結論テキスト
登録第6940653号商標の商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025900167 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第6940653号商標(以下「本件商標」という。)は、「Memoking」の文字を標準文字で表してなり、令和7年1月11日に登録出願、第9類「サーマルプリンター」を指定商品として、同年6月9日に登録査定、同月20日に設定登録されたものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由において、「サーマルプリンター」に使用しているとして引用する商標は、「Memoking」の文字からなるものである(以下「引用商標」という。)。
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証から甲第23号証を提出した。以下、証拠の記載に当たっては、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する場合がある。
(1)本件商標が引用商標と同一であること
ア 引用商標は、Amazonのページにおいて、2023年10月8日から、memoking-jpによって使用されており、本件商標と引用商標は同一のものといえる。
なお、AmazonのURL(https://www.amazon.co.jp/dp/B0CDH597W4)は、現在、競合他社の悪質なクレームにより、削除されているが、本件商標の出願日以前は、公開されていた。
上記URLにより販売されたサーマルプリンターの全在庫の管理、売上げのデータ及びカスタマーレビューのスクリーンショットを、それぞれ、甲第2号証から甲第4号証として示す。
特に、売上げのデータのスクリーンショットによれば、2025年2月までのデータが記録されていることから分かるように、少なくとも2025年2月までは、上記URLは公開されていたことが分かる。
イ memoking-jpの特定商取引法に基づく表記(https://www.amazon.co.jp/sp?ie=UTF8&seller=A3FIW2NMSA16ZQ&asin=B0CYFZRYSD&ref_=dp_merchant_link&isAmazonFulfilled=1)のスクリーンショットを、甲第5号証として示す。
ここでは、販売業者は、Zhuhai shuangyan keji youxian gongsiであり、これは申立人と同一である。
こちらは、ラベルプリンターの販売ページにおける表記であるが、出願日以前に上記アのURLが公開されたときの表記と同一のものである。
(2)甲第2号証から甲第4号証にあるように、本件商標の出願日以前に、引用商標は、サーマルプリンターに使用するものである。このため、本件商標の指定商品と引用商標が使用する商品は同一といえる。
(3)サーマルプリンターの全在庫の管理のスクリーンショット及び売上げのデータのスクリーンショットから分かるように、出願日以前より、15,000個以上を売り上げている。
また、カスタマーレビューのスクリーンショットによれば、レビュー数は60件以上記載されている。
このことから、引用商標は、「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識される商標」に該当するといえる。
(1)引用商標が、「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識される商標」に該当すること
申立人は、本件商標の出願日よりも前から、日本国内のAmazonのサイトにおいて、サーマルプリンターに、本件商標「Memoking」と同一の商標を広く使用している。
その結果、「Memoking」は、日本国内全体にわたり、本件商標の出願日以前より広く知られているブランドである。
(2)不正の目的について
ア 引用商標は、本件商標の出願日よりも前に、日本国内において需要者の間に広く知られている(甲2~甲4)。また、申立人は、本件商標の出願日よりも前に、本件商標「Memoking」を、感熱ロール紙、モバイルプリンター、ラベルライター、ラベルメーカーマシンに使用し、販売していた(甲6~甲8)。
さらに、申立人は、本件商標の出願日よりも前に、本件商標「Memoking」を使用した商品を、オーストラリア、ベルギー、カナダ、スペイン、フランス、ドイツ、イタリア、メキシコ、オランダ、フィリピン、サウジアラビア、スウェーデン、UK、アラブ首長国連邦、アメリカ合衆国において販売していた(甲9~甲23)。
したがって、引用商標は、「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識される商標」に該当するといえる。
イ 引用商標「Memoking」は英文字よりなるが、所定の意味をもつ英語ではなく、造語よりなるものである。
ウ 以上より、本件商標は、少なくとも日本国内外において周知な商標と同一であり、しかもその周知な商標は造語よりなるものであり、本件商標が不正の目的で使用することは明らかである。
申立人は、引用商標は申立人によって、商品「サーマルプリンター」(以下「使用商品」という。)に使用され、我が国において広く知られている旨主張し、甲第1号証から甲第23号証を提出している。
(1)申立人提出の証拠及び申立人の主張によれば、以下の事実が認められる。
ア 2023年10月からAmazonにおいて、申立人が販売事業者であるmemoking-jpによって、引用商標が使用されている(申立人の主張)。
イ memoking-jpのラベルプリンターの販売ページにおける特定商取引法に基づく表記によれば、販売業者は、Zhuhai shuangyan keji youxian gongsiであり、これは申立人と同一である(申立人の主張及び甲5)。
ウ 2025年7月時点の日本のAmazonの注文管理のページにおいて、過去1年間にMemokingの文字(語)を使用した感熱ロール紙やモバイルプリンターが21件注文されている(甲6)。
エ 2025年3月31日時点のAmazonの在庫管理のページのスクリーンショットによれば、オーストラリア、ベルギー、カナダ、スペイン、フランス、ドイツ、イタリア、メキシコ、サウジアラビア、スウェーデン、アラブ首長国連邦において、「Memoking」の文字(語)を使用した商品が取引されている(甲9~甲16、甲19、甲20、甲22)。
オ なお、使用商品についての我が国における市場シェア、売上高などの販売実績、広告宣伝の方法や回数、費用規模など、その周知性を具体的かつ客観的に把握することができる証拠は提出されていない。
(2)上記(1)によれば、引用商標が我が国及び外国において使用されていることは認められるものの、申立人の提出に係る証拠によっては、使用商品の販売実績や広告実績を客観的に把握できないことから、引用商標が、取引者、需要者に対し、どの程度知られているかを把握し、評価することができない。
したがって、提出された証拠からは、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が、使用商品を表示するものとして、我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
本件商標は、上記第1のとおり、「Memoking」の文字を標準文字で表してなり、一方、引用商標も上記第2のとおり、「Memoking」の文字からなるものであるから、本件商標と引用商標とは、文字構成を同じくするものであり、同一又は類似の商標である。
しかしながら、引用商標は、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く認識されているものとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
上記2のとおり、本件商標と引用商標は同一又は類似の商標であって、本件商標の指定商品と申立人の使用商品との関連性及び需要者の共通性は高いといえる。
しかしながら、上記1のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものではない。
そうすると、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、その商品が他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であると誤認し、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標について、出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
上記2のとおり、本件商標と引用商標は同一又は類似の商標であるとしても、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているとは認めることができないものである。
そして、申立人提出の証拠からは、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、本件商標権者が引用商標にフリーライドするなど不正の目的をもって本件商標を使用するものであると認めるに足りる証拠は見いだせない。
そうすると、申立人提出に係る証拠からは、商標権者が引用商標の名声を毀損させることを認識し、本件商標を不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用するものとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するとはいえず、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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