結論テキスト
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2024005348 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理 由
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、令和5年1月31日に登録出願されたものである。
本願は、令和5年8月1日付けで拒絶の理由が通知され、同6年1月5日付けで拒絶査定され、これに対し、同年3月31日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第3074810号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成4年8月26日に登録出願、第42類「飲食物の提供」を指定役務として、同7年9月29日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
(1)本願商標及び引用商標の構成について
ア 本願商標の構成は、左側に赤色と黒色で描かれた図形(以下「本願図形部分1」という。)を配し、その右側に三段書きで、上段に、やや小さめの文字で「牛たん」、中段に、上段よりも大きな文字で「けやき」、下段に、上段の文字よりもはるかに小さな文字で「KEYAKI BEEF TONGUE」の文字を配し(以下、これらの部分を併せて「本願文字部分」という。)、その右下に朱色で「欅」の文字の印鑑風の図形(以下「本願図形部分2」という。)を配してなる結合商標である。
イ 引用商標の構成は、上部に白と黒で描かれた樹木と思しき図形(以下「引用図形部分」という。)、中間部に大きく「KEYAKI」の文字、同文字に付された下線の下側に、小さな文字で「JAPANESE」「CUISINE」との各文字、その下に大きく「けやきの漢字」(異体字)(以下、これらの文字部分を併せて「引用文字部分」という。)を配してなる結合商標である。
(2)分離観察の可否について
ア 本願商標のうち、本願文字部分及び本願図形部分2と、本願図形部分1は、視覚上、重なることなく配置されていることに加え、右側の本願文字部分及び本願図形部分2は文字ないしはこれに準ずるもの、左側の本願図形部分1は図形であるから、商標全体としての構成上の一体性は希薄で、取引者、需要者は両者を分離して理解・把握すると認められる。
また、本願文字部分及び本願図形部分2のうち、本願文字部分の上段「牛たん」部分及び中段「けやき」部分の文字は、下段「KEYAKI BEEF TONGUE」部分の文字及び本願図形部分2の「欅」の文字部分に比して、顕著に大きく、明瞭に識別することができるように表示されている。これに対し、「KEYAKI BEEF TONGUE」部分の文字及び本願図形部分2の「欅」の文字部分は、取引者、需要者が注意深く観察しなければ読み取ることが困難である。そうすると、本願文字部分のうち上段「牛たん」部分及び中段「けやき」部分は、下段「KEYAKI BEEF TONGUE」部分及び本願図形部分2から独立して見る者の注意を引くように構成されているということができ、両者の構成上の一体性は希薄で、取引者、需要者は、これを分離して理解・把握すると認められる。
さらに、「牛たん」の文字部分と「けやき」の文字部分は、二段に配され、「けやき」は、「牛たん」に比して大きめの文字で表記されているため、両者の構成上の一体性は希薄で、取引者、需要者は、「けやき」の文字部分を分離して理解・把握するといえる。
そして、「けやき」の文字部分は、ニレの落葉高木であるケヤキ(以下「ケヤキ樹木」という。)の名称として知られるものあり、本願商標の指定役務である「飲食物の提供」との関係において、出所識別標識としての機能を一定程度有しているから、同構成部分が独立した出所識別標識としての機能を果たすと考えられ、これを本願商標の要部として、当該部分を引用商標と比較して商標の類否を判断することも許される。一方、「KEYAKI BEEF TONGUE」の文字部分及び本願図形部分2の「欅」の文字部分は、上記のとおり、取引者、需要者が、注意深く観察しなければ読み取ることが困難であるから、独立した出所識別標識としての機能を果たすとはいえず、本願商標の要部にはなり得ない。
イ 引用商標のうち、引用文字部分と、引用図形部分とは、視覚上、上下に重なることなく配置されていることに加え、上側の引用図形部分は図形、下側の引用文字部分は文字であるから、商標全体としての構成上の一体性が希薄で、取引者、需要者は両者を分離して理解・把握すると認められる。
また、引用文字部分のうち、「KEYAKI」の文字部分及び「けやきの漢字」部分は、「JAPANESE」「CUISINE」の文字部分に比して、顕著に大きく、明瞭に識別することができるように表示されている。これに対し、「JAPANESE」「CUISINE」の文字は、取引者、需要者が注意深く観察しなければ読み取ることが困難である。そうすると、引用文字部分のうち「KEYAKI」の文字部分及び「けやきの漢字」部分は、「JAPANESE」「CUISINE」の文字部分から独立して見る者の注意をひくように構成されているということができ、両者の構成上の一体性は希薄で、取引者、需要者はこれを分離して理解・把握すると認められる。
加えて、「KEYAKI」の文字部分及び「けやきの漢字」部分は、前記アで述べたとおり、ケヤキ樹木の名称として知られるものであり、引用商標の指定役務である「飲食物の提供」との関係において、出所識別標識としての機能を一定程度有しているから、同構成部分が独立した出所識別標識としての機能を果たすと考えられ、これを引用商標の要部として、当該部分を本願商標と比較して商標の類否を判断することも許される。
(3)本願商標と引用商標の類否
ア まず、本願商標の「けやき」との文字部分の出所識別標識としての機能について検討する。本願商標の「けやき」との文字部分は、前記(2)アで述べたとおり、出所識別標識としての機能を一定程度有しているといえる。一方、全国において、ケヤキ樹木の名称を指す店名(「欅」「けや木」「KEYAKI」等)を付した飲食店は相当数存在することが認められる。そうすると、ケヤキ樹木の名称は、飲食店の店名に比較的よく使用されるものとして、取引者、需要者に知られているものと推認されるから、指定役務である「飲食物の提供」との関係において、「けやき」の文字部分の出所識別標識としての機能は弱いものと言わざるを得ない。
したがって、本願商標と引用商標の類否を判断するに当たっては、本願商標の「けやき」の文字部分以外の構成部分も考慮した上で、本願商標と引用商標が、全体として、商品又は役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かを検討する必要がある。
イ 本願商標の「けやき」の文字は、線同士が交差する部分の一部に空白を設けた特徴のあるデザインのひらがな3文字で構成されるのに対し、引用商標の要部である「KEYAKI」の文字部分及び「けやきの漢字」部分は、欧文字6文字及び筆書き風の漢字1文字で構成されており、両者は構成する文字数、文字の種類及びデザインが異なるから、外観において明らかに相違する。
次に、本願商標の「けやき」の文字部分からは、「ケヤキ」の称呼を生じるのに対し、引用商標の「KEYAKI」の文字部分及び「けやきの漢字」部分からも、「ケヤキ」の称呼を生じ、称呼においては、いずれも同一である。ただし、本願商標の他の構成部分である「牛たん」の文字部分も勘案すれば、本願商標からは、「ケヤキ」のほか、「ギュウタンケヤキ」との称呼も生じ、この称呼については、「ギュウタン」との音の有無によって引用商標とは語感が異なるから、称呼において相違するといえる。
さらに、本願商標の「けやき」の文字部分並びに引用商標の「KEYAKI」の文字部分及び「けやきの漢字」部分からは、いずれもケヤキ樹木の観念を生じる。ただし、本願商標の他の構成部分である「牛たん」との文字部分も勘案すれば、ケヤキ樹木のほか、「牛たんを提供するけやきという名称の飲食店」との観念も生じ、この観念については、引用商標と相違する。
ウ 以上を踏まえて、本願商標と引用商標の類否について検討するに、本願商標と引用商標は、外観において異なることに加え、本願商標から生じる2つの称呼及び観念のうち一方は、引用商標と異なる。これらを総合すると、取引者、需要者の認識において、時と所を異にして離隔的に観察した場合、本願商標と引用商標とは互いに紛れるおそれのある類似の商標であるとは認められない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、引用商標の指定役務と同一又は類似する役務について使用するものであるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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