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Trademark Appeal Case

著名商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成6年審判第2334号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙(1)に表示したとおりの構成よりなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、平成1年3月13日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原審において登録異議の申立てがあった結果、原査定は、本願商標を商標法第4条第1項第15号に該当するとしてその登録を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1) 「POLO」商標並びに「馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形」(以下、「ポロ(図)商標」という。)の著名性について

(株)講談社,昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」及びサンケイマーケティング,昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」によれば、以下の事実が認められる。

ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)は、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファッションズ」(原審における登録異議申立人(以下、「申立人」という。)会社の前身,以下、「ポロ社」という。」)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバン等のデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。

そして、(株)洋品界,昭和55年4月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/POLO」の項及びボイス情報(株),昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」「ポロ・バイ・ラルフローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。

また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社,1971年7月発行「dansen男子専科」、前出「男の一流品大図鑑」、(株)講談社,昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー,昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年6月発行)、婦人画報社,昭和55年12月発行「MENS CLUB 1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年6月発行)、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社,昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」のそれぞれにおいて、「POLO」、「Polo」、「ポロ」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフローレン(アメリカ)」等の商標の下に紹介されていることが認められる。

我が国において、ラルフ・ローレンの名前は、服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「POLO」の文字又は同文字に「by RALPH LAUREN」の文字及び原審において認定したところのポロ(図)商標を組み合わせた商標が用いられ(以下、これら商標を一括して「ポロ商標」という。)、これらの商標は「ポロ」の呼称名(略称)をもって呼び交わされていることが認められる。

さらに、前出「男の一流品大図鑑」、同「世界の一流品大図鑑’80年版」、同「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」等の事典類並びに昭和53年2月16日付「日本経済新聞(夕刊)」及び平成1年5月19日付「日本経済新聞(夕刊)」(原審において申立人が提出した甲第4号証)の新聞広告ないしは報道記事によれば、ポロ(図)商標は、「Polo」又は「by RALPH LAUREN」の文字とともに、これら日刊新聞に全面広告として掲載されていることが認められ、さらには、ポロ(図)商標を「ポロプレーヤーマーク」と称して扱っている報道記事が認められるなど、ポロ(図)商標それ自体も申立人の取り扱いに係る商品を表示する標章として、本願商標の登録出願時である平成1年当時すでに、取引者、需要者間に広く認識せられていたことを充分推認させるものである。

なお、ポロ社又はラルフ・ローレンに係るポロ商標並びにポロ(図)商標について、上記認定とほぼ同様の事実を認定した東京地方裁判所判決(平成8年特(わ)1519号、平成9年3月24日判決言渡)及び東京高等裁判所判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)がある。

以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、ポロ(図)商標を含むポロ商標は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服類等のファッション関連製品に使用する標章として、遅くとも昭和55年頃までには既に我が国において取引者、需要者間に広く認識されていたものと認められ、また、前記ポロ(図)商標についても、少なくとも本願商標の登録出願時である平成1年以前において、前記同様に各商品分野において取引者、需要者間に広く認識せられていたものとみるのが相当であり、かつ、その状態は現在も引き続き継続しているものと認められる。

そして、他にこの認定を覆すに足りる証拠はない。

(2)商品の出所の混同可能性について

本願商標は、別紙(1)に表示したとおり、右前脚を折り曲げた状態の右向きの馬に、顔面を右下に向け、ポロ競技に使用するマレット(打球槌)でボールを捉えようとするポロプレーヤーを、斜め前方から描写してシルエット風に表したものである。これに対し、ポロ(図)商標は、別紙(2)に表示したとおり、やはり、前脚を折り曲げた状態の左向きの馬に、顔面を斜め右下に向け、ポロ競技に使用するマレットを振りかざしているポロプレーヤーを、斜め前方から描写した図形を黒色により表したものである。

してみれば、両者は、仔細にみれば馬の向き、マレットの位置等において相違するところがあるとしても、駆ける馬上でマレットを操っているポロプレーヤーを全体として黒色を基調に描いてなる点において構成の軌を一にするものであり、時と所を別にしてみるときは、全体の外観印象において彼此相紛らわしいものといわざるを得ない。しかも、本願商標の指定商品の分野においては、例えば、被服について商標を胸部のワンポイントマークとして表示したり、襟首部分又は下げ札に小さく表示する慣行があることからすれば、商標が常に鮮明に表示されるとは限らず、かかる事情にあって、本願商標とポロ(図)商標との相違点は直ちには判別し難いほどのものといえる。

そうとすると、本願商標をその指定商品である「被服等」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前述(1)においてその著名性を認定したラルフ・ローレンに係るポロ商標ないしはポロ(図)商標を連想、想起し、該商品がポロ社ないしはラルフ・ローレン又は同人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれが少なからずあるというのが相当である。

この点に関し、請求人(出願人)は、本願商標の使用に係る商品カタログ並びに他人の業務に係る商品広告例を挙げ、さらには、当庁における先審査例、登録例を挙げて、本願商標の混同可能性を否定する旨述べているが、これら使用に係る各商標又は先審査例等は、商標の具体的構成その他の点において、本願商標とは事案を異にするものであって、本件については、商標自体とポロ(図)商標の著名性その他取引の実情を総合判断するに、前記認定判断を相当とするから、請求人の主張は採用の限りでない。

また、このほか請求人の述べる「United States Polo As sociaion」なる米国ポロ競技団体の存在並びに米国ポロ競技の歴史等に関する事情は、米国固有のものであって、ポロ競技自体馴染みの薄い我が国社会にそのまま通用し得る事情とみるのは適切でなく、したがって、かかる理由をもってポロ競技に対する普遍的認識論を述べる請求人の主張は採用することができない。

(3)結語

以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものといわざるを得ないから、その理由をもって本願商標の登録を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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