結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2024650019 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由
本願は、2022年(令和4年)年5月5日に、国際商標登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
2023年(令和5年)6月1日付け :暫定拒絶通報
2023年(令和5年)8月17日 :意見書、手続補正書の提出
2023年(令和5年)11月20日付け:拒絶査定
2024年(令和6年)3月6日 :審判請求書の提出
2025年(令和7年)2月18日付け :審尋
2025年(令和7年)5月21日 :審尋に対する回答書の提出
本願商標は、「AdvancedTrimRouter 18V」の文字を横書きしてなり、第7類及び第8類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、国際商標登録出願されたものであり、その後、本願の指定商品は、原審における上記手続補正書により、別掲1のとおりに補正されたものである。
原査定は、「本願商標は、「AdvancedTrimRouter 18V」の文字を横書きしてなるところ、その構成中「Advanced」は、「先進の、先端の」の意味を理解させ、「TrimRouter」は、木工用の工具の一種である「トリムルーター」を理解させ、「18V」は、「18ボルト」を理解させることから、全体として、「18ボルトで作動する先進のトリムルーター」といった意味合いを理解させるにすぎない。そうすると、本願商標は、単に商品の品質を表示する標章を普通に用いられる方法で表示する商標というべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
当審において、上記1の審尋により、請求人に対し、別掲2ないし別掲5のとおりの証拠を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
請求人は、上記4の審尋に対し、令和7年5月21日付けの回答書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。
(1)商標を構成する各単語が何らかの意味を持つとしても、商標全体として見た場合にその意味内容は曖昧であって、明確な定義も見当たらないような場合には、指定商品・役務との関係において,商品の品質や役務の質等を直接的に表すものとはいい難いとして識別力が認められるものであり、結合商標の識別力が争われた事例について識別力が認められている審決例や登録例が存在する。
そして、本願商標は、請求人以外に使用例はなく、「Advanced」、「Trim」及び「Router」という語を組み合わせることで、単なる記述を超えた独自性・識別力のある商標が形成されている。本願商標は、その構成中「AdvancedTrimRouter」について、各単語の間にスペース等を設けず、一連一体の表記としていることからも、本願商標が一種の造語として理解・認識されるのが相当である。
(2)本願商標を構成する各単語が取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるとしても、その単語の組み合わせ方や語順等、表記の方法は何通りもあるのであって、「AdvancedTrimRouter 18V」について請求人が独占排他権を獲得したとしても、他者は単語の組み合わせ方や語順等が異なる他の表示を選択することも可能である。
(3)請求人の電動工具には、「AdvancedTrimRouter 18V」以外にも「Advanced」を付した商品が複数あり、「Advanced」以外にも「Easy」、「Universal」といった語を用いた製品群がある。それらの語は、製品の機能や性能の段階を示すブランド戦略の一環として用いられており、消費者にとっては製品ラインナップを識別する指標として認識されている。この需要者の認識は、「AdvancedTrimRouter 18V」が単なる商品の記述ではなく、ブランドを識別するための自他商品等識別標識として機能していることを裏付けるものである。
(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「AdvancedTrimRouter 18V」の文字を横書きしてなるところ、その構成中の「Advanced」の欧文字は「先進的な,高等[高度]の,上級の」等の意味を、「Trim」の欧文字は「切り[刈り]整えること,刈り込み,調髪,トリミング」等の意味を、「Router」の欧文字は「溝掘り用器具」の意味をそれぞれ有するもの(いずれも出典「プログレッシブ英和中辞典」(小学館))であり、また、その構成中の「18V」の文字は、「V」の文字が電圧の単位である「ボルト」を表す記号であることから、「18ボルト」を表したものと理解されるものである。
そして、「Advanced」の文字(語)は、別掲2のウェブサイトの記載によれば、産業分野において、「先進の、先端の」といった意味合いで用いられており、別掲3のウェブサイトの記載によれば、本願の指定商品に関する分野において、「Advanced」の文字(語)や、その表音である「アドバンスド」や「アドバンス」の文字(語)が商品の品質を誇称する表示として一般に使用されている実情が認められる。
また、本願の指定商品を取り扱う分野において、トリミング等を行うためのルーターが、「Trim Router」や「トリムルーター」と称され取引されている実情が認められる(別掲4並びに別掲5の(3)及び(4))。
さらに、別掲5のウェブサイトの記載によれば、18ボルトの電圧で作動するルーターなどの工具が取引されており、電圧が18ボルトであることを表す文字として「18V」の文字が用いられている実情が認められる。
そうすると、本願商標を構成する各文字(語)の意味及び上記取引の実情からすると、「AdvancedTrimRouter 18V」の文字からなる本願商標に接する取引者、需要者は、「18ボルトで作動する、先進的なトリムルーター」といった意味合いを認識するにとどまるというべきであるから、本願商標は、単に商品の品質を表示するにすぎないものと判断するのが相当である。
また、本願商標は、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
そうすると、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって商標法第3条第1項第3号に該当し、また、「18ボルトで作動する、先進的なトリムルーター」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標であるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、商標を構成する各単語が何らかの意味を持つ結合商標の識別力が争われた事例について、識別力が認められている審決例や登録例を挙げるとともに、本願商標は、請求人以外に使用例はなく、各単語を組み合わせることで、単なる記述を超えた独自性・識別力のある商標が形成されているものであり、各単語の間にスペース等を設けず、一連一体の表記としていることからも、本願商標が一種の造語として理解・認識される旨主張する。
しかしながら、請求人の挙げる過去の審決例及び登録例は、本願商標とは、構成文字が異なるものであって、かつ、具体的事案の判断においては、過去の登録例等に拘束されることなく、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきである。
そして、上記(1)のとおり、本願商標を構成する各文字(語)の意味及び上記取引の実情を踏まえれば、たとえスペースを設けず一連で表記されているとしても、「AdvancedTrimRouter 18V」の文字(語)に接する需要者は、当該商品が「18ボルトで作動する、先進的なトリムルーター」であることを認識するとみるのが相当である。
イ 請求人は、本願商標を構成する各単語が取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるとしても、その単語の組み合わせ方や語順等、表記の方法は何通りもあるのであって、「AdvancedTrimRouter 18V」について請求人が独占排他権を獲得したとしても、他者は単語の組み合わせ方や語順等が異なる他の表示を選択することも可能である旨主張する。
しかしながら、本願商標は、上記(1)のとおり、「AdvancedTrimRouter 18V」の文字からなり、これに接する取引者、需要者は、「18ボルトで作動する、先進的なトリムルーター」といった意味合いを認識するものであって、本願商標は、将来も含め、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものというべきものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは適当でないとともに、自他商品識別力を欠くものというのが相当である。
ウ 請求人は、「Advanced」等の文字が、消費者にとっては請求人の製品ラインナップを識別する指標として認識されており、この需要者の認識は、「AdvancedTrimRouter 18V」が単なる商品の記述ではなく、ブランドを識別するための自他商品識別標識として機能していることを裏付けるものである旨主張するが、請求人の主張を裏付ける客観的な証拠は提出されておらず、本願商標が、自他商品識別標識として機能しているとの請求人の主張は採用することができない。
エ よって、請求人の上記各主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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