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Trademark Appeal Case

結合商標の分離認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025650017
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理由

1 手続の経緯

本願は、2022年(令和4年)4月14日にハンガリーにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年10月11日に国際商標登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

2023年(令和5年)12月18日付け:暫定拒絶通報

2024年(令和6年) 5月13日 :意見書、手続補正書の差出

2024年(令和6年)11月19日付け:拒絶査定

2025年(令和7年) 3月 3日 :審判請求書の提出

2 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、日本国を指定する国際登録において指定された第9類及び第42類に属する商品及び役務を指定商品及び指定役務として、国際商標登録出願されたものである。

そして、本願の指定商品及び指定役務は、原審における上記1の手続補正書により、別掲2のとおり補正されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、現に有効に存続しているものである。

(1)登録第6294844号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の態様 別掲3

指定役務 第42類「図面・文書・デジタル写真・音楽・画像・映像等の電子データの変換処理,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」

登録出願日 平成31年 3月13日

設定登録日 令和 2年 9月23日

(2)登録第6353850号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の態様 別掲3

指定役務 第35類「データ処理に関する事務の代行,ビジネスファイルの管理,コンピュータによるファイル管理,コンピュータデータベースへの情報編集,コンピュータによるデータベースの管理,データバンクへの情報編集及び情報構築,コンピュータデータベースに保存された事業に関するデータ及び情報の収集・構築・編集及び分析,コンピュータによる情報検索事務の代行,コンピュータデータベースへの情報入力及び情報編集,コンピュータデータベースへの情報構築,コンピュータによるリストの情報編集,コンピュータデータベース内のデータの更新及び保守,求人情報の提供,仕事及び人材募集に関する情報の提供,職業のあっせん,人員の配置転換に関する人事管理,事業計画の管理及び運営,事業計画の管理,分析・戦略計画の立案、プロジェクト管理の実施のための処理方法の開発,広告及びマーケティング」

登録出願日 令和2年 3月 4日

設定登録日 令和3年 2月18日

(3)登録第6539337号商標(以下「引用商標3」という。)

商標の態様 別掲3

指定商品 第9類「プロジェクト管理用コンピュータプログラム,データ通信用コンピュータソフトウェア,データ検索用コンピュータソフトウェア,データの可視化用コンピュータソフトウェア,データ及び文書の収集用・送信用・保管用及び検索用のコンピュータソフトウエア,データウェアハウジングの自動化コンピュータソフトウェア,データ処理用のコンピュータソフトウェア,データ処理用プログラム,データベース用コンピュータソフトウェア,データ圧縮用ソフトウエア,デジタル情報及びデータアクセスするためのコンピュータソフトウェア,無線によるコンテンツの配信用のコンピュータソフトウエア,文書管理用コンピュータソフトウェア,文書管理用コンピュータプログラム,コンピュータソフトウェアプラットフォーム,コンピュータアプリケーションソフトウェア,事業用のコンピュータソフトウエア,市場情報を処理するためのコンピュータソフトウェア,市場情報を調査するためのコンピュータソフトウェア,データ収集装置,データ記憶装置,コンピュータソフトウェア,電子計算機用プログラム」

登録出願日 令和2年 3月 4日

設定登録日 令和4年 4月 1日

以下、これらをまとめて「引用商標」という。

4 当審の判断

(1)本願商標

本願商標は、別掲1のとおり、上下部分に丸みを帯びた緑色の四角形内に幾何学図形を配した図形(以下「本願図形部分」という。)と、その右側に、「aiData」の欧文字(以下「本願文字部分」という。)を横書きしてなる構成よりなるところ、本願図形部分と本願文字部分とは、横一列に表されているところ、本願図形部分と本願文字部分は、図形と文字という構成要素が異なり、それぞれ重なり合うことなく表されているものであることから、視覚上、明確に分離して看取し得るものである。

そして、本願図形部分は、特定の事物を表すものとして看取されるとはいえないことから、同部分からは、特定の称呼や観念は生じない。また、本願文字部分は、一般的な辞書等に掲載がないものであって、特定の意味合いを想起させる語として一般に認識されているものともいえないことから、特定の観念を生じない造語として看取、把握されるものである。そうすると、本願図形部分と本願文字部分は、観念上のつながりもなく、両者を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない。

以上からすれば、本願商標は、その構成中の本願図形部分と本願文字部分が、それぞれ独立して自他商品又は自他役務の出所識別標識の機能を果たし得るものであるから、その構成中の本願文字部分を要部の一として抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるものである。

したがって、本願商標は、本願文字部分に相応して、「アイデータ」、「エーアイデータ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。

(2)引用商標

引用商標はいずれも別掲3のとおり、大きさの異なる黄色、青色、紫色でそれぞれ塗りつぶされた円を灰色の直線で繋いで三角形状にした図形部分(以下「引用図形部分」という。)と、その右側に灰色で表された「Ai」及び赤色で表された「data」の欧文字を丸みを帯びた書体で横一列に表してなる「Aidata」の欧文字(以下「引用文字部分」という。)よりなるところ、引用図形部分と引用文字部分は、図形と文字という構成要素が異なり、それぞれ重なり合うことなく表されているものであることから、視覚上、明確に分離して看取し得るものである。

そして、引用図形部分は、特定の事物を表すものとして看取されるとはいえないことから、同部分からは、特定の称呼や観念は生じない。また、引用文字部分は、一般的な辞書等に掲載がないものであって、特定の意味合いを想起させる語として一般に認識されているものともいえないことから、特定の観念を生じない造語として看取、把握されるものである。そうすると、引用図形部分と引用文字部分は、観念上のつながりもなく、両者を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない。

以上からすれば、引用商標は、その構成中の引用図形部分と引用文字部分が、それぞれ独立して自他商品又は自他役務の出所識別標識の機能を果たし得るものであるから、その構成中の引用文字部分を要部の一として抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるものである。

したがって、引用商標は、引用文字部分に相応して、「アイデータ」、「エーアイデータ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。

(3)本願商標と引用商標との類否

本願商標と引用商標は、その全体構成において相違があるものの、それぞれの要部の一である文字部分が、「aiData」又は「Aidata」であり、大文字と小文字の相違があるとしても、全ての綴りを同じくするものであるから、外観から受ける印象は近似しており、外観上、類似する。

また、称呼においては、「アイデータ」、「エーアイデータ」の称呼を共通にする。

さらに、観念においては、いずれも特定の観念を生じない。

そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できず、外観において類似し、称呼を共通にするものであるから、これを同一又は類似の商品又は役務に使用した場合、商品又は役務の出所につき混同を生じるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。

(4)本願の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務との類否

本願の指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と類似する商品及び役務である。

(5)小括

以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(6)請求人の主張

ア 請求人は、本願文字部分及び引用文字部分である「aiData」及び「Aidata」に対応する「AI data」や「AIデータ」等の表記が、コンピュータ関係の商品及び役務に係る業務を取り扱う分野では、単に「人工知能(AI)で生成されたデータ」「AI学習データ」等を表す語として、印刷画像編集関連のアプリケーション等を取り扱う業界では、ファイル拡張子「.ai」を使用したデータを表す語として、一般に使用されていることから、本願文字部分及び引用文字部分は、それ自体では自他商品役務を識別する機能を発揮せず、本願商標及び引用商標においては、識別力のある図形部分を抽出し、その部分だけを比較して類否判断すべきである旨主張する。

しかしながら、上記(1)及び(2)のとおり、本願文字部分及び引用文字部分である「aiData」及び「Aidata」の文字は、一般的な辞書等に載録がないものであって、請求人が主張するように、人工知能に関連したウェブサイトにおいて「AIデータ」の文字が散見されることや、「Aiデータ」と称されるデータの形式が紹介されていることは確認できるものの、これらの事実をもって、直ちに本願文字部分及び引用文字部分が特定の商品の品質又は役務の質を表示したものと認識されているということはできないものである。

そして、当審において職権をもって調査するも、「aiData」又は「Aidata」の文字が、その指定商品又は指定役務との関係において、商品の品質又は役務の質等を表示するものとして一般に使用されている事実は発見できず、他に当該文字が人工知能に関連する語又は特定のデータ形式を表示するものとしてのみ認識されるというべき特段の事情も発見できなかった。

イ 請求人は、自身のブランド戦略として、「図形+ai●●」の文字構成からなる商標を世界各国で積極的に使用、権利化し続けているものの、今日に至るまで実際の市場において他社商標との誤認混同は生じていないことから、本願商標と引用商標は判然と区別し得る旨主張する。

しかしながら、商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは、その指定商品全般についての一般的、恒常的なそれを指すものであって、単に該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的、限定的なそれを指すものではない(最高裁昭和47年(行ツ)第33号)旨判示され、指定役務についても同様に理解されるところ、請求人又は引用商標権者が、実際にどのような標章を使用しているかといった事情は、指定商品又は指定役務全般についての一般的、恒常的な実情とはいえないから、これを取引の実情として商標の類否判断に当たり考慮することはできない。

ウ 請求人は、過去の審決例を挙げて、本願商標と引用商標についても、それらと同様に非類似の商標と判断されるべきである旨主張する。

しかしながら、商標の類否の判断は、出願された商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断すべきものであり、また、請求人の挙げる審決例と本願商標とは、商標の構成等を異にするものであるから、当該審決例によって、直ちに本願商標に係る判断が左右されるものではない。

エ したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。

(7)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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