結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025011156 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和6年9月6日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和7年 3月21日付け:拒絶理由通知書
令和7年 4月10日 :意見書の提出
令和7年 6月 4日付け:拒絶査定
令和7年 7月 1日 :審判請求書の提出
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第41類「音楽の演奏の興行の企画又は運営,インターネットを利用して行う音楽の提供,音楽の演奏」を指定役務として登録出願されたものである。
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5876923号商標(以下「引用商標」という。)は、「kakeru」の文字を標準文字で表してなり、平成28年2月12日登録出願、第41類「娯楽の提供及びこれに関する情報の提供」を含む第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年8月26日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲のとおり、内部に黄色の四角形を4つ配した音符を表したとおぼしき桃色の図形(以下「図形部分」という。)と、その下部に「KAKERU」の文字(以下「文字部分」という。)を桃色で書してなるものである。
そして、文字部分を構成する「KAKERU」の文字は、辞書等に記載のないものであって、また、その表音である「カケル」は、「欠ける」(一部分こわれる。)、「掛ける」(ある物・場所などに事物の一部をささえとめる。)、「駆ける」(はやく走る。)、「賭ける」(賭け事をする。)(出典:株式会社岩波書店「広辞苑 第七版」)等の複数の語が想起されるものであるから、一義的に特定の観念が生じるとはいえないものである。
他方、図形部分については、全体として音符記号を模したものと解されるが、特定の意味合いを理解させるものとまではいえず、特定の称呼及び観念を生じないものである。
また、文字部分と図形部分とは、上下に重なり合うことなく配置されていることから、視覚上、分離して看取し得るものである。
以上のことからすると、本願商標は、その構成中の一部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難く、構成中の図形部分と文字部分とは、それぞれ、独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
そうすると、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際においては、本願商標に接する取引者、需要者が、下部にはっきりと表されている「KAKERU」の欧文字をもって取引に当たる場合もあるものというのが相当である。
したがって、本願商標よりは、文字部分に相応した「カケル」の称呼が生じ、また、特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標は、「kakeru」の文字を標準文字で表してなるものであり、これは、上記アと同様、一義的に特定の観念が生じるとはいえないものである。
したがって、引用商標よりは、その構成文字に相応した「カケル」の称呼が生じ、また、特定の観念は生じないものである。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標を比較するに、外観においては、全体としては図形の有無などによって異なるものであるが、本願商標の文字部分と引用商標との比較においては、文字の書体や大文字と小文字の差異を有するものの、文字のつづりを共通にするものであり、相当程度近似した印象を与えるものといえる。
そして、観念については比較できないものの、「カケル」の称呼を同一にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念については比較できないとしても、外観において相当程度近似した印象を与え、称呼を同一にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、役務の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
エ 本願の指定役務と引用商標の指定役務の類否について
本願の指定役務「音楽の演奏の興行の企画又は運営,インターネットを利用して行う音楽の提供,音楽の演奏」は、引用商標の指定役務中「娯楽の提供及びこれに関する情報の提供」と同一又は類似する役務である。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、過去の判決例を挙げつつ、本願商標は図形が視覚的印象において支配的であり、「KAKERU」の文字のみでの称呼や観念が本願商標の全体的印象を決定するものではなく、既に本願商標を使用しているが、取引実情においても混同が発生した事実はない旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、出願された商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断すべきものであり、請求人の挙げる判決例は、「KAKERU」の欧文字からなるものではない点において、本件とは事情を異にするものであるから、当該判決例によって、直ちに本願商標に係る判断が左右されるものではない。
また、取引実情においても混同が発生した事実はない旨の主張については、そのことを裏付ける客観的な証拠の提出はない。
加えて、商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは、単に当該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的、限定的な実情を指すものではなく、指定商品全般についての一般的、恒常的な実情を指すものと解すべきであり(最高裁昭和47年(行ツ)第33号参照)、役務についても同様に解されているところ、請求人が主張する本願商標と引用商標の指定役務における取引の実情は、それぞれの商標の使用状況に係る個別事情にすぎず、それが当該役務の分野における一般的、恒常的な実情であるということはできない。
そして、本願商標は、その構成中の「KAKERU」の欧文字が要部として認識され得るものであって、これと「Kakeru」の文字を標準文字で表してなる引用商標とが類似するものであることについては、上記(1)アないしウのとおりである。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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