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Trademark Appeal Case

ポイントシステム特許訂正の適否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025700209
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
特許第7540062号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~12〕、13、14、15について訂正することを認める。
特許第7540062号の請求項1~15に係る特許を維持する。

理由テキスト

理 由

第1 手続の経緯

特許第7540062号の請求項1~15に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、令和5年10月19日に出願され、令和6年8月16日にその特許権の設定登録がされ、同年8月26日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、令和7年2月19日に特許異議申立人 鈴木愛子(以下「異議申立人」という。)により、特許異議の申立てがされ、当審は、令和7年5月30日付けで取消理由を通知した。特許権者は、その指定期間内である同年8月4日に意見書の提出及び訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)を行い、当審は、令和7年8月22日付けで異議申立人に特許法第120条の5第5項の規定に基づく通知を行い、異議申立人は、令和7年9月22日に意見書を提出したものである。

第2 訂正の適否についての判断

1 訂正の内容

本件訂正請求における訂正の内容は、以下のとおりである。

(1)訂正事項1

特許請求の範囲の請求項1に、

「一の決済処理に伴って、決済金額に応じたポイントを顧客に付与するように構成されるポイント付与部と、

ポイントと引き替え可能な複数の特典の中から、前記一の決済処理で付与されたポイントと引き替えられる候補として1以上の候補特典を特定するように構成される特定部と、

前記一の決済処理の結果を示す決済完了画面を表示させるための決済情報を送信するように構成される送信部であって、前記決済完了画面には、前記1以上の候補特典の品目が含まれる、送信部と、

前記決済完了画面において前記1以上の候補特典の品目のうちの少なくとも1つが選択された場合に、前記一の決済処理で付与されたポイントを、選択された品目に係る特典と引き替える特典引き替え処理を行うように構成される引き替え部と、

を備える、ポイントプログラムの運用システム。」

と記載されているのを、

「一の決済処理に伴って、決済金額に応じたポイントを顧客に付与するように構成されるポイント付与部と、

ポイントと引き替え可能な複数の特典の中から、前記一の決済処理で付与されたポイントと引き替えられる候補として

複数

の候補特典を特定するように構成される特定部と、

前記一の決済処理の結果を示す決済完了画面を表示させるための決済情報を送信するように構成される送信部であって、前記決済完了画面には、前記

複数

の候補特典の品目

と、前記複数の候補特典の品目の各々に対応する複数の選択ボタンと、前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す複数の種別マークと、が含まれ、前記複数の種別マークは、

前記一の決済処理で付与されたポイントに、前記顧客が貯蓄している保有ポイントを合算した合算ポイントにより引き替え可能な特典であることを示す合算マーク、

前記顧客により事前登録される指定特典であることを示す指定マーク、又は

前記決済金額を受け取る事業者により事前登録される推奨特典であることを示す推奨マーク、のうち1以上を含む

、送信部と、

前記決済完了画面において前記

複数

の候補特典の品目のうちの少なくとも1つが選択された場合に、前記一の決済処理で付与されたポイントを、選択された品目に係る特典と引き替える特典引き替え処理を行うように構成される引き替え部と、

を備える、ポイントプログラムの運用システム。」

に訂正する。請求項1の記載を引用する請求項2~12も同様に訂正する。(下線は、訂正請求書の記載と同様。以下同じ。))

(2)訂正事項2

特許請求の範囲の請求項2に、

「前記特定部は、各顧客により事前登録された1以上の指定特典を、その顧客に対する前記1以上の候補特典として特定するように構成される、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。」

と記載されているのを、

「前記特定部は、各顧客により事前登録された1以上の指定特典を、その顧客に対する前記

複数

の候補特典として特定するように構成される、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。」

に訂正する。請求項2の記載を引用する請求項12も同様に訂正する。

(3)訂正事項3

特許請求の範囲の請求項3に、

「前記一の決済処理は、前記決済金額を受け取る事業者が操作する決済端末と前記顧客が操作する顧客端末とを介して行われ、

前記特定部は、前記決済端末又は前記事業者のうち少なくとも一方の情報に基づいて前記1以上の候補特典を特定するように構成される、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。」

と記載されているのを、

「前記一の決済処理は、

前記

事業者が操作する決済端末と前記顧客が操作する顧客端末とを介して行われ、

前記特定部は、前記決済端末又は前記事業者のうち少なくとも一方の情報に基づいて前記

複数

の候補特典を特定するように構成される、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。」

に訂正する。請求項3の記載を引用する請求項12も同様に訂正する。

(4)訂正事項4

特許請求の範囲の請求項4に、

「前記1以上の候補特典は、前記決済金額を受け取る事業者により事前登録された1以上の推奨特典を含む、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。」

と記載されているのを、

「前記

複数

の候補特典は、

前記

事業者により事前登録された1以上の推奨特典を含む、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。」

に訂正する。請求項4の記載を引用する請求項12も同様に訂正する。

(5)訂正事項5

特許請求の範囲の請求項5に、

「前記1以上の候補特典は、1以上の関連特典を含み、

前記1以上の関連特典は、前記決済金額を受け取る事業者の業種と同じ分野又は関連する分野に属する1以上の特典、あるいは前記一の決済処理で取引された商品又はサービスと同じ分野又は関連する分野に属する1以上の特典を含む、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。」

と記載されているのを、

「前記

複数

の候補特典は、1以上の関連特典を含み、

前記1以上の関連特典は、

前記

事業者の業種と同じ分野又は関連する分野に属する1以上の特典、あるいは前記一の決済処理で取引された商品又はサービスと同じ分野又は関連する分野に属する1以上の特典を含む、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。」

に訂正する。請求項5の記載を引用する請求項12も同様に訂正する。

(6)訂正事項6

特許請求の範囲の請求項6に、

「前記特定部は、前記決済金額を受け取る事業者の所在地又は前記事業者が操作する決済端末の位置情報に基づいて前記1以上の候補特典の少なくとも1つを特定するように構成される、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。」

と記載されているのを、

「前記特定部は、

前記

事業者の所在地又は前記事業者が操作する決済端末の位置情報に基づいて前記

複数

の候補特典の少なくとも1つを特定するように構成される、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。」に訂正する。請求項6の記載を引用する請求項12も同様に訂正する。

(7)訂正事項7

特許請求の範囲の請求項7に、

「前記特定部は、前記決済金額を受け取る事業者又は前記事業者の関連事業者に対する投資商品を前記1以上の候補特典の少なくとも1つとして特定するように構成される、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。」

と記載されているのを、

「前記特定部は、

前記

事業者又は前記事業者の関連事業者に対する投資商品を前記

複数

の候補特典の少なくとも1つとして特定するように構成される、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。」

に訂正する。請求項7の記載を引用する請求項12も同様に訂正する。

(8)訂正事項8

特許請求の範囲の請求項8に、

「前記1以上の候補特典のうちの1つが投資商品である場合に、前記決済完了画面には、前記投資商品についての相場のトレンドを示すグラフが表示される、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。」

と記載されているのを、

「前記

複数

の候補特典のうちの1つが投資商品である場合に、前記決済完了画面には、前記投資商品についての相場のトレンドを示すグラフが表示される、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。」

に訂正する。請求項8の記載を引用する請求項12も同様に訂正する。

(9)訂正事項9

特許請求の範囲の請求項9に、

「前記特定部は、前記一の決済処理により付与されるポイント数で引き替え可能な特典であって、引き替えに必要なポイント数が規定されている特典又は引き替えに必要な最低ポイント数が定められた特典を前記1以上の候補特典の少なくとも1つとして特定するように構成される、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。」

と記載されているのを、

「前記特定部は、前記一の決済処理により付与されるポイント数で引き替え可能な特典であって、引き替えに必要なポイント数が規定されている特典又は引き替えに必要な最低ポイント数が定められた特典を前記

複数

の候補特典の少なくとも1つとして特定するように構成される、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。」

に訂正する。請求項9の記載を引用する請求項12も同様に訂正する。

(10)訂正事項10

特許請求の範囲の請求項10に、

「前記引き替え部は、

前記一の決済処理で付与されたポイント数が、当該一の決済処理の結果を示す一の決済完了画面において選択された特典との引き替えに足りない場合は当該付与されたポイントを前記選択された特典との引き替えのために貯蓄するように構成され、さらに、

前記一の決済処理の後の別の決済処理の結果を示す別の決済完了画面において選択された特典が、前記一の決済完了画面において選択された特典と同じであり、かつ、前記別の決済処理で付与されたポイント数と、貯蓄されたポイント数とを加算した合計ポイント数が、前記選択された特典との引き替えに足りる場合に、前記特典引き替え処理を行うように構成される、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。」

と記載されているのを、

前記決済完了画面において前記複数の候補特典の品目のうち前記合算マークに対応する特典が選択された場合に、

前記引き替え部は、

前記一の決済処理で付与されたポイント数が、当該一の決済処理の結果を示す一の決済完了画面において選択された特典との引き替えに足りない場合は当該付与されたポイントを前記選択された特典との引き替えのために貯蓄するように構成され、さらに、

前記一の決済処理の後の別の決済処理の結果を示す別の決済完了画面において選択された特典が、前記一の決済完了画面において選択された特典と同じであり、かつ、前記別の決済処理で付与されたポイント数と、貯蓄されたポイント数とを加算した合計ポイント数が、前記選択された特典との引き替えに足りる場合に、前記特典引き替え処理を行うように構成される、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。」

に訂正する。請求項10の記載を引用する請求項10も同様に訂正する。

(11)訂正事項11

特許請求の範囲の請求項11に、

「前記1以上の候補特典の品目は、複数の候補特典の品目を含み、

前記複数の候補特典は、寄付金である特典と投資商品である特典との少なくとも一方を含む、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。」

と記載されているのを、

記複数の候補特典は、寄付金である特典と投資商品である特典との少なくとも一方を含む、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。」

に訂正する。請求項11の記載を引用する請求項12も同様に訂正する。

(12)訂正事項12

特許請求の範囲の請求項12に、

「前記一の決済処理は、

前記決済金額と、

前記決済金額を支払う顧客が操作する顧客端末から送信された顧客識別情報と、

前記決済金額を受け取る事業者が操作する決済端末から送信された事業者識別情報と、

に基づいて実行され、

前記決済情報は、前記事業者識別情報と、前記決済金額と、特定された前記1以上の候補特典に係る候補特典情報と、を含み、

前記送信部は、前記決済情報を前記顧客端末に送信するように構成される、

請求項1~11のうち何れか一項に記載のポイントプログラムの運用システム。」

と記載されているのを、

「前記一の決済処理は、

前記決済金額と、

前記決済金額を支払う顧客が操作する顧客端末から送信された顧客識別情報と、

前記

事業者が操作する決済端末から送信された事業者識別情報と、

に基づいて実行され、

前記決済情報は、前記事業者識別情報と、前記決済金額と、特定された前記

複数

の候補特典に係る候補特典情報と、を含み、

前記送信部は、前記決済情報を前記顧客端末に送信するように構成される、

請求項1~11のうち何れか一項に記載のポイントプログラムの運用システム。」に訂正する。

(13)訂正事項13

特許請求の範囲の請求項13に、

「1以上のサービスサーバを備え、

前記1以上のサービスサーバのうち少なくとも1つは、一の決済処理に伴って、決済金額に応じたポイントを顧客に付与するように構成され、

前記1以上のサービスサーバのうち少なくとも1つは、ポイントと引き替え可能な複数の特典の中から、前記一の決済処理で付与されたポイントと引き替えられる候補として1以上の候補特典を特定するように構成され、

前記1以上のサービスサーバのうち少なくとも1つは、前記一の決済処理の結果を示す決済完了画面を表示させるための決済情報を送信するように構成され、前記決済完了画面には、前記1以上の候補特典の品目が含まれ、

前記1以上のサービスサーバのうち少なくとも1つは、前記決済完了画面において前記1以上の候補特典の品目のうちの少なくとも1つが選択された場合に、前記一の決済処理で付与されたポイントを、選択された品目に係る特典と引き替える特典引き替え処理を行うように構成される、

ポイントプログラムの運用システム。」

と記載されているのを、

「1以上のサービスサーバを備え、

前記1以上のサービスサーバのうち少なくとも1つは、一の決済処理に伴って、決済金額に応じたポイントを顧客に付与するように構成され、

前記1以上のサービスサーバのうち少なくとも1つは、ポイントと引き替え可能な複数の特典の中から、前記一の決済処理で付与されたポイントと引き替えられる候補として

複数

の候補特典を特定するように構成され、

前記1以上のサービスサーバのうち少なくとも1つは、前記一の決済処理の結果を示す決済完了画面を表示させるための決済情報を送信するように構成され、前記決済完了画面には、前記

複数

の候補特典の品目

と、前記複数の候補特典の品目の各々に対応する複数の選択ボタンと、前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す複数の種別マークと、が含まれ、前記複数の種別マークは、

前記一の決済処理で付与されたポイントに、前記顧客が貯蓄している保有ポイントを合算した合算ポイントにより引き替え可能な特典であることを示す合算マーク、

前記顧客により事前登録される指定特典であることを示す指定マーク、又は

前記決済金額を受け取る事業者により事前登録される推奨特典であることを示す推奨マーク、のうち1以上を含み

前記1以上のサービスサーバのうち少なくとも1つは、前記決済完了画面において前記

複数

の候補特典の品目のうちの少なくとも1つが選択された場合に、前記一の決済処理で付与されたポイントを、選択された品目に係る特典と引き替える特典引き替え処理を行うように構成される、

ポイントプログラムの運用システム。」

に訂正する。

(14)訂正事項14

特許請求の範囲の請求項14に、

「1以上のサービスサーバに、

一の決済処理に伴って、決済金額に応じたポイントを顧客に付与することと、

ポイントと引き替え可能な複数の特典の中から、前記一の決済処理で付与されたポイントと引き替えられる候補として1以上の候補特典を特定することと、

前記一の決済処理の結果を示す決済完了画面を表示させるための決済情報を送信することであって、前記決済完了画面には、前記1以上の候補特典の品目が含まれる、ことと、

前記決済完了画面において前記1以上の候補特典の品目のうちの少なくとも1つが選択された場合に、前記一の決済処理で付与されたポイントを、選択された品目に係る特典と引き替える特典引き替え処理を行うことと、

実行させることを含む、ポイントプログラムの運用方法。」

と記載されているのを、

「1以上のサービスサーバに、

一の決済処理に伴って、決済金額に応じたポイントを顧客に付与することと、

ポイントと引き替え可能な複数の特典の中から、前記一の決済処理で付与されたポイントと引き替えられる候補として

複数

の候補特典を特定することと、

前記一の決済処理の結果を示す決済完了画面を表示させるための決済情報を送信することであって、前記決済完了画面には、前記

複数

の候補特典の品目

と、前記複数の候補特典の品目の各々に対応する複数の選択ボタンと、前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す複数の種別マークと、

が含まれ、前記複数の種別マークは、

前記一の決済処理で付与されたポイントに、前記顧客が貯蓄している保有ポイントを合算した合算ポイントにより引き替え可能な特典であることを示す合算マーク、

前記顧客により事前登録される指定特典であることを示す指定マーク、又は

前記決済金額を受け取る事業者により事前登録される推奨特典であることを示す推奨マーク、のうち1以上を含む

、ことと、

前記決済完了画面において前記

複数

の候補特典の品目のうちの少なくとも1つが選択された場合に、前記一の決済処理で付与されたポイントを、選択された品目に係る特典と引き替える特典引き替え処理を行うことと、

実行させることを含む、ポイントプログラムの運用方法。」

に訂正する。

(15)訂正事項15

特許請求の範囲の請求項15に、

「コンピュータに、

一の決済処理のための画面を表示させることと、

前記一の決済処理の結果を示す決済完了画面を表示させることであって、前記決済完了画面には、1以上の候補特典の品目が含まれ、前記1以上の候補特典は、前記一の決済処理に伴って付与されたポイントと引き替えられる特典の候補である、ことと、

前記決済完了画面において前記1以上の候補特典の品目のうちの少なくとも1つが選択された場合に、前記一の決済処理で付与されたポイントを、選択された品目に係る特典と引き替えるための特典引き替え指示を送信させることと、

を実行させるためのコンピュータプログラム。」

と記載されているのを、

「コンピュータに、

一の決済処理のための画面を表示させることと、

前記一の決済処理の結果を示す決済完了画面を表示させることであって、前記決済完了画面には、

前記一の決済処理に伴って付与されたポイントと引き替えられる特典の候補である複数

の候補特典の品目

と、前記複数の候補特典の品目の各々に対応する複数の選択ボタンと、前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す複数の種別マークと、が含まれ、前記複数の種別マークは、

前記一の決済処理で付与されたポイントに、前記一の決済処理の決済金額を支払う顧客が貯蓄している保有ポイントを合算した合算ポイントにより引き替え可能な特典であることを示す合算マーク、

前記顧客により事前登録される指定特典であることを示す指定マーク、又は

前記決済金額を受け取る事業者により事前登録される推奨特典であることを示す推奨マーク、のうち1以上を含む

、ことと、

前記決済完了画面において前記

複数

の候補特典の品目のうちの少なくとも1つが選択された場合に、前記一の決済処理で付与されたポイントを、選択された品目に係る特典と引き替えるための特典引き替え指示を送信させることと、

を実行させるためのコンピュータプログラム」

に訂正する。

なお、訂正前の請求項2~12は、訂正事項1による訂正の対象である請求項1の記載を直接又は間接的に引用する関係にあるから、訂正事項1~訂正事項12に係る訂正は、一群の請求項1~12について請求されたものである。

訂正事項13に係る訂正前の請求項13、訂正事項14に係る訂正前の請求項14、訂正事項15に係る訂正前の請求項15は、他の請求項と引用関係を有しない請求項である。

2 訂正の適否

(1)訂正事項1について

ア 訂正の目的

訂正事項1における「1以上の候補特典」を「

複数

の候補特典」とする訂正は、「候補特典」の数について「複数」であることを限定するものである。

また、訂正事項1における「決済完了画面」についての訂正は、「

前記複数の候補特典の品目の各々に対応する複数の選択ボタンと、前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す複数の種別マークと、が含まれ、前記複数の種別マークは、

前記一の決済処理で付与されたポイントに、前記顧客が貯蓄している保有ポイントを合算した合算ポイントにより引き替え可能な特典であることを示す合算マーク、

前記顧客により事前登録される指定特典であることを示す指定マーク、又は

前記決済金額を受け取る事業者により事前登録される推奨特典であることを示す推奨マーク、のうち1以上を含む

」の限定事項を付加することで、「決済完了画面」で特定される事項を減縮するものである。

したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正であるか

上記アで説示したとおり、訂正事項1は、「候補特典」の数を具体化して減縮するとともに、「決済完了画面」で特定される事項を減縮して下位概念の構成とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。

ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であるか

本件明細書等の段落【0053】、【0055】、【0061】、【0062】及び図4を参照すると、段落【0053】には「このように顧客により事前登録される特典を指定特典といい」と記載され、段落【0055】には「サービスサーバ12は、決済金額を受け取る事業者から、選択枠21に表示される1以上の候補特典の登録を受け付けるように構成されていてもよい。このように事業者により事前登録される特典を推奨特典といい、事前登録される特典の品目を推奨特典品目と言う。」と記載され、段落【0061】には「図4に示すように、1以上の候補特典の品目は、複数の候補特典の品目を含んでもよい。」と記載され、段落【0062】には、「複数の選択ボタン22が選択枠21に表示される場合、複数の選択ボタン22の各々に係る特典がどのような種類であるかを示す種別マーク23(23a,23b、23c)が付されてもよい。種別マーク23は、例えば、保有ポイントを合算して引き替え可能な特典であることを示す合算マーク23a、指定特典であることを示す指定マーク23b、又は推奨特典であることを示す推奨マーク23cを含んでもよいが、これらに限らない。」と記載されている。また、図4には、合算マーク23a、指定マーク23b、及び推奨マーク23cを含む複数の選択ボタン22を画面に表示することが図示されている。

そうすると、本件明細書等の段落【0053】、【0055】、【0061】、【0062】、及び図4の記載より、候補特典は「複数の候補特典」であるともに、決済完了画面に「前記複数の候補特典の品目の各々に対応する複数の選択ボタンと、前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す複数の種別マークと、が含まれ、前記複数の種別マークは、前記一の決済処理で付与されたポイントに、前記顧客が貯蓄している保有ポイントを合算した合算ポイントにより引き替え可能な特典であることを示す合算マーク、前記顧客により事前登録される指定特典であることを示す指定マーク、又は前記決済金額を受け取る事業者により事前登録される推奨特典であることを示す推奨マーク、のうち1以上を含む」ことが記載されているといえ、訂正事項1に係る訂正は、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてする訂正である。

したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。

(2)訂正事項2について

ア 訂正の目的

訂正事項2における「前記1以上の候補特典」を「前記

複数

の候補特典」とする訂正は、訂正事項1による訂正後の請求項1の「複数の候補特典」の記載を踏まえて、請求項2の記載を請求項1の記載と整合させることにより、請求項2の記載が明確となるように訂正を行うものであり、また、訂正事項1と同様に、「候補特典」の数について「複数」であることを限定するものである。

したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正、又は、同条同項第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正に該当する。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正であるか

訂正事項2の「複数の候補特典」に関する訂正は、訂正事項1に存在しており、上記(1)イの説示と同様に、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。

ウ 本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるか

訂正事項2の「複数の候補特典」に関する訂正は、訂正事項1に存在しており、上記(1)ウの説示と同様に、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。

(3)訂正事項3について

ア 訂正の目的

訂正事項3における「前記決済金額を受け取る事業者」を「

前記

事業者」とする訂正は、当該事業者が、訂正事項1による訂正後の請求項1の「前記決済金額を受け取る事業者」である旨を明確にするための訂正である。

また、訂正事項3における「前記1以上の候補特典」を「前記

複数

の候補特典」とする訂正は、訂正事項1において請求項1の「1以上の候補特典」の記載が「複数の候補特典」と訂正されたことに伴い、請求項3の記載を整合させることにより、請求項3の記載が明確となるように訂正を行うものであり、また、訂正事項1と同様に、「候補特典」の数について「複数」であることを限定するものである。

したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正、又は、同条同項第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正に該当する。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正であるか

訂正事項3の「決済金額を受け取る事業者」及び「複数の候補特典」に関する訂正は、訂正事項1に存在しており、上記(1)イの説示と同様に、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。

ウ 本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるか

訂正事項3の「決済金額を受け取る事業者」及び「複数の候補特典」に関する訂正は、訂正事項1に存在しており、上記(1)ウの説示と同様に、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。

(4)訂正事項4について

訂正事項4は、訂正事項3と同様の訂正を行うものであり、上記(3)のアの説示と同様に、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正、又は、同条同項第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正に該当する。

また、上記(3)のイ~ウの説示と同様に、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。

(5)訂正事項5について

訂正事項5は、訂正事項3と同様の訂正を行うものであり、上記(3)のアの説示と同様に、訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正、又は、同条同項第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正に該当する。

また、上記(3)のイ~ウの説示と同様に、訂正事項5は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。

(6)訂正事項6について

訂正事項6は、訂正事項3と同様の訂正を行うものであり、上記(3)のアの説示と同様に、訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正、又は、同条同項第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正に該当する。

また、上記(3)のイ~ウの説示と同様に、訂正事項6は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。

(7)訂正事項7について

訂正事項7は、訂正事項3と同様の訂正を行うものであり、上記(3)のアの説示と同様に、訂正事項7は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正、又は、同条同項第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正に該当する。

また、上記(3)のイ~ウの説示と同様に、訂正事項7は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。

(8)訂正事項8について

ア 訂正の目的

訂正事項8は、訂正事項2と同様の訂正を行うものであり、上記(2)のアの説示と同様に、訂正事項8は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正、又は、同条同項第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正に該当する。

また、上記(2)のイ~ウの説示と同様に、訂正事項8は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。

(9)訂正事項9について

訂正事項9は、訂正事項2と同様の訂正を行うものであり、上記(2)のアの説示と同様に、訂正事項9は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正、又は、同条同項第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正に該当する。

また、上記(2)のイ~ウの説示と同様に、訂正事項9は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。

(10)訂正事項10について

ア 訂正の目的

訂正事項10は、「引き替え部」が行う「付与されたポイントを前記選択された特典との引き替えのために貯蓄する」処理及び「特典引き替え処理」が実行される条件に係る「当該一の決済処理の結果を示す一の決済完了画面において選択された特典」(及び「前記一の決済完了画面において選択された特典」)の「選択」について、訂正事項1による訂正後の請求項1の「

合算マーク

」が「

前記一の決済処理で付与されたポイントに、前記顧客が貯蓄している保有ポイントを合算した合算ポイントにより引き替え可能な特典であることを示す

」ものである旨の記載と整合するように、「前記複数の候補特典の品目のうち前記合算マークに対応する特典」の「選択」である旨を示しつつ、そのように「選択された場合」に「引き換え部」の処理が行われる旨を限定するものである。

したがって、訂正事項10は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正であるか

上記アで説示したとおり、訂正事項10は、「特典引き替え処理」が実行される条件を限定して減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。

ウ 本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるか

願書に添付した明細書の段落【0062】、【0071】、【0072】、図4を参照すると、段落【0062】には、「複数の選択ボタン22が選択枠21に表示される場合、複数の選択ボタン22の各々に係る特典がどのような種類であるかを示す種別マーク23(23a,23b、23c)が付されてもよい。種別マーク23は、例えば、保有ポイントを合算して引き替え可能な特典であることを示す合算マーク23a、指定特典であることを示す指定マーク23b、又は推奨特典であることを示す推奨マーク23cを含んでもよいが、これらに限らない。」と記載され、段落【0071】には、「定額特典の場合、一回の決済で獲得するポイントを保有ポイントに加算する結果、その特典との引き替えに必要なポイント数に達した場合に、その指定特典品目を表示するようにしてもよい。より詳細には、サービスサーバ12は、一の決済処理で付与されたポイント数が、当該一の決済処理の結果を示す一の決済完了画面20において選択された特典との引き替えに足りない場合は、一の決済で付与されたポイントを、選択された特典との引き替えのために取り置きしておく。」と記載され、段落【0072】には、「そして、一の決済処理の後、別の決済処理の結果を示す別の決済完了画面20において選択された特典が、先の決済完了画面20において選択された特典と同じであり、かつ、別の(今回の)決済処理で付与されたポイント数と、貯蓄されたポイント数とを加算した合計ポイント数が、選択された特典との引き替えに足りる場合に、特典引き替え処理を行う。このように、決済画面からの引き替えにおいて、取り置きされたポイント数に今回の決済処理で付与されたポイント数を合算して特典引き替え処理を行うことを、「合算ポイントによる引き替え」という。」と記載されている。また、図4には、合算マーク23aを含む選択ボタン22を画面に表示することが図示されている。

そうすると、段落【0062】、【0071】、【0072】、図4の記載より、「付与されたポイントを前記選択された特典との引き替えのために貯蓄する」処理及び合算ポイントによる特典引き替え処理が「前記決済完了画面において前記複数の候補特典の品目のうち前記合算マークに対応する特典が選択された場合に」行うことが記載されているといえ、訂正事項10に係る訂正は、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてする訂正である。

したがって、訂正事項10は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。

(11)訂正事項11について

ア 訂正の目的

訂正事項11における「前記1以上の候補特典の品目は、複数の候補特典の品目を含み、」との記載を削除する訂正は、訂正事項1において請求項1の「1以上の候補特典」の記載が「複数の候補特典」と訂正されたことに伴い、請求項11の記載を整合させることにより、請求項11の記載が明確となるように訂正を行うものである。

したがって、訂正事項11は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正であるか

訂正事項11の「複数の候補特典」に関する訂正は、訂正事項1に存在しており、上記(1)イの説示と同様に、訂正事項11は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。

ウ 本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるか

訂正事項11の「複数の候補特典」に関する訂正は、訂正事項1に存在しており、上記(1)ウの説示と同様に、訂正事項11は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。

(12)訂正事項12について

訂正事項12は、訂正事項3における「前記決済金額を受け取る事業者」を「

前記

事業者」とする訂正と同様の訂正を行うものであり、上記(3)のアの説示と同様に、訂正事項12は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正、又は、同条同項第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正に該当する。

また、上記(3)のイ~ウの説示と同様に、訂正事項12は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。

(13)訂正事項13について

訂正事項13は、訂正事項1と同様の訂正を行うものであり、上記(1)のアの説示と同様に、訂正事項13は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

また、上記(1)のイ~ウの説示と同様に、訂正事項13は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。

(14)訂正事項14について

訂正事項14は、訂正事項1と同様の訂正を行うものであり、上記(1)のアの説示と同様に、訂正事項14は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

また、上記(1)のイ~ウの説示と同様に、訂正事項14は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。

(15)訂正事項15について

訂正事項15は、訂正事項1と同様の訂正を行うものであり、上記(1)のアの説示と同様に、訂正事項15は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

また、上記(1)のイ~ウの説示と同様に、訂正事項15は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。

3 小括

以上のとおり、訂正事項1~15に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項の規定によって準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

なお、訂正事項1~15に係る訂正前の請求項1~15は、特許異議の申立てがされた請求項であるから、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する独立特許要件は課されない。

したがって、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~12〕、13、14、15について訂正することを認める。

第3 本件発明

上記第2のとおり本件訂正請求は認められるから、本件特許の請求項1~15に係る発明(以下「本件発明1」~「本件発明15」という。)は、それぞれ、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~15に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】

一の決済処理に伴って、決済金額に応じたポイントを顧客に付与するように構成されるポイント付与部と、

ポイントと引き替え可能な複数の特典の中から、前記一の決済処理で付与されたポイントと引き替えられる候補として複数の候補特典を特定するように構成される特定部と、

前記一の決済処理の結果を示す決済完了画面を表示させるための決済情報を送信するように構成される送信部であって、前記決済完了画面には、前記複数の候補特典の品目と、前記複数の候補特典の品目の各々に対応する複数の選択ボタンと、前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す複数の種別マークと、が含まれ、前記複数の種別マークは、

前記一の決済処理で付与されたポイントに、前記顧客が貯蓄している保有ポイントを合算した合算ポイントにより引き替え可能な特典であることを示す合算マーク、

前記顧客により事前登録される指定特典であることを示す指定マーク、又は

前記決済金額を受け取る事業者により事前登録される推奨特典であることを示す推奨マーク、のうち1以上を含む、送信部と、

前記決済完了画面において前記複数の候補特典の品目のうちの少なくとも1つが選択された場合に、前記一の決済処理で付与されたポイントを、選択された品目に係る特典と引き替える特典引き替え処理を行うように構成される引き替え部と、

を備える、ポイントプログラムの運用システム。

【請求項2】

前記特定部は、各顧客により事前登録された1以上の指定特典を、その顧客に対する前記複数の候補特典として特定するように構成される、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。

【請求項3】

前記一の決済処理は、前記事業者が操作する決済端末と前記顧客が操作する顧客端末とを介して行われ、

前記特定部は、前記決済端末又は前記事業者のうち少なくとも一方の情報に基づいて前記複数の候補特典を特定するように構成される、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。

【請求項4】

前記複数の候補特典は、前記事業者により事前登録された1以上の推奨特典を含む、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。

【請求項5】

前記複数の候補特典は、1以上の関連特典を含み、

前記1以上の関連特典は、前記事業者の業種と同じ分野又は関連する分野に属する1以上の特典、あるいは前記一の決済処理で取引された商品又はサービスと同じ分野又は関連する分野に属する1以上の特典を含む、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。

【請求項6】

前記特定部は、前記事業者の所在地又は前記事業者が操作する決済端末の位置情報に基づいて前記複数の候補特典の少なくとも1つを特定するように構成される、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。

【請求項7】

前記特定部は、前記事業者又は前記事業者の関連事業者に対する投資商品を前記複数の候補特典の少なくとも1つとして特定するように構成される、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。

【請求項8】

前記複数の候補特典のうちの1つが投資商品である場合に、前記決済完了画面には、前記投資商品についての相場のトレンドを示すグラフが表示される、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。

【請求項9】

前記特定部は、前記一の決済処理により付与されるポイント数で引き替え可能な特典であって、引き替えに必要なポイント数が規定されている特典又は引き替えに必要な最低ポイント数が定められた特典を前記複数の候補特典の少なくとも

1つとして特定するように構成される、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。

【請求項10】

前記決済完了画面において前記複数の候補特典の品目のうち前記合算マークに対応する特典が選択された場合に、前記引き替え部は、

前記一の決済処理で付与されたポイント数が、当該一の決済処理の結果を示す一の決済完了画面において選択された特典との引き替えに足りない場合は当該付与されたポイントを前記選択された特典との引き替えのために貯蓄するように構成され、さらに、

前記一の決済処理の後の別の決済処理の結果を示す別の決済完了画面において選択された特典が、前記一の決済完了画面において選択された特典と同じであり、かつ、前記別の決済処理で付与されたポイント数と、貯蓄されたポイント数とを加算した合計ポイント数が、前記選択された特典との引き替えに足りる場合に、前記特典引き替え処理を行うように構成される、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。

【請求項11】

前記複数の候補特典は、寄付金である特典と投資商品である特典との少なくとも一方を含む、

請求項1に記載のポイントプログラムの運用システム。

【請求項12】

前記一の決済処理は、

前記決済金額と、

前記決済金額を支払う顧客が操作する顧客端末から送信された顧客識別情報と、

前記事業者が操作する決済端末から送信された事業者識別情報と、

に基づいて実行され、

前記決済情報は、前記事業者識別情報と、前記決済金額と、特定された前記複数の候補特典に係る候補特典情報と、を含み、

前記送信部は、前記決済情報を前記顧客端末に送信するように構成される、

請求項1~11のうち何れか一項に記載のポイントプログラムの運用システム。

【請求項13】

1以上のサービスサーバを備え、

前記1以上のサービスサーバのうち少なくとも1つは、一の決済処理に伴って、決済金額に応じたポイントを顧客に付与するように構成され、

前記1以上のサービスサーバのうち少なくとも1つは、ポイントと引き替え可能な複数の特典の中から、前記一の決済処理で付与されたポイントと引き替えられる候補として複数の候補特典を特定するように構成され、

前記1以上のサービスサーバのうち少なくとも1つは、前記一の決済処理の結果を示す決済完了画面を表示させるための決済情報を送信するように構成され、

前記決済完了画面には、前記複数の候補特典の品目と、前記複数の候補特典の品目の各々に対応する複数の選択ボタンと、前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す複数の種別マークと、が含まれ、前記複数の種別マークは、

前記一の決済処理で付与されたポイントに、前記顧客が貯蓄している保有ポイントを合算した合算ポイントにより引き替え可能な特典であることを示す合算マーク、

前記顧客により事前登録される指定特典であることを示す指定マーク、又は

前記決済金額を受け取る事業者により事前登録される推奨特典であることを示す推奨マーク、のうち1以上を含み、

前記1以上のサービスサーバのうち少なくとも1つは、前記決済完了画面において前記複数の候補特典の品目のうちの少なくとも1つが選択された場合に、前記一の決済処理で付与されたポイントを、選択された品目に係る特典と引き替える特典引き替え処理を行うように構成される、

ポイントプログラムの運用システム。

【請求項14】

1以上のサービスサーバに、

一の決済処理に伴って、決済金額に応じたポイントを顧客に付与することと、

ポイントと引き替え可能な複数の特典の中から、前記一の決済処理で付与されたポイントと引き替えられる候補として複数の候補特典を特定することと、

前記一の決済処理の結果を示す決済完了画面を表示させるための決済情報を送信することであって、前記決済完了画面には、前記複数の候補特典の品目と、前記複数の候補特典の品目の各々に対応する複数の選択ボタンと、前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す複数の種別マークと、が含まれ、前記複数の種別マークは、

前記一の決済処理で付与されたポイントに、前記顧客が貯蓄している保有ポイントを合算した合算ポイントにより引き替え可能な特典であることを示す合算マーク、

前記顧客により事前登録される指定特典であることを示す指定マーク、又は

前記決済金額を受け取る事業者により事前登録される推奨特典であることを示す推奨マーク、のうち1以上を含む、ことと、

前記決済完了画面において前記複数の候補特典の品目のうちの少なくとも1つが選択された場合に、前記一の決済処理で付与されたポイントを、選択された品目に係る特典と引き替える特典引き替え処理を行うことと、

実行させることを含む、ポイントプログラムの運用方法。

【請求項15】

コンピュータに、

一の決済処理のための画面を表示させることと、

前記一の決済処理の結果を示す決済完了画面を表示させることであって、前記決済完了画面には、前記一の決済処理に伴って付与されたポイントと引き替えられる特典の候補である複数の候補特典の品目と、前記複数の候補特典の品目の各々に対応する複数の選択ボタンと、前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す複数の種別マークと、が含まれ、前記複数の種別マークは、

前記一の決済処理で付与されたポイントに、前記一の決済処理の決済金額を支払う顧客が貯蓄している保有ポイントを合算した合算ポイントにより引き替え可能な特典であることを示す合算マーク、

前記顧客により事前登録される指定特典であることを示す指定マーク、又は

前記決済金額を受け取る事業者により事前登録される推奨特典であることを示す推奨マーク、のうち1以上を含む、ことと、

前記決済完了画面において前記複数の候補特典の品目のうちの少なくとも1つが選択された場合に、前記一の決済処理で付与されたポイントを、選択された品目に係る特典と引き替えるための特典引き替え指示を送信させることと、

を実行させるためのコンピュータプログラム。」

第4 特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要

令和7年2月19日に異議申立人が提出した特許異議申立書(以下「特許異議申立書」という。)に記載した申立ての理由の概要は次のとおりである。

1 申立理由

(1)理由1(拡大先願)

本件特許の請求項1~7、9~15に係る発明は、本件特許出願の日前の特許出願であって、本件特許出願後に出願公開がされた甲第1号証で示される特許出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、本件特許出願の発明者が本件特許出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、また本件特許出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないため、請求項1~7、9~15に係る特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号に該当し取り消されるべきものである。

(2)理由2(新規性)

本件特許の請求項15に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第2号証の発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものであるから、請求項15に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消されるべきものである。

(3)理由3(進歩性)

本件特許の請求項1~9、11~14に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第2号証を主引例とし、甲第3号証を副引例として、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、請求項1~9、11~14に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消されるべきものである。

2 証拠方法

異議申立人が提出した証拠は以下のとおり。

甲第1号証:特開2024-61272号公報(先願である特願2022-169122号の公開特許公報)

甲第2号証:特許第7140904号公報

甲第3号証:特開2023-65225号公報

第5 令和7年5月30日付けで通知した取消理由の概要

当審において令和7年5月30日付けで通知した取消理由(以下「取消理由」という。)の概要は以下のとおりである。なお、該取消理由は、第4の1(1)の理由1及び理由3に対応するものであり、各証拠は、前記第4の2のとおりである。

(1)理由1(拡大先願、異議申立の理由1に対応)について

本件特許の請求項1~3、5、9~15に係る発明は、本件特許出願の日前の特許出願であって、本件特許出願後に出願公開がされた甲第1号証で示される特許出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、本件特許出願の発明者が本件特許出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、また本件特許出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないから、本件特許の請求項1~3、5、9~15に係る発明は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものである。

(2)理由2(進歩性、異議申立の理由3に対応)について

本件特許の請求項1~9、11~15に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第2号証~甲第3号証に記載された事項に基づいて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1~9、11~15に係る発明は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

第6 甲各号証

甲第1号証~甲第3号証の記載事項は以下のとおりである。

1 甲第1号証で示される先願の当初明細書等の記載事項と先願発明

(1)甲第1号証の記載事項

甲第1号証(以下「甲1」という。)で示される先願の当初明細書等には以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審で付した。以下同じ。)

「【0006】

本願は、上記に鑑みてなされたものであって、

利用者の携帯端末を用いた電子マネーによる決済において利用者に提供されるポイントの利用に関する利便性を向上させる

ことを目的とする。」

「【0012】

図1に示すように、

情報処理システム1は、端末装置100とサーバ装置10とを含む。

端末装置100とサーバ装置10とは、ネットワークN(図3参照)を介して有線又は無線で互いに通信可能に接続される。本実施形態では、端末装置100は、サーバ装置10と連携する。なお、情報処理システム1は、任意の数の端末装置100およびサーバ装置10を含んでよい。

【0013】

端末装置100は、利用者U(ユーザ)により使用されるスマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイスであり、4G(Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。また、端末装置100は、液晶ディスプレイ等の画面であって、タッチパネルの機能を有する画面を有し、利用者Uから指やスタイラス等によりタップ操作、スライド操作、スクロール操作等、コンテンツ等の表示データに対する各種の操作を受付ける。なお、画面のうち、コンテンツが表示されている領域上で行われた操作を、コンテンツに対する操作としてもよい。また、端末装置100は、スマートデバイスのみならず、デスクトップPC(Personal Computer)やノートPC等の情報処理装置であってもよい。

【0014】

サーバ装置10は、決済サーバとして、端末装置100を用いた決済(電子決済)に関する電子決済サービスを提供する情報処理装置

であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現可能である。例えば、サーバ装置10は、利用者Uの端末装置100に表示された利用者Uの識別情報である利用者識別情報を読み取らせた店舗端末から当該利用者識別情報と店舗を識別する店舗識別情報と決済内容とを取得した場合、もしくは、店舗識別情報を読み取らせた端末装置100から、利用者識別情報と店舗識別情報と決済内容とを取得した場合に、当該決済内容に基づいて、当該利用者識別情報が示す利用者Uの口座から当該店舗識別情報が示す口座へと決済内容に応じた電子マネーを移動させる決済処理機能を有する。

【0015】

〔1-1.端末装置100を用いた決済〕

ここで、実施形態に係る情報処理に先立ち、端末装置100を用いた決済(電子決済)の一例について説明する。なお、以下の説明では、店舗Aに配置された2次元コード(QRコード(登録商標))であって、店舗Aを識別する店舗識別情報を示す2次元コードを用いて、利用者Uが端末装置100を用いた決済を行う例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。以下に説明する決済の一例は、任意の利用者が任意の端末装置100を用いて、任意の店舗にて決済を行う場合においても適用可能である。また、店舗識別情報は、QRコード(登録商標)のみならず、バーコードや所定のマーク、番号等であってもよい。

【0016】

例えば、利用者Uが店舗Aにて各種の商品やサービスといった決済対象(取引対象)の利用や購入に伴う決済を行う場合、利用者Uは、端末装置100にインストールされた決済用のアプリケーション(決済アプリ)を起動する。そして、利用者Uは、決済アプリを介して、店舗Aに設置された店舗識別情報を撮影する。このような場合、端末装置100は、決済対象の価格を入力するための画面を表示し、利用者U或いは店舗Aの店員Mから決済額の入力を受け付ける。そして、端末装置100は、利用者Uを識別する利用者識別情報と、店舗識別情報(若しくは、店舗識別情報が示す情報、すなわち、店舗Aを示す情報(例えば、店舗ID))と、決済額とを示す決済情報をサーバ装置10へと送信する。

【0017】

このような場合、サーバ装置10は、利用者識別情報が示す利用者Uの口座から、店舗識別情報が示す店舗Aの口座へと、決済額が示す額の電子マネーを移動させる。そして、サーバ装置10は、決済が完了した旨の通知を端末装置100へと送信する。このような場合、端末装置100は、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる決済が行われた旨を通知する。

【0018】

なお、端末装置100を用いた決済は、上述した処理に限定されるものではない。例えば、端末装置100を用いた決済は、店舗Aに設置された店舗端末を用いたものであってもよい。例えば、端末装置100は、利用者Uを識別するための利用者識別情報を画面上に表示させる。このような場合、店舗Aに設置された店舗端末は、端末装置100に表示された利用者識別情報を読み取り、利用者識別情報(若しくは、利用者識別情報が示す情報、すなわち、利用者Uを示す情報(例えば、利用者ID))と、決済額と、店舗Aを識別する情報とを示す決済情報をサーバ装置10へと送信する。このような場合、サーバ装置10は、利用者識別情報が示す利用者Uの口座から、店舗Aの口座へと、決済額が示す額の電子マネーを移動させ、店舗Aの店舗端末或いは端末装置100に対し、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、決済が行われた旨を通知してもよい。」

「【0023】

例えば、サーバ装置10は、決済や送金等といった電子マネーの取引に関する取引情報が生じると、取引情報に基づいて利益を受け取るか否かの選択を利用者から受け付け、利用者が利益を受け取る場合は、利用者に対して取引を行ったことによる利益を付与する。また、サーバ装置10は、利益を受け取らない場合は、取引サービスにおける利用者の行動に基づき、より有利な利益を利用者に付与することとなる。」

「【0027】

〔1-3.利用者に対して提供される利益について〕

ここで、上述した

サーバ装置10により実現される決済処理においては、決済が行われたことを契機として各種の利益が利用者に提供される場合がある

。例えば、

かかる決済処理においては、決済額に応じた

(例えば、決済の2パーセント)

量のポイント

であって、決済時に所定のレート(例えば、1ポイント1円)で決済に利用可能な

ポイントが付与される場合がある

。また、決済処理においては、決済時にくじ引きが行われ、当選した際に、高額なポイントが提供される場合がある。このようなポイントは、決済時ではなく、決済から所定の期間(例えば、1月)が経過した際に利用者に対して利用可能なポイントとして提供されることとなる。また、決済処理においては、利用者が所定期間内に所定回数以上の決済を行った場合や、所定期間内における決済総額が所定の閾値を超えた場合に、ボーナスポイントとして、通常よりも多くのポイントが提供される場合がある。」

「【0032】

〔1-4.サーバ装置10が実行する処理の概要について〕

ここで、サーバ装置10は、ポイント等の利益の利用に関し、利用者の利便性を向上させるため、以下の処理を行う。

【0033】

例えば、サーバ装置10は、端末装置を用いた決済を示す決済情報を受け付けた場合は、決済情報に従った決済処理を実行するとともに、決済により利用者に対して所定期間経過後に提供される利益の内容を決済完了時に利用者に提示する。そして、サーバ装置10は、利益の利用目的の指定を受け付けると、利益を提供する場合は、受け付けられた利用目的に従って当該利益を提供する提供処理を実行する。

【0034】

また、サーバ装置10は、、端末装置を用いた決済を示す決済情報を受け付けた場合は、決済情報に従った決済処理を実行するとともに、決済の内容に基づいて、利用者に対して所定期間経過後に提供される利益の利用目的の候補を選択する。そして、サーバ装置10は、決済により利用者に対して所定期間経過後に提供される利益の内容と、選択された利用目的の候補とを決済完了時に利用者に提示する提示処理を実行する。

【0035】

以下、図1を用いて、提供処理および提示処理の一例について説明する。例えば、端末装置100を利用する利用者Uは、所定のアプリケーションを起動させ、店舗Aに設置されたQRコードC1を撮影する。ここで、QRコードC1は、店舗Aを識別するための店舗識別情報を示すQRコードである。このような場合、端末装置100は、QRコードC1から店舗識別情報を取得する(ステップS1)。

【0036】

続いて、端末装置100は、利用者Uから決済額の入力を受け付ける。すると、端末装置100は、利用者Uを識別する利用者識別情報と、店舗識別情報と、決済額とを示す決済情報をサーバ装置10へと送信する(ステップS2)。このような場合、サーバ装置10は、決済情報に基づいた決済処理を実行する(ステップS3)。例えば、サーバ装置10は、利用者識別情報と紐づく口座から、店舗識別情報が示す口座へと、決済額分の電子マネーを移動させる。

【0037】

続いて

サーバ装置10は、決済により提供される利益の内容を特定する

(ステップS4)。例えば、

サーバ装置10は、決済額のうち所定の割合の額分のポイントを利益として特定してもよい。

また、サーバ装置10は、抽選を行い、利用者が当選した場合は、利用者に対してボーナス的に付与されるポイントを利益として特定してもよい。

【0038】

ここで、サーバ装置10は、決済履歴に基づいて、利益の利用目的の候補を選択する(ステップS5)。例えば、

サーバ装置10は、利益として提供されるポイントを、通常口座にチャージするのか、貯蓄するのか、各種運用の対象とするのか、若しくは寄付するのかといった各種目的の候補の中から、決済履歴に基づいて、利用者が選択しそうな利用目的を利用目的の候補として選択する

。なお、このような選択処理の詳細については、後述する。

【0039】

続いて、

サーバ装置10は、決済完了の通知とともに、特定した利益の内容と、選択した利用目的の候補とを示すとともに、利用目的の指定を受け付けるためのコンテンツを端末装置100に表示させる

(ステップS6)。このような場合、

端末装置100は、利用者から利益の利用目的の選択を受け付け、受け付けた利用目的をサーバ装置10へと送信する。

この結果、サーバ装置10は、決済により利用者に後日提供される利益の利用目的を取得することができる(ステップS7)。

【0040】

このような場合、

サーバ装置10は、利用者に対して

後日

提供される利益と、指定された利用目的とを対応付けて記憶する。そして、サーバ装置10は、利用者に対して利益を提供する場合、指定済みの利用目的に応じて、利用者に対して利益の提供を行う

(ステップS8)。

【0041】

なお、図1に示す例では、端末装置100が店舗に設置されたQRコードを読み取り、端末装置100から決済情報を取得したことを契機として決済を行う処理(以下、「ユーザースキャン」と総称する)において、利用者にポイント等の利益を付与する処理の一例について示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、サーバ装置10は、店舗に設置された店舗端末が端末装置100に表示された利用者識別情報を読み取り、店舗端末から決済情報を取得したことを契機として決済を行う処理(以下、「ストアスキャン」と総称する)において、利用者にポイント等の利益を提供してもよい。このようなストアスキャンの場合、サーバ装置10は、決済完了時に、店舗端末に決済が完了した旨を通知するとともに、決済情報に含まれる利用者識別情報と紐づく端末装置100に対して、決済完了の通知とともに、利用目的の指定を受け付けるためのコンテンツを提供し、後日、利用者識別情報と紐づく利用者にポイントを付与することとなる。」

「【0044】

また、例えば、利用者がポイントをためてテレビ等の高額商品を購入したいと要望する可能性がある。そこで、サーバ装置10は、決済時において、利用者が利益を所定の決済対象の購買に用いる旨を指定した場合は、利用者が所定の決済対象を購入する際に用いる対象として、利益を提供する。より具体的な例を挙げると、サーバ装置10は、ポイントを提供する場合は、利用者が指定した用途限定口座にポイントをチャージする。例えば、サーバ装置10は、例えば、利用者に対して、利用者があらかじめ設定した用途限定口座のリストを提示し、どの用途限定口座にポイントをチャージするかの指定を決済時に受付し、その後ポイントの付与時においては、決済時に受け付けた用途限定口座にポイントをチャージすればよい。

【0045】

また、例えば、利用者がポイントを優先して使用したいと要望する可能性がある。そこで、サーバ装置10は、利益を優先的に使用する旨の指定を受け付けた場合は、決済時に優先的に使用される対象として、利益を提供する。例えば、サーバ装置10は、ポイントを提供する場合は、利用者の通常口座にポイントをチャージしてもよく、例えば、各口座のうち最優先で使用されるポイントがチャージされる用途限定口座にポイントをチャージしてもよい。ここで、サーバ装置10は、ポイントの通常口座にチャージされたポイントと電子マネーの通常口座にチャージされた電子マネーとを組み合わせた決済を行ってもよい。例えば、サーバ装置10は、通常口座のポイントから優先して決済に利用し、全ポイントで決済額を充当しない場合は、通常口座の電子マネーを用いて決済を実現してもよい。

【0046】

また、

ポイントを用いた運用サービスが提供される場合がある

。例えば、サーバ装置10は、利用者が所有するポイントや電子マネーを、運用サービスの事業者の口座に移すことで、利用者に運用サービスの事業者が提供する運用サービスを利用可能とする。このような場合、利用者は、運用サービスが提供する各種の運用サービス(例えば、株式投資等の各種金融商品の購入)を受け付けることができる。そこで、サーバ装置10は、利用者から利益を運用対象とする旨の指定を受け付けた場合は、運用対象として利益を提供してもよい。例えば、サーバ装置10は、決済から所定の期間が経過したポイントの付与タイミングにおいて、ポイントを利用者の各種口座にチャージするのではなく、利用者からの入金として、運用サービスの事業者の口座にチャージしてもよい。なお、このようなポイントを用いた運用の内容については、任意の態様が採用可能である。例えば、利用者は、ポイントの一括運用を指定してもよく、ポイントの一部を第1の金融商品で運用し、他の一部を第2の金融商品で運用するように指定してもよい。

【0047】

また、ポイントを各種の団体に寄付したいといった要望が考えられる。そこで、サーバ装置10は、利益を寄付する旨の指定を受け付けた場合は、利益を寄付対象として所定の寄付先に寄付してもよい。例えば、サーバ装置10は、利用者が指定した寄付先、あるいは、所定のルールに従って選択された寄付先の口座に、ポイントをチャージしてもよい。この際、サーバ装置10は、例えば、利用者の購買履歴や利用者の寄付の履歴等から、利用者が寄付したいと要望する可能性が高い寄付先を推定し、推定した寄付先の口座にチャージしてもよく、決済時に、推定した寄付先に寄付を促すメッセージを表示してもよい。

【0048】

なお、上述した目的以外にも、サーバ装置10は、利用者に対して決済から所定の期間が経過後に提供されるポイントの利用目的であれば、任意の利用目的の指定を受け付けてもよい。例えば、サーバ装置10は、電子商店街で販売されている商品を購入するために貯蓄する指定を受け付けた場合は、かかる商品とあらかじめ紐づけた口座にポイントをチャージしてもよい。このような場合、サーバ装置10は、かかる口座にチャージされたポイントの額と、同一商品と紐づけられた口座にチャージされた電子マネーの額との合計が、商品の価格を超えた際に、利用者に対して商品が購入可能である旨を通知し、利用者が購入を承認した場合は、これらのポイントおよび電子マネーを用いて、商品の購入処理を行ってもよい。また、サーバ装置10は、車両を購入するための頭金を貯蓄する旨の指定を受け付けた場合、このための口座にポイントをチャージしてもよい。

【0049】

なお、利用者に対してポイントが付与されるのは、利用者が決済を行ってから所定の期間が経過したタイミングであるが、決済における内容によっては、利用者にポイントが付与されない場合がある。例えば、決済時に決済額がすべてポイントで充当された場合、利用者に対してかかる決済に対するポイントが付与されない場合がある。このような場合、サーバ装置10は、利用者に対して決済完了の通知のみを行い、利用目的の選択の指定を受け付けずともよく、ポイントの付与も行わずともよい。また、例えば、決済の一部がポイントで充当され、残りが電子マネーで充当された場合、電子マネーで充当された分のみのポイントについて、利用目的の指定を受け付けてもよい。

【0050】

なお、サーバ装置10は、決済が行われ、かつ、その決済によりポイントが利用者に対して付与されるたびに、利用目的の指定を受け付けてもよい。また、サーバ装置10は、決済の内容ごとに利用者から利用目的の指定を受け付けてもよい。例えば、サーバ装置10は、所定の店舗での決済により付与されるポイントについて運用対象とする旨の指定を受け付けた場合は、かかる店舗での決済の都度利用目的の指定を受け付けることなく、ポイントを自動的に運用対象としてもよい。また、サーバ装置10は、所定額以上のポイントについて運用対象とする旨の指定を受け付けた場合は、決済の都度利用目的の指定を受け付けることなく、ポイントが所定額以上の場合は、自動的にポイントを運用対象としてもよい。」

「【0054】

例えば、くじ等に当選した場合等は、利用者がポイントを貯めたり運用したいと考える可能性が高い。そこで、

サーバ装置10は、決済時に利用者がくじに当選した場合や、ポイントの額が所定の閾値を超える場合、ポイントの貯蓄を受け付けるためのコンテンツや、運用対象とする指定を受け付けるためのコンテンツを提示してもよい。

これ以外にも、サーバ装置10は、決済を行った利用者の属性、決済額、決済を行った店舗、決済対象、決済日時等に応じて、利用者が利用者が選択する可能性が高い利用目的を候補として選択し、選択した利用目的の設定を受け付けるためのコンテンツを利用者に提供してもよい。

【0055】

ここで、サーバ装置10は、利用者が選択する可能性が高い利用目的を候補として選択するため、各種の履歴に基づいて、利用目的の候補を選択する。例えば、サーバ装置10は、決済を行った利用者が指定した利用目的の履歴に基づいて、利用目的の候補を選択してもよい。例えば、サーバ装置10は、利用者が直近10回の決済において、ポイントを貯蓄する旨を選択していた場合は、ポイントを貯蓄するという利用目的を利用目的の候補として選択してもよい。また、サーバ装置10は、例えば、利用者と属性が類似する他の利用者が指定した利用目的の履歴に基づいて、利用目的の候補を選択してもよい。より具体的な例を挙げると、サーバ装置10は、決済を行った利用者と類似する属性の利用者が選択した利用目的のうち、一番多くの利用者が選択している利用目的や、選択回数が最も多い利用目的を候補として選択してもよい。

【0056】

また、サーバ装置10は、決済が行われた時間帯において多く選択されている利用目的を候補としてもよく、決済が行われた店舗や同程度の決済額、同程度のポイントが付与される際に多く選択されている利用目的を候補として選択してもよい。また、サーバ装置10は、決済が行われた際に利用者が利用可能なポイントの残額等、利益の状況に応じて、利用目的を候補として選択してもよい。例えば、サーバ装置10は、貯蓄しているポイントの総額と目標額との差が所定の閾値を下回る場合は、貯蓄を利用目的の候補としてもよく、所定の商品を購入するための用途限定口座のポイントと、かかる商品の価格との差が所定の閾値を下回る場合は、かかる商品の購入を利用目的の候補としてもよい。

【0057】

すなわち、サーバ装置10は、決済の内容と、その内容の決済時に指定された利用目的との関係性を学習し、学習した関係性に基づいて、利用目的の候補を選択すればよい。また、

サーバ装置10は、上述した決済に関する各種の情報(決済額、決済先、決済対象、付与されるポイントの額、利用者の属性、時間帯、決済時におけるポイントの状況等)のうち複数の情報と、指定された利用目的との関係性に基づいて、利用目的の選択を行ってもよい。

【0058】

また、サーバ装置10は、利用目的の候補を複数選択し、選択した複数の候補を並べて提示するコンテンツを提供してもよい。この際、サーバ装置10は、利用者により選択される可能性が高い方から順に所定数の候補を選択し、選択した候補を、利用者により選択される可能性が高い方から順にならべたコンテンツを提供してもよい。

【0059】

例えば、

図2は、サーバ装置が提供するコンテンツにおいて提示される利用目的の候補の一例を示す図

である。なお、図2には、第1利用者に対して提示されるコンテンツC10と、第2利用者に対して提示するコンテンツC20との一例を示した。

【0060】

例えば、

コンテンツC10、C20には、決済を行った店舗、決済額、決済が完了した旨が含まれる。

また、

コンテンツC10、C20には、決済により利用者に対して

後日

提供されるポイントの額を示すポイントコンテンツC11が配置される。

ここで、サーバ装置10は、第1利用者が指定した利用目的の履歴や、決済の内容に応じて、第1利用者がポイントを貯める可能性が一番高いと推定し、第1利用者がポイントを支払いに使う可能性が2番目に高いと推定し、第1利用者がポイントを運用対象とする可能性が3番目に高いと推定したとする。このような場合、サーバ装置10は、図2のコンテンツC10に示すように、利用目的としてポイントを貯める旨を指定する指定コンテンツC12、利用目的としてポイントを支払いに使う旨を指定する指定コンテンツC13、利用目的としてポイントを運用対象とする旨を指定する指定コンテンツC14を、コンテンツC12、コンテンツC13、コンテンツC14の順に並べたコンテンツC10を提供する。」

「【0069】

利用者情報データベース32には、利用者の購買履歴に関する各種の情報が登録される。例えば、図5は、利用者情報データベースの一例を示す図である。図5に示すように、利用者情報データベース32には、「識別情報」「購買履歴」および「選択履歴」といった項目を有する。「識別情報」は、利用者識別情報である。また、「購買履歴」とは、対応付けられた利用者識別情報が示す利用者により行われた決済の履歴を示す情報であり、例えば、決済日時、決済額、決済店舗等を示す情報である。また、「選択履歴」とは、対応付けられた「購買履歴」が示す決済が行われた際に、利用者が選択したポイントの利用目的を示す情報である。

【0070】

例えば、図5に示す例では、識別情報「UID#1」が示す利用者が、購買履歴「購買履歴#1-1」が示す決済を行った際に、後日提供されるポイントの利用目的として選択履歴「利用目的#1-1」が示す利用目的を指定した旨を示す。なお、図5に示す情報以外にも、利用者情報データベース32には、各種任意の情報が登録されていてもよい。」

「【0074】

(制御部40)

図3に戻り、説明を続ける。制御部40は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって、サーバ装置10の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。図3に示す例では、制御部40は、決済処理部41、特定部42、選択部43、提示部44、受付部45、および提供部46を有する。

【0075】

決済処理部41は、利用者が用いる端末装置を用いた決済を示す決済情報を受け付けた場合は、決済情報に従った決済処理を実行する。例えば、決済処理部41は、端末装置100あるいは店舗端末から、決済情報として、利用者を識別する利用者識別情報と、決済先を示す決済先識別情報と、決済額とを受け付ける。このような場合、決済処理部41は、口座データベース31を参照し、利用者識別情報と紐づけられた口座の電子マネーやポイントのうち、決済情報として受け付けた決済額分の電子マネーやポイントを、決済先識別情報と紐づけられた口座へと移動させる。そして、決済処理部41は、決済が正常に完了した場合は、端末装置100や店舗端末に対して、決済が完了した旨を通知する。一方、決済処理部41は、残高不足などにより決済が正常に完了しなかった場合は、その旨を通知する。

【0076】

特定部42は、決済に応じて利用者に

後日

付与される利益の内容を特定する。

例えば、

特定部42は、決済額

や利用者情報等

に基づいて、利用者に対して

後日

付与されるポイントの額を特定する。

なお、特定部42は、例えば、くじやキャンペーン等により利用者に対してさらなるポイントを付与する場合は、かかるポイントの額についても特定する。

【0077】

選択部43は、決済の内容に基づいて、利用者に対して所定期間経過後に提供される利益の利用目的の候補を選択する。例えば、選択部43は、利用者情報データベース32を参照し、利用者による利用目的の指定履歴に基づいて、前記利用目的の候補を選択してもよい。また、選択部43は、決済の内容と、内容の決済時に指定された利用目的との関係性に基づいて、利用目的の候補を選択してもよい。具体的には、選択部43は、決済の内容として、決済額、決済先、決済対象もしくは決済時における利益の状況の少なくともいずれか1つと、指定された前記利用目的との関係性に基づいて、利用目的の候補を選択してもよい。

【0078】

ここで、選択部43は、利用目的の候補を複数選択してもよい。例えば、選択部43は、利用者により選択される可能性が高い方から順に所定数の利用目的の候補を選択してもよい。これらの処理以外にも、選択部43は、決済の各種コンテキストに応じて、1つもしくは複数の利用目的であって、利用者が選択する可能性が高いと推定される利用目的を候補として選択すればよい。

【0079】

提示部44は、決済により利用者に対して

所定期間経過後に

提供される利益の内容を決済完了時に利用者に提示する。

また、提示部44は、決済により利用者に対して所定期間経過後に提供される利益の内容とともに、選択された利用目的の候補とを決済完了時に利用者に提示する。例えば、

提示部44は、図2に示すコンテンツC10、C20を、決済完了時に端末装置100に送信し、表示させる。

【0080】

ここで、提示部44は、複数の利用目的の候補が選択された場合、利用者が選択する可能性が高いほうから順に利用目的の候補を並べて表示してもよい。また、提示部44は、利益の契機となった決済における決済額等、決済の内容に応じた順に並べて表示してもよい。また、提示部44は、ポイントの額など、利益の内容に応じた順に利用目的の候補を並べて表示してもよい。また、提示部44は、決済が行われた際に提供されているキャンペーンの内容に応じた順に利用目的の候補を並べて表示してもよい。

【0081】

受付部45は、利益の利用目的の指定を受け付ける。例えば、受付部45は、コンテンツC10、C20を介して利用者が選択した利用目的を示す情報を端末装置100から取得する。

ここで、受付部45は、利用者が寄付を利用目的として指定した場合、寄付先の候補を示す情報を端末装置100に送信し、かかる情報を介して、寄付先の指定をさらに受け付けてもよい。そして、

受付部45は、指定された利用目的と、かかる利用目的が指定された利益とを対応付けて利益データベース33に登録しておく。

【0082】

提供部46は、利益を提供する場合は、受け付けられた利用目的に従って利益を提供する。

例えば、提供部46は、利益データベース33を参照し、提供タイミングとなった利益を特定する。そして、提供部46は、特定した利益と紐づけられた利用目的に従って、利益を利用者に提供する。

【0083】

例えば、

提供部46は、利益を使用せずに貯める旨の指定を受け付けた場合は、利用者が使用する旨の指定を行うまで貯める対象として、利益を提供する。

例えば、提供部46は、利用者が指定するまでは決済に利用されない(例えば、通常口座の残金が足りない場合に自動で利用されない)貯蓄用の用途限定口座にポイントをチャージする。

【0084】

また、

提供部46は、利益を所定の決済対象の購買に用いる旨の指定を受け付けた場合は、利用者が所定の決済対象を購入する際に用いる態様として、利益を提供する。

例えば、提供部46は、利用者が指定した所定の決済対象を購入するための用途限定口座にポイントをチャージする。

【0085】

また、

提供部46は、利益を優先的に使用する旨の指定を受け付けた場合は、決済時に優先的に使用される対象として、前記利益を提供する。

例えば、提供部46は、通常口座や、通常口座に残金が足りない場合に自動で利用される口座にポイントをチャージする。

【0086】

また、

提供部46は、利益を運用対象とする旨の指定を受け付けた場合は、運用対象として、利益を提供する。

例えば、提供部46は、運用サービスを提供する事業者の口座に、ポイントをチャージしてもよく、ポイントを破棄するとともに、決済事業者から運用サービスを提供する事業者に、ポイント分の入金処理を行ってもよい。

【0087】

また、

提供部46は、利益を寄付とする旨の指定を受け付けた場合は、利益を寄付対象として所定の寄付先に寄付する。

例えば、提供部46は、利用者が選択した寄付先の口座にポイントをチャージし、その旨を利用者に対して通知してもよい。

【0088】

上述したように、

提供部46は、利用者が指定した利用用途で利用されるように、ポイントのチャージや入金処理を実行すればよい。

このような処理を実行するのであれば、提供部46は、任意の目的を達成するために、任意の口座に対してポイントのチャージを行ってもよい。例えば、提供部46は、利用者が選択した他の利用者の口座にポイントをチャージしてもよい。

【0089】

なお、提供部46は、利用者の決済によりポイント等の利益が発生しない場合は、利益の付与を行わずともよい。また、提供部46は、利用者が利用目的を選択しなかった場合は、通常口座等、あらかじめ定められた口座にポイントをチャージしてもよく、決済内容等に応じて利用者が指定する可能性が高いと推定される利用目的に従って、ポイントのチャージ等を行ってよい。」

「【0091】

例えば、サーバ装置10は、決済情報を受け付けたか否かを判定し(ステップ101)、決済情報を受け付けた場合は(ステップS101:Yes)、決済処理を実行する(ステップS102)。続いて、サーバ装置10は、決済に伴い提供される利益を特定する(ステップS103)。そして、サーバ装置10は、利益の利用目的の候補を選択し(ステップS104)、利益の利用目的の候補と利益の内容とを提供する(ステップS105)。続いて、サーバ装置10は、利用目的を受け付けたか否かを判定し(ステップS106)、受け付けた場合は(ステップS106:Yes)、利益と利用目的とを紐づける(ステップS107)。一方、サーバ装置10は、利用目的を受け付けていない場合は(ステップS106:No)、ステップS107をスキップする。

【0092】

続いて、サーバ装置10は、利益の提供タイミングか否かを判定し(ステップS108)、提供タイミングではない場合は(ステップS108:No)、ステップS101を実行する。なお、サーバ装置10は、決済情報を受け付けていない場合は(ステップS101:No)、ステップS108を実行する。そして、サーバ装置10は、提供タイミングである場合は(ステップS108:Yes)、紐づけられた利用目的の利益として、利用者に利益を提供し(ステップS109)、処理を終了する。」

「【図2】

130

95

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(2)甲1で示される先願の当初明細書等に記載されているといえる事項

ア 【0006】、【0012】によれば、利用者の端末装置を用いた電子マネーによる決済において利用者に提供されるポイントの利用に関する利便性を向上させることを目的とした、端末装置100とサーバ装置10とを含む情報処理システム1であることが記載されている。

イ 【0027】、【0037】、【0076】によれば、サーバ装置10による、決済処理において、決済が行われたことを契機として、各種の利益が利用者に提供され、各種の利益は、例えば決済額に応じたポイントであることが記載されている。

ウ 【0038】によれば、サーバ装置10は、利益として提供されるポイントを、通常口座にチャージするのか、貯蓄するのか、各種運用の対象とするのか、若しくは寄付するのかといった各種目的の候補の中から、決済履歴に基づいて、利用者が選択しそうな利用目的を利用目的の候補として選択するものであることが記載されている。

エ 【0039】、【0059】、【0060】、【0079】、【図2】によれば、サーバ装置10は、決済完了の通知とともに、特定した利益の内容と、選択した利用目的の候補とを示すとともに、利用目的の指定を受け付けるためのコンテンツを端末装置100に表示させるものであって、コンテンツには、決済を行った店舗、決済額、決済が完了した旨が含まれることが記載されている。

オ 【0039】、【0040】によれば、端末装置100は、利用者から利益の利用目的の選択を受け付け、受け付けた利用目的をサーバ装置10へと送信し、サーバ装置10は、利用者に対して提供される利益と、指定された利用目的とを対応付けて記憶し、サーバ装置10は、利用者に対して利益を提供する場合、指定済みの利用目的に応じて、利用者に対して利益の提供を行うものであることが記載されている。

(3)甲1で示される先願の当初明細書等に記載されている発明

上記(1)及び(2)によれば、甲1で示される先願の当初明細書等には次の発明(以下「先願発明」という。)が記載されている。

「利用者の端末装置を用いた電子マネーによる決済において利用者に提供されるポイントの利用に関する利便性を向上させることを目的とし、端末装置100とサーバ装置10とを含む情報処理システム1であって、

サーバ装置10による、決済処理において、決済が行われたことを契機として、各種の利益が利用者に提供され、各種の利益は、例えば決済額に応じたポイントであり、

サーバ装置10は、利益として提供されるポイントを、通常口座にチャージするのか、貯蓄するのか、各種運用の対象とするのか、若しくは寄付するのかといった各種目的の候補の中から、決済履歴に基づいて、利用者が選択しそうな利用目的を利用目的の候補として選択するものであって、

サーバ装置10は、決済完了の通知とともに、特定した利益の内容と、選択した利用目的の候補とを示すとともに、利用目的の指定を受け付けるためのコンテンツを端末装置100に表示させるものであり、コンテンツには、決済を行った店舗、決済額、決済が完了した旨が含まれており、

端末装置100は、利用者から利益の利用目的の選択を受け付け、受け付けた利用目的をサーバ装置10へと送信し、サーバ装置10は、利用者に対して提供される利益と、指定された利用目的とを対応付けて記憶し、サーバ装置10は、利用者に対して利益を提供する場合、指定済みの利用目的に応じて、利用者に対して利益の提供を行う

情報処理システム1。」

2 甲第2号証の記載事項と甲2発明

(1)甲第2号証の記載事項

甲第2号証(以下「甲2」という。)には以下の事項が記載されている。

「【0007】

本発明の一態様によれば、

利用者の利便性を向上させることができる決済装置、決済方法、プログラム、および決済システム

を提供することができる。」

「【0009】

以下、図面を参照し、本発明の決済装置、決済方法、プログラム、および決済システムの実施形態について説明する。

【0010】

本実施形態の

決済装置は、店舗端末装置または決済アプリから、電子決済の依頼、決済額、店舗の識別情報、および利用者の識別情報を含む決済リクエストを取得する取得部と、前記決済リクエストを取得する度に、前記利用者の識別情報に対応付けられた残高と前記決済額とに基づいて仮想的なお釣りを生成する生成部と、前記お釣りを前記利用者が指定した指定先に送金するための処理を実行する処理部とを備える

【0011】

指定先は、任意の指定先であって、例えば、預金先や、投資先、寄付先などを含む。

「送金するための処理を実行」とは、送金するために実行される処理であって、実際に決済装置が指定先に送金する処理(電子マネーを送金する処理)や、送金するためにお釣りを電子データ上で管理することである。電子データ上で管理とは、例えば、指定先の識別情報に対応付けられて管理しているお釣りの額(電子マネー)を増加させることや、お釣りの額が入金されることを示す情報を決済装置が送信することなどである。

【0012】

<実施形態>

[電子決済サービス]

図1は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。

電子決済サービスは、利用者端末装置10(決済アプリ20)、店舗端末装置50、決済サーバ100、投資管理サーバ300、預金管理サーバ400、および寄付管理サーバ500を中心として実現される

。決済サーバ100は、例えば、一以上の利用者端末装置10、一以上の店舗端末装置50のそれぞれとネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。また、投資管理サーバ300、預金管理サーバ400、または寄付管理サーバ500と、決済サーバ100とは、ネットワークNWを介して通信する。

【0013】

利用者端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置10は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能、位置測定装置(GPS)等を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置10では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、決済サーバ100と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。

【0014】

店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイによって表示されてもよい。

【0015】

決済サーバ100は、利用者端末装置10または店舗端末装置50から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。決済サーバ100は、例えば、利用者IDに対応付けて管理している残高情報を増減させる(換言すると、電子マネーを入出金する)ことで、電子決済を行う。電子決済は、リボ払いやクレジット払い等の方法によって、購買時点の残高情報よりも多額の購買を可能にするものが含まれてよい。

【0016】

図2は、電子決済の大まかな流れを例示した図である。

電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。パターン1の場合、

まず利用者端末装置10において決済アプリ20が起動し、QRコードやバーコード等のコード画像(コード情報)を表示する。利用者は利用者端末装置10の表示面を店舗端末装置50に翳す(提示する)。店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、利用者ID等の情報を取得する。そして、

店舗端末装置50は、電子決済の依頼、利用者ID、決済金額、店舗ID等を含む決済情報(決済リクエスト)を生成し、決済サーバ100に送信する。

決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。

決済サーバ100は、受信した情報に基づいて決済処理を行う。

【0017】

パターン2の場合、

決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする。店舗コード画像60には、店舗名等の情報が含まれている。利用者は、店舗名等が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する。そして、

利用者端末装置10は、電子決済の依頼、利用者ID、決済金額、店舗ID等を含む決済情報(決済リクエスト)を生成し、決済サーバ100に送信する。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて決済処理を行う。

なお、上記のいずれかのパターンでのみ電子決済が行われてもよい。

【0018】

電子決済が完了すると、完了通知が決済サーバ100から利用者端末装置10に送信される。利用者端末装置10は、受信した完了通知に応じて決済完了画面を表示する。完了通知は、例えばWebページの形式である。決済完了画面には、例えば、電子決済が行われた店舗の情報、決済金額、電子決済の結果として利用者に付与されるポイント(特典の一例)の情報等が含まれる

【0019】

[決済サーバ]

図3は、決済サーバ100の構成図である。

決済サーバ100は、

例えば、通信部110と、

コンテンツ提供部120と、

決済処理部130と、設定部140と、連携部150と、記憶部200と

を備える。

コンテンツ提供部120、決済処理部130、設定部140、および連携部150のそれぞれは、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。」

「【0022】

コンテンツ提供部120は、例えば、Webサーバの機能を有し、前述した決済完了画面を含む、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報(コンテンツ)を利用者端末装置10に提供する。

コンテンツ提供部120は、コンテンツ情報230から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置10に提供する。利用者端末装置10は、決済アプリ20によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ100に送信する。」

「【0028】

店舗に関する情報は、店舗情報220として管理されている。図5は、店舗情報220の内容の一例を示す図である。

店舗情報220は、例えば、店舗IDに対して、店舗カテゴリ、所在地、決済パターン等の情報が対応付けられたものである。

店舗カテゴリは、一階層の情報であってもよいし、二階層以上の階層構造を有する情報であってもよい。例えば、図示する「寿司」の上位概念として「和食」や「食事処」、「飲食店」といった情報が付与されてもよい。所在地は、階層化された情報で表されてもよい。決済パターンは、前述したパターン1とパターン2のどちらで決済可能か(両方で決済可能か)を示す情報である。」

「【0034】

[表示されるインターフェース画面に関する説明]

ここで、上述した決済アプリ20が利用者端末装置10の表示部に表示するインターフェース画面について説明する。図6は、インターフェース画面IM1の一例を示す図である。インターフェース画面IM1は、例えば、バーコードC1や、QRコード、支払いの方法(チャージ残高からの支払い)を示す情報、各種サービスに関するボタンを表示部に表示させる。バーコードおよびQRコードは、決済処理において店舗端末装置50が読み取るための情報である。支払いの方法を示す情報は、設定された決済処理で利用される支払いの方法である。各種サービスは、例えば、クーポン付与のサービスや、ショッピングサービス、フリーマーケットサービス、タクシーの配車サービスなどの種々のサービスを含む。

【0035】

インターフェース画面IM1には、インターフェース画面IM1とは別の画面においてコード画像を拡大して表示させるための表示ボタンB1Aが含まれている。このボタンB1Aが操作されると、別の画面でコード画像が拡大表示される。インターフェース画面IM1には、更に、店頭のQRコードを読み取るためにカメラを起動させるためのボタンB1Bが含まれている。このボタンB1Bが操作されると、カメラが起動する。

【0036】

インターフェース画面IM1に対して、利用者が所定の操作(例えばボタンB1Aに対する操作)を行うと、図7のインターフェース画面IM2が表示部に表示される。図7は、インターフェース画面IM2の一例を示す図である。インターフェース画面IM2には、例えば、領域AR1および領域AR2が設定されている。領域AR1には、バーコードやQRコード、残高、ポイントなどの情報が表示されている。」

「【0038】

お釣りに関する設定および指定先は、利用者によって指定される。

例えば、図8-図10のインターフェース画面IM3-IM5が、お釣りに関する設定または指定先を設定する際に、表示部に表示される。

【0039】

図8は、お釣りの設定に関するインターフェース画面IM3を示す図である。インターフェース画面IM3には、ボタンB11-B13が含まれている。ボタンB11は、10円未満のお釣りを指定先に送金することを設定するためのボタンである。ボタンB12は、100円未満のお釣りを指定先に送金することを設定するためのボタンである。ボタンB13は、上記以外の指定した金額未満のお釣りを指定先に送金することを設定するためのボタンである。

【0040】

例えば、お釣り生成部132は、設定された単位額から電子決済の決済額を減算した額を仮想的なお釣りとして生成する。設定された単位額は、複数存在し、お釣り生成部132は、複数の単位額のうちから、決済額に近い単位額を用いてお釣りを生成する。単位額は、仮想的に設定された単位額であってもよいし、対象の国(例えば日本国)において実在する硬貨または紙幣の単位額であってもよい。所定の単位の紙幣または硬貨とは、対象地域(例えば日本)で流通している紙幣および硬貨の単位額や、仮想的に設定された紙幣および硬貨の単位額等である。

【0041】

お釣り生成部132は、設定された単位額から電子決済の決済額を減算した額のN桁目の位までの額を仮想的なお釣りとして生成してもよい。Nは任意の自然数である。例えば、Nが1である場合、一の位の範囲内の端数がお釣りとして生成され、Nが2である場合、十の位の範囲内の端数がお釣りとして生成される。

【0042】

例えば、お釣り生成部132は、Nが2であり、決済額が480円である場合、日本で流通している硬貨または紙幣のうち480円に近い500円を用いて電子決済することを想定し、お釣り20円を生成する。お釣り生成部132は、残高が単位額に満たない場合、残高から電子決済額を差し引いた差分を仮想的なお釣りとする。例えば。残高が490円である場合、10円がお釣りとされる。決済処理部130は、仮想的なお釣りを、利用者が設定した指定先に送金するための処理を実行する。

【0043】

例えば、10円未満のお釣りを指定先に送金することが設定され、95円の商品の電子決済が行われた場合、5円が指定先に送金される。例えば、100円未満のお釣りを指定先に送金することが設定され、950円の商品の電子決済が行われた場合、50円が指定先に送金される。例えば、200円未満のお釣りを指定先に送金することが設定され、350円の商品の電子決済が行われた場合、150円が指定先に送金される。

【0044】

決済サーバ100が、決済アプリ20と協働して利用者端末装置10の表示部に表示させるインターフェース画面について説明する。

【0045】

図9は、指定先の設定に関するインターフェース画面IM4を示す図である。インターフェース画面IM4には、ボタンB21-B23が含まれている。ボタンB21は、指定先を預金に設定するためのボタンである。ボタンB12は、指定先を投資に設定するためのボタンである。ボタンB13は、指定先を寄付に設定するためのボタンである。決済サーバ100は、利用者が指定した指定先にお釣りを送金する。

【0046】

図10は、寄付先の設定に関するインターフェース画面IM5を示す図である。インターフェース画面IM5は、インターフェース画面IM4において寄付が選択された場合に表示される画面である。インターフェース画面IM5には、ボタンB31-B34が含まれている。ボタンB31は、寄付先をジャンルから選ぶためのボタンである。このボタンが操作されると、動物や、子供、途上国などの寄付先のジャンルを示す情報が表示される。ボタンB32は、寄付先をキーワードから選ぶためのボタンである。このボタンが操作されると、利用者がキーワードを入力するための画面が表示され、利用者がキーワードを入力するとキーワードに関連する寄付先の一覧が表示される。」

「【0050】

[シーケンス]

図12は、決済システムにより実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図12では、図2のパターン2の場合の処理である。図2のパターン1の場合も、同様の処理が行われる。また、本処理では、指定先は寄付であるものとする。

【0051】

まず、決済アプリ20が、決済サーバ100に電子決済を依頼する(S10)。次に、

決済サーバ100は、店舗の識別情報、利用者の識別情報、決済額、および利用者のチャージ残高に基づいて、電子決済を行う

(S12)。次に、決済サーバ100は、仮想的なお釣りを算出する(S14)。

【0052】

次に、決済サーバ100は、お釣り情報212を参照して、お釣りを利用者が指定した指定先に送金する(S16)。本処理では、例えば、決済サーバ100は、寄付管理サーバ500に送金を依頼する。寄付管理サーバ500は、お釣りを取得して(電子的なお釣りの情報を取得して)、指定された指定先にお釣りを送金する(S18)。なお、寄付管理サーバ500は省略され、決済サーバ100が、直接、指定先の銀行口座にお釣りを送金してもよい。

【0053】

次に、決済サーバ100は、お釣りを指定先に送金する処理を行ったら、寄付完了の情報を決済アプリ20に提供する(S20)。次に、決済アプリ20は、電子決済が完了したことを示す情報および寄付が完了したことを示す情報を表示部に表示させる(S22)。

【0054】

図13は、寄付および電子決済が完了した場合に表示部に表示されるインターフェース画面IM6の一例を示す図である。

インターフェース画面IM6には、電子決済が行われた店舗の情報、決済額と、電子決済が完了したことを示す情報と、電子決済の完了によって付与されるポイントの情報と、寄付額と、寄付が指定先に寄付されたことを示す情報と、ボタンB41と、ボタンB42とが含まれる。

なお、指定先が投資や銀行口座である場合、寄付に代えて、投資が行われたことを示す情報や銀行口座にお釣りが預金されたことを示す情報がインターフェース画面IM6に含まれる。インターフェース画面IM6は、「前記決済リクエストに係る決済額と、前記電子決済に応じた寄付額、預金額、または投資額を示す情報」の一例である。インターフェース画面IM6は、「前記決済リクエストに係る決済額と、前記電子決済に応じたお釣りの寄付先、預金先または投資先を示す情報」の一例である。」

「【0065】

[他の例(その1)]

決済サーバ100は、決済された店舗の識別情報に基づいて指定先や寄付先を決定してもよい。以下、寄付先が決定される例について説明する。決済サーバ100は、例えば、記憶部200に記憶された寄付先情報240を参照して、寄付先を決定する。図17は、寄付先情報240の内容の一例を示す図である。寄付先情報240は、例えば、店舗と寄付先とが互いに対応付けられた情報である。決済サーバ100は、例えば、店舗Aで電子決済がされた場合、お釣りを寄付先Aに寄付して、店舗Bで電子決済がされた場合、お釣りを寄付先Bに寄付する。

【0066】

上記のように、店舗に応じた指定先に送金が行われるため、利用者は、指定先を選択しなくても指定先に送金を行うことができ、利用者の利便性が向上する。

【0067】

なお、上記の処理において、投資が指定先である場合、店舗に対して、店舗や店舗の運営会社の株式や、当該株式を含む投資先が対応付けられ、店舗で電子決済が行われると店舗の株式に投資がされてもよいし、後述するように店舗の株式が投資先として提案されてもよい。」

「【0071】

[他の例(その2)]

決済サーバ100は、利用者の電子決済の履歴に基づいて、指定先や、指定先の詳細(例えば投資先や寄付先)を決定してもよい。

例えば、店舗Aや種別aの店舗で電子決済を比較的多く行っている傾向の利用者である場合(パターンAの利用者である場合)、パターンAに予め対応付けられた指定先や指定先の詳細に、お釣りが送金される。

上記の処理は、自動で行われてもよいし、指定先や指定先の詳細を設定する際にレコメンドされてもよい。

【0072】

上記のように、指定先が決定されたり、レコメンドされたりするため、利用者が好むと推定される指定先に送金が行われ、利用者の利便性が向上する。

【0073】

[他の例(その3)]

決済サーバ100は、電子決済ごとに指定先が利用者によって指定されてもよい。

図18は、電子決済が完了した場合に表示部に表示されるインターフェース画面IM8の一例を示す図である。

インターフェース画面IM8は、電子決済が完了した場合に利用者端末装置10の表示部に表示される。インターフェース画面IM8には、例えば、お釣り「150円」を預金するか、投資するか、寄付するかを問い合わせる内容が含まれる。インターフェース画面IM8に対して、利用者が指定先を選択する操作を行うと、操作に応じた指定先にお釣りが送金される。

「【0075】

[他の例(その4)]

決済サーバ100は、電子決済ごとに指定先の詳細(例えば寄付先や投資先)が指定されてもよい。図19は、電子決済が完了した場合に表示部に表示されるインターフェース画面IM9の一例を示す図である。

例えば、利用者は、お釣りを寄付することに設定しているものとする。

インターフェース画面IM9には、

例えば、お釣り「150円」を

寄付先(○○協会)に寄付するか、寄付先(○○支援機構)に寄付するかを問い合わせる内容が含まれる

インターフェース画面IM9に対して、利用者が寄付先を選択する操作を行うと、操作に応じた寄付先にお釣りが送金される。インターフェース画面IM9に含まれる寄付先は、店舗に応じた寄付先(店舗の識別情報に対応付けられた寄付先や店舗が推奨している寄付先等)であってもよいし、利用者が選択した寄付先であってもよい。

「【0081】

また、上記の各処理および各実施形態の一部または全部は、組み合わされた実行されてもよい。更に、決済サーバ100において実行された処理の一部または全部は、決済アプリ20が実行してもよいし、他の装置が実行してもよい。決済アプリ20において実行された処理の一部または全部は、決済サーバ100が実行してもよいし、他の装置が実行してもよい。例えば、決済サーバ100の機能構成の一部または全部は複数の装置に分散されていてもよい。更に、決済サーバ100の記憶部200に記憶されている情報は、利用者端末装置10に記憶されてもいてもよい。

【0082】

なお、上記の例において、指定先が寄付であるものとして説明されている箇所は、適宜、投資や預金など他の指定先と置き換えられてもよい。また、上述した各説明や具体例、他の例などの実施形態は、適宜組み合わされて実行されてもよい。

【0083】

また、上記の例では、

お釣りが指定先に送金されるものとして説明したが、これに代えて(または加えて)電子決済に係るポイントが指定先に提供される処理が実行されてもよい。この処理は、上述した処理のお釣りをポイントに読み替えることで実現される。

「【図1】

59

110

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「【図2】

60

105

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「【図6】

131

72

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「【図7】

117

71

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「【図18】

95

106

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「【図19】

93

105

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(2)甲2に記載されているといえる事項

ア 【0007】、【0012】によれば、利用者の利便性を向上させることを目的とした、利用者端末装置10、店舗端末装置50、決済サーバ等を含む決済システムであることが記載されている。

イ 【0016】~【0018】によれば、電子決済では、店舗端末装置50または利用者端末装置10によって、電子決済の依頼、利用者ID、決済金額、店舗ID等を含む決済情報(決済リクエスト)が生成され、決済サーバ100に送信されると、決済サーバ100は、受信した情報に基づいて決済処理を行い、電子決済が完了すると、完了通知が決済サーバ100から利用者端末装置10に送信され、利用者端末装置10は、受信した完了通知に応じて決済完了画面を表示するものであって、完了通知は、Webページの形式であり、決済完了画面には、電子決済が行われた店舗の情報、決済金額、電子決済の結果として利用者に付与されるポイント(特典の一例)の情報等が含まれるものであることが記載されている。

ウ 【0071】~【0076】、【0083】によれば、決済サーバ100は、電子決済ごとに、指定先の詳細(例えば投資先や寄付先)を決定してもよいものであって、指定先や指定先の詳細を設定する際にレコメンドされ、指定先にお釣りが送金されること、お釣りをポイントと読み替えることで、お釣りに代えて

電子決済に係るポイントが指定先に提供される処理が実行され

ることが記載されている。

エ 【0073】によれば、決済サーバ100は、電子決済が完了した場合に利用者端末装置10の表示部に表示されるインターフェース画面IM8には、お釣りを預金するか、投資するか、寄付するかを問い合わせる内容が含まれ、インターフェース画面IM8に対して、利用者が指定先を選択する操作を行うと、操作に応じた指定先にお釣りが送金されることが記載されている。

オ 【0075】、【図19】によれば、決済サーバ100は、電子決済が完了した場合に利用者端末装置10の表示部に表示されるインターフェース画面IM9には、寄付先(○○協会)に寄付するか、寄付先(○○支援機構)に寄付するかを問い合わせる内容が含まれ、インターフェース画面IM9には、複数の寄付先に対応した矩形のボタンが表示され、インターフェース画面IM9に対して、利用者が寄付先を選択する操作を行うと、操作に応じた寄付先にお釣りが送金され、インターフェース画面IM9に含まれる寄付先として店舗が推奨している寄付先を含めてもよいことが記載又は図示されている。

(3)甲2に記載されている発明、甲2に記載されている事項

ア 上記(1)及び(2)によると、甲2には、以下の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されている。

「利用者の利便性を向上させることを目的とした、利用者端末装置10、店舗端末装置50、決済サーバ100等を含む決済システムであって、

電子決済では、店舗端末装置50または利用者端末装置10によって、電子決済の依頼、利用者ID、決済金額、店舗ID等を含む決済情報(決済リクエスト)が生成され、決済サーバ100に送信されると、決済サーバ100は、受信した情報に基づいて決済処理を行い、

電子決済が完了すると、完了通知が決済サーバ100から利用者端末装置10に送信され、利用者端末装置10は、受信した完了通知に応じて決済完了画面を表示するものであって、完了通知は、Webページの形式であり、決済完了画面には、電子決済が行われた店舗の情報、決済金額、電子決済の結果として利用者に付与されるポイント(特典の一例)の情報等が含まれるものであり、

決済サーバ100は、電子決済ごとに、指定先の詳細(例えば投資先や寄付先)を決定してもよいものであって、指定先や指定先の詳細を設定する際にレコメンドされ、指定先にお釣りが送金されること、お釣りをポイントと読み替えることで、お釣りに代えて電子決済に係るポイントが指定先に提供される処理が実行されるものであり、

決済サーバ100は、電子決済が完了した場合に利用者端末装置10の表示部に表示されるインターフェース画面IM8には、お釣りを預金するか、投資するか、寄付するかを問い合わせる内容が含まれ、インターフェース画面IM8に対して、利用者が指定先を選択する操作を行うと、操作に応じた指定先にお釣りが送金される、

決済システム。」

イ また、甲2には、上記アの甲2発明に加え、以下の事項が記載されている。

「決済サーバ100は、電子決済が完了した場合に利用者端末装置10の表示部に表示されるインターフェース画面IM9には、寄付先(○○協会)に寄付するか、寄付先(○○支援機構)に寄付するかを問い合わせる内容が含まれ、インターフェース画面IM9には、複数の寄付先に対応した矩形のボタンが表示され、インターフェース画面IM9に対して、利用者が寄付先を選択する操作を行うと、操作に応じた寄付先にお釣りが送金され、インターフェース画面IM9に含まれる寄付先として店舗が推奨している寄付先を含めてもよいこと。」

3 甲第3号証の記載事項

甲第3号証(以下「甲3」という。)には以下の事項が記載されている。

「【0048】

図9および図10は、端末50が表示する画面を示す説明図である。以下、ポイント運用開始時およびポイント運用終了時の画面遷移について、順に説明する。なお、図9および図10では、ポイントと連動する金融商品が株式である場合を例示する。

【0049】

[ポイント運用開始時(図9参照)]

図9Aは、事業者サーバ30が提供する金融サービス画面である。

図9Aに示すように、端末50は、ポイント管理DB320から読み出されたポイント残高(たとえば500pt)をユーザが保有するポイントの運用状況として表示する。

また、端末50は、グルメ、書籍、旅行および金融のボタンなどをポイントサービスの一覧として表示する。

【0050】

端末50は、金融ボタンの選択を受け付けると、図9Bの画面を表示する。ポイント管理DB132にログインする場合、運用者サーバ10は本人のユーザIDおよびパスワードを認証することにより、ログインを許可する。

【0051】

図9Bは、運用者サーバ10が提供する金融サービス画面である。

図9Bに示すように、端末50は、ユーザの運用状況として、ポイント残高、運用残高ポイント、保有銘柄ボタンおよび運用履歴ボタンなどを表示する。また、銘柄情報として、各銘柄の株価の推移グラフと、各銘柄に対応する「購入へ」ボタンとを表示する。

【0052】

図9Bに端末50が表示するポイント残高(たとえば500pt)および運用残高ポイント(たとえば0pt)は、ポイント管理DB132から取得する。また、株価の推移グラフは、レート情報DB720から取得する。」

「【図9】

153

98

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これらの記載から、甲3には、「ユーザが保有するポイントの運用状況について、ポイント残高、運用残高ポイント、保有銘柄ボタンおよび運用履歴ボタンを表示するとともに、銘柄情報として各銘柄の株価の推移グラフと各銘柄に対応する「購入へ」ボタンを表示する」との事項が記載されているといえる。

4 参考文献(特開2004-227395号公報)の記載事項

異議申立人が令和7年9月22日に提出した意見書に参考資料として添付した特開2004-227395号公報には、以下の事項が記載されている。

「【0022】

事業者は、例えばデパートやレストランあるいは航空会社などのさまざまな対象があり、買い物をしたり食事あるいは航空機の利用をしたときにその支払った金額に応じた特典を提供することが行われている。

デパートでは、例えば買い物をした金額に対して単位金額あたりに何点というポイントを提供することで、そのポイント数が一定量に達すると商品券としての利用ができるようにした特典を提供している。

「【0039】

図7(a)は、顧客の携帯電話機4a~4cの表示部7に、交換条件が成立したものについて、システム管理サーバ1から送信された結果を表示している例を示している。ここでは、顧客「BBbb」について示したものである。

提供特典Bに対して、特典Aと特典Cとが表示され、そのうち特典Aについてはシステム管理サーバ1側が推奨した交換条件であることが表示されている。顧客は、この表示を見て、所望する交換条件を選択してシステム管理サーバ1側に送信する。

同図(b)には、選択した結果を表示している。ここでは、例えば、推奨された特典Aではなく、特典Cを選んだ場合を示している。」

「【図7】

79

106

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これらの記載から、参考文献には、「買い物をした金額に対してポイントを提供して特典への交換を行い、ポイントの交換を行う際の表示画面には交換条件が成立した複数の特典を表示するとともに、特定の特典についてシステム管理サーバ1側が推奨した交換条件であることを示す矩形の中に「推奨」の文字を表示する」との技術事項(以下「参考文献記載の技術事項」という。)が記載されているといえる。

第7 当審の判断

1 理由1(拡大先願)について

(1)本件発明1について

ア 対比

本件発明1と先願発明とを対比する。

(ア)本件発明1の「一の決済処理に伴って、決済金額に応じたポイントを顧客に付与するように構成されるポイント付与部と、」について

先願発明の「決済処理」、「決済額」、「ポイント」、「利用者」は、それぞれ本件発明1の「決済処理」、「決済金額」、「ポイント」、「顧客」に相当する。

また、先願発明の「サーバ装置10」は、「決済額に応じたポイント」である各種の利益を利用者に提供する処理を行うものであるから、そのような処理を行う先願発明の「サーバ装置10」は、本件発明1と同様に「決済金額に応じたポイントを顧客に付与するように構成される」ものである。

そして、先願発明において、「決済額に応じたポイント」を利用者に提供する処理は、「決済が行われたことを契機として」、決済が行われるごとに行われるものであるから、本件発明1の「一の決済処理に伴って」行われる処理であるといえる。

そうすると、先願発明の「サーバ装置10」において、「決済が行われたことを契機として、各種の利益が利用者に提供され」る処理を実行する手段は、本件発明1の「一の決済処理に伴って、決済金額に応じたポイントを顧客に付与するように構成されるポイント付与部」に相当する。

(イ)本件発明1の「ポイントと引き替え可能な複数の特典の中から、前記一の決済処理で付与されたポイントと引き替えられる候補として複数の候補特典を特定するように構成される特定部と、」について

本件発明1の「ポイントと引き替え可能な複数の特典」は、貯蓄や運用(投資)の対象となる金融商品や寄付金を含むところ(本件特許明細書の段落【0018】等)、先願発明の「通常口座にチャージするのか、貯蓄するのか、各種運用の対象とするのか、若しくは寄付するのかといった各種目的」は、それぞれポイントを利用する目的であることから、本件発明1の「ポイントと引き替え可能な複数の特典」に相当する。

先願発明の「サーバ装置10」は、「利用者が選択しそうな利用目的を利用目的の候補として選択」しており、「サーバ装置10」は、「ポイントと引き替えられる候補として複数の候補特典を特定」しているといえる。

そうすると、先願発明の「サーバ装置10」において、「利用者が選択しそうな利用目的を利用目的の候補として選択する」処理を実行する手段は、本件発明1の「ポイントと引き替え可能な複数の特典の中から、前記一の決済処理で付与されたポイントと引き替えられる候補として複数の候補特典を特定するように構成される特定部」に相当する。

(ウ)本件発明1の「前記一の決済処理の結果を示す決済完了画面を表示させるための決済情報を送信するように構成される送信部であって、」について

上記(イ)を踏まえると、先願発明の「選択した利用目的の候補」は、本件発明1の「前記複数の候補特典の品目」に相当する。

先願発明の「サーバ装置10」は、

決済完了の通知

とともに、特定した利益の内容と、選択した利用目的の候補と

を示す

とともに、利用目的の指定を受け付けるための

コンテンツを端末装置100に表示させるもの

であり、

コンテンツには、決済を行った店舗、決済額、決済が完了した旨が含まれている

ことから、先願発明の「サーバ装置10」は、「前記一の決済処理の結果を示す決済完了画面を表示させるための決済情報を送信」しているといえる。

そうすると、先願発明の「サーバ装置10」において、「決済完了の通知とともに、利用目的の指定を受け付けるためのコンテンツを端末装置100に表示させる」処理を実行する手段は、本件発明1の「前記一の決済処理の結果を示す決済完了画面を表示させるための決済情報を送信するように構成される送信部」に相当する。

(エ)「前記決済完了画面には、前記複数の候補特典の品目と、前記複数の候補特典の品目の各々に対応する複数の選択ボタンと、前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す複数の種別マークと、が含まれ、前記複数の種別マークは、前記一の決済処理で付与されたポイントに、前記顧客が貯蓄している保有ポイントを合算した合算ポイントにより引き替え可能な特典であることを示す合算マーク、前記顧客により事前登録される指定特典であることを示す指定マーク、又は前記決済金額を受け取る事業者により事前登録される推奨特典であることを示す推奨マーク、のうち1以上を含む、送信部と、」について

先願発明の「サーバ装置10」は、決済完了の通知とともに、特定した利益の内容と、

選択した利用目的の候補とを示す

とともに、利用目的の指定を受け付けるための

コンテンツを端末装置100に表示させるもの

であるから、先願発明において、「端末装置100」の決済完了の通知を表示しているコンテンツには、「前記複数の候補特典の品目」が含まれているといえる。

そうすると、先願発明の「サーバ装置10」において、「決済完了の通知とともに、特定した利益の内容と、選択した利用目的の候補とを示すとともに、利用目的の指定を受け付けるためのコンテンツ」を端末装置100に表示させることは、本件発明1の「前記決済完了画面には、前記複数の候補特典の品目」が含まれることに相当する。

(オ)本件発明1の「前記決済完了画面において前記複数の候補特典の品目のうちの少なくとも1つが選択された場合に、前記一の決済処理で付与されたポイントを、選択された品目に係る特典と引き替える特典引き替え処理を行うように構成される引き替え部と、」について

先願発明において、上記(エ)で言及した「利用目的の指定を受け付けるためのコンテンツを端末装置100に表示させ」たことに対し、「端末装置100は、利用者から利益の利用目的の選択を受け付け」ることは、本件発明1の「前記決済完了画面において前記複数の候補特典の品目のうちの少なくとも1つが選択」されることに相当する。

そして、先願発明では、端末装置100が「受け付けた利用目的をサーバ装置10へと送信」すると、「サーバ装置10は、利用者に対して提供される利益と、指定された利用目的とを対応付けて記憶し、サーバ装置10は、利用者に対して利益を提供する場合、指定済みの利用目的に応じて、利用者に対して利益の提供を行う」ものであり、先願発明の「サーバ装置10」において「指定済みの利用目的に応じて、利用者に対して利益の提供を行う」ことは、本件発明1の「選択された品目に係る特典と引き替える特典引き替え処理を行う」ことに相当する。

そうすると、先願発明の「サーバ装置10」において、「指定済みの利用目的に応じて、利用者に対して利益の提供を行う」処理を実行する手段は、本件発明1の「前記決済完了画面において前記複数の候補特典の品目のうちの少なくとも1つが選択された場合に、前記一の決済処理で付与されたポイントを、選択された品目に係る特典と引き替える特典引き替え処理を行うように構成される引き替え部」に相当する。

(カ)本件発明1の「を備える、ポイントプログラムの運用システム。」について

先願発明の「情報処理システム1」は、上記(ア)~(オ)を考慮すると、ポイントを用いたサービスを運用しているシステムであることから、本件発明1の「ポイントプログラムの運用システム。」に相当する。

(キ)本件発明1と先願発明は、以下の点で一致し、以下の点で相違する。

(一致点)

一の決済処理に伴って、決済金額に応じたポイントを顧客に付与するように構成されるポイント付与部と、

ポイントと引き替え可能な複数の特典の中から、前記一の決済処理で付与されたポイントと引き替えられる候補として複数の候補特典を特定するように構成される特定部と、

前記一の決済処理の結果を示す決済完了画面を表示させるための決済情報を送信するように構成される送信部であって、前記決済完了画面には、前記複数の候補特典の品目が含まれる、送信部と、

前記決済完了画面において前記複数の候補特典の品目のうちの少なくとも1つが選択された場合に、前記一の決済処理で付与されたポイントを、選択された品目に係る特典と引き替える特典引き替え処理を行うように構成される引き替え部と、

を備える、ポイントプログラムの運用システム。

(相違点)

本件発明1の「決済完了画面」は「前記複数の候補特典の品目の各々に対応する複数の選択ボタンと、前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す複数の種別マークと、が含まれ、前記複数の種別マークは、前記一の決済処理で付与されたポイントに、前記顧客が貯蓄している保有ポイントを合算した合算ポイントにより引き替え可能な特典であることを示す合算マーク、前記顧客により事前登録される指定特典であることを示す指定マーク、又は前記決済金額を受け取る事業者により事前登録される推奨特典であることを示す推奨マーク、のうち1以上を含む、」ものであるのに対して、先願発明の決済完了の通知を表示しているコンテンツにはそのような特定がなされていない点。

イ 判断

上記相違点について検討すると、上記相違点に係る構成は「決済完了画面」において特典の種類を容易に把握するための具体的な構成を特定するものであり、実質的な相違点である。

したがって、本件発明1は、先願発明と同一であるとはいえない。

ウ 異議申立人の主張について

異議申立人は、特許異議申立書において、本件発明1は先願発明と同一である旨主張している。

しかしながら、上記ア~イのとおり、本件発明1は、先願発明と同一であるとはいえない。

したがって、異議申立人の上記主張は採用できない。

エ 小括

以上のとおり、本件発明1は、先願発明と同一ではないから、理由1についての取消理由を維持することはできない。

(2)本件発明2~12について

本件発明2~12は、本件発明1の構成に限定を加えて減縮したものであり、これらの発明は、いずれも上記相違点に係る構成を有しているから、上記「(1)本件発明1について」で示したものと同様の理由により、先願発明と同一ではない。

よって、本件発明2~12についての取消理由を維持することはできない。

(3)本件発明13について

本件発明13は、本件発明1の「ポイントプログラムの運用システム」における「ポイント付与部」、「特定部」、「送信部」、「引き替え部」の各機能を、当該システムが備える「1以上のサービスサーバのうち少なくとも1つ」が実現することを特定した発明であって、上記相違点に係る構成を有しているから、上記「(1)本件発明1について」で示したものと同様の理由により、先願発明と同一ではない。

よって、本件発明13についての取消理由を維持することはできない。

(4)本件発明14,15について

本件発明14、15は、本件発明1の「ポイントプログラムの運用システム」の発明を、それぞれ「ポイントプログラムの運用方法」、「コンピュータプログラム」として記載した発明であって、いずれも上記相違点に係る構成を有しているから、上記「(1)本件発明1について」で示したものと同様の理由により、先願の当初明細書に記載された発明と同一ではない。

よって、本件発明14、15についての取消理由を維持することはできない。

2 理由2(進歩性)について

(1)本件発明1について

ア 対比

本件発明1と甲2発明とを対比する。

(ア)「一の決済処理に伴って、決済金額に応じたポイントを顧客に付与するように構成されるポイント付与部と、」について

甲2発明の「電子決済」、「決済金額」、「利用者」、「ポイント」は、それぞれ本件発明1の「決済処理」、「決済金額」、「顧客」、「ポイント」に相当する。

甲2発明は、「決済サーバ100」において電子決済が完了すると、電子決済の結果として利用者にポイントが付与されるものであり、本件発明1の一の決済処理に伴って、顧客にポイントが付与されているといえる。

そうすると、甲2発明の「決済サーバ100」は、本件発明1の「一の決済処理に伴って」、「ポイントを顧客に付与する」処理を実現するための手段を有しているといえるから、甲2発明の「決済サーバ100」におけるそのような手段は、本件発明1の「一の決済処理に伴って、決済金額に応じたポイントを顧客に付与するように構成されるポイント付与部」と、「一の決済処理に伴って、ポイントを顧客に付与するように構成されるポイント付与部」である点で共通する。

(イ)「ポイントと引き替え可能な複数の特典の中から、前記一の決済処理で付与されたポイントと引き替えられる候補として複数の候補特典を特定するように構成される特定部と、」について

甲2発明において、「決済サーバ100は、電子決済ごとに、指定先の詳細(例えば投資先や寄付先)を決定してもよいもの」であって、「指定先の詳細(例えば投資先や寄付先)」に、お釣り(ポイント)を送金することで、投資や寄付などが行われることから、甲2発明の「投資」や「寄付」は、本件発明1の「ポイントと引き替え可能な複数の特典」に相当する。

また、甲2発明の「決済サーバ100」が「指摘先や指定先の詳細をレコメンド」するには、利用者がお釣り(ポイント)を送金することで利用するサービスを特定してレコメンドすることになるから、本件発明1と同様に、「前記一の決済処理で付与されたポイントと引き替えられる候補として複数の候補特典を特定」していることは明らかである。

そうすると、甲2発明の「決済サーバ100」が「電子決済ごとに、指定先の詳細(例えば投資先や寄付先)を決定」したり「指摘先や指定先の詳細をレコメンド」したりする処理を実現するための手段は、本件発明1の「ポイントと引き替え可能な複数の特典の中から、前記一の決済処理で付与されたポイントと引き替えられる候補として複数の候補特典を特定するように構成される特定部」に相当する。

(ウ)「前記一の決済処理の結果を示す決済完了画面を表示させるための決済情報を送信するように構成される送信部であって、」について

甲2発明の「完了通知」は、電子決済が完了すると、完了通知が決済サーバ100から利用者端末装置10に送信され、利用者端末装置10は、完了通知に応じて決済完了画面を表示するものであるから、本件発明1の「前記一の決済処理の結果を示す決済完了画面を表示させるための決済情報」に相当する。

また、甲2発明の「インターフェース画面IM8」は、電子決済が完了した場合に利用者端末装置10の表示部に表示される画面であり、【図18】、【図19】には、「電子決済完了」との記載があることから、本件発明1の「決済完了画面」といえる。

そうすると、甲2発明の「決済サーバ100」が完了通知を利用者端末装置10に送信する機能を実現する手段は、本件発明1の「前記一の決済処理の結果を示す決済完了画面を表示させるための決済情報を送信するように構成される送信部」に相当する。

(エ)「前記決済完了画面には、前記複数の候補特典の品目と、前記複数の候補特典の品目の各々に対応する複数の選択ボタンと、前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す複数の種別マークと、が含まれ、前記複数の種別マークは、前記一の決済処理で付与されたポイントに、前記顧客が貯蓄している保有ポイントを合算した合算ポイントにより引き替え可能な特典であることを示す合算マーク、前記顧客により事前登録される指定特典であることを示す指定マーク、又は前記決済金額を受け取る事業者により事前登録される推奨特典であることを示す推奨マーク、のうち1以上を含む、送信部と、」について

甲2発明の電子決済が完了した場合に、利用者端末装置10の表示部に表示されるインターフェース画面IM8には、お釣りを預金するか、投資するか、寄付するかを問い合わせる内容が含まれ、インターフェース画面IM8には、複数の送金を行う指定先に対応した矩形のボタンが表示され、インターフェース画面IM8に対して、利用者が指定先を選択する操作を行うと、操作に応じた指定先にお釣りが送金されることから、甲2発明の「インターフェース画面IM8における複数の指定先や指定先に対応した矩形のボタン」は、本件発明1の「前記複数の候補特典の品目と、前記複数の候補特典の品目の各々に対応する複数の選択ボタン」に相当する。

そうすると、甲2発明の決済サーバ100が利用者端末装置に複数の送金を行う指定先や指定先に対応した矩形のボタンを含むインターフェース画面IM8を送信する機能を実現する手段は、本件発明1の「前記決済完了画面には、前記複数の候補特典の品目と、前記複数の候補特典の品目の各々に対応する複数の選択ボタンと、前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す複数の種別マークと、が含まれ、前記複数の種別マークは、前記一の決済処理で付与されたポイントに、前記顧客が貯蓄している保有ポイントを合算した合算ポイントにより引き替え可能な特典であることを示す合算マーク、前記顧客により事前登録される指定特典であることを示す指定マーク、又は前記決済金額を受け取る事業者により事前登録される推奨特典であることを示す推奨マーク、のうち1以上を含む、送信部」と、「決済完了画面には、前記複数の候補特典の品目と、前記複数の候補特典の品目の各々に対応する複数の選択ボタンと、が含まれる送信部」という点で共通する。

(オ)「前記決済完了画面において前記複数の候補特典の品目のうちの少なくとも1つが選択された場合に、前記一の決済処理で付与されたポイントを、選択された品目に係る特典と引き替える特典引き替え処理を行うように構成される引き替え部と、」について

甲2発明の「インターフェース画面IM8に対して、利用者が指定先を選択する操作を行う」ことは、本件発明1の「決済完了画面において前記複数の候補特典の品目のうち少なくとも1つが選択され」ることに相当する。

そして、甲2発明の「操作に応じた指定先にお釣りが送金される」ことは、お釣りを預金するか、投資するか、寄付するかを問い合わせる内容に対して操作することで、操作に応じた選択が行われ、指定先にお釣り(ポイント)が送金されることになるものであるから、本件発明1の「選択された品目に係る特典と引き替える特典引き替え処理を行う」ことに相当する。

そうすると、甲2発明の「決済サーバ100」において「操作に応じた指定先にお釣りが送金される」ようにする手段は、本件発明1の「前記決済完了画面において前記複数の候補特典の品目のうちの少なくとも1つが選択された場合に、前記一の決済処理で付与されたポイントを、選択された品目に係る特典と引き替える特典引き替え処理を行うように構成される引き替え部」と、「決済完了画面において前記複数の候補特典の品目のうちの少なくとも1つが選択された場合に、前記一の決済処理で付与されたポイントを、選択された品目に係る特典と引き替える特典引き替え処理を行うように構成される」という点で共通する。

(カ)「を備える、ポイントプログラムの運用システム。」について

甲2発明の「決済システム」は、上記(ア)~(オ)を考慮すると、ポイントを用いたサービスを運用しているシステムであることから、以下の相違点を除き、本件発明1の「ポイントプログラムの運用システム。」に相当する。

上記(ア)~(カ)で言及したとおり、本件発明1と甲2発明は、以下の一致点、相違点を有する。

[一致点]

一の決済処理に伴って、ポイントを顧客に付与するように構成されるポイント付与部と、

ポイントと引き替え可能な複数の特典の中から、前記一の決済処理で付与されたポイントと引き替えられる候補として複数の候補特典を特定するように構成される特定部と、

前記一の決済処理の結果を示す決済完了画面を表示させるための決済情報を送信するように構成される送信部であって、決済完了画面には、前記複数の候補特典の品目と、前記複数の候補特典の品目の各々に対応する複数の選択ボタンと、が含まれる、送信部と、

決済完了画面において前記複数の候補特典の品目のうちの少なくとも1つが選択された場合に、前記一の決済処理で付与されたポイントを、選択された品目に係る特典と引き替える特典引き替え処理を行うように構成される引き替え部と、

を備える、ポイントプログラムの運用システム。

[相違点]

(相違点1)

本件発明1は、「決済額に応じた」ポイントであるのに対して、甲2発明には、その旨明記されていない点。

(相違点2)

本件発明1は、「前記」決済完了画面に、「前記複数の候補特典の品目と、前記複数の候補特典の品目の各々に対応する複数の選択ボタンと、前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す複数の種別マークと、が含まれ、前記複数の種別マークは、前記一の決済処理で付与されたポイントに、前記顧客が貯蓄している保有ポイントを合算した合算ポイントにより引き替え可能な特典であることを示す合算マーク、前記顧客により事前登録される指定特典であることを示す指定マーク、又は前記決済金額を受け取る事業者により事前登録される推奨特典であることを示す推奨マーク、のうち1以上を含む」のに対して、甲2発明は「前記」決済完了画面か否か明記されておらず、また、甲2発明の決済完了画面には「前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す複数の種別マーク」であって「前記複数の種別マークは、前記一の決済処理で付与されたポイントに、前記顧客が貯蓄している保有ポイントを合算した合算ポイントにより引き替え可能な特典であることを示す合算マーク、前記顧客により事前登録される指定特典であることを示す指定マーク、又は前記決済金額を受け取る事業者により事前登録される推奨特典であることを示す推奨マーク、のうち1以上を含む」複数の種別マークが含まれることが特定されていない点。

(相違点3)

本件発明1は、「前記」決済完了画面において前記複数の候補特典の品目のうちの少なくとも1つが選択されるものであるのに対して、甲2発明は「前記」決済完了画面か否か明記されていない点。

イ 判断

事案に鑑み、相違点2について検討する。

決済完了画面に「前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す複数の種別マーク」を表示することは、甲第3号証及び参考文献のいずれにも記載されていない。そのため、甲2発明に甲第3号証及び参考文献に記載された事項を適用しても、上記相違点2に係る構成には至らない。

したがって、甲2発明及び甲第3号証に記載の事項に基づいて、当業者であれば上記相違点2に係る構成を容易に想到し得たとはいえない。

ウ 異議申立人の主張について

異議申立人は令和7年9月22日に提出した意見書において、

「(III)周知技術について

少なくとも「推奨マーク」を、特典を引き替えるための画面に表示することは周知である。

例えば、参考資料(特開2004-227395号公報)には、「事業者は、例えばデパートやレストランあるいは航空会社などのさまざまな対象があり、買い物をしたり食事あるいは航空機の利用をしたときにその支払った金額に応じた特典を提供することが行われている。デパートでは、例えば買い物をした金額に対して単位金額あたりに何点というポイントを提供することで、そのポイント数が一定量に達すると商品券としての利用ができるようにした特典を提供している。」(段落0022)と記載されており、「提供特典Bに対して、特典Aと特典Cとが表示され、そのうち特典Aについてはシステム管理サーバ1側が推奨した交換条件であることが表示されている。」(段落0039)と記載されている。

また、参考資料の図7(a)には、「特典A」「特典B」のような複数の特典の品目と、「1」「2」などの複数の特典の各々を入力する番号を含む矩形(ボタン)と、推奨マークと、が含まれる画面が開示されている。」との主張を行うとともに、

「(iii)相違点の判断

本件発明1の構成ウ3において、「推奨特典」とは、「前記決済金額を受け取る事業者により事前登録される」特典であるところ、引用文献2の段落0075には「インターフェース画面IM9に含まれる寄付先は、・・店舗が推奨している寄付先」との記載から、店舗が推奨する寄付先を表示させるようにするには、店舗が、推奨する寄付先をどこかに事前に登録しなければならないことは自明であるか容易に理解できることであり、また、店舗が推奨している寄付先であることを情報として表示させることを示唆している。

また、構成ウ3は、「複数の選択ボタンの各々に係る特典」が、同じ「種別マーク」によって示される場合を含むと解されるため、構成ウ3には、「複数の選択ボタンの各々に係る特典」が、同じ「前記決済金額を受け取る事業者により事前登録される推奨特典であることを示す推奨マーク」によって示されている「決済完了画面」を表示させるための情報を決済情報に含めることが含まれる。この「推奨マーク」がいかなるマークであるかは本件発明1には規定されておらず、画面内のオブジェクトを推奨マークと呼ぶかどうかは主観の問題に過ぎないこと、推奨マークを付すことは周知であることを鑑みれば、当業者であれば、「決済完了画面」において「前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す複数の種別マーク」として「前記決済金額を受け取る事業者により事前登録される推奨特典であることを示す推奨マーク」を付すことは、引用文献2に基づいて容易に想到し得たことである。よって、本件発明1は、特許法第29条第2項により、特許を受けることができないものである。」との主張を行っているので、以下より検討する。

本件発明1は、決済完了画面に「前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す

複数の種別マーク

」が含まれるものであり、また、「複数の種別マーク」には「推奨マーク」等が1以上含まれるものである(本件発明1の異議申立人による分説の構成ウ3)。

この点について、異議申立人は「複数の選択ボタンの各々に係る特典」が、同じ「種別マーク」によって示される場合を含むため、同じ「前記決済金額を受け取る事業者により事前登録される推奨特典であることを示す推奨マーク」によって示されている「決済完了画面」を表示させるための情報を決済情報に含めることが含まれる。」との主張を行っており、本件発明1は、「種別マーク」である「推奨マーク」のみを表示するものも含まれる旨主張している。

しかしながら、本件発明1は、決済完了画面に「前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す

複数の種別マーク

」が含まれるものであり、「種別マーク」が

複数

存在することが特定されている。そして、参考文献には本件発明1の「推奨マーク」に関連する表示を行うことが記載されており、また、甲2にはインターフェース画面IM9に含まれる寄付先として店舗が推奨している寄付先を含めてもよいことが記載されているものの(【0075】、【図19】)、「推奨マーク」以外の「種別マーク」を表示、すなわち、複数の「種別マーク」を表示することは記載されておらず、甲2発明において複数の「種別マーク」を表示することについては、甲第2号証~甲第4号証及び参考文献を考慮しても、当業者が甲2発明から容易に想到し得たものとはいえない。

また、仮に、本件発明1における「前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す複数の種別マーク」との構成について、1種類の「種別マーク」を複数個表示するものが含まれると解釈したとしても、甲2に記載の複数の寄付先(【図19】では2つの寄付先)の中から寄付を行う寄付先を選択するインターフェース画面IM9において、「推奨マーク」を1つではなく複数個表示することに動機付けは無く、むしろ、複数個の「推奨マーク」を表示することは、特定の特典を推奨するという「推奨マーク」の機能を損なうものであるともいえることから、甲2発明において複数の「推奨マーク」を表示することについては、甲第2号証~甲第4号証及び参考文献を参照しても、当業者が甲2発明から容易に想到し得たものとはいえない。

したがって、異議申立人の上記主張は採用できない。

エ 小括

以上のとおり、本件発明1は、甲第2号証~甲第3号証及び参考文献に記載された事項を勘案しても、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、取消理由を維持することはできない。

(2)本件発明2~12について

本件発明2~12は、本件発明1の構成に限定を加えて減縮したものであり、これらの発明は、いずれも上記相違点2に係る構成を有しているから、上記「(1)本件発明1について」で示したものと同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

よって、本件発明2~12についての取消理由を維持することはできない。

(3)本件発明13について

本件発明13は、本件発明1の「ポイントプログラムの運用システム」における「ポイント付与部」、「特定部」、「送信部」、「引き替え部」の各機能を、当該システムが備える「1以上のサービスサーバのうち少なくとも1つ」が実現することを特定した発明であって、上記相違点2に係る構成を有しているから、上記「(1)本件発明1について」で示したものと同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

よって、本件発明13についての取消理由を維持することはできない。

(4)本件発明14、15について

また、本件発明14、15は、本件発明1の「ポイントプログラムの運用システム」の発明を、それぞれ「ポイントプログラムの運用方法」、「コンピュータプログラム」として記載した発明であって、いずれも上記相違点2に係る構成を有しているから、上記「(1)本件発明1について」で示したものと同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

よって、本件発明14、15についての取消理由を維持することはできない。

3 異議申立人の意見書におけるその他の取消理由について

異議申立人は令和7年9月22日に提出した意見書において、

「(II)本訂正により生じた取消理由

本訂正により、構成ウ2は「

前記複数の候補特典の品目の各々に対応する複数の選択ボタンと、

」とあるように、「候補特典の品目」と「選択ボタン」が対応していることを規定している。また、構成ウ3は「

前記複数の選択ボタンの各々に係る特典がどのような種類であるかを示す複数の種別マークと、

」とあるように、「選択ボタン」と「特典」が関係していることを規定している。この構成ウ3における「前記複数の選択ボタンの各々に係る特典」とは、構成ウ2に記載されている「候補特典の品目」を指しているのか、または、例えば、構成エに記載されている「品目に係る特典」などの別の特典を指しているのか不明確であり、特許法第36条第6項第2号を満たしていない。

本意見書では、構成ウ3における「前記複数の選択ボタンの各々に係る特典」は、「候補特典の品目」を意味すると解釈して、以下に意見を述べる。」

との主張を行っており、本件発明1における「前記複数の選択ボタンの各々に係る特典」が意味するものが明確でない旨主張している。

上記主張について検討すると、本件発明1には「前記

複数の候補特典の品目

の各々に対応する

複数の選択ボタン

」との規定があり、「複数の選択ボタン」が「複数の候補特典の品目」に対応する点が特定されているとともに、本件発明1には「前記

複数の候補特典の品目

のうちの少なくとも1つが選択された場合に、前記一の決済処理で付与されたポイントを、

選択された品目に係る特典と引き替える

」との規定があり、選択された「複数の候補特典の品目」に係る特典の引き替えを行うことが特定されていることを鑑みれば、「前記複数の選択ボタンの各々に係る

特典

」における「特典」とは、「選択ボタン」に対応する「候補特典の品目」であることは明らかである。

また、この点について、本件特許の明細書には、

「【0050】

決済完了情報を受信した顧客端末15には、1以上の候補特典の品目が含まれる決済完了画面20が表示される。

決済完了画面20は、1以上の候補特典の品目を表示した選択枠21を含んでもよい。

選択枠21はポップアップウィンドウとして、決済完了画面20に重ねて表示されてもよいし、決済金額の表示枠と並ぶ別の枠として決済完了画面20に表示されてもよい。

各候補特典の品目は、選択枠21中の選択ボタン22として表示されてもよい。

」、

「【0077】

顧客端末15が決済情報を受信すると、ステップS52にて、決済用アプリケーションが顧客端末15のディスプレイ35に決済完了画面20を表示させる。この決済完了画面20には、1

以上の候補特典の品目を表示した選択枠21が含まれる。選択枠21内には1以上の選択ボタン22が含まれる。各選択ボタン22には、候補特典の品目が表示される。

【0078】

ステップS53にて、顧客が特典引き替え操作を行う。特典引き替え操作は、例えば、決済完了画面20において

選択ボタン22をタップすることにより、1以上の候補特典の品目のうちの1つを選択することである。

続くステップS54で、決済用アプリケーションが顧客端末15からサービスサーバ12に、

選択された特典の情報とともに、特典引き替え指示を送信させる。

との記載があり、「選択ボタン22」に「候補特典の品目」が対応づけられて表示され、引き替えを行う特典を「選択ボタン22」を用いて選択すると、選択された「候補特典の品目」の引き替え処理を行う点が記載されており、本件発明1の上記記載に対応する構成が記載されているから、本件発明1の上記記載の構成について明確に把握することができる。

したがって、異議申立人の上記主張は採用できない。

第8 むすび

以上のとおりであるから、本件訂正請求は認められるものであり、また、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、請求項1~15に係る特許を取り消すことはできない。

また、他に請求項1~15に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり決定する。

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