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Trademark Appeal Case

バイオパワーの記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025011203
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

1 手続の経緯

本願は、令和6年7月19日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和7年 1月23日付け:拒絶理由通知書

令和7年 3月 3日 :意見書の提出

令和7年 4月17日付け:拒絶査定

令和7年 7月17日 :審判請求書の提出

令和7年10月22日付け:拒絶理由通知書

令和7年11月28日 :回答書の提出

2 本願商標

本願商標は、「バイオパワー」の文字を標準文字で表してなり、第1類「肥料,植物成長調整剤類」及び第5類「薬剤」を指定商品として、登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)

原審において、「本願商標は、「バイオパワー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「バイオ」の文字は、「生命の、生物に関する、の意を表す。」の意味を有する語であり、「パワー」の文字は、「力。勢力。」の意味を有する語であるから、全体として、「生物の力」ほどの意味合いを認識させるものである。そして、インターネット調査では、「バイオパワー」の文字が、「細菌や微生物などの生物の力」ほどの意味合いで使用され、当該商品に含まれる細菌や微生物によって、植物の活性効果や根腐れ防止など植物の生育に優れた効果を発揮することを強調するフレーズとして用いられている。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、「細菌や微生物などの生物の力による優れた効果を発揮する商品」であるといった商品の特性や優位性を表した宣伝文句の一種であると理解し、認識するにすぎないので、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。

4 当審における拒絶理由通知

当審において、請求人に対し、令和7年10月22日付けで、別掲1及び別掲2のとおりの事実を示した上で、本願商標は、その指定商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する旨の拒絶理由を通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。

5 当審における拒絶理由通知に対する請求人の意見(要旨)

請求人は、上記4の拒絶理由通知に対して、令和7年11月28日に回答書を提出し、要旨以下のとおりの意見を述べた。

上記4の拒絶理由通知において「バイオの力」の使用が、本願商標「バイオパワー」の識別力が無いことの証左として多数挙げられていることには承服できないが、本願商標が登録されるべき商標であることは、上記1の審判請求書において縷々述べ尽くしたところであるから、請求人としては、もはや補足すべき意見を有しない。

6 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、「バイオパワー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「バイオ」の文字は「「バイオテクノロジー」の略。他の語の上に付いて、生命の、生物に関する、の意を表す。」を、「パワー」の文字は「力。能力。体力。」等(いずれも出典は「大辞泉 第二版」株式会社小学館)をそれぞれ意味する語である。

ところで、「バイオテクノロジー」は「生物のもつ物質変換・情報変換・エネルギー変換などの機能を、さまざまな有用物質の生産、医療、品種改良などに応用する技術。特に組換えDNA技術や、細胞融合技術などを利用して改良した新種微生物を中心とする生物素材を広く用いる産業技術。生物工学。生命工学。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)であるところ、別掲1によれば、「微生物は古来より発酵食品の製造など人の生活に密接に関わってきました。近年の科学技術の発展とともに、微生物の持つ様々な能力が明らかになるにつれ、微生物はより幅広い産業分野で活用されてきました。」との記載があり、バイオテクノロジーの発展とともに微生物が産業利用されている実情が確認できる。

そして、原審提示の情報や、別掲2のとおり、本願の指定商品に関連する分野において、バイオテクノロジーによって実現された微生物等の生物の持つ特性を活用した商品の品質を表す語として「バイオパワー」、「バイオのパワー」又は「バイオの力(ちから)」と称した語が多数使用されている実情を確認することができる。

そうすると、本願商標は、その構成文字の語義及び取引の実情を踏まえれば、構成文字全体として、「バイオテクノロジーの力」ほどの意味合いを認識させるものであり、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は「バイオテクノロジーによって実現された微生物等の生物の持つ特性を活用した商品」という商品の品質を表示したものと認識、理解するというのが相当である。

したがって、本願商標は、その商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、多種多様な意味を有する「バイオ」及び「パワー」の文字から組み合わされた「バイオパワー」をその指定商品との関係でみた場合、具体的な商品の効果・効能と直接結びつかないことに着目すべきであり、また、原審で引用されたインターネット情報からは、本願の指定商品との関係において、本願商標がどのような効果・効能を表し、具体的な品質や特徴などを認識させるのか皆目検討がつかず、さらに、上記5のとおり、上記4の拒絶理由通知において「バイオの力」の使用が、本願商標の識別力が無いことの証左として多数挙げられていることには承服できない旨主張している。

しかしながら、バイオテクノロジーにより実現した微生物等の生物の持つ特性を活用した商品に「バイオの力(ちから)」と称する例が多数存在する事実は、「力(ちから)」が「パワー」と同義語であることからすれば、取引者、需要者が、本願商標である「バイオパワー」の文字に接した場合、上記特性を活用した商品であると一般に認識することにつながるものであるといえる。

そして、別掲1に示すとおり、バイオテクノロジーの発展とともに微生物が産業利用されていることや、原審及び別掲2に示すとおり、本願の指定商品に関連する分野において、上記特性を活用した商品の品質を表す語として、「バイオの力(ちから)」以外に「バイオパワー」及び「バイオのパワー」と称した語が多数使用されていること等を総合的に勘案すれば、本願商標に接する取引者、需要者は、上記特性を活用した商品であるという、商品の品質を表示したものと認識するにとどまるものである。

イ 請求人は、本願商標と同じ「バイオパワー」(登録第2576554号)が指定商品「肥料」について登録されており、そのほかにも、「〇〇パワー」や、「パワー」をそれと同義語の「力」に変えた「〇〇の力」の登録例及び審決例を踏まえると、本願商標「バイオパワー」も具体的な商品の品質や商品の優位性等を表示するものとは言えず、識別力が無いと判断することは妥当ではない旨張している。

しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品との関係や、その商品の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた「バイオパワー」(登録第2576554号)は、判断時期が本願商標と異なるものである点において、また、その他の登録例及び審決例は、商標の構成態様や指定商品・指定役務、判断時期が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、それぞれ事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例及び審決例が存在することをもって、本件判断が左右されるものではない。

ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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