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Trademark Appeal Case

称呼類似と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025013083
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

1 手続の経緯

本願は、令和6年7月16日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和7年 1月27日付け:拒絶理由通知書

令和7年 3月 5日 :意見書の提出

令和7年 5月14日付け:拒絶査定

令和7年 8月20日 :審判請求書の提出

2 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第29類「豆腐,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,納豆,湯葉,豆,食用たんぱく」を指定商品として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6437328号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、令和2年11月6日登録出願、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同3年9月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本願商標について

本願商標は、別掲1のとおり、縦長の黒色地の楕円形内に、「白い虹」「安心堂」及び「まごころとうふ」の文字を縦三行に、また、それらの文字を囲むように1本の枠線を、それぞれ白抜きで表してなるものである。

そして、その構成中、「安心堂」の文字は、中央の目立つ位置に、他の文字と比べて相当大きく表されており、外観上、看者の注意を引きやすい部分といえる。

また、本願商標を構成する文字全体より生じる「シロイニジアンシンドウマゴコロトウフ」の称呼は、18音と相当冗長である。

さらに、本願商標の構成中、「白い虹」「安心堂」及び「まごころどうふ」の文字は、いずれも一般的な辞書類に掲載されている語ではなく、特定の意味を有する語として広く使用されているといった事情も見当たらないことから、いずれも特定の意味合いを認識させない造語というべきものであり、そのため、本願商標の構成全体が、観念的に結合しているともいい難いものである。

以上のことからすれば、本願商標は、全体として常に一体不可分にのみ捉えられるといい得るほどに強く結合しているものとはいえず、中央に大きく表された「安心堂」の文字部分が強く支配的な印象を与えるものといえ、簡易迅速を尊ぶ商取引の実情においては、本願商標に接する取引者・需要者が、当該部分のみをもって取引に当たる場合もあるものというのが相当である。

そうすれば、本願商標よりは、その構成文字全体から「シロイニジアンシンドウマゴコロトウフ」の称呼が生じるほか、その構成中の「安心堂」の文字部分(以下、「本願要部」という。)に相応した「アンシンドウ」の称呼も生じるものであり、また、特定の観念が生じるとはいえないものである。

イ 引用商標について

引用商標は、複数の野菜や果物などからなると考えられる図形を上方に表し、下方に「安心堂」の文字と「食のSELECTネットショップ」の文字を上下二段に表してなるものである。

そして、その構成中の図形部分と文字部分は、それぞれ重なり合うことなく、分離して配置されており、また、文字部分についても、上段の文字と下段の文字とは、分離して配置されている上、文字の大きさも相当異なるものである。

また、引用商標を構成する文字全体より生じる「アンシンドウショクノセレクトネットショップ」の称呼は、19音と相当冗長である。

さらに、引用商標の構成中、上方の図形部分からは、特定の意味合いを認識し得るとはいえず、また、「安心堂」の文字は、上記アと同様に、特定の意味合いを認識させない造語というべきものであるから、仮に「食のSELECTネットショップ」の文字より「食に関するインターネット上のセレクトショップ」ほどの意味合いが認識し得るものであるとしても、引用商標の構成全体が、観念的に結合しているともいい難いものである。

以上のことからすれば、引用商標は、全体として常に一体不可分にのみ捉えられるといい得るほどに強く結合しているものとはいえず、太い線で構成中に大きく表された「安心堂」の文字部分が強く支配的な印象を与えるものといえ、簡易迅速を尊ぶ商取引の実情においては、引用商標に接する取引者・需要者が、当該部分のみをもって取引に当たる場合もあるものというのが相当である。

そうすれば、引用商標よりは、その構成文字全体から「アンシンドウショクノセレクトネットショップ」の称呼が生じるほか、その構成中の「安心堂」の文字部分(以下、「引用要部」という。)に相応した「アンシンドウ」の称呼も生じるものであり、また、特定の観念が生じるとはいえないものである。

ウ 本願商標と引用商標の類否について

本願商標と引用商標を比較するに、外観においては、全体としては相違するものであるが、本願要部と引用要部との比較においては、書体や色彩、縦書きと横書きの差異はあるものの、「安心堂」の文字からなる点が共通しており、相当程度近似した印象を与えるものといえる。

そして、称呼においては、全体の称呼は相違するものの、本願要部と引用要部は「アンシンドウ」の称呼を共通にし、また、観念においては、いずれも特定の観念は生じないことから、比較することができないものである。

そうすれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較することができないものであり、また、全体の外観及び称呼においては相違があるものの、本願要部と引用要部の対比においては、外観において相当程度近似した印象を与えるものであり、かつ、「アンシンドウ」の称呼を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、商品又は役務の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。

エ 本願の指定商品と引用商標の指定役務の類否について

本願の指定商品中、第29類「豆腐,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,納豆,湯葉,豆」と、引用商標の指定役務中、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは、類似するものである。

オ 小括

上記アないしエによれば、本願商標は引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定役務と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、本願商標の構成中「白い虹」及び「安心堂」の文字は、どちらも基本的に漢字で表されており、これらを分離して認識するべき事情は見いだせないのに対し、「まごころとうふ」の文字は、平仮名で表されているものであり、キャッチフレーズ的なものであることも踏まえれば、本願商標は、その構成中の「白い虹」及び「安心堂」の文字が主要な構成部分であると理解されるものといえるのであって、「安心堂」の文字部分のみを要部として抽出し、引用商標と比較して商標の類否を判断することは許されないものである旨主張する。

しかしながら、本願商標の構成中「安心堂」の文字は、「白い虹」の文字と比べても3倍以上の大きさで、本願商標の中央に大きく表されているものであるから、外観上、看者の注意を引きやすい部分といえる上、「白い虹」の文字は、大きさとしては「安心堂」の文字より「まごころとうふ」の文字に近いものである。

そして、同構成中、「まごころとうふ」の文字が、請求人の主張のごとく、本願の指定商品との関係において、商品の宣伝広告などに用いられるキャッチフレーズ的なものにすぎないというべき具体的な事情は見いだせないことからすれば、本願商標の構成としては、中央に大きく「安心堂」の文字が表され、その両側に、これと観念的に結合しているともいえない「白い虹」の文字と「あんしんどうふ」の文字が、それぞれ小さく表されているというべきものであって、「白い虹」及び「安心堂」の文字部分のみが格別に着目される構成になっているとはいい難いものである。

また、上記(1)アのとおり、本願商標の構成中、中央に大きく表された「安心堂」の文字部分は、強く支配的な印象を与えるものといえ、簡易迅速を尊ぶ商取引の実情においては、本願商標に接する取引者・需要者が、当該部分のみをもって取引に当たる場合もあるものというのが相当であるから、「安心堂」の文字を要部として抽出し、引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。

したがって、請求人の主張は、採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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