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Trademark Appeal Case

称呼の要部抽出と一体性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2022900463
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
登録第6610507号商標の指定商品中、第3類「化粧用クレンジング乳液,美顔用パック,香水,化粧品,洗顔クレンザー,化粧落とし剤,化粧落とし用の乳液・ジェル・ローション及びクリーム,脱脂綿に浸み込ませた化粧落とし剤,コットンパフに浸み込ませた化粧落とし剤,皮膚の手入れ用化粧品,ネイルエナメル,化粧用脱脂綿,ハンドクリーム,リップスティックケース(リフィル用)」及び第21類「くし,ブラシ,歯ブラシ,携帯用化粧道具入れ(化粧用具の入ったもの),化粧用具,化粧用スポンジ,化粧品入れ,化粧落とし器,おしろい入れ」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

理 由

1 本件商標

本件登録第6610507号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和4年5月19日に登録出願、第3類「化粧用クレンジング乳液,靴クリーム,美顔用パック,香水,芳香剤,食器用洗剤,精油,化粧品,練り歯磨き,せっけん,洗顔クレンザー,化粧落とし剤,化粧落とし用の乳液・ジェル・ローション及びクリーム,脱脂綿に浸み込ませた化粧落とし剤,コットンパフに浸み込ませた化粧落とし剤,皮膚の手入れ用化粧品,ネイルエナメル,化粧用脱脂綿,ハンドクリーム,リップスティックケース(リフィル用)」及び第21類「家庭用又は台所用の容器,ガラス製ボウル,クリスタル製の造形品,植木鉢,香料くん焼器,くし,ブラシ,歯ブラシ,ようじ,食品用断熱容器,家事用手袋,はえたたき,水生動植物の室内飼育観賞用水槽,携帯用化粧道具入れ(化粧用具の入ったもの),化粧用具,化粧用スポンジ,化粧品入れ,化粧落とし器,おしろい入れ」を指定商品として、同年8月22日に登録査定、同年9月5日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第6521579号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、令和3年7月30日に登録出願、第3類「化粧品」及び第21類「美容用皮膚冷却用化粧用具その他の化粧用具」を指定商品として、同4年2月9日に登録査定、同年3月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

なお、引用商標は、令和4年10月28日にこの登録を無効とする審判請求がなされたが、当該審判事件は、同6年8月8日に本件審判の請求は成り立たない旨の審決がなされ、同年12月16日にその審決が確定している。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。

本件商標は、熊の図形の下方に「B」に類する文字と、「Pink Bear」の英文字を横書きした二段書きからなるものであり、下段の文字部分は、「B」に類する文字から一文字間隔を置いて、「Pink Bear」が横一列に書してなる。

「B」に類する文字は、通常の書体の「B」とは異なり、縦バー「I」にE(決定注:ギリシャ文字の第5字「イプシロン」の小文字を表したもの。)の鏡文字が、上下に少し間隔を置き、中央のみが接合された独特の直立文字からなり、一方「Pink Bear」は、少し右に傾いた斜体からなり、両者の書体は明らかに相違している。

さらにいえば、「B」と感得される文字は、上述した構成により、「B」と読めなくもない程度にデザイン化されている。これを、「Bear」の冒頭の「B」と対比すると、書体の相違を明らかに認識でき、全体として、「Pink Bear」との異質感を感得することができる。

このため、「B」に類する文字は、書体及び傾斜が明らかに異なる「Pink Bear」とは本来融合しにくく、間隔を置いていることからも、一連性がない。これにより、「B」に類する文字と、「Pink Bear」の英文字は、横一列ではあるものの一体性が無いため、観察者としては下段部分から「ビーピンクベア」との一連の称呼を感得することは困難となる。

また、「Pink Bear」はピンク色の熊の概念を有し、上部にある熊の図と強く関係付けられ、観察者はこの部分を深く意識すると考えられる。一方「B」に類する文字は、上部の熊との関連を感得することはできない。このため、一般需要者は、本件商標から、熊と関係付けられた解読容易な英文字である「Pink Bear」に称呼を求め、「ピンクベア」と称するのが自然である。

さらには、甲第3号証で明らかなように、本件商標権者は中国において、「Pink Bear」を、自らが周知であると主張する程度に実際に使用している。本件商標は、かかる使用の実態に即して、「Pink Bear」の前に、「B」に類するロゴを付して、登録を図ったものである。このような経緯からは、「B」に類するロゴは、「ビーピンクベア」と称されない範囲で、デザイン化することを念頭に、作成したことがうかがい知れる。このことからも、書体全体から、「ピンクベア」の自然称呼を生ずるという上述の申立人主張は、本件商標権者の使用の実態に鑑みても、違和感のないものと考える。

したがって、本件商標からは「ピンクベア」の称呼を生ずることは明らかである。

他方、引用商標は、「Pink Bear」を筆記体で一連に書してなり、「ピンクベア」の称呼を生ずるものである。

してみれば、本件商標と引用商標は、共に「ピンクベア」の称呼を生ずること明らかであるから、その称呼において類似の商標である。そして、本件商標と引用商標の指定商品は、同一又は類似のものである。

4 当審における取消理由

当審において、商標権者に対して、本件商標の指定商品中、第3類「化粧用クレンジング乳液,美顔用パック,香水,化粧品,洗顔クレンザー,化粧落とし剤,化粧落とし用の乳液・ジェル・ローション及びクリーム,脱脂綿に浸み込ませた化粧落とし剤,コットンパフに浸み込ませた化粧落とし剤,皮膚の手入れ用化粧品,ネイルエナメル,化粧用脱脂綿,ハンドクリーム,リップスティックケース(リフィル用)」及び第21類「くし,ブラシ,歯ブラシ,携帯用化粧道具入れ(化粧用具の入ったもの),化粧用具,化粧用スポンジ,化粧品入れ,化粧落とし器,おしろい入れ」についての登録は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してなされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づいて取り消すべき旨の取消理由を、令和7年3月26日付けで通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。

なお、商標権者は、上記取消理由通知書に対して、意見書を提出していない。

5 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標と引用商標の類否

(ア)本件商標

本件商標は、別掲1の構成からなるところ、上段にクマをモチーフとした顔図形と下段にロゴ化した「B」の文字の右横にややロゴ化した「Pink Bear」の文字を斜体字で横書きしてなるものである。

そして、上段の図形部分と下段の文字部分は、視覚上分離して看取される構成からなるもので、これらが組み合わさって特定の意味合いを生じるなど、観念上のつながりがないことから、これらが常に一体不可分のものとして把握されるとはいい難いものである。

そうすると、本件商標の図形部分と文字部分は、それぞれが独立して商品の出所識別標識としての機能を有するというのが相当である。

次に、本件商標の文字部分について検討すると、当該文字部分は、構成左側にロゴ化された「B」の文字を配置し、その右横に「桃色」の意味を有する「Pink」の英語と「クマ」の意味を有する「Bear」の英語(出典:「ジーニアス英和辞典 第6版」大修館書店)を一連に斜体字で「Pink Bear」と横書きした構成からなるものである。

そして、当該「B」の文字と「Pink Bear」の文字は、書体が相違することから、分離して看取されやすく、これらが組み合わさって特定の意味合いを生じるなど、観念上のつながりがないことから、「Pink Bear」の文字が本件商標に接する者に強く支配的な印象を与えるといえ、当該文字部分が独立して商品の出所を識別する標識として機能を果たすといえるものである。

してみると、本件商標は、その構成中の「Pink Bear」の文字(以下「本件商標の要部」という。)に相応し、「ピンクベア」の称呼を生じ、「桃色のクマ」ほどの観念を生じる。

(イ)引用商標

引用商標は、別掲2の構成からなるところ、筆記体風に「Pink Bear」の文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応し、「ピンクベア」の称呼を生じ、「桃色のクマ」ほどの観念を生じる。

(ウ)本件商標と引用商標の類否

そこで、本件商標と引用商標を比較すると、両商標は、構成全体が相違するとしても、本件商標の要部と引用商標とは、共に「Pink Bear」の文字からなり、外観において近似した印象を与え、「ピンクベア」の称呼及び「桃色のクマ」の観念を同一にするものである。

そうすると、これら外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本件商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれのある類似の商標というが相当である。

イ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否

本件商標の指定商品中、第3類「化粧用クレンジング乳液,美顔用パック,香水,化粧品,洗顔クレンザー,化粧落とし剤,化粧落とし用の乳液・ジェル・ローション及びクリーム,脱脂綿に浸み込ませた化粧落とし剤,コットンパフに浸み込ませた化粧落とし剤,皮膚の手入れ用化粧品,ネイルエナメル,ハンドクリーム,リップスティックケース(リフィル用)」は、引用商標の指定商品中、第3類「化粧品」と同一又は類似の商品であり、また、本件商標の指定商品中、第3類「化粧用脱脂綿」及び第21類「くし,ブラシ,歯ブラシ,携帯用化粧道具入れ(化粧用具の入ったもの),化粧用具,化粧用スポンジ,化粧品入れ,化粧落とし器,おしろい入れ」は、引用商標の指定商品中、第21類「美容用皮膚冷却用化粧用具その他の化粧用具」と同一又は類似の商品である。

ウ 小括

以上によれば、本件商標は、引用商標と類似する商標であり、また、本件商標の指定商品中、第3類「化粧用クレンジング乳液,美顔用パック,香水,化粧品,洗顔クレンザー,化粧落とし剤,化粧落とし用の乳液・ジェル・ローション及びクリーム,脱脂綿に浸み込ませた化粧落とし剤,コットンパフに浸み込ませた化粧落とし剤,皮膚の手入れ用化粧品,ネイルエナメル,化粧用脱脂綿,ハンドクリーム,リップスティックケース(リフィル用)」及び第21類「くし,ブラシ,歯ブラシ,携帯用化粧道具入れ(化粧用具の入ったもの),化粧用具,化粧用スポンジ,化粧品入れ,化粧落とし器,おしろい入れ」は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)むすび

以上のとおり、本件商標の指定商品中、第3類「化粧用クレンジング乳液,美顔用パック,香水,化粧品,洗顔クレンザー,化粧落とし剤,化粧落とし用の乳液・ジェル・ローション及びクリーム,脱脂綿に浸み込ませた化粧落とし剤,コットンパフに浸み込ませた化粧落とし剤,皮膚の手入れ用化粧品,ネイルエナメル,化粧用脱脂綿,ハンドクリーム,リップスティックケース(リフィル用)」及び第21類「くし,ブラシ,歯ブラシ,携帯用化粧道具入れ(化粧用具の入ったもの),化粧用具,化粧用スポンジ,化粧品入れ,化粧落とし器,おしろい入れ」についての登録は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してなされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきである。

また、本件商標の指定商品中上記指定商品以外のその余の指定商品については、その登録を取り消すべき理由がないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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