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Trademark Appeal Case

産地・品質表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025006084
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

1 手続の経緯

本願は、令和6年4月24日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和6年11月29日付け:拒絶理由通知書

令和7年 1月 8日 :意見書、手続補正書の提出

令和7年 2月 7日付け:拒絶査定

令和7年 4月21日 :審判請求書の提出

令和7年 8月 5日付け:審尋

令和7年10月22日 :意見書の提出

2 本願商標

本願商標は、「伊豆大島育ち」の文字と「東京シュリンプ」の文字を上下二段に横書きしてなり、第29類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。

そして、本願の指定商品は、原審における上記1の手続補正書により、第29類「東京都大島町で養殖した海老(生きているものを除く。),東京都大島町で養殖した冷凍海老(生きているものを除く。)」と補正されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)

本願商標は、「伊豆大島育ち」の文字と「東京シュリンプ」の文字とを上下二段に横書きしてなるところ、本願商標を上記2の補正後の指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「伊豆大島育ち」の文字が東京都大島町で生産(養殖)したことを、「東京シュリンプ」の文字が東京で販売される海老を理解することから、構成全体として、「東京都大島町で生産(養殖)し、東京で販売される海老」であることを容易に認識するものであるから、本願商標は、商品の産地、販売地又は品質を表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

4 当審における審尋

当審において、令和7年8月5日付け審尋により、別掲に掲げる事実を提示した上で、本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。

請求人は、この審尋に対し、要旨下記5(2)イのとおりの意見を述べた。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、「伊豆大島育ち」の文字と「東京シュリンプ」の文字を、普通に用いられる方法の範囲内で、上下二段に横書きしてなるものである。

そして、その構成中の「伊豆大島育ち」の文字のうち、「伊豆大島」の文字は、「東京都の伊豆七島の最大島。」である「大島」の「通称」であって、また、「育ち」の文字は、「(名詞に付けて)その場所・環境で育つこと。」などを意味する語であり(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)、これらはいずれも我が国において広く知られた語であるから、「伊豆大島育ち」の文字は、これら2語を結合したものと、容易に理解できるものであって、これよりは「東京都の伊豆大島で育つこと」ほどの意味合いが認識できるものである。

また、別掲の情報にあるように、本願の指定商品を含む、魚介類を取り扱う分野においては、その魚介類が特定の地域や河川、湾などで養殖した又は獲ったものであることを表現するために、当該地域等を表す文字(○○)と「育ち」の文字とを結合させた「○○育ち」の文字が、広く一般的に採択、使用されている事実が認められる。

加えて、上記2のとおり、本願の指定商品がいずれも「東京都大島町で養殖した海老」に係るものであることからすると、「伊豆大島育ち」の文字は、その指定商品との関係において、それが「東京都の伊豆大島で養殖したもの」であるという、商品の品質を表示したにすぎないものといえる。

次に、本願商標構成中の「東京シュリンプ」の文字のうち、「東京」の文字は「日本国の首都。」を、「シュリンプ」の文字は「普通は小形のエビ類のこと。」を、それぞれ意味する語であり(出典:同上)、これらはいずれも我が国において広く知られた語であって、また、漢字と片仮名とで文字種も異なることから、「東京シュリンプ」の文字は、これら2語を結合したものと、容易に理解できるものであり、これよりは「東京の(小形の)エビ類」ほどの意味合いが認識できるものである。

そして、上記2のとおり、本願の指定商品がいずれも「東京都大島町で養殖した海老」に係るものであることからすると、「東京シュリンプ」の文字は、その指定商品との関係において、商品の養殖地である「東京」の文字と、その商品が「(小形の)海老」であることを表示した「シュリンプ」の文字からなるものといえ、それが「東京都の伊豆大島で養殖した海老」であるという、商品の品質を表示したにすぎないものといえる。

そうすれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、それに接する取引者、需要者において、その商品が「東京都の伊豆大島で養殖した海老」であることを表示したものであると容易に理解、認識されるというべきであるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえる。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、「食用魚介類(生きているものを除く。)」を指定商品中に含む、地名と「育ち」の文字とを結合してなる商標の登録例を挙げ、本願商標もそれらと同様に登録を認められるべきである旨主張する。

しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品又は指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、判断時期や商標の構成態様が本願とは異なるなど、本願とは事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。

イ 請求人は、魚介類を取り扱う分野においては、地域等を表す文字(○○)と「育ち」の文字とを結合させた「○○育ち」の文字が、別掲の情報にもあるように、養殖で育った魚介類と、特定の海域や河川で捕獲された天然の魚介類のいずれにも用いられている実情からすれば、「○○育ち」の文字は、養殖で育ったとの環境を直感させるまでには至っておらず、また、「東京都大島町で養殖した海老」との商品の品質を「伊豆大島育ち」の文字で表すことはなく、「伊豆大島育ち」の文字を含む本願商標の使用を一般に開放しておく理由もない旨主張する。

しかしながら、「伊豆大島育ち」の文字が、商品の品質を表示するものとして、現に使用されている事実が認められないとしても、上記(1)のとおり、同文字から認識し得る意味合い、及び、本願の指定商品を含む、魚介類を取り扱う分野において、その魚介類が特定の地域や河川、湾などで養殖した又は獲ったものであることを表現するために、当該地域等を表す文字(○○)と「育ち」の文字とを結合させた「○○育ち」の文字が、広く一般的に採択、使用されている事実が認められることを踏まえれば、上記2のとおり、本願の指定商品がいずれも「東京都大島町で養殖した海老」に係るものであるから、「伊豆大島育ち」の文字は、その指定商品との関係において、それが「東京都の伊豆大島で養殖したもの」であるという、商品の品質を表示したにすぎないものというのが相当である。

なお、本願の指定商品がいずれも「東京都大島町で養殖した海老」に係るものであるために、上述のとおり「伊豆大島育ち」の文字が当該商品との関係において「東京都の伊豆大島で養殖したもの」であることを表示する語として取引者、需要者に認識されると認定、判断したものである。

ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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