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Trademark Appeal Case

周知商標と同一文字の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025900122
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
登録第6917221号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

理 由

1 本件商標

本件登録第6917221号商標(以下「本件商標」という。)は、「Winterfell」の文字を標準文字で表してなり、令和6年7月30日に登録出願、第9類、第41類及び第42類に属する別掲のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和7年4月2日に登録査定、同月9日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は、「Winterfell」の欧文字からなる商標(以下「使用標章」という。)であり、使用標章を、第9類「ダウンロード可能なコンピュータ用ゲームソフトウェア,ダウンロード可能なビデオゲームソフトウェア」、第25類「被服」、第26類「缶バッジ」、第28類「立体パズルおもちゃ,模型おもちゃ,ボードゲーム,ゲーム用トレーディングカード」、第41類「オンラインによる映画・画像・映像の提供,放送番組の制作,インターネットによる電子ゲームの提供,オンラインによるコンピュータゲームの提供」及び第42類「コンピュータ用ゲームソフトウェアの設計及び開発,ビデオゲームソフトウェアの設計及び開発」(以下「申立人が主張する商品及び役務」という場合がある。)について使用している。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号に基づき、取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第28号証を提出した(以下「甲第○号証」を「甲○」のように記載する場合がある)。

(1)本件商標と使用標章の類似性の程度

使用標章「Winterfell」と本件商標「Winterfell」は欧文字のつづりが同一なので、同一の商標であり、類似性の程度は極めて高い。

(2)使用標章の周知著名性及び独創性について

ア 申立人ホームボックスオフィス,インコーポレイテッド(Home Box Office,Inc.)について

1972年に設立された申立人は、世界で最も成功したプレミアム有料テレビサービスの1つを運営しており、主に、HBOと略称されるHOME BOX OFFICEというブランドでテレビサービスを提供し、また管轄地域によってはHBO MAX又はMAXというブランドで消費者向けストリーミングサービスを直接提供している(以下「HBOサービス」という。)。申立人及びその親会社であるWamerMedia,LLCは、Discovery,Inc.と合併し、現在はWarner Bros.Discovery,Inc.の一部となっている。

申立人は、優れたテレビ番組の制作及び提供におけるリーディングカンパニーでもあり、「Game of Thrones」「House of the Dragon」「Succession」「The White Lotus」「The Last of Us」「Sex and the City」などの有名なドラマやコメディを含む高品質のテレビ番組を制作している。また、申立人は「Band of Brothers」「The Pacific」のような挑発的で娯楽性の高い題材を扱ったドキュメンタリー、映画、ミニシリーズを制作し、高い評価を受けている。

国際的には、HBOサービスは中南米、欧州、アジア及びカリブ海地域の85カ国以上で配給されており、HBOサービスの総加入者数は2024年末時点で全世界1億1690万人、申立人のオリジナル番組は、国際的なテレビネットワークヘのライセンス及び消費者向け直接ストリーミングサービス、並びに物理的及びデジタル形式の番組販売を通じて、155カ国以上で消費者が視聴可能である(甲3)。

イ テレビシリーズ「Game of Thrones」シリーズについて

申立人の受賞歴のある様々なテレビシリーズの中でも、最も有名及び賞賛されているのが、2011年4月17日にHBOで初放送されたファンタジー・テレビドラマ「Game of Thrones」シリーズである。当該シリーズは、ジョージ・R・R・マーティンのファンタジー小説シリーズ「A Song of Ice and Fire」(氷と炎の歌)を映像化したもので、架空の七王国ウェスタロスにおける貴族の権力闘争を描いたものである。

全8シーズン、合計73エピソードで構成されている「GAME OF THRONES」シリーズは、申立人のテレビ史上最も成功した番組であり、世界で最も人気のあるテレビ番組の1つである。公表されているデータによると、2017年夏に放送されたシーズン7は、米国において全プラットフォームで1話平均3,000万人以上の視聴者を記録、さらにプレミア・エピソードが放送された夜の全米全プラットフォームでの視聴者数は1,740万人、及び最終シーズンの視聴者数は1,930万人で、同チャンネル史上最も視聴されたHBO単発エピソードとなり、最終シーズンの累計視聴者数は、全米で1話あたり4,440万人である。

2022年8月、申立人は「Game of Thrones」の200年前を舞台に、ターガリエン王朝の興亡に焦点を当てた前日譚「House of the Dragon」を初放送した。

「Game of Thrones」シリーズは世界中の視聴者に放送され、視聴者は同シリーズに接すると申立人を想起する。同シリーズは記録的な視聴者数、広範で活発な国際的ファン層を獲得し、同シリーズは、プライムタイム・エミー賞で脚本テレビシリーズ史上最多の59部門を受賞し、2015年、2016年、2018年及び2019年に優秀ドラマシリーズ賞を受賞するなど、数多くの賞、賞賛、ノミネートを受けている。

日本でも「Game of Thrones」シリーズは、現在は、Amazon prime video(甲4)、UNEXT(甲5)においてインターネット配信されており、DVD及びBlu-rayも発売されている(甲6、甲7)。

「Game of Thrones」シリーズは、登場するキャラクター、設定、伝承の入念な展開を通じて、商標として機能する特定の名称、場所と強く結びつくようになり、中でも象徴的なのが、スターク家の先祖代々の居城であり、北王国の首都である「Winterfell」である。

ウ 「Game of Thrones」テレビシリーズのシーズン1ないし8において、「Winterfell」は、北部の首都として使用されている(甲8、甲9)。

エ 「Winterfell」は、「House of the Dragon」では、シーズン2で初めて登場し、厳粛な雪に覆われた要塞として描かれている(甲10)。これは「Game of Thrones」での描写と一致するが、舞台は200年近く前である。

オ インターネット記事

全世界で著名なテレビシリーズである「Game of Thrones」において、「Winterfell」が中心的な舞台であり、象徴的な役割を果たしていることは、様々な媒体で報じられている(甲11~甲13)。

カ 「Winterfell」関連商品

申立人は、「Game of Thrones」の「Winterfell」に係る商品を様々な通信販売ウェブサイトにおいて、販売している(甲14~甲18)。

申立人は、アパレルブランド「PopFunk」の通信販売ウェブサイトにおいて、「Winterfell」の公式ライセンス商品として、Tシャツ、長袖シャツ、フード付きスウェットシャツ、スウェットシャツ、タンクトップに係る被服を販売している(甲19)。

キ ビデオゲームにおける「Winterfell」

「Winterfell」は、「Game of Thrones」の世界における中心的な要塞であるだけでなく、複数のビデオゲームにおいて繰り返し登場するインタラクティブな場所でもある。「Game of Thrones:Winter is Coming」や「Game of Thrones:Kingsroad」といったタイトルでは、「Winterfell」が重要な役割を担っており、プレイヤーは象徴的な広間を探索し、戦略的な戦闘を繰り広げ、北部の伝承に根ざしたストーリーを体験することができる。戦場、クエストの拠点、あるいは権力の象徴として、「Winterfell」は「Game of Thrones」の世界におけるゲームプレイと物語への没入感の礎となっている(甲26、甲27)。

上記のとおり、申立人によって、使用標章は、申立人が主張する商品及び役務の名称として、平成23年(2011年)から、日本を含めた全世界で約14年間使用されており、遅くとも、本件商標の出願時(令和6年(2024年)7月30日)までには、日本国内においても周知・著名な商標となっていたというべきである。

よって、使用標章に係る「Winterfell」は、申立人の商標として周知・著名であり、特定の意味を有しない造語であるため、高い自他商品役務識別力を有しており、十分に独創的であるといえる。

(3)本件商標の指定商品及び指定役務と使用標章の使用商品及び役務との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに商品及び役務の取引者及び需要者の共通性

本件商標の第9類「全指定商品」は、すべてゲームソフトウェア又はゲームプログラム関連の商品であるので、使用標章の使用商品「ダウンロード可能なコンピュータ用ゲームソフトウェア,ダウンロード可能なビデオゲームソフトウェア」と、性質、用途又は目的における関連性の程度は高く、商品の取引者及び需要者の共通性はある。

本件商標の第41類の指定役務「インターネット又はその他の通信ネットワークの手段により提供される電子ゲームの提供,オンラインによるコンピュータゲーム・ビデオゲーム・漫画・娯楽に関する雑誌の提供,インターネットによる電子ゲームの提供,オンラインによるコンピュータゲームの提供,電子ゲームに関する競技会の運営,コンピュータネットワークまたは携帯電話によるゲームの提供,コンピューターネットワークによるオンラインゲームの提供」は、すべてゲームソフトウェア又はゲームプログラム関連の役務であるので、使用標章の使用役務「インターネットによる電子ゲームの提供,オンラインによるコンピュータゲームの提供」と、性質、用途又は目的における関連性の程度は高く、役務の取引者及び需要者の共通性はある。

本件商標の第41類の指定役務「オンラインでの娯楽の提供,テレビ・ブロードバンド・ワイヤレス及びオンラインサービスによるマルチメディア娯楽番組の配給,会員制による娯楽の提供,双方向方式の娯楽の提供,娯楽の提供」は、すべてオンラインサービスを含む娯楽の提供に係る役務であるので、使用標章の使用役務、第41類「オンラインによる映画・画像・映像の提供,放送番組の制作」と、性質、用途又は目的における関連性の程度は高く、役務の取引者及び需要者の共通性はある。

本件商標の第42類の「全指定役務」は、すべてコンピュータプログラム,コンピュータ用ゲームソフトウェア,ビデオゲームソフトウェアに係る役務であるので、使用標章の使用役務「コンピュータ用ゲームソフトウェアの設計及び開発,ビデオゲームソフトウェアの設計及び開発」と、性質、用途又は目的における関連性の程度は高く、役務の取引者及び需要者の共通性はある。

(4)本件商標が、使用標章の商標権の申立人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標であると認めるべきその他取引の実情

商標権者ファンフライ プライベート リミテッド(FUNFLY PTE.LTD.)は、シンガポールに拠点を置く、主にコンピュータゲームの開発、オンラインでの電子ゲームサービスの提供を行っている会社であり(甲28)、北米、ヨーロッパ、東南アジア、中東などグローバルにゲームを展開している。商標権者は、数多くのモバイルゲームをリリースしており、ゲームのアプリケーションソフトウェアは、Apple App Store及びGoogle Playストアで配信されている。

よって、商標権者は、ビデオゲームを設計・開発をしている申立人とは、同業種であるといえ、商標権者が使用標章の周知著名性を知らないはずはなく、本件商標は、申立人の使用標章の周知著名性を承知の上で登録出願したものであって、使用標章の周知著名性へのただ乗り(いわゆるフリーライド)や希釈化(いわゆるダイリューション)を意図したものであると合理的に推認することができる。なお、商標権者は、申立人とは何ら資本関係、事業提携その他一切の関係性がなく、本件商標の使用について許諾を得た者でもない。

したがって、需要者は、商標権者が申立人から、あたかも上記商品の販売・役務の提供の許諾を受けて販売していると誤認するおそれがあるといえ、本件商標がその指定商品及び役務について使用された場合には、それらの商品及び役務があたかも申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品及び役務であると、その商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断

(1)使用標章の周知著名性について

ア 申立人の主張及び提出された証拠によれば、以下のとおりである。

(ア)申立人は、1972年に設立された、テレビ番組の制作及び提供におけるリーディングカンパニー「Home Box Office,Inc.」(以下「HBO」という。)であり(甲3)、「Game of Thrones」「House of the Dragon」「Succession」「The White Lotus」「The Last of Us」「Sex and the City」などのドラマやテレビ番組を制作している。

(イ)2011年春にHBOで初放送されたテレビドラマ「Game of Thrones」シリーズは、全8シーズン、合計73エピソードで構成されており、架空の七王国ウェスタロスにおける貴族の権力闘争を描いたものである。

日本においても、「Game of Thrones」シリーズは、Amazon prime video(甲4)、UNEXT(甲5)においてインターネット配信されており、DVD及びBlu-rayも発売されている(甲6、甲7)。

なお、甲第7号証には、「ゲーム・オブ・スローンズ 第一章:七王国戦記 4K ULTRA HD&ブルーレイセット コンプリート・ボックス 【Ultra HD ブルーレイソフト】」の見出しの下、「商品の特徴」として「エミー賞を総なめにし、全米DVD売上1位を達成。映画史に金字塔を打ち立て、構想年&製作年を費やした入魂作。」との記載がある。

しかしながら、提出された通信販売のサイトにおいて(甲6、甲7)、「Winterfell」の文字を見いだすことはできない。

(ウ)「Game of Thrones」テレビシリーズにおいて、「Winterfell」は、北部の首都の名称として使用されており(甲9)、「Game of Thrones」や「House of the Dragon」のタイトルとともに海外のウェブサイトで紹介されている(甲11~甲13)。

(エ)申立人は、「Game of Thrones」の「Winterfell」に係る商品「3Dパズル」(甲14、甲15、甲22、甲23)、「デスクトップ彫刻」(甲16、甲24)、「Tシャツ」(甲19)、「缶バッジ」(甲20)、「ボードゲーム」(甲25)等を「Amazon Japan」や「楽天市場」のほか海外の通信販売ウェブサイトにおいて、販売している(甲14~甲25)。

なお、申立人の主張「Winterfellは、Game of Thronesの世界における中心的な要塞であるだけでなく、複数のビデオゲームにおいて繰り返し登場するインタラクティブな場所でもある」とともに提出された「ストリーミング戦略ゲーム」(甲26)及び「ストリーミング戦略RPGゲーム」(甲27)並びに上記「Winterfell」に係る商品の売上高、広告宣伝費等は確認できない。

イ 上記アによれば、「Winterfell」の文字は、2011年春にHBOで初放送されたファンタジー・テレビドラマ「Game of Thrones」シリーズに出てくる北部の首都の名称であるところ、当該ドラマの名称「Game of Thrones」は、海外、特に米国において、一定程度知られているということができる。

しかしながら、提出された証拠は、「Game of Thrones」シリーズの内容紹介(あらすじ)、当該ドラマのDVDやBlu-rayが我が国で販売されていること、当該ドラマが全米等で話題になったことについての記事であり、「Winterfell」の語が、我が国において、一般に広く知られていたものとまでは認めることはできない。

そして、「Game of Thrones」の「Winterfell」関連の「3Dパズル」(甲14、甲15、甲22、甲23)、「デスクトップ彫刻」(甲16、甲24)、「Tシャツ」(甲19)、「缶バッジ」(甲20)、「ボードゲーム」(甲25)等の商品に「Winterfell」又は「WINTERFELL」の文字が使用されていることが確認できるが、甲第19号証、甲第24号証及び甲第25号証は、英語の販売サイトであり、我が国の需要者を対象としたものかは定かではない。

加えて、使用標章を使用した商品(上記商品に加え、「ストリーミング戦略ゲーム」及び「ストリーミング戦略RPGゲーム」(甲27)等)及び役務の我が国における販売(提供)時期、販売(提供)数量、広告宣伝の方法、範囲、回数等、周知著名性を判断するための客観的な事実を量的に把握することができる証拠の提出はない。

以上のことを踏まえると、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、使用標章は、申立人が主張する商品及び役務を表示する商標として、本件商標の指定商品及び指定役務の分野の取引者、需要者にまで広く知られていたものと認めることはできない。

(2)本件商標と使用標章との類似性の程度

ア 本件商標について

本件商標は、上記1のとおり、「Winterfell」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「ウィンターフェル」の称呼を生じ、また、当該文字は、辞書等に採録された語ではないことから、直ちに特定の意味を生じない一種の造語といえる。

そうすると、本件商標からは、「ウィンターフェル」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。

イ 使用標章について

使用標章は、上記2のとおり、「Winterfell」の文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、上記アのとおり、その構成文字に相応して「ウィンターフェル」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。

ウ 本件商標と使用標章の類似性の程度

本件商標と使用標章とは、観念において比較できず、外観及び称呼において共通することから、両者は相紛れるおそれのある同一又は類似の商標であって、類似性の程度は高いといえる。

(3)使用標章の独創性

使用標章は、上記(2)イのとおり、特定の観念を生じない造語であり、我が国において一般になじみがある語とはいい難いから、その独創性は高いといえる。

(4)商品及び役務の関連性及び需要者の共通性について

本件商標の指定商品及び指定役務は、申立人が主張する商品及び役務と同一又は類似する商品及び役務を含むものであるから、商品及び役務の関連性を有し、需要者を共通にする場合がある。

(5)取引の実情について

申立人は、ビデオゲームの設計・開発をしている申立人と同業種である商標権者が使用標章の周知著名性を知らないはずはなく、本件商標は、使用標章の周知著名性を承知の上で登録出願したものであって、使用標章の周知著名性へのただ乗り(いわゆるフリーライド)や希釈化(いわゆるダイリューション)を意図したものであると推認することができる旨主張している。

しかしながら、商標権者が、本件商標を利用して、申立人の事業活動を阻害したり、何らかの金銭的な利益を要求したりするなど、具体的な行為に及んだことを示す証拠はなく、出願人のこの主張を採用することはできない。

(6)出所の混同のおそれについて

上記(1)ないし(5)のとおり、本件商標と使用標章の類似性の程度及び使用標章の独創性は高く、また、本件商標の指定商品及び指定役務と申立人が主張する商品及び役務は関連性を有し、需要者を共通にする場合があるとしても、使用標章は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人が主張する商品及び役務を表示する商標として、本件商標の指定商品及び指定役務の分野の取引者、需要者にまで広く知られていたものとはいえない。

そうすると、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品及び指定役務について使用をしても、取引者、需要者が、使用標章を連想又は想起するとは考えにくく、その商品及び役務が他人(申立人)又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であると誤認し、その出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。

その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(7)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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