結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025001303 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和6年1月16日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 7月23日付け:拒絶理由通知書
令和6年 9月 6日 :意見書の提出
令和6年11月22日付け:拒絶査定
令和7年 1月29日 :審判請求書の提出
令和7年 9月 8日付け:審尋
本願商標は、「嚥下ニューロリハ専門医」の文字を標準文字で表してなり、第44類「美容,理容,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,整体,はり治療,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,介護,医療用機械器具の貸与,セラピー,代替医療による治療,アロマテラピーの提供,施設における介護,訪問による介護」を指定役務として登録出願されたものである。
原査定は、「本願商標は、「嚥下ニューロリハ専門医」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「嚥下」の文字は、「のみくだすこと。」の意味を、「専門医」の文字は、「特定の診療科に精通し、もっぱらその領域の診断・治療に当たる医師。」の意味を有する語として知られているものである。そして、本願の指定役務を取り扱う業界において、脳内の神経回路の修復等に基づく治療が「ニューロリハビリテーション」及びその略の「ニューロリハ」と称されており、嚥下障害に対する訓練等に「嚥下ニューロリハ」の文字が使用されている実情が見受けられる。また、医療業界において、「リハ専門医」の文字が、「リハビリテーションを専門に取り扱う医師」ほどの意味合いで使用されている実情もある。このような使用の実情を考慮すると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「嚥下ニューロリハを専門に取り扱う医師により提供される役務」「嚥下ニューロリハを専門に取り扱う医師に関する役務」であること、すなわち、役務の質を表示するものと認識するにとどまるというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合いの役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
当審において、令和7年9月8日付けで通知した審尋により、別掲1(1)ないし(8)、別掲2及び別掲3のとおりの証拠を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
請求人は、上記4の審尋に対して、所定の期間内に何ら応答するところがない。
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「嚥下ニューロリハ専門医」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「嚥下」の文字は、「のみくだすこと。」(「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)の意味を、「ニューロ」の文字は、「(接頭辞的に)「神経の」「神経回路のような」の意。」(同上)の意味を、「リハ」の文字は、「身体に障害のある人などが、再び社会生活に復帰するための、総合的な治療的訓練。」(「デジタル大辞泉」株式会社小学館)の意味を有する「「リハビリテーション」の略。」(同上)の意味を、「専門医」の文字は、「特定の臨床医学の分野に精通している医師。」(同上)の意味を、それぞれ有する語である。
そして、医療分野において、「ニューロリハビリテーション」の文字が、「神経科学に基づくリハビリテーション」ほどの意味合いを有する語として、また、「ニューロリハ」の文字が、その略語として、それぞれ一般的に使用されていることがうかがえる(別掲1)。
また、同分野において、嚥下機能を回復させるためのニューロリハビリテーションが行われている実情があり、そのようなものについて「嚥下ニューロリハビリテーション」等と称している例もある。(別掲2)。
さらに、同分野において、リハビリテーションの分野に精通している医師を「リハ専門医」や「リハビリ専門医」等と称している実情が見受けられる(別掲3)。
してみれば、本願商標は、上記取引の実情や本願商標を構成する各語の意味合いから、全体として「嚥下機能を回復させるためのニューロリハビリテーションの分野に精通している医師」ほどの意味合いを容易に認識させるものといえる。
そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者に、「嚥下機能を回復させるためのニューロリハビリテーションの分野に精通している医師」により提供される役務又は「嚥下機能を回復させるためのニューロリハビリテーションの分野に精通している医師」に関する役務であることを認識させるにとどまるというのが相当である。
したがって、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
また、本願商標を、その指定役務中、「嚥下機能を回復させるためのニューロリハビリテーションの分野に精通している医師」と関連のない役務について使用をするときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、専門医制度により認定される領域に「嚥下ニューロリハ」が存在しないこと、また、嚥下障害全般を専門とする特定の診療科がないことから、本願商標に接する取引者、需要者は、原審説示の意味合いを認識するものではない旨主張する。
しかしながら、上述のとおり、本願商標を構成する各語の語義や、医療分野において、嚥下機能を回復するためのニューロリハビリテーション(ニューロリハ)が行われている事実を考慮すれば、本願商標に接する取引者、需要者は、「嚥下機能を回復させるためのニューロリハビリテーションの分野に精通している医師」ほどの意味合いを認識するものと判断するのが相当である。
イ 請求人は、「○○専門医」の文字からなる商標登録例及び審決例を掲げて、本願商標も登録すべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が自他役務の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と、査定時又は審決時における取引の実情を勘案して、その指定役務の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであるから、他の登録例に本願の判断が拘束されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)結論
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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