22日付け:拒絶理由通知(最初;以下「当審拒絶理由通知」という。)
令和7年 6月26日 :意見書、手続補正書の提出
本願の請求項1ないし22に係る発明は、令和7年 6月26日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし22に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「ボア、外面、第1の端部、及び第2の端部を画定するマーカーバンドであって、バンド長を有し、放射線不透過性材料を含むマーカーバンドと、
ビーム方向付け表面を画定するレンズであって、前記ボア内に部分的に配置され、前記ビーム方向付け表面は、前記第2の端部を越えて延びる、レンズと、
前記マーカーバンド内に配置された光ファイバであって、前記光ファイバの一部が前記マーカーバンドの前記第1の端部から延びており、前記光ファイバは、前記レンズに光学的に結合されている、光ファイバと、
を含む血管内データ収集プローブであって、
前記マーカーバンドの一部と前記レンズの一部と前記光ファイバの一部とは、前記血管内データ収集プローブの直径にわたる単一平面において半径方向に互いに重なっており、
前記マーカーバンドの長さと前記マーカーバンドから延びる前記レンズの長さの和は、剛性部分を画定しており、
前記剛性部分の長さは3.2mm以下である、血管内データ収集プローブ。」
当審拒絶理由通知により通知した拒絶の理由は、本願の請求項1に係る発明は、下記引用文献1に記載された発明、下記引用文献2~3に開示された周知の課題及び下記引用文献4に記載の事項からして、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものを含むものである。
引用文献1.特表2016-512616号公報
引用文献2.特表2016-506273号公報(周知技術を示す文献)
引用文献3.特表2012-531972号公報(周知技術を示す文献)
引用文献4.特表2016-516466号公報
(1)引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同じ。)。
ア 「【0011】
他の態様では、本発明はOCTプローブに関する。一実施形態では、
OCTプローブは、光源と連通するように適合された第1の端部と、第2の端部とを有し、長軸を規定する光ファイバと;第1の端部及び第2の端部を有し、長軸を規定する円筒を含むモールドレンズであって、該円筒の第1の端部の面は該円筒の長軸に対して傾斜し、該第2の端部は溝又はボアを規定し、該溝及びボアは前記光ファイバを受容できる大きさに構成されている、モールドレンズとを含む。他の実施形態では、前記光ファイバは接着剤により前記ボア又は溝内で保持されている。
さらに他の実施形態では、前記円筒の第1の端部は、前記円筒の側部を通じて反射により前記光ファイバから受光した光を反射するために傾斜した平面である。さらに他の実施形態では、前記円筒の第1の端部は、前記円筒の側部を通じて反射により前記光ファイバから受光した光を反射し、該光を前記円筒の外側の位置で集束するために傾斜した非平面を規定する。」
イ 「【0016】
添付の図面と併せて本明細書の説明を読むことで本発明の構造及び機能を最もよく理解できる。図面は必ずしも縮尺通りのものではなく、説明する原理が一般的に強調されている。あらゆる面で図面は例示のためのものであり、本発明を限定することを意図したものではない。本発明の範囲は請求項によってのみ規定される。
【図1】 図1は、本発明の例示のレンズの実施形態に係るレンズを含む画像データ収集システムのブロック図である。
【図2(a)】 図2(a)は、本発明の例示のレンズの実施形態の斜視図である。
【図2(b)】 図2(b)は、図2(a)のレンズの長手方向の断面図である。
【図2(c)】 図2(c)は、図2(a)のレンズの上面図である。
【図2(d)】
図2(d)は、図2(a)のレンズの側面図である。
【図2(e)】 図2(e)は、図2(a)のレンズの背面図である。
【図2(f)】 図2(f)は、図2(a)のレンズの前面図である。
【図2(g)】 図2(g)は、図2(a)のレンズの別の斜視図である。
【図3】 図3は、本発明の例示の実施形態に係るモールドレンズの顕微鏡写真である。
【図4(a)】 図4(a)は、レンズを使って
撮影した血管の管腔のOCT画像
である。
【図4(b)】 図4(b)は、本発明の例示の実施形態に係るモールドレンズを使って撮影した血管の管腔のOCT画像である。
【図5】
図5は、本発明の他の実施形態に係るモールドレンズを作るための金型の概略図である。
【図6】
図6は、図5に示す本発明の実施形態に従って作られたモールドレンズの長手方向の側断面図である。
【図7】
図7は、本発明の他の実施形態に係る、マーカと共に成形されるように構成されたレンズアセンブリの長手方向の側断面図である。
【図8】
図8は、図7のアセンブリで構成されたプローブの長手方向の上面図である。
【図9】
図9は、図8のプローブの側面図である。
【図10】 図10は、本発明の他の実施形態に係るマーカを含むレンズの側面図である。」
ウ 「【0023】
レンズベースのアセンブリ及び他のビーム方向付け光学を検査及び診察に関する様々な用途で用いることができる。図1に示すように、そのようなレンズ及びビーム方向付け光学の1つの用途はOCTである。OCTイメージングカテーテルは、傾斜反射器又は冠状動脈の内壁に光を向けるのに好適な他のビーム方向付け素子等のビームディレクタを含む。一般に、OCTイメージングシステムは、光ファイバ16に着脱可能に接続された光カプラ14を通じて光を干渉計12に送る光源10を含む。ファイバ16の端部にレンズ25があり、光ファイバ16から研究対象の血管22に光を送る。光ファイバ16とレンズ25との組み合わせを光プローブ20と呼ぶ。」
エ 「【0028】
さらに詳細に説明すると、図2(a)~図2(f)を概して参照して、レンズ25はビーム伝送面50を含む。
ビーム伝送面50は前端面又はビーム方向付け面若しくはビーム集束面とも呼ばれる。図2(c)及び図2(d)で、λは、光がレンズ25の長軸Lに沿って溝58内の光ファイバを移動した結果、光が面50から出て行く領域を示す。一実施形態では、ビーム伝送面50は、レンズの長軸Lに対して傾斜した概して平らな面(flat surface)又は実質的な平坦な面(planar surface)であり、レンズ25の円筒体52の側部(side)を通って出た光ファイバからの光を反射及び方向付ける。
他の実施形態では、前端面50は湾曲してレンズを規定し、円筒体52の側部により方向付けられた光を特定の作動距離のところに集束させる。一実施形態では、ビーム方向付け面50は、限定されないが、バイコニック非球面(biconic asphere)、非球面(asphere)、バイコニックゼルニケ(biconic Zernike)、フレネル及び非一様有理Bスプラインのうちの1つ以上を含むように形成できる。」
オ 「【0029】
一実施形態では、レンズ25の直径は、ビーム方向付け面50と溝58との間の1つ以上の遷移断面で増加する。直径に段を設けることで、レンズをイメージングカテーテルの他の構成要素(例えば不透過性マーカバンド)に、レンズの規定の部分が他の構成要素の外側に延びた状態で挿入することができる。」
カ 「【0038】
図5を参照して、他の実施形態では、モールドレンズは先ず光ファイバ80を金属チューブ84内に挿入することで形成される。
光ファイバ80の一端82は金属チューブ84の一端を越えて延びるように配置されている。
この光ファイバと金属チューブとの組み合わせを接着剤85で互いに接着し、そして金型アセンブリ86、86’、86’’(通常86)に入れる。金型アセンブリ86、86’、86’’は、金属チューブ84と接着された光ファイバ80との組み合せが金型86から出て行かないようにするためにショルダー部87を含む。光ファイバ80は金属チューブ84に接着されているため押し戻し(pushing back)が防止されている。あるいは、ファイバを金型の半分に圧入して適所に保つ。これは接着剤の必要性を解消する。」
キ 「【0040】
図6を参照して、次にプラスチック又は前で説明した他のレンズ材料を金型86に充填する。レンズプラスチックが固化すると、光ファイバ80と金属チューブ84とのアセンブリが金型86から取り出される。そして光ファイバ80、金属チューブ84及びレンズ25によりOCTプローブが形成される。」
ク 「【0046】
図7に示すように、他の実施形態では、
レンズ25が光ファイバ80と共に不透過性マーカ100に成形されている。
図7に示すように、取り除かれた部分がない(unstripped)
光ファイバ80が
斜め劈開され、
チューブ84の短い部分に挿入され、チューブ84がマーカ100に挿入されている。
このアセンブリはこれらの構成要素を揃えるために図8の右側の治具(図示せず)に押し付けられている。図示のように接着剤104が構成要素を取り付ける。前で解説したように、このアセンブリは金型に挿入されている。金型はマーカ100の端部を位置決めするためにそれを固定する。そして金型にプラスチックが充填されてレンズが形成される。」
ケ 「【0047】
その後、レンズ25に反射被覆を施し、トルクワイヤ108又は他のねじり装置をマーカ100内にスライドさせてマーカ100に接着する。これにより図9に示すアセンブリが完成する。」
コ 図2(d)
「
34
75
0001432430000001.jpg
」
サ 図5「
41
82
0001432430000002.jpg
」
シ 図6「
51
103
0001432430000003.jpg
」
ス 図7「
28
72
0001432430000004.jpg
」
セ 図8「
36
83
0001432430000005.jpg
」
ソ 図9「
34
87
0001432430000006.jpg
」
(2)上記記載から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。
ア 上記(1)カ、キ、サ及びシより、先ず光ファイバ80を金属チューブ84内に挿入して、当該光ファイバ80の一端82は金属チューブ84の一端を越えて延びるように配置され、この光ファイバと金属チューブとの組み合わせを接着剤85で互いに接着して、金型アセンブリ86、86’、86’’(通常86)に入れ、これにレンズ材料を充填して、固化させることで、前記光ファイバ80、前記金属チューブ84及びレンズ25によるOCTプローブが形成されることが明らかである。
イ 上記(1)上記ク、ケ、ス、セ、ソ及び上記(2)アより、光ファイバ80が、チューブ84の短い部分に挿入され、チューブ84がマーカ100に挿入されたアセンブリが金型に挿入され、当該金型にプラスチックが充填されてレンズ25が形成され、その後、レンズ25に反射被覆を施し、トルクワイヤ108をマーカ100内にスライドさせてマーカ100に接着してアセンブリが完成することが明らかである。ここで完成したアセンブリは、OCTプローブである。
また、マーカ100は、チューブ84が挿入されることからボアを有しており、さらに、外面、一端、他端、及び、これらの間の所定の長さを有している。
ウ 上記図8((1)セ)は、光ファイバ80の長手方向軸に平行なOCTプローブの断面と認められるところ、光ファイバ80の一部と、レンズ25の一部と、マーカ100の一部とが、OCTプローブの半径方向において重なっていることが見て取れる。
エ(ア)上記(1)オ「一実施形態では、レンズ25の直径は、ビーム方向付け面50と溝58との間の1つ以上の遷移断面で増加する。直径に段を設けることで、レンズをイメージングカテーテルの他の構成要素(例えば不透過性マーカバンド)に、レンズの規定の部分が他の構成要素の外側に延びた状態で挿入することができる。」の記載から、レンズの直径に段が設けられており、不透過性マーカバンドに対して、レンズの規定の部分が、他の構成要素の外側に延びた状態で、すなわち、レンズの先端側の部分が、不透過性マーカバンドの先端側に突出した状態で挿入された状態であることが明らかである。
(イ)上記(1)カ「
光ファイバ80の一端82は金属チューブ84の一端を越えて延びるように配置されている。
」、上記(1)ク「
レンズ25が光ファイバ80と共に不透過性マーカ100に成形されている。
図7に示すように、取り除かれた部分がない(unstripped)
光ファイバ80が
斜め劈開され、
チューブ84の短い部分に挿入され、チューブ84がマーカ100に挿入されている。
」、OCTプローブの先端に位置するレンズ、金属筒、不透過性マーカーよりも根元側に設けられる光ファイバ(及びトルクワイヤ108)の方が、軸方向の寸法に関して、遙かに大きいことが技術常識であることからすると、光ファイバが、金属チューブ84及び不透過性マーカ100の根元側に大きく突出していることが当業者に明らかである。
(ウ)上記(ア)及び(イ)から、不透過性マーカ100の先端側から、レンズのレンズ先端側が突出しており、不透過性マーカ100の根元側から光ファイバが突出していることが明らかである。
オ また、上記図8~9(上記(1)セ~ソ)より、マーカ100の図中右端から、ビーム方向付け面50を含むレンズ25の一部が突出しており、同じくマーカ100の図中左端から光ファイバ80の一部が突出していることが見て取れる。
カ 上記(1)ア~ソ及び上記(2)ア~オより、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる(根拠箇所を括弧内に示す。)。
「光源と連通するように適合された第1の端部と、第2の端部とを有し、長軸を規定する光ファイバと、
第1の端部及び第2の端部を有し、長軸を規定する円筒を含むモールドレンズであって、該円筒の第1の端部の面は該円筒の長軸に対して傾斜し、該第2の端部は溝又はボアを規定し、該溝及びボアは前記光ファイバを受容できる大きさに構成されているモールドレンズとを含み、
血管の管腔のOCT画像の撮影に用いられるOCTプローブであって(上記(1)ア、イ)、
前記モールドレンズ25は、光ファイバ16の端部に位置して、前記光ファイバ16から研究対象の血管22に光を送るものであり(上記(1)ウ)、前記モールドレンズ25が含む、当該モールドレンズ25の長軸Lに対して傾斜した概して平らな面(flat surface)又は実質的な平坦な面(planar surface)であるビーム伝送面50は、光ファイバからの光を反射及び方向付けるものであり(上記(1)エ)、
前記OCTプローブは、光ファイバ80が、チューブ84の短い部分に挿入され、当該チューブ84が不透過性マーカ100に挿入されたアセンブリが金型に挿入され、当該金型にプラスチックが充填されてモールドレンズ25が形成され、その後、当該モールドレンズ25に反射被覆を施し、トルクワイヤ108を前記不透過性マーカ100内にスライドさせて当該不透過性マーカ100に接着してなるものであり(上記(2)イ)、
前記光ファイバ80の長手方向軸に平行なOCTプローブの断面において、前記光ファイバ80の一部と、前記モールドレンズ25の一部と、前記不透過性マーカ100の一部とが、前記OCTプローブの半径方向において重なっており(上記(2)ウ)、
前記不透過性マーカ100の一端から、ビーム方向付け面50を含むモールドレンズ25の一部が突出しており、前記不透過性マーカ100の他端から光ファイバ80の一部が突出しているOCTプローブ(上記(2)エ(ウ)、オ)。」
引用文献2には、次の事項が記載されている。
「【0045】
本発明のカテーテルの遠位部分は、種々の形態および構造を有してもよい。多くの実施形態では、カテーテルの遠位部分は、近位部分より剛性であるが、他の実施形態では、遠位部分は、近位部分と同等に可撓性であってもよい。本発明の一側面は、
減少された剛性長を伴う遠位部分を有するカテーテルを提供する。減少された剛性長は、カテーテルが、蛇行性脈管および小径身体管腔にアクセスし、治療することを可能にすることができる。
ほとんどの実施形態では、カテーテル本体の剛性遠位部分または筐体は、概して、カテーテル本体の近位部分に一致する直径を有するが、しかしながら、他の実施形態では、遠位部分は、カテーテルの可撓性部分より大きいまたはより小さくてもよい。
【0046】
カテーテル本体の剛性遠位部分は、金属、硬質プラスチック、複合材料、NiTi、チタン窒化物等のコーティングを伴う鋼鉄、タンタル、ME-92(抗菌コーティング材料)、ダイヤモンド、または同等物等、剛性である、または超低可撓性を有する材料から形成されることができる。最も一般的には、カテーテル本体の遠位端は、ステンレス鋼または白金/イリジウムから形成されるであろう。
剛性遠位部分の長さは、広範に変動し、典型的には、5mm~35mm、より一般的には、10mm~25mm、好ましくは、6mm~8mmの範囲内であってもよい。対照的に、従来のカテーテルは、典型的には、約16mmの剛性長を有する。
本発明の開口部1001は、典型的には、長さ約2mmを有するであろう。しかしながら、他の実施形態では、開口部は、より大きいまたはより小さくあることができる。
・・・略・・・
【0048】
ある実施形態によると、送達デバイスは、1つ以上の撮像要素を含む。ある側面では、送達デバイスの伸長本体は、撮像要素を含み、送達デバイスの内側部材も、撮像要素を含む。伸長本体の撮像要素および内側部材の撮像要素は、同一である、または異なってもよい。本発明の送達デバイスと併用するために好適な撮像要素は、本明細書に後述される。撮像要素は、撮像アセンブリの構成要素である。任意の撮像アセンブリが、光音響撮像装置、
血管内超音波法(IVUS)、または光コヒーレンス断層撮影(OCT)
等、本発明のデバイスおよび方法と併用されてもよい。撮像要素は、撮像データを形成する撮像表面に信号を送信し、そこから信号を受信するために使用される。」
引用文献3には、次の事項が記載されている。
「【0010】
本明細書で説明しているデバイスは、
イメージングカテーテルを使用して周縁図(circumferential view)を形成することができ
、クロッシングプロファイルへの非常に小さい影響を有する完全な円周視野を可能にし、共通光路干渉を使用する能力を維持する。先行技術のデバイス(例えば、商標(Lightlab)ImageWire、MGH fiber optic rotating junctions, Cardiospectra (Milner))は、光ファイバのスピニングを用いて
OCT
コンソールとカテーテルチップとの間にファイバ回転ジャンクション(例えばhttp://www.princetel.com/product_forj.asp)を有することにより、
ミラー又はプリズムを回転させるカテーテルの末端の機構を有する
ことにより、又は1つ又は2つの軸又は平面内でファイバを揺動させることにより、体の内腔内の完全周縁図を生じる。
・・・略・・・
【0013】
さらに、
遠位チップ上の回転機構は、デバイスのクロッシングプロファイル及び複雑性を増加させる。
通常、それは、コストを最小化する必要がある、一回のみ使用する使い捨てデバイスと一緒に使用するには好適でない。直径が小さい体の内腔、冠動脈を想定したデバイスにおいて、遠位における直径の大きい機構の存在は、安全に取り扱うことができる最大の血管の大きさを規定することになる。また、
機構はカテーテルの剛性を有する部分の長さを増加させ、同時に血管の蛇行部(tortuosity)を制限してカテーテルを安全に挿入できるようにする。これは、中間又は遠位の冠動脈での、或いは遠位の末梢血管、例えば足背動脈内でのデバイスの使用を妨げることがある。
」
(参考:引用文献3のパテントファミリーである国際公開第2010/003013号には、次の記載がある。
「【0020】 [00013]・・・(略)・・・ The mechanism may also increase the rigid length of the catheter, which will in turn restrict the vessel tortuosity into which the catheter may be safely inserted. This may preclude use of the device in the mid- or distal coronary arteries or in the distal peripheral vasculature, for example the dorsalis pedis.」
(当審訳:【0020】 [00013]・・・(略)・・・この機構はカテーテルの剛性長を増加させる可能性があり、その結果、カテーテルを安全に挿入できる血管の蛇行性が制限される。これにより、例えば中位または遠位冠動脈や遠位末梢血管(例:足背動脈)などでの本装置の使用が妨げられる可能性がある。))
引用文献4には、図面とともに次の事項が記載されている。
(1)「【0041】
典型的な血管内データ収集プローブに関係する追加の詳細を、図2Bに示す
。図2Bに示すように、
OCT
、IVUS、FFR又は他のデータ収集プローブ等
の血管内データ収集プローブ120
は、プローブ先端の一部として点線で示されているように光を向けるよう構成された、光ファイバ33を含む。ポリマーシース125等のシースが、レンズ又は反射体等のビーム指向要素を含むプローブ先端を取り囲む。点線に沿ってビーム指向デバイスを出射する光λが図示されている。光ファイバ33は、これもまたシース120内部に配置されるトルクワイヤ110に配置される。光ファイバ33は図示したようにPIU35に結合されている。
【0042】
図2Bに示すように、
X線不透過性マーカ等のマーカ又はマーカバンド130
はデータ収集プローブ120の一部である。マーカは血管造影システムによって検出可能であり、血管造影データのフレームに亘るマーカの移動に従って追跡可能である。図示したように、
トルクワイヤ127の右端からレンズ又は反射体等のビーム指向要素までの距離はL1
である。
【0043】
更に、
トルクワイヤ127の右端からマーカ130の右端までの距離はL2
である。
マーカ130の厚さはL3
である。(マーカの左側として示される)マーカ130の遠位端縁からトルクワイヤ127までの距離はL3+L2である。一実施形態では、
L1は約0.3mm~約0.9mm
に及ぶ。一実施形態では、
L2は約0.6mm~約1.4mm
である。一実施形態では、
L3は約.5mm~約1.5mm
に及ぶ。」
(2)図2B
「
41
58
0001432430000007.jpg
」
(3)上記(1)及び(2)より、引用文献4には、
典型的な、
X線不透過性のマーカーバンド130、トルクワイヤ127、レンズを含むOCTの
血管内
データ収集プローブ120において、トルクワイヤ127の右端からレンズ又は反射体等のビーム指向要素までの距離L1は約0.3mm~約0.9mmであり、トルクワイヤ127の右端からマーカ130の右端までの距離L2は約0.6mm~約1.4mmであり、マーカ130の厚さL3は約0.5mm~約1.5mmであることが開示されており、このことを踏まえれば、
マーカ130の左端からビーム指向要素までの距離(L1+L2+L3)が、約1.4mm~約3.8mmである
ことが把握される。
上記2、3に例示されるように、血管の蛇行部・小径部への挿入・治療のために、カテーテルの剛性を有する部分の長さは短い方が望ましいことは、OCTカテーテルの技術分野において、よく知られた一般的な課題である。
本願発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明の「不透過性マーカ100」、「光ファイバからの光を反射及び方向付けるビーム伝送面50」、「モールドレンズ25」、「光ファイバ16」及び「血管の管腔のOCT画像の撮影に用いられるOCTプローブ」は、それぞれ、本願発明における「マーカーバンド」、「ビーム方向付け表面」、「レンズ」、「光ファイバ」及び「血管内データ収集プローブ」に相当する。
(2)引用発明の「マーカーバンド(不透過性マーカ100)」が、放射線不透過性材料を含むことは当業者に自明のことである。
よって、引用発明の「マーカーバンド(不透過性マーカ100)」は、本願発明における「マーカーバンド」と、ボア、外面、第1の端部、及び第2の端部を画定し、かつ、バンド長を有し、放射線不透過性材料を含む点で共通する。
(3)引用発明における「光ファイバ16から研究対象の血管22に光を送るモールドレンズ25」は、前記不透過性マーカ100の一端側から、ビーム方向付け面50を含む一部が突出しており、残りの部位は、前記不透過性マーカ100の内部に位置しているから、本願発明における「レンズ」と、ビーム方向付け表面(ビーム方向付け面50)を画定するレンズであって、前記ボア内(不透過性マーカ100の内部)に部分的に配置され、前記ビーム方向付け表面は、前記第2の端部(一端)を越えて延びる点で共通する。
(4)引用発明における「光ファイバ」は、その一部が前記不透過性マーカ100の他端側から突出し、残りの部位は、前記不透過性マーカ100(マーカーバンド)の内部に位置しており、また、光ファイバ16の端部に位置するモールドレンズ25により光ファイバ16から研究対象の血管22に光を送るのであるから、本願発明における「光ファイバ」と、「前記マーカーバンド内に配置された」ものである点、その「一部が前記マーカーバンドの前記第1の端部(前記不透過性マーカ100の他端)から延びており」、かつ、「前記レンズ(モールドレンズ25)に光学的に結合されている」点で共通する。
(5)引用発明における、前記光ファイバ80の長手方向軸に平行なOCTプローブの断面において、前記光ファイバ80の一部と、前記モールドレンズ25の一部と、前記マーカ100の一部とが、前記OCTプローブの半径方向において重なっていることは、本願発明における「前記マーカーバンドの一部と前記レンズの一部と前記光ファイバの一部とは、前記血管内データ収集プローブの直径にわたる単一平面において半径方向に互いに重なって」いることに相当する。
(6)引用発明における不透過性マーカ100及びモールドレンズ25を含む部位の剛性が大きいことは、この分野における不透過性マーカーの一般的な材料が金属製であること(例えば、特表2016-506276号公報【0023】~【0024】参照)、また、プラスチックにより形成されるモールドレンズであることから、当業者に自明のことである。よって、引用発明において、前記不透過性マーカ100の長さと、前記不透過性マーカ100の一端側から突出するモールドレンズ25の長さの和は、剛性部分を画定するものといえる。
このことは、本願発明における「前記マーカーバンドの長さと前記マーカーバンドから延びる前記レンズの長さの和は、剛性部分を画定して」いることに相当する。
(7)一致点・相違点
上記(1)~(6)から、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
(一致点)
「ボア、外面、第1の端部、及び第2の端部を画定するマーカーバンドであって、バンド長を有し、放射線不透過性材料を含むマーカーバンドと、
ビーム方向付け表面を画定するレンズであって、前記ボア内に部分的に配置され、前記ビーム方向付け表面は、前記第2の端部を越えて延びる、レンズと、 前記マーカーバンド内に配置された光ファイバであって、前記光ファイバの一部が前記マーカーバンドの前記第1の端部から延びており、前記光ファイバは、前記レンズに光学的に結合されている、光ファイバと、
を含む血管内データ収集プローブであって、
前記マーカーバンドの一部と前記レンズの一部と前記光ファイバの一部とは、前記血管内データ収集プローブの直径にわたる単一平面において半径方向に互いに重なっており、
前記マーカーバンドの長さと前記マーカーバンドから延びる前記レンズの長さの和は、剛性部分を画定している血管内データ収集プローブ。」
(相違点)
前記剛性部分の長さが、本願発明においては、3.2mm以下と特定されるのに対して、引用発明においては、そのように特定されない点。
血管の蛇行部・小径部への挿入・治療のために、カテーテルの剛性を有する部分の長さは短い方が望ましいことは、当該技術分野においてよく知られた一般的な課題である(前記「第4の5」参照)。
そして、引用文献4には、典型的なX線不透過性のマーカーバンド130、トルクワイヤ127、レンズを含むOCTプローブであるデータ収集プローブ120において、トルクワイヤ127の右端からレンズ又は反射体等のビーム指向要素までの距離L1は約0.3mm~約0.9mmであり、トルクワイヤ127の右端からマーカ130の右端までの距離L2は約0.6mm~約1.4mmであり、マーカ130の厚さL3は約0.5mm~約1.5mmであることが開示されており、このことを踏まえれば、
マーカ130の左端からビーム指向要素までの長さ(L1+L2+L3)が、遅くとも本願の優先日前の典型的な血管内データ収集プローブにおいては、約1.4mm~約3.8mm程度である
ことが把握される。(前記「第4 4(3)」参照))。
また、引用文献4に記載の「OCTプルーブであるデータ収集プルーブ120」は、引用発明と同じ技術分野における同種の器具であり、上記の寸法は、この種の器具における一般的な長さの一例を示すものといえ、引用発明と同種の器具をこの程度の寸法にて製造・加工することが本願の優先日前に可能であったことがうかがえる。
そうすると、引用発明のプローブを設計する場合において、剛性部分は短い方が望ましいとの上記周知な一般的な課題に基づいて剛性部分(前記不透過性マーカ100と、前記不透過性マーカ100の一端側から突出するモールドレンズ25)を具体的に設定する際に、その長さを、当該技術分野における同種の器具の剛性部分の一般的な長さのうち短いものとし、前記不透過性マーカ100の一端側から突出するモールドレンズ25の長さを含めて3.2mm以下とすること(マーカ130の左端からビーム指向要素までの距離(L1+L2+L3)を、数値範囲の内、最も短い約1.4mmとして、ビーム指向要素(レンズ)先端までの長さを1.8mm以下とすること)は、そのようにすることの当該数値に臨界的な技術的意義はなく、また、本願優先日前の製造・加工技術からして、そのようにすることに特段の技術的な阻害要因もないことから、当業者が一般的な課題の下に通常の創作能力を発揮して行うことができる設計的な事項である。
よって、本願発明は、当業者が引用発明、当該技術分野においてよく知られた一般的な課題及び引用文献4に記載の事項に基づいて容易に発明をすることができたものである。
(1)令和7年 6月26日提出の意見書において、請求人は、引用文献2及び引用文献3のいずれにも、相違する発明特定事項(「剛性部分の長さは3.2mm以下である」旨の発明特定事項)についての記載や示唆がないこと、また、請求項1の「剛性部分」は、「前記マーカーバンドの長さと前記マーカーバンドから延びる前記レンズの長さの和」であるのに対し、引用文献4の「マーカ130の左端からビーム指向要素までの距離(L1+L2+L3)」は、引用文献4のレンズ又は反射体等のビーム指向要素の長さを含んでいない点で相違するから、引用文献4で認定された距離(L1+L2+L3)が約1.4mm~約3.8mmであることは、請求項1の「前記剛性部分の長さは3.2mm以下である」旨の発明特定事項とは無関係であり、相違する発明特定事項(「剛性部分の長さは3.2mm以下である」旨の発明特定事項)についての記載や示唆は引用文献4にはないと主張している。
当該主張について検討する。
引用発明のプローブを設計する場合において、引用文献2、3に例示される、血管の蛇行部・小径部への挿入・治療のために、カテーテルの剛性を有する部分の長さは短い方が望ましいことという、当該技術分野においてよく知られた一般的な課題は、引用発明における剛性部分の長さ(マーカーバンドの長さと前記マーカーバンドから延びる前記レンズの長さの和)を短くすることの動機といえるものである。
また、引用文献4の「マーカ130の左端からビーム指向要素までの距離(L1+L2+L3)」は、レンズ又は反射体等のビーム指向要素の長さを含んでいないものであるものの、上記一般的課題からして、約1.4mm~約3.8mmの数値範囲の内、約1.4mm、あるいは、これに違い寸法を採用すること、そして、これに含まれていない部分の寸法(引用文献4においては、「レンズ又は反射体等のビーム指向要素の長さ」)も、短くなすことは、当業者が一般的な課題の下に通常の創作能力を発揮して行うことができる設計的な事項であり、その際、剛性部分、全体としての長さを3.2mm以下とすることに、臨界的な技術的意義は認められず、また、そうすることの特段の阻害要因もないことから、当業者が一般的な課題の下に通常の創作能力を発揮して行うことができる設計的な事項である。
(2)令和7年 6月26日提出の意見書において、請求人は、段落[0008]、[0015]、[0035]、[0062]を示して、相違する発明特定事項(「剛性部分の長さは3.2mm以下である」旨の発明特定事項)を含むことにより、請求項1に係る発明によれば、血管内プローブの一部として光ファイバ及び光ビームディレクタを回転させることによって生じる、不均一な回転によるゆがみ又はNURDを減らすことができるので、血管内プローブによって得られる血管内画像を改善することができるという、引用文献1~6に記載された発明では得られない格別な効果を奏すると主張している。
当該主張について検討する。
当該主張の効果は、カテーテルの剛性のある部分を短くすることにより奏するものであるから、上記(1)のとおり、引用発明、引用文献2、3に例示される一般的な課題、及び、引用文献4に開示の事項から容易に想到するとした血管内プローブの構成においても、当該効果を奏することが当業者において想定され、当該主張のように格別な効果を奏するものとはいえない。
また、請求人が引用した段落のいずれも、「剛性部分の長さは3.2mm以下である」と特定することにより、もたらされる効果(剛性部分の長さが3.2mm以下であるか否かにより、どのような効果の違いがあるのか)を具体的に開示するものではなく、上記判断で説示したとおり、「剛性部分の長さは3.2mm以下である」とすることに臨界的な技術的意義は認められないから、当該主張を採用することはできない。
以上のとおり、本願発明は、引用発明、周知の課題及び引用文献4に記載の事項からして、本願の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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