結論テキスト
登録第6910724号商標の商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025900121 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第6910724号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和6年5月30日に登録出願、第28類「ラジオコントロール式ロボットおもちゃ並びにその部品及び附属品,家庭用テレビゲームおもちゃ,人形,模型おもちゃ,おもちゃ,おもちゃのロボット,模型飛行機用のジャイロスコープ及び飛行安定装置,模型おもちゃ用ラジオコントロール受信機及び送信機,ドローン(おもちゃ),ラジオコントロールおもちゃ,ドローンおもちゃ・模型おもちゃ・ロボットおもちゃ用ラジオコントロール送信機・ラジオコントロール受信機並びにその部品及び付属品,模型おもちゃ・ロボットおもちゃ用サーボ・モーター・モータコントローラ・ジャイロ・飛行安定装置・バッテリー・エンジン」を指定商品として、同7年1月7日に登録査定され、同年3月24日に設定登録されたものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する標章は、別掲2及び別掲3のとおりの標章(以下、それぞれ「申立人使用商標1」及び「申立人使用商標2」という。)であり、申立人が、申立人の使用する商標として我が国及び外国において広く認識されている旨主張するものである。
以下、申立人使用商標1及び申立人使用商標2をまとめていう場合は、以下「申立人使用商標」という。
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するものである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
以下、証拠の表記に当たっては、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する。
申立人は、ラジオコントロール製品及び模型、ドローン関連商品の販売及びブランドプロモーション活動を行う事業者であり、JumperRC(以下「JumperRC社」という。)が企画・製造する製品について、2018年8月より日本市場において継続的に販売・展開してきた。
この商標は、JumperRC社が中国国内において正式に商標登録しているものであり、申立人は正規な日本国内パートナーとして、販売証明及びブランドプロモーション活動の正式な証明書も取得している(甲1、甲2)。
申立人使用商標(文字・ロゴ)は、日本市場において広く認識され、国際的にも著名であることから、以下の条文に違反していると考えられる。
(1)商標法第4条第1項第10号
申立人使用商標は、JumperRCブランドとして日本及び国際的に広く認識されており、本件商標はこれと類似することから、混同のおそれがある。
(2)商標法第4条第1項第15号
本件商標の使用により、需要者がJumperRCの商品と誤認するおそれがある。
(3)商標法第4条第1項第19号
本件商標は、正規の中国商標「JumperRC」を無断で模倣し、図形ロゴにおいても同一または極めて類似するデザインを含むものであり、不正の目的をもつて出願されたものである。
申立人の主張及び同人の提出した証拠によれば、次のとおりである。
申立人はドローン関連商品の販売等を行っている企業であり(申立人の主張)、JumperRC社が中国において2019年12月14日に第28類で申立人使用商標1の商標登録をしている旨、申立人が主張する証拠からは、申立人使用商標1の表示とともに、登録番号、指定商品の区分、登録年月日、JumperRC社の名称と思われる表示が確認できる(甲1)。
また、申立人が、2024年7月6日付けで申立人がJumperRC社所有の中国商標登録の使用許可を得ており、当該書類に申立人使用商標2が使用されている旨主張する証拠からは、申立人使用商標2が表示されていることはうかがえる(甲2)。
しかしながら、提出された各証拠には翻訳がなく、各証拠の詳細な内容について確認ができず、ほかに、申立人使用商標に対する需要者の認識の程度を判断するための、申立人使用商標を使用した商品の販売実績、使用期間、広告宣伝の規模、広告宣伝費等の証拠の提出がないことから、引用商標の我が国及び外国における周知性の程度を判断することができない。
その他、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人使用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識されていたと認めるに足りる事実は見いだせない。
そうすると、申立人提出に係る証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人使用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く知られていたとは認めることはできない。
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、赤色で2文字目に「U」と認識できる欧文字及びその他の部分は高度にデザイン化されており、直ちに何らかの文字を認識できない構成態様よりなるものであるから本件商標からは、特定の称呼及び観念は生じない。
(2)申立人使用商標1について
申立人使用商標1は、別掲2のとおり、「JUMPERRC」の文字を表してなるところ、当該文字は、一般の辞書等に掲載のある成語ではないから、その構成文字に相応して、「ジャンパーアールシー」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。
(3)申立人使用商標2について
申立人使用商標2は、別掲3のとおり、2文字目に「U」と認識できる欧文字及びその他の部分は高度にデザイン化されており、直ちに何らかの文字を認識できない構成態様よりなるものであるから、申立人使用商標2からは、特定の称呼及び観念は生じない。
(4)本件商標と申立人使用商標の類否について
ア 本件商標と申立人使用商標1の類否について
本件商標と申立人使用商標1とは、外観において、本件商標は直ちに何らかの文字を認識できない構成態様よりなるのに対し、申立人使用商標1は全て欧文字よりなるものであるから明確に区別できるものである。
また、称呼においては、本件商標から特定の称呼が生じないのに対し、申立人使用商標1からは、「ジャンパーアールシー」の称呼を生じることから、明瞭に聴別できるものである。
さらに、観念においては、いずれも特定の観念を生じないことから比較することができない。
そうすると、本件商標と申立人使用商標1とは、観念において比較できないとしても、称呼及び観念において相紛れない非類似の商標である。
そして、仮に本件商標から「JUMPER」の文字を認識できた場合の比較においても、外観において、「RC」の欧文字の有無及びデザイン化の程度や色彩の有無などにより明確に区別できること、称呼において、「アールシー」の音の差異により明瞭に聴別できること、また、観念において、「JUMPER」の文字は、「跳ぶ人」(「ジーニアス英和辞典」第6版)等の意味を有するものであり、本件商標から「跳ぶ人」の観念を生じる余地があるのに対し、申立人使用商標1から特定の観念を生じないことから、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れない非類似の商標である。
イ 本件商標と申立人使用商標2の類否について
本件商標と申立人使用商標2とは、色彩の有無の相違はあるものの、同一又は類似の構成よりなることから、両商標は、同一又は類似の商標である。
(5)小括
上記のとおり、本件商標と申立人使用商標1とは非類似の商標であり、本件商標と申立人使用商標2とは同一又は類似の商標である。
しかしながら、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人使用商標は申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く知られていたとは認めることはできないものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号を適用する要件を欠くものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(1)申立人使用商標の周知性について
上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人使用商標は申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く知られていたとは認めることはできないものである。
(2)本件商標と申立人使用商標の類似性について
上記2(4)のとおり、本件商標と申立人使用商標1とは非類似の商標であるから、その類似性の程度は低く、本件商標と申立人使用商標2とは同一又は類似の商標であるから、その類似性の程度は高いものである。
(3)出所の混同のおそれについて
上記(1)及び(2)のとおり、本件商標と申立人使用商標1とは非類似の商標であり、本件商標と申立人使用商標2とは同一又は類似の商標であるとしても、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人使用商標は申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く知られていたとは認めることができないことから、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品であると誤認し、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわざるを得ない。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
(4)小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
申立人は、申立人使用商標が周知であることを前提に、本件商標は不正の目的をもつて出願されたものである旨主張しているが、上記3(1)のとおり、申立人使用商標は申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く知られていたとは認めることはできないものであるから、申立人使用商標が周知であることを前提として本件商標権者が不正の目的をもつて本件商標を出願したとはいえず、また、申立人が主張する中国における申立人使用商標1の商標登録の事実や申立人使用商標2が表示されている証拠が前記判断に影響を与えるとはいい難い。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも該当するものとはいえず、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、その登録は、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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