結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第35454号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4085717号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成8年4月23日登録出願、別紙(1)に示す「Car−Lion」の欧文字よりなり、第9類「電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同9年11月28日に設定の登録がされたものである。
請求人が本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとして、その理由に引用する登録第2709360号商標(以下、「引用商標」という。)は、昭和55年8月28日登録出願、別紙(2)に示す「ライオン」、「LION」の各文字よりなり、第11類「電気磁気測定器、電気通信機械器具、電子応用機械器具」を指定商品として、平成7年8月31日に設定の登録がされたものである。
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨つぎのように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
(1)本件商標の態様は、「Car」の英文字と「−」(ハイフン)と「Lion」の英文字とを横一列に表示してなるものであるが、「Car」と「Lion」とを切り離して、単に、「ライオン」と略称されることも十分あり得る。
これに対し、引用商標(甲第1号証)の構成態様は、「ライオン」の片仮名文字と「LION」の英文字とを上下二段に表示してなるものであるから、「ライオン」の称呼及び観念を生ずるものである。
したがって、両商標は、「ライオン」の称呼及び観念を共通にする標章からなるものであるから、類似の商標というべきである。また、両商標は、その指定商品も同一又は類似である。
(2)本件商標は、前記のとおり、「Car」の英文字と「−」(ハイフン)と「Lion」の英文字とを横一列に表示してなるものであるから、「カー・ライオン」と称呼するものではあるが、特に関係ある観念を有しない「Car」と「Lion」とを併記した造語的なものである。
ところで、「Car」の英文字は、自動車を意味する英語として既に日本語化しており、自動車関係の商品を意味する接頭語として普通に使用されているものである。本件商標の指定商品との関係でいえば、カーステレオ、カーナビゲーションシステム(カーナビと略す)などが挙げられる。
このように、「Car」の英文字は商品の用途を示す部分と理解されるものであるから、自他商品の識別力のある商標の要部は、「Lion」の英文字部分である。
即ち、「Car」の英文字は用途表示部分として理解されるものであるから、横一列の表示ではあってもきわめて弱い部分であるのに対し、「Lion」はそれ自体十分個別性と親しみ易さをもった言葉であるから、本件商標は単に「ライオン」と称呼及び観念されることも十分多いのである。
これに対し、請求人が引用する引用商標は前記のとおりの構成からなるもので、「ライオン」の称呼及び観念を生ずるものである。
したがって、本件商標と引用商標は、共に「ライオン」の称呼及び観念を要部とする類似の商標といえる。また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似の商品であることも明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものというべきである。
(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであり、同法第46条第1項第1号の規定によりその登録は無効とされるべきである。
被請求人は、本件審判の請求に対して、答弁書を提出していない。
(1)審判の審理について
本件審判は、本件商標に係る商標権の登録の無効を求める請求である。そして、この請求に対して、被請求人は何ら答弁の理由を述べていないこと前記のとおりである。
しかして、審判の最終的判断として示される審決の効力は広く第三者に及び、対世的な影響が大きいことから、その審理を進めるに当たって、純然たる当事者主義により行うことは自ずと限界がある。すなわち、審判の請求があった後は、当該請求の取り下げ、又は請求の趣旨の範囲内という審理の限界はあるとしても、当事者の意思とは直接関係なく審理の公正かつ透明性を担保するため、随時職権により審理を行うことが必要であるから、この点、審判において職権主義の占める比重は極めて大というべきである。
そのため、本件審判の如く、被請求人が全く答弁をしない場合であっても、それ故をもって請求人の主張を全面的に容認することは、職権主義の放棄に繋がり、審理の公正かつ透明性を期すことは困難となるから、かかる場合、当事者の意思を慮る必要はなく、したがって、本件審判における請求人の主張の当否、すなわち、本件商標の無効理由の存否について、実質的な審理・判断が必要と解される。よって、以下、審理する。
(2)請求人の主張の当否について
請求人が述べる本件商標の無効事由は、本件商標の構成中の「Car」の英文字部分はその指定商品の用途を示すに止まり商品識別の機能がない故に後半の「Lion」の英文字部分において引用商標と類似する、というものである。
そこで、本件商標についてみるに、その構成は別紙に示すとおり、「Car」及び「Lion」の各文字をハイフン記号(「−」)を介在させて表してなるところ、両文字は、同書体をもって表されていて視覚上一体的に看取し得るばかりでなく、観念上も特に軽重の差を見出すことはできない。また、これより全体として生ずる「カーライオン」の称呼も格別冗長に亘るものとはいい難く、一気一連に称呼し得るものである。
そして、たとえ、構成中の「Car」の文字部分がカーステレオ、カーナビゲーションシステム等の如くいわゆる自動車用品について用いられる「カー」の語を想起する場合があるとしても、かかる構成にあっては、直ちに特定の商品の用途、品質等を具体的に表すものとはいい難く、むしろ、全体として不可分一体の造語として認識し把握されるとみるのが自然であるから、これよりは前記一連の称呼のみを生ずるとみるのが自然であって、その称呼をもって取引に資されるものとみるのが相当である。
そうすると、本件商標より単に「ライオン」の称呼、観念を生ずるものということはできないから、これを前提に本本件商標と引用商標との類似を述べる請求人の主張は妥当でなく、採用することができない。その他、請求人の主張を認めるに足りる証拠はない。
また、このほか、本件商標と引用商標とを類似のものとすべき事由は見出せない。
してみれば、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものということはできないから、その登録は、同法第46条第1項により無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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