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Trademark Appeal Case

非加熱長期熟成天日塩の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025011094
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

1 手続の経緯

本願は、令和6年5月24日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和6年12月11日付け:拒絶理由通知書

令和6年12月24日 :意見書の提出

令和7年 4月 8日付け:拒絶査定

令和7年 6月24日 :審判請求書の提出

2 本願商標

本願商標は、「非加熱長期熟成天日塩」の文字を横書きしてなり、第30類「食塩,みそ,しょうゆ,ドレッシング,うま味調味料」を指定商品として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)

本願商標は、「非加熱長期熟成天日塩」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、その構成中「天日塩」の文字は、「天日法によって作った塩。」の意味を有する語であるから、本願商標は、構成全体として「非加熱で長期間熟成させた天日塩」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。

そして、この商標登録出願に係る指定商品を取り扱う業界において、非加熱で熟成させて作った天日塩が取引されている実情があり、そのような商品を「非加熱熟成天日塩」や「非加熱天日塩」と称している実情があるほか、長期熟成させた天日塩が取引されている実情もある。

そうすると、本願商標をその指定商品中、「非加熱で長期間熟成させた天日塩」及び「非加熱で長期間熟成させた天日塩を使用した商品」に使用しても、これに接する取引者・需要者は、その商品が「非加熱で長期間熟成させた天日塩」であること又は「非加熱で長期間熟成させた天日塩を使用した商品」であることを認識するにとどまるから、本願商標は、商品の品質及び原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「非加熱で長期間熟成させた天日塩」以外の「食塩」及び「非加熱で長期間熟成させた天日塩を使用した商品」以外の「みそ,しょうゆ,ドレッシング,うま味調味料」に使用するときには商品の品質の誤認を生じるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

4 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、「非加熱長期熟成天日塩」の文字をゴシック体様の一般的な書体で横書きしてなるところ、本願商標を構成する「非」の文字は「そうでない意を表す語。」を、「加熱」の文字は「熱を加えること。」を、「長期」の文字は「長い期間。」を、「熟成」の文字は「十分に熟してできあがること。」を、「天日塩」の文字は「天日法によって作った塩。」をそれぞれ意味する語(いずれも出典:広辞苑 第七版 株式会社岩波書店)であることから、「熱を加えることなく長い期間、十分に熟してできあがる天日法によって作った塩」すなわち「非加熱で長期間熟成させた天日塩」ほどの意味を容易に理解させるものである。

そして、原審において通知した証拠のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、非加熱で熟成させて作った天日塩が取引されている実情があり、そのような商品が「非加熱熟成天日塩」や「非加熱天日塩」と称されている実情や、長期熟成させた天日塩が取引されている実情が確認できるものである。

そうすると、「非」「加熱」「長期」「熟成」「天日塩」の各文字を組み合わせてなる本願商標を、その指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、本願商標について、「非加熱で長期間熟成させた天日塩」あるいは「非加熱で長期間熟成させた天日塩を使用した商品」であること、すなわち、商品の品質、原材料、生産の方法を表示したものと看取、理解するにとどまり、商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識することはないというのが相当である。

したがって、本願商標は、商品の品質、原材料、生産の方法等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標を、「非加熱で長期間熟成させた天日塩」以外の「食塩」及び「非加熱で長期間熟成させた天日塩を使用した商品」以外の「みそ,しょうゆ,ドレッシング,うま味調味料」に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、「非加熱長期熟成天日塩」の文字及び図形よりなる登録商標を有しているところ、他の天日塩の販売業者の間で「非加熱長期熟成天日塩」に類似する表現が使用されるようになったことから、本願商標を出願したものであり、本願商標は、特殊な製法で造られた天日塩の特徴を表現するために出願人が考案し、広めた文言であって、国内の天日塩販売業者の間において「商品又は役務の特徴等」として認知されているから、商標法第3条第1項第3号に該当しない旨主張している。

しかしながら、仮に、請求人の本願商標の採択の意図が前記のとおりであるとしても、前記(1)のとおり、本願商標は、構成各語の語義より「非加熱で長期間熟成させた天日塩」ほどの意味を容易に理解させるものであり、本願の指定商品を取り扱う業界において、非加熱で熟成させて作った天日塩が取引され、そのような商品が、「非加熱熟成天日塩」や「非加熱天日塩」と称されている実情や、長期熟成させた天日塩が取引されている実情があることを踏まえれば、本願商標は、取引者、需要者をしてその商品が「非加熱で長期間熟成させた天日塩」あるいは「非加熱で長期間熟成させた天日塩を使用した商品」であることを看取、理解するものといえ、天日塩に係る品質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であるから、独占適応性を有しないものというのが相当であり、自他商品識別力を欠くものというべきである。

イ 請求人は、「非加熱長期熟成天日塩」の文字及び図形よりなる登録商標を有していることから、本願商標は、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標には該当しない旨主張する。

しかしながら、そもそも、登録出願に係る商標が、商標法第4条第1項第16号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、その指定商品の表示が、本願の指定商品とは異なるものであって、事案を異にするものというべきである。また、過去の登録例が存在することをもって、本願商標の前記判断が左右されるものではない。

ウ したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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