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Trademark Appeal Case

商標の類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025685012
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結論
国際登録第870430号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

理由

第1 本件商標

本件国際登録第870430号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、2022(令和4)年6月24日に国際登録出願(事後指定)、第29類「Meat, fish, poultry and game; meat extracts, preserved, dried and cooked fruits and vegetables; jellies; jams; eggs, milk and milk products; edible oils and fats; canned meat, fish, vegetables and fruits.」、第32類「Beers; mineral and aerated waters and other non-alcoholic drinks; fruit drinks and fruit juices; syrups and other preparations for making beverages.」及び第33類「Alcoholic beverages (except beers).」のほか、第20類、第21類、第30類及び第31類に属する国際登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、令和7年2月10日に登録査定され、同年4月11日に設定登録されたものである。

第2 申立人が引用する商標

1 商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するとして引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標が取り消されるべき理由において、商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するとして引用する商標(以下「申立人商標」という。)は、別掲2の構成からなるものであって、申立人が飲料に使用していると主張するものである。

2 商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標

申立人が、本件商標が取り消されるべき理由において、商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は次のとおりであり(以下、それらをまとめて「引用商標」という場合がある。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。

(1)登録第2557438号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の態様:別掲3のとおり

指定商品 :第30類「茶,コーヒー,ココア,氷」

第32類「清涼飲料」

(書換登録日:平成16年12月22日)

登録出願日:平成2年12月12日

設定登録日:平成5年7月30日

(2)登録第2599950号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の態様:別掲4のとおり

指定商品 :第30類「茶,コーヒー,ココア,氷」

第32類「清涼飲料」

(書換登録日:平成17年1月5日)

登録出願日:平成2年12月12日

設定登録日:平成5年11月30日

(3)登録第6139822号商標(以下「引用商標3」という。)

商標の態様:別掲5のとおり

指定商品 :第32類「ビール,麦芽ビール,果実飲料,飲料水,アルコール分を含まない飲料,飲料用野菜ジュース,果肉飲料(アルコール分を含まないもの),飲料用シロップ,清涼飲料,飲料製造用調製品」

登録出願日:平成30年2月19日

設定登録日:平成31年4月19日

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標が、その指定商品中、第29類「Meat, fish, poultry and game; meat extracts, preserved, dried and cooked fruits and vegetables; jellies; jams; eggs, milk and milk products; edible oils and fats; canned meat, fish, vegetables and fruits.」、第32類「Beers; mineral and aerated waters and other non-alcoholic drinks; fruit drinks and fruit juices; syrups and other preparations for making beverages.」及び第33類「Alcoholic beverages (except beers).」(以下「本件申立商品」という。)について、商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証を提出した。

なお、以下、証拠の記載に当たっては、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する場合がある。

1 本件商標

外観について、3本のヤシの木と地表の図形を中央に配置し、「THREE COCONUT TREE」の文字を図形の下に横書きで配置し、「椰樹牌」の文字を図形の右側に縦書きで配置した結合商標の外観である。

称呼について、「THREE COCONUT TREE」の文字から「スリーココナッツツリー」の称呼及び、「椰樹牌」の文字から「ヤジュハイ」及び「イエシューパイ」の称呼が生じる。

観念について、3本のヤシの木と地表の図形から「3本のヤシの木」の観念が生じる。「THREE」は「3」を意味する英単語であり(甲9)、「COCONUT」は「ヤシの実」を意味する英単語であり(甲10)、「TREE」は「木」を意味する英単語である(甲11)から、「THREE COCONUT TREE」の文字から「3本のヤシの木」の観念が生じる。「椰」の文字は「ヤシ」を意味する漢字であり(甲12)、「樹」の文字は「木」を意味する漢字であり(甲13)、「牌」の文字は「ブランド」を意味する漢字である(甲14)から、「椰樹牌」の文字は「ヤシの木ブランド」の意味であるが、「牌」の文字が「ブランド」を意味する文字であることを考慮すれば、「椰樹」の文字が識別力を強く発揮する部分である。そうすると、「椰樹牌」の文字から生じる観念は、「ヤシの木ブランド」の観念のほかに、「ヤシの木」の観念も生じる。したがって、本件商標から生じる観念は、「3本のヤシの木」、「ヤシの木ブランド」及び「ヤシの木」である。

2 商標法第4条第1項第10号

(1)申立人商標の著名性

申立人は、1956年に中華人民共和国において設立された老舗の飲料メーカーである。申立人は、7本のヤシの木と地表を円で囲った図形の下に横書きで「椰▲樹▼」(決定注:「▲樹▼」は簡体字である。以下同じ。)の文字を配置した商標(申立人商標)を飲料に使用した。そして、申立人商標は、中華人民共和国の国家工商行政管理局商標局が1999年1月5日に、同国において飲料の出所表示として著名な商標であると認定した(甲16)。申立人は、申立人商標を現在に至るまでの25年間継続して使用し、その結果、申立人商標は、需要者及び取引者において著名性を獲得するに至ったものである。申立人商標の周知性は、1999年1月5日から現在に至るまで継続している。したがって、申立人商標は、本件商標の登録出願時及び査定時において、需要者及び取引者に広く認識されている。

(2)申立人商標(甲16)

外観について、7本のヤシの木と地表を円で囲った図形の下に横書きで「椰▲樹▼」の文字を配置した結合商標の外観である。

称呼について、「▲樹▼」の文字は「樹」の略字であるため(甲15)、「椰▲樹▼」から「ヤジュ」及び「イエシュー」の称呼が生じる。

観念について、7本のヤシの木と地表を円で囲った図形から「7本のヤシの木」の観念が生じる。「椰」の文字は「ヤシ」を意味する漢字であり(甲12)、「▲樹▼」の文字は「樹」の略字であって「木」を意味する漢字である(甲13)から、「椰▲樹▼」の文字から生じる観念は、「ヤシの木」である。したがって、申立人商標から生じる観念は、「7本のヤシの木」及び「ヤシの木」である。

(3)申立人使用商品

申立人が申立人商標を使用した商品(以下「申立人使用商品」という。)は飲料である(甲16)。

(4)本件商標と申立人商標の対比

外観について、両商標は外観における共通点はない。したがって、本件商標と申立人商標は、外観において相紛らわしい商標ではない。

称呼について、両商標は称呼における共通点はない。したがって、本件商標と申立人商標は、称呼において相紛らわしい商標ではない。

観念について、本件商標は、「3本のヤシの木」、「ヤシの木ブランド」及び「ヤシの木」の観念が生じ、申立人商標からは、「7本のヤシの木」及び「ヤシの木」の観念が生じるから、両商標は「ヤシの木」の観念において共通する。したがって、本件商標と申立人商標は、観念において相紛らわしい商標である。

以上のとおりであるから、本件商標は、申立人商標と観念において相紛らわしい類似商標である。

(5)本件商標の指定商品と申立人使用商品の類似性

申立人が申立人商標を使用した商品は飲料であり、飲料は、本件商標の第32類に属する商品と同一又は類似の商品である。

(6)小括

以上のとおりであるから、本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び査定時において、需要者に広く認識されている申立人商標と同一又は類似の商標であって、申立人使用商品と同一又は類似の商品について使用するものである。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものである。

3 商標法第4条第1項第11号

(1)引用商標1(甲3、甲4)

外観について、「椰▲樹▼牌」の文字を横書きした文字商標の外観である。

称呼について、「▲樹▼」の文字は「樹」の略字であるため(甲15)、「椰▲樹▼牌」の文字から「ヤジュハイ」及び「イエシューパイ」の称呼が生じる。

観念について、「椰」の文字は「ヤシ」を意味する漢字であり(甲12)、「▲樹▼」の文字は「樹」の略字であって「木」を意味する漢字であり(甲13)、「牌」の文字は「ブランド」を意味する漢字である(甲14)から、「椰▲樹▼牌」の文字は「ヤシの木ブランド」の意味であるが、「牌」の文字が「ブランド」を意味する文字であることを考慮すれば、「椰▲樹▼」の文字が識別力を強く発揮する部分である。そうすると、「椰▲樹▼牌」の文字から生じる観念は、「ヤシの木ブランド」の観念のほかに、「ヤシの木」の観念も生じる。したがって、引用商標1から生じる観念は、「ヤシの木ブランド」及び「ヤシの木」である。

引用商標1の指定商品は、第30類「茶,コーヒー,ココア,氷」、第32類「清涼飲料」である。

(2)本件商標と引用商標1の対比

外観について、両商標は外観における共通点はない。したがって、本件商標と引用商標1は、外観において相紛らわしい商標ではない。

称呼について、両商標は「ヤジュハイ」及び「イエシューパイ」の称呼において共通する。したがって、本件商標と引用商標1は、称呼において相紛らわしい商標である。

観念について、本件商標は、「3本のヤシの木」、「ヤシの木ブランド」及び「ヤシの木」の観念が生じ、引用商標1は、「ヤシの木ブランド」及び「ヤシの木」の観念が生じるから、両商標は「ヤシの木ブランド」及び「ヤシの木」の観念において共通する。したがって、本件商標と引用商標1は、観念において相紛らわしい商標である。

以上のとおりであるから、本件商標は、引用商標1と称呼及び観念において相紛らわしい類似商標である。

本件商標の指定商品中、第32類「mineral and aerated waters and other non-alcoholic drinks; fruit drinks and fruit juices; syrups and other preparations for making beverages」は、引用商標1の指定商品中、第32類「清涼飲料」と類似する商品である。

(3)引用商標2(甲5、甲6)

外観について、7本のヤシの木と地表を円で囲った図形の下に横書きで「椰▲樹▼牌」の文字を円に沿って配置した結合商標の外観である。

称呼について、「▲樹▼」の文字は「樹」の略字であるため(甲15)、「椰▲樹▼牌」の文字から「ヤジュハイ」及び「イエシューパイ」の称呼が生じる。図形からは称呼は生じない。

観念について、7本のヤシの木と地表を円で囲った図形から「7本のヤシの木」の観念が生じる。「椰▲樹▼牌」の文字から生じる観念は、上記(1)で述べたとおり、「ヤシの木ブランド」の観念のほかに、「ヤシの木」の観念も生じる。したがって、引用商標2から生じる観念は、「7本のヤシの木」、「ヤシの木ブランド」及び「ヤシの木」である。

引用商標2の指定商品は、第30類「茶,コーヒー,ココア,氷」、第32類「清涼飲料」である。

(4)本件商標と引用商標2の対比

外観について、両商標は外観における共通点はない。したがって、本件商標と引用商標2は、外観において相紛らわしい商標ではない。

称呼について、両商標は「ヤジュハイ」及び「イエシューパイ」の称呼において共通する。したがって、本件商標と引用商標2は、称呼において相紛らわしい商標である。

観念について、本件商標は、「3本のヤシの木」、「ヤシの木ブランド」、「ヤシの木」の観念が生じ、引用商標2は、「7本のヤシの木」、「ヤシの木ブランド」及び「ヤシの木」の観念が生じるから、両商標は「ヤシの木ブランド」及び「ヤシの木」の観念において共通する。したがって、本件商標と引用商標2は、観念において相紛らわしい商標である。

以上のとおりであるから、本件商標は、引用商標2と称呼及び観念において相紛らわしい類似商標である。

本件商標の指定商品中、第32類「mineral and aerated waters and other non-alcoholic drinks; fruit drinks and fruit juices; syrups and other preparations for making beverages」は、引用商標2の指定商品中、第32類「清涼飲料」と類似する商品である。

(5)引用商標3(甲7、甲8)

外観について、左端に白色の縦長の長方形を配置し、その他の部分に黒色の背景を配置し、黒色の背景の右側3分の1程度の部分に黄色、青色、赤色の長方形を配置し、その上に横書きで白抜きの「椰▲樹▼」の文字を配置し、黒色の背景の左側3分の1程度の部分の上部に黄色、青色、赤色の長方形を配置し、その上に黄色と白色の文字で「椰▲樹▼牌」の文字を配置し、下部に一部分が切られたヤシの実と白色の液体が入ったグラスを配置した結合商標の外観である。

称呼について、「▲樹▼」の文字は「樹」の略字であるため(甲15)、「椰▲樹▼牌」の文字から「ヤジュハイ」及び「イエシューパイ」の称呼が生じ、「椰▲樹▼」の文字から「ヤジュ」及び「イエシュー」の称呼が生じる。

観念について、一部分が切られたヤシの実と白色の液体が入ったグラスから、「ヤシの実の果汁」の観念が生じる。「椰▲樹▼牌」の文字から生じる観念は、上記(1)で述べたとおり、「ヤシの木ブランド」の観念のほかに、「ヤシの木」の観念も生じる。また、「椰▲樹▼」の文字から生じる観念は、「ヤシの木」である。したがって、引用商標3から生じる観念は、「ヤシの実の果汁」、「ヤシの木ブランド」及び「ヤシの木」である。

引用商標3の指定商品は、第32類「ビール,麦芽ビール,果実飲料,飲料水,アルコール分を含まない飲料,飲料用野菜ジュース,果肉飲料(アルコール分を含まないもの),飲料用シロップ,清涼飲料,飲料製造用調製品」である。

(6)本件商標と引用商標3の対比

外観について、両商標は外観における共通点はない。したがって、本件商標と引用商標3は、外観において相紛らわしい商標ではない。

称呼について、両商標は「ヤジュハイ」及び「イエシューパイ」の称呼において共通する。したがって、本件商標と引用商標3は、称呼において相紛らわしい商標である。

観念について、両商標は「ヤシの木ブランド」及び「ヤシの木」の観念において共通する。したがって、本件商標と引用商標3は、観念において相紛らわしい商標である。

以上のとおりであるから、本件商標は、引用商標3と称呼及び観念において相紛らわしい類似商標である。

本件商標の指定商品中、第29類「milk and milk products」は、引用商標3の指定商品中、第32類「アルコール分を含まない飲料,飲料製造用調製品」と、本件商標の指定商品中、第32類に属する指定商品は、引用商標3の指定商品中、第32類の指定商品と、本件商標の指定商品中、第33類に属する指定商品は、引用商標3の指定商品中、第32類「ビール,麦芽ビール,飲料製造用調製品」と、それぞれ類似する商品である。

(7)小括

以上のとおりであるから、本件商標は、引用商標1ないし引用商標3と類似する商標であって、引用商標1ないし引用商標3の指定商品と同一又は類似の商品に使用するものである。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

4 商標法第4条第1項第15号

(1)本件商標と申立人商標の類似性の程度

上記2(4)のとおり、本件商標は、申立人商標と観念において相紛らわしい類似商標である。

(2)申立人商標の周知度

上記2(1)のとおり、申立人商標は、本件商標の登録出願時及び査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者及び取引者において広く認識されている。

(3)申立人商標の構成

申立人商標は、7本のヤシの木と地表を円で囲った図形の下に横書きで「椰▲樹▼」の文字を配置した結合商標であり、ありふれた態様の商標ではない。申立人商標は、申立人の業務に係る商品の出所表示として、強い識別力を発揮するものである。

(4)商品の関連性

上記2(5)のとおり、申立人使用商品と本件商標の指定商品は類似商品である。

(5)需要者の共通性

申立人使用商品の需要者と本件商標の指定商品の需要者は、共に一般的な需要者であるから共通する。

(6)小括

以上のとおりであるから、本件商標は、本件商標がその指定商品に使用された場合、需要者及び取引者は、申立人の業務に係る商品と誤認し又は、申立人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品等であると誤認して、商品の出所について混同するおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。

5 商標法第4条第1項第19号

(1)申立人商標の著名性

上記2(1)のとおり、申立人商標は、本件商標の登録出願時及び査定時において、外国における需要者の間に広く認識されている商標である。

(2)本件商標と申立人商標の類似性

上記2(4)のとおり、本件商標は、申立人商標と観念において相紛らわしい類似商標である。

(3)不正の目的

上記2(1)のとおり、申立人商標は、中華人民共和国の国家工商行政管理局商標局が1999年1月5日に、同国において飲料の出所表示として著名な商標であると認定した(甲16)。申立人商標は、7本のヤシの木と地表を円で囲った図形の下に横書きで「椰▲樹▼」の文字を配置した結合商標であり、構成上顕著な特徴を有するものである。また、申立人は、申立人商標と同一又は類似の商標について、中華人民共和国において商標登録を受けている実情がある(甲17)。

そうすると、本件商標は、本件商標の商標権者が偶然に採用した商標であるとは考え難く、申立人商標に化体した業務上の信用や顧客吸引力に便乗して、不正の利益等を得る等の不正の目的が推認できるものである。

(4)小括

以上のとおりであるから、本件商標は、不正の目的をもって使用するものと推認できるものであり、商標法第4条第1項第19号に該当するものである。

6 結論

本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、商標法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

第4 当審の判断

1 申立人商標の周知著名性について

申立人商標は、別掲2のとおり、7本の木と地表とおぼしきものなどを円で囲った図形の下に横書きで「椰▲樹▼」の文字を配したものであって、中華人民共和国の国家工商行政管理局商標局が1999年1月5日に、同国において飲料に使用するものとして著名な商標であると認定していることが認められるものの(甲16)、申立人は、我が国での申立人商標の使用状況など、我が国における周知著名性について何ら立証をしていないことから、本件商標の登録出願時及び査定時に、申立人商標が、飲料を取り扱う分野等、我が国において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものとは認められない。

2 商標法第4条第1項第10号について

(1)本件商標について

ア 本件商標は、別掲1のとおり、地表から3本のヤシの木が生えている図形(以下「本件図形部分」という場合がある。)の下に「THREE COCONUT TREE」の文字(以下「本件欧文字部分」という場合がある。)を、また、上記図形の右に「椰樹牌」の文字(以下「本件漢字部分」という場合がある。)を縦書きで配してなり、図形と文字とを組み合わせてなる結合商標であると容易に看取、把握されるものである。

イ そして、それぞれの図形と文字部分は、相互に重なり合うこともなく間隔を空けて配されており、かつ、図形と文字の違いほか、「THREE COCONUT TREE」と「椰樹牌」の文字部分についても、文字種の違いに加え、その文字の大きさ、縦書きと横書きなどの違いがあることも考慮すると、それぞれが視覚上分離、独立した印象を与えるものである。

ウ 本件欧文字部分(THREE COCONUT TREE)は、「THREE」が「3」を(甲9)、「COCONUT」が「ヤシの実」を(甲10)、「TREE」が「木」を(甲11)意味する平易な英単語から構成されていることから、その構成文字に相応して「スリーココナッツツリー」の称呼及び「3本のヤシ(の実)の木」の観念が生じるものである。

エ 本件漢字部分(椰樹牌)は、その構成中の「椰」、「椰樹」あるいは「椰樹牌」の各語は、我が国の一般の国語辞書等に載録されているものではなく、また、特定の意味合いを認識させるものとして我が国において広く知られている実情も見いだせないことから、具体的な意味合いを認識させるものであるとはいえない。

したがって、本件漢字部分は、その構成文字に相応して「ヤジュハイ」あるいは「ヤジュパイ」の称呼が生じ得るものの、特定の観念は生じるものではない。

オ 本件図形部分は、別掲1のとおり、そこに表された3本の木の形状の特徴などから「地表から3本のヤシの木が生えている図形」を表したものと認識し得るものであるうえ、上記ウのとおり、「3本のヤシ(の実)の木」を意味する英語である「THREE COCONUT TREE」の欧文字が本件図形部分の下に配されていることから、本件図形部分から直ちに特定の称呼が生じるとまではいえないものの、「3本のヤシの木」の観念が生じ得るものといえる。

カ そうすると、本件商標の構成中、本件図形部分、本件欧文字部分及び本件漢字部分は、本件申立商品との関係において、その商品の普通名称や品質等を表したとはいえないものであることから、それぞれが商品の出所識別標識としての機能を十分に果たし得るものといえる。

キ また、上記のとおり、本件図形部分、本件欧文字部分及び本件漢字部分は、それぞれ、視覚上分離、独立した印象を与えるものであって、かつ、本件漢字部分(椰樹牌)は、本件図形部分及び本件欧文字部分(THREE COCONUT TREE)と観念及び称呼において関連性を有するものとはいえず、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものともいえず、ほかに常に一体のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も見いだせない。

ク 一方、本件欧文字部分(THREE COCONUT TREE)と本件図形部分は、ともに「3本のヤシ(の実)の木」を表している点で観念上共通するものであると認識し得るから、本件図形部分と本件欧文字部分を一体的に把握して出所識別標識として理解される場合があるといえるものの、本件図形部分及び本件欧文字部分は、上記のとおり、それぞれが商品の出所識別標識としての機能を十分に果たし得るものともといえる。

ケ そうすると、本件商標は、本件図形部分と本件欧文字部分を一体的に把握して出所識別標識として理解される場合があるものの、本件図形部分、本件欧文字部分及び本件漢字部分がそれぞれ独立して商品の出所識別標識としての機能を十分に発揮し得る要部といえることから、本件商標は、本件図形部分、本件欧文字部分及び本件漢字部分をそれぞれ要部として取り出し、これと引用する商標などを比較して商標そのものの類否を判断することも、許されるというべきである。

コ したがって、本件商標は、その要部である本件欧文字部分の構成文字に相応して「スリーココナッツツリー」、本件漢字部分の構成文字に相応して「ヤジュハイ」及び「ヤジュパイ」の称呼が生じ、本件欧文字部分及び本件図形部分から「3本のヤシの木」の観念が生じるものの、本件漢字部分からは特定の観念は生じないものである。

サ なお、申立人は、本件漢字部分(椰樹牌)について、「椰」の文字は「ヤシ」を意味する漢字であり(甲12)、「樹」の文字は「木」を意味する漢字であり(甲13)、「牌」の文字は「ブランド」を意味する漢字である(甲14)から、「椰樹牌」の文字は「ヤシの木ブランド」を意味し、「牌」の文字が「ブランド」を意味する文字であることを考慮すれば、「椰樹」の文字が識別力を強く発揮する部分である。そうすると、「椰樹牌」の文字から生じる観念は、「ヤシの木ブランド」の観念のほかに、「ヤシの木」の観念も生じるから、本件商標から生じる観念は、「3本のヤシの木」、「ヤシの木ブランド」及び「ヤシの木」である旨主張する。

しかしながら、申立人が本件漢字部分を構成するそれぞれの漢字の意味を立証するにあたり証拠として引用した各甲号証は、いずれも中国語における意味を載録した「中国語辞典」からの引用であって、本件申立商品に係る我が国の一般の需要者等は、通常、中国語に精通しているとはいえず、また、「椰」及び「牌」の文字が、上記の意味を表すものとして我が国において広く知られているといった特段の実情も見いだせないことから、「椰樹牌」の文字から「ヤシの木ブランド」及び「ヤシの木」の観念が生じるとする申立人の主張は採用することはできない。

(2)申立人商標について

ア 申立人商標は、別掲2のとおり、7本の木と地表とおぼしきものなどを円で囲った図形(以下「申立人図形部分」という。)の下に横書きで「椰▲樹▼」の文字(以下「申立人漢字部分」という。)を配したものであって、図形と文字とを組み合わせてなる結合商標であると容易に看取、把握されるものである。

イ そして、それぞれの図形と文字部分は、相互に重なり合うこともなく間隔を空けて配されており、かつ、図形と文字の違いがあることも考慮すると、それぞれが視覚上分離、独立した印象を与えるものである。

ウ 申立人漢字部分(椰▲樹▼)は、その構成中の「椰」あるいは「椰▲樹▼」の各語が、我が国の一般の国語辞書等に載録されているものではなく、また、特定の読み方や意味合いを認識させるものとして我が国において広く知られているといった特段の実情も見いだせないことから、具体的な読み方や意味合いを認識させるものであるとはいえない。

また、その構成中「▲樹▼」の文字は、「樹」(繁体字・正体字)の簡体字として中華人民共和国等で使用されている文字であるところ、繁体字(正体字)に対応する簡体字の関係について、我が国において一般に理解されているとはいえないものであって、また、簡体字を含む「▲樹▼」及び「椰▲樹▼」の文字が、「樹」及び「椰樹」の文字を表すものであることや、「▲樹▼」及び「椰▲樹▼」の文字が特定の読み方や意味合いを認識させるものとして我が国で広く知られているといった特段の実情も見いだせない。

したがって、申立人漢字部分(椰▲樹▼)は、特定の称呼及び観念が生じるものとはいえない。

エ 申立人図形部分は、別掲2のとおり、7本の木と地表とおぼしきものなどを円で囲った図形であるところ、7本の木もいかなる種類の植物を図案化したものであるか、一見して明確に認識できるものではなく、地表のほか、ヨット(帆船)をモチーフとしたとおぼしき図なども表されていることから、申立人図形部分からは、直ちに特定の称呼、観念を生じるものとはいえない。

したがって、申立人図形部分からは、直ちに商品の出所識別標識としての称呼、観念を生じるものとはいえない。

オ そうすると、申立人商標の構成中、申立人図形部分及び申立人漢字部分は、申立人商標の使用に係る「飲料」との関係において、その商品の普通名称や品質等を表したとはいえないものであることから、それぞれが商品の出所識別標識としての機能を十分に果たし得るものといえる。

カ また、上記のとおり、申立人図形部分及び申立人漢字部分は、それぞれ、視覚上分離、独立した印象を与えるものであって、かつ、申立人漢字部分(椰▲樹▼)は、申立人図形部分と観念及び称呼において関連性を有するものとはいえず、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものともいえず、ほかに常に一体のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も見いだせない。

キ そうすると、申立人商標は、申立人図形部分及び申立人漢字部分がそれぞれ独立して商品の出所識別標識としての機能を十分に発揮し得る要部といえることから、申立人商標は、申立人図形部分及び申立人漢字部分をそれぞれ要部として取り出し、これと本件商標を比較して商標そのものの類否を判断することも、許されるというべきである。

ク したがって、申立人商標は、申立人図形部分及び申立人漢字部分はいずれも要部となるものの、特定の称呼及び観念を生じるものとはいえない。

(3)本件商標と申立人商標との類否について

ア 外観について

本件商標と申立人商標は、木をモチーフにした図形が描かれている点や一部の文字(「椰」の1字)において共通する部分があるものの、全体として、その図形や文字の構成及び配置が大きく異なるものであり、外観上、判然と区別できるものである。

また、本件商標の要部である「THREE COCONUT TREE」及び「椰樹牌」の文字部分と申立人商標の要部である「椰▲樹▼」の文字部分は、「椰樹牌」と「椰▲樹▼」の文字の比較において、語頭の「椰」の漢字が共通するものの、その他の文字は異なるうえ、文字数も3字と2字で異なるものであり、また、「THREE COCONUT TREE」と「椰▲樹▼」の文字の比較において、欧文字と漢字の違いや文字数も大きく異なるなど、それぞれ外観上、判然と区別できるものである。

イ 称呼について

本件商標からは、上記(1)コのとおり、「スリーココナッツツリー」、「ヤジュハイ」及び「ヤジュパイ」の称呼が生じるものの、申立人商標からは、上記(2)クのとおり、特定の称呼は生じないことから、称呼上相紛れるおそれはない。

ウ 観念について

本件商標からは、上記(1)コのとおり、「3本のヤシの木」の観念が生じるものの、申立人商標からは、上記(2)クのとおり、特定の観念は生じないことから、観念上相紛れるおそれはない。

エ 小括

そうすると、本件商標と申立人商標とは、外観において判然と区別することができるものであって、称呼及び観念において相紛れるおそれはないものであるから、両者の外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、非類似の商標というべきである。

(4)商標法第4条第1項第10号該当性について

以上のとおり、申立人商標は、申立人の業務に係る商品等を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることはできないものであって、本件商標と申立人商標とは非類似の商標であることから、本件商標が申立人使用商品と同一又は類似の商品について使用するものであったとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第10号を適用するための要件を欠くものといわざるを得ず、同号に該当しない。

3 商標法第4条第1項第11号について

(1)引用商標1について

引用商標1は、別掲3のとおり、「椰▲樹▼牌」の文字を横書きで書してなるところ、その構成中「椰」、「椰▲樹▼」あるいは「椰▲樹▼牌」の語は、我が国の一般の国語辞書等に載録されているものではなく、また、特定の読み方や意味合いを認識させるものとして我が国において広く知られているといった特段の実情も見いだせないことから、具体的な読み方や意味合いを認識させるものであるとはいえない。

また、上記2(2)ウと同様に、簡体字を含む「▲樹▼」、「椰▲樹▼」及び「椰▲樹▼牌」の文字が、「樹」、「椰樹」及び「椰樹牌」の文字を表すものであることや、「▲樹▼」、「椰▲樹▼」及び「椰▲樹▼牌」の文字が特定の読み方や意味合いを認識させるものとして我が国で広く知られているといった特段の実情も見いだせない。

したがって、引用商標1は、特定の称呼及び観念が生じるものとはいえない。

(2)本件商標と引用商標1との類否について

ア 外観について

本件商標と引用商標1は、漢字3文字のうちその2字(「椰」と「牌」の文字)が共通する「椰樹牌」と「椰▲樹▼牌」の文字が含まれているものの、両商標全体として、図形及び「THREE COCONUT TREE」の欧文字の有無など、全体として、その構成及び配置が大きく異なるものであり、外観上、判然と区別できるものである。

また、本件商標の要部である「椰樹牌」の文字部分と引用商標1「椰▲樹▼牌」の文字は、縦書きと横書きの違い、及び2文字目の「樹」と「▲樹▼」の文字が異なるものであって、全体として3文字と少ない文字数にあって、上記差異は決して小さいとはいえず、その構成全体としての表示態様の差異を考慮すれば、容易に区別し得るものであるから、外観において類似するものではない。

イ 称呼について

本件商標からは、上記2(1)コのとおり、「スリーココナッツツリー」、「ヤジュハイ」及び「ヤジュパイ」の称呼が生じるものの、引用商標1からは、上記(1)のとおり、特定の称呼は生じないことから、称呼上相紛れるおそれはない。

ウ 観念について

本件商標からは、上記2(1)コのとおり、「3本のヤシの木」の観念が生じるものの、引用商標1からは、上記(1)のとおり、特定の観念は生じないことから、観念上相紛れるおそれはない。

エ 小括

そうすると、本件商標と引用商標1とは、外観において判然と区別できる、あるいは、類似するものではなく、称呼及び観念において相紛れるおそれはないものであるから、両者の外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、非類似の商標というべきである。

(3)引用商標2について

ア 引用商標2は、別掲4のとおり、7本の木と地表とおぼしき黒色のシルエットなどを二重の円で囲った図形(以下「引用2図形部分」という。)の下に、円に沿って横書きに「椰▲樹▼牌」の文字(以下「引用2漢字部分」という。)を配したものであって、図形と文字とを組み合わせてなる結合商標であると容易に看取、把握されるものである。

イ そして、それぞれの図形と文字部分は、相互に重なり合うこともなく間隔を空けて配されており、かつ、図形と文字の違いがあることも考慮すると、それぞれが視覚上分離、独立した印象を与えるものである。

ウ 引用2漢字部分(椰▲樹▼牌)は、上記3(1)で述べたとおり、特定の称呼及び観念が生じるものとはいえない。

エ 引用2図形部分は、別掲4のとおり、7本の木と地表とおぼしき黒色のシルエットなどを二重の円で囲った図形であるところ、7本の木もいかなる種類の植物を図案化したものであるか、一見して明確に認識できるものではなく、他に図形部分に表されている部分も具体的に描かれている対象が判然としないことから、引用2図形部分からは、直ちに商標の出所識別標識としての称呼、観念を生じるものとはいえない。

オ そうすると、引用商標2の構成中、引用2図形部分及び引用2漢字部分は、その指定商品との関係において、その商品の普通名称や品質等を表したとはいえないものであることから、それぞれが商品の出所識別標識としての機能を十分に果たし得るものといえる。

カ また、上記のとおり、引用2図形部分及び引用2漢字部分は、それぞれ、視覚上分離、独立した印象を与えるものであって、かつ、引用2漢字部分(椰▲樹▼牌)は、引用2図形部分と観念及び称呼において関連性を有するものとはいえず、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものともいえず、ほかに常に一体のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も見いだせない。

キ そうすると、引用商標2は、引用2図形部分及び引用2漢字部分がそれぞれ独立して商品の出所識別標識としての機能を十分に発揮し得る要部といえることから、引用商標2は、引用2図形部分及び引用2漢字部分をそれぞれ要部として取り出し、これと本件商標を比較して商標そのものの類否を判断することも、許されるというべきである。

ク したがって、引用商標2は、引用2図形部分及び引用2漢字部分はいずれも要部となるものの、特定の称呼及び観念を生じるものとはいえない。

(4)本件商標と引用商標2との類否について

ア 外観について

本件商標と引用商標2は、木をモチーフにした図形が描かれている点や漢字3文字のうちその2字(「椰」と「牌」の文字)が共通する「椰樹牌」と「椰▲樹▼牌」の文字が含まれている点で共通する部分があるものの、全体として、その図形や文字の構成及び配置が大きく異なるものであり、外観上、判然と区別できるものである。

また、本件商標の要部である「椰樹牌」の文字部分と引用商標2の要部である「椰▲樹▼牌」の文字部分は、縦書きと横書きの違い、及び2文字目の「樹」と「▲樹▼」が異なるものであって、全体として3文字と少ない文字数にあって、上記差異は決して小さいとはいえず、その構成全体としての表示態様の差異を考慮すれば、容易に区別し得るものであるから、外観において類似するものではない。

イ 称呼について

本件商標からは、上記2(1)コのとおり、「スリーココナッツツリー」、「ヤジュハイ」及び「ヤジュパイ」の称呼が生じるものの、引用商標2からは、上記(3)クのとおり、特定の称呼は生じないことから、称呼上相紛れるおそれはない。

ウ 観念について

本件商標からは、上記2(1)コのとおり、「3本のヤシの木」の観念が生じるものの、引用商標2からは、上記(3)クのとおり、特定の観念は生じないことから、観念上相紛れるおそれはない。

エ 小括

そうすると、本件商標と引用商標2とは、外観において判然と区別できる、あるいは、類似するものではなく、称呼及び観念において相紛れるおそれはないものであるから、両者の外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、非類似の商標というべきである。

(5)引用商標3について

ア 引用商標3は、別掲5のとおり、左端に白色の縦長の長方形を配し、その他の部分に黒色の背景を配し、黒色の背景の右側3分の1程度の部分に黄色、青色、赤色の長方形を配し、そのうちの赤色の長方形内に白色で「椰▲樹▼」の文字を横書きして配し、黒色の背景の左側3分の1程度の部分の上部に黄色、青色、赤色の長方形を配し、そのうち青色の長方形内に黄色と白色で「椰▲樹▼牌」の文字を縦書きして配し、その下部に一部分が切断されたとおぼしき物体と白色の液体が入ったグラスを配したものであって、図形と文字とを組み合わせてなる結合商標であると容易に看取、把握されるものである。

イ そして、引用商標3の構成中、長方形部分内に「椰▲樹▼」及び「椰▲樹▼牌」の文字が配されているものの、文字同士は離れて配されている上、一部分が切断されたとおぼしき物体と白色の液体が入ったグラスを配した図形(以下「引用3図形部分」という。)と上記文字とも、相互に重なり合うことなく配されており、かつ、図形と文字の違いがあることも考慮すると、引用3図形部分、「椰▲樹▼」及び「椰▲樹▼牌」の文字部分とそれぞれが視覚上分離、独立した印象を与えるものである。

ウ 「椰▲樹▼」及び「椰▲樹▼牌」の文字部分は、上記2(2)ウ及び上記3(1)で述べたとおり、特定の称呼及び観念が生じるものとはいえない。

エ 引用3図形部分は、別掲5のとおり、一部分が切断されたとおぼしき物体と白色の液体が入ったグラスを表した図形であるところ、一見してその図形が表す内容を明確に認識できるものとはいえないことから、引用3図形部分からは、直ちに商標の出所識別標識としての称呼、観念を生じるものとはいえない。

したがって、引用3図形部分からは、直ちに商品の出所識別標識としての称呼、観念を生じるものではない。

オ そうすると、引用商標3の構成中、引用3図形部分、「椰▲樹▼」及び「椰▲樹▼牌」の文字部分は、その指定商品との関係において、その商品の普通名称や品質等を表したとはいえないものであることから、それぞれが商品の出所識別標識としての機能を十分に果たし得るものといえる。

カ また、上記のとおり、引用3図形部分、「椰▲樹▼」及び「椰▲樹▼牌」の文字部分は、それぞれ、視覚上分離、独立した印象を与えるものであって、かつ、「椰▲樹▼」及び「椰▲樹▼牌」の文字部分は、引用3図形部分と観念及び称呼において関連性を有するものとはいえず、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものともいえず、ほかに常に一体のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も見いだせない。

キ そうすると、引用商標3は、引用3図形部分、「椰▲樹▼」及び「椰▲樹▼牌」の文字部分がそれぞれ独立して商品の出所識別標識としての機能を十分に発揮し得る要部といえることから、引用商標3は、引用3図形部分、「椰▲樹▼」及び「椰▲樹▼牌」の文字部分をそれぞれ要部として取り出し、これと本件商標を比較して商標そのものの類否を判断することも、許されるというべきである。

ク したがって、引用商標3は、引用3図形部分、「椰▲樹▼」及び「椰▲樹▼牌」の文字部分はいずれも要部となるものの、特定の称呼及び観念を生じるものとはいえない。

ケ なお、申立人は、引用3図形部分は、「一部分が切られたヤシの実と白色の液体が入ったグラス」と認識し、「ヤシの実の果汁」の観念が生じる旨主張するところ、上記一部が切断されたとおぼしき物体は、確かに詳細に観察すれば、ヤシの実を一部切断したものであると認識し得る場合があるといえるものの、直ちにそのように理解できる図形であるとまではいい難く、また、仮に当該物体が「ヤシの実」であって、その横に配されたグラス(図形)との位置関係から「ヤシの実の果汁」を表したものであると需要者が想起し得る場合があるとしても、引用商標3の指定商品との関係では、その飲料等が「ヤシの実の果汁」を含むものであるという商品の品質を図形で表したものと理解するにとどまるといえ、その場合、引用3図形部分は、商品の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱いものとなることから、引用商標3の要部として認識するものとはいえず、この申立人の上記主張は採用することができない。

(6)本件商標と引用商標3との類否について

ア 外観について

本件商標と引用商標3は、全体として、その図形や文字の構成及び配置が大きく異なるものであり、外観上、判然と区別できるものである。

また、本件商標の要部である「椰樹牌」の文字部分と引用商標3の要部である「椰▲樹▼」の文字部分は、上記2(3)アのとおり、外観上、判然と区別できるものである。

さらに、本件商標の要部である「椰樹牌」の文字部分と引用商標3の要部である「椰▲樹▼牌」の文字部分は、上記3(2)アのとおり、外観において類似するものではない。

イ 称呼について

本件商標からは、上記2(1)コのとおり、「スリーココナッツツリー」、「ヤジュハイ」及び「ヤジュパイ」の称呼が生じるものの、引用商標3からは、上記(5)クのとおり、特定の称呼は生じないことから、称呼上相紛れるおそれはない。

ウ 観念について

本件商標からは、上記2(1)コのとおり、「3本のヤシの木」の観念が生じるものの、引用商標3からは、上記(5)クのとおり、特定の観念は生じないことから、観念上相紛れるおそれはない。

エ 小括

そうすると、本件商標と引用商標3とは、外観において判然と区別できる、あるいは、類似するものではなく、称呼及び観念において相紛れるおそれはないものであるから、両者の外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、非類似の商標というべきである。

(7)商標法第4条第1項第11号該当性について

以上のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であることから、本件商標が引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであったとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号を適用するための要件を欠くものといわざるを得ず、同号に該当しない。

4 商標法第4条第1項第15号について

(1)類似性の程度について

上記2(3)エのとおり、本件商標と申立人商標とは、非類似の商標であって、木をモチーフにした図形が描かれている点や一部の文字(「椰」の1字)において共通する部分があるものの、全体として、その図形や文字の構成及び配置が大きく異なるものであり、両商標の類似性の程度は低いものである。

(2)申立人商標の周知著名性について

上記1のとおり、申立人商標は、中華人民共和国において飲料に使用するものとして著名な商標であると認定されていることが認められるものの、申立人は、我が国での申立人商標の使用状況など、我が国における周知著名性について何ら立証をしていないことから、本件商標の登録出願時及び査定時に、申立人商標が、飲料を取り扱う分野等、我が国において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものとは認められない。

(3)商品の関連性及び需要者の共通性について

本件申立商品と申立人使用商品とは、ともに飲料に関するものであることから、商品の関連性があるといえ、また、飲料に関する分野における需要者は、一般の消費者であるといえることから、大部分においてその需要者は共通する。

(4)商標法第4条第1項第15号該当性について

上記のとおり、本件商標と申立人商標の類似性の程度は低いものであって、申立人商標は、本件商標の登録出願時及び査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることはできないものである。

そうすると、たとえ、本件申立商品と申立人使用商品(飲料)は関連性があり、大部分においてその需要者が共通するとしても、本件商標は、商標権者がこれを本件申立商品について使用しても、取引者、需要者をして申立人商標を連想又は想起させることはなく、その商品が申立人の業務に係る商品と誤認し、又は、申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

その他、本件商標が他人の業務に係る商品と出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

5 商標法第4条第1項第19号について

上記1のとおり、申立人商標は、中華人民共和国において飲料に使用するものとして著名な商標であると認定されていることから、本件商標の登録出願時及び査定時において、申立人の商品(飲料)を表示するものとして、中華人民共和国の需要者の間において、広く認識されていたと認め得るものの、上記2(3)エのとおり、本件商標と申立人商標は、非類似の商標というべきものである。

また、本件商標と申立人商標は、木をモチーフにした図形が描かれている点や一部の文字(「椰」の1字)において共通する部分があるものの、全体として、その図形や文字の構成及び配置が大きく異なるものであるから、商標権者が申立人商標にただ乗りするなどの目的で登録出願をしたものとは認められず、その他、申立人が提出した証拠からは、商標権者が不正の利益を得る目的、他人に損害を与える目的その他の不正の目的をもって本件商標を登録出願し、登録を受けたと認めるに足る具体的な事実を見いだすことはできない。

そうすると、本件商標は、申立人商標の周知著名性にただ乗りをする等、不正の目的をもって使用されるものであるということはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。

6 むすび

以上のとおり、本件商標の指定商品中、本件申立商品についての登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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