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Trademark Appeal Case

BOMBとBOMBAの称呼類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025900170
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
登録第6933123号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

理 由

1 本件商標

本件登録第6933123号商標(以下「本件商標」という。)は、「グルタチBOMB」の文字を標準文字で表してなり、令和6年10月17日に商標登録出願、第3類「化粧品,頭髪用化粧品,香水,せっけん類,化粧せっけん,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛,化粧用脱脂綿,化粧用綿棒,洗濯用柔軟剤,つけまつ毛用接着剤,口臭用消臭剤,歯磨き,研磨紙」を指定商品として、同7年5月29日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標について引用する国際登録第1798646号商標(以下「引用商標」という。)は、「LA BOMBA」の欧文字を横書きしてなり、2023年10月20日にSpainにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2024年(令和6年)4月18日に国際商標登録出願、第3類「Non-medicinal toiletry preparations and cosmetic products; non-medicinal dentifrices; perfumery products, essential oils; fragrances for personal use; eau de Cologne; eau de parfum, eau de toilette; scented water, perfumes; perfume extracts; non-medicinal products for oral hygiene; non-medicinal body care and cleaning preparations; non-medicinal body lotions, milks and creams; deodorants for personal use; antiperspirants for personal use; non-medicinal soaps; non-medicinal soaps for personal use; non-medicinal soaps for personal use in liquid, solid and gel form; non-medicinal bath gel; non-medicinal shower gel; non-medicinal bath preparations; non-medicinal bath salts; non-medicinal skin care preparations; exfoliants; talcum powder, for toilet use; perfumed powders; wipes, cotton and cloths impregnated with non-medicinal cosmetic lotions and for perfuming; non-medicinal cosmetics, non-medicinal toiletries and perfumery products for eyelash, eyebrow, eye, lip and nail care and beauty; non-medicinal lip balm; nail polish; nail polish removers; adhesives for cosmetic use; non-medicinal slimming cosmetic preparations; non-medicinal hair preparations and treatments; non-medicinal shampoos; make-up products; make-up removing products; depilatory products; non-medicinal shaving preparations; non-medicinal pre-shave preparations; non-medicinal after-shave preparations; non-medicinal beauty preparations; non-medicinal cosmetic sun-tanning and self-tanning preparations; make-up palettes containing cosmetics; household fragrances; incense; potpourris [fragrances]; scented wood; products for perfuming linen; aromatic extracts; non-medicinal animal grooming products; tailors' and cobblers' wax; preparations for cleaning and polishing leather and footwear.」を指定商品として、2025年(令和7年)8月8日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は商標法第8条第1項に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証(枝番号あり。)を提出した。

以下、証拠の表記にあたっては、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する場合がある。

(1)本件商標の自他商品識別機能について

本件商標「グルタチBOMB」は、「グルタチ」の片仮名と「BOMB」の英語との結合により構成されるものである(甲1)。

本件商標の構成中の「グルタチ」の文字は、健康や美容効果に良いと知られている「グルタチオン(Glutathione)」の略称として多くの健康食品や美容サプリメント等に多用されている用語であり、この用語を化粧品や健康食品の分野で用いても商標としての自他商品識別力に欠ける。

インターネット情報によれば、「グルタチオン(Glutathione)」を単に「GLUTATI」、「グルタチ」と省略した語が不特定多数の者により、健康食品や美容効果サプリメント等の分野で多用されている(甲2~甲4)。

ア 甲第2号証では、健康食品、美容効果サプリメント等をアピールするにあたり、「グルタチシリーズ」、「グルタチプラス」、「グルタチC」のように、単に「グルタチ」と省略して使用されている。このように「グルタチ」の語は、正式には「グルタチオン(Glutathione)」を意味するものであるが、単に「グルタチ」として健康食品や美容効果サプリメント、その他の美容目的用品に多用されており、需要者は「グルタチ」の語が表示された商品は健康や美容効果等のあるサプリメント、美容効果用品であることを認識するものといえる。

イ 甲第3号証では、「グルタチオン」はグルタミン酸、グリシン、システイン等3つのアミノ酸から構成される化合物で、強い抗酸化作用と美白効果や肝臓機能向上効果があり、健康や美容に重要な役割を果たすと説明されているほか、「グルタチオン」を用いた美容サプリメント等についての説明もなされている。

ウ 甲第4号証では、「日本でおすすめのグルタチオン10選」などの表題の下、各種健康食品、美容商品が紹介されており、「グルタチ」の語が用いられる商品は健康や美容効果をもたらす商品であることが認識されていることを示している。

エ 以上のとおり、本件商標の構成要素である「グルタチ」の文字部分は、健康食品や美容関係商品等の様々な健康及び美容目的商品に使用されていることから、これらの商品分野において商標としての自他商品識別機能はなく、本件商標にあって自他商品識別機能を果たす部分は、「BOMB」の文字部分である。

(2)「BOMB」及び「BOMBA」の用語について

本件商標の構成中の「BOMB」の文字部分は、英語で「爆弾、爆撃する」といった意味を有するものであるが、これはスペイン語で「BOMBA」のスペルで表されるものである(甲5の1、甲5の2)。スペイン語圏は欧米を中心に世界規模の広がりを持つものであるため、「BOMB」と「BOMBA」が同義語であることは世界市場においては容易に理解されるものである。

申立人は、「LA BOMBA」の語について、第3類「化粧品、せっけん類、香水、オーデコロン、オードパルファム、ボディケア用化粧品」を始めとし、その他の化粧用品等を広く指定して登録した国際登録第1798646号を所有している(甲6)。この登録はスペインでの出願日2023年10月20日に基づく優先権を主張して日本国指定により登録されたものであるから、本件商標の出願日(2024年10月17日)より約1年の先願として登録されたものである。

申立人が日本国で登録した「LA BOMBA」には「LA」の文字が付されているが、これはスペイン語やフランス語で名詞の前に用いられる定冠詞で、英語の「THE」と同じであり、この定冠詞の有無により意味が異なるものではない。このことは今日の日本では容易に理解されているものである。よって、本件商標「BOMB」と申立人の先願登録商標「LA BOMBA」とは定冠詞の有無とスペルにおいて若干異なる(語尾の「A」の有無)が、その意味は同じであり、今日においては一般大衆も容易に理解し得ることである。

さらに、申立人は、商標「BOMBA」についてはEU加盟国(27か国)を始めとし、ウルグアイ、パナマ、アルゼンチン、米国、チリ、カナダ、イスラエル、シンガポール、オーストラリア、ロシア、インド、英国等で商標登録しており、その登録国数も40か国程度に上る。申立人が所有する「BOMBA」と「LA BOMBA」の2つの商標についての登録国リストは甲第7号証に示すとおりである。

以上のように、申立人は「BOMBA」及び「LA BOMBA」よりなる商標につき、世界各国において商標登録を有し、その登録国数は数十か国以上に上るものである(甲7)。

(3)本件商標と申立人所有の「LA BOMBA」との類似性について

上記(2)で述べたように、「BOMB」と「BOMBA」は同義語であり、「LA」の定冠詞の有無によって別の意味になるものではない。してみれば、本件商標の「グルタチBOMB」の「BOMB」の文字部分と申立人所有の先願登録商標「LA BOMBA」(甲6)とはその意味においては同義であり、両者は観念的には同一である。

また、本件商標の「グルタチ」の文字部分は、健康食品、美容サプリメント、その他の美容関連商品分野において「グルタチオン」の簡略語として多用されていることから(甲2~甲4)、「グルタチ」の語は化粧品や美容関連商品分野では商標としての自他商品識別機能を有しないものである。

したがって、本件商標にあって識別機能を有する部分は「BOMB」の部分であるが、これは申立人が先登録として有する国際登録第1798646号「LA BOMBA」(甲6)と称呼、観念において類似するものである。すなわち、定冠詞の「LA」は文語体では表示されるが口語による時は省略されることが多く、例えば、「セーヌ川」を文語体で表示するときは「La Seine(ラ・セーヌ)」と表示するが、口語で用いられる時は定冠詞「LA」を省略し、単に「セーヌ川」(Seine River)と称呼することが多いように、単に「BOMBA」と称呼されるからである。

よって、本件商標「グルタチBOMB」は、申立人所有の「LA BOMBA」と称呼、観念において類似する。

(4)本件商標の使用状況について

本件商標「グルタチBOMB」は、本件商標の登録名義人である株式会社コーセーにより美容効果をもたらす「マスク」について使用され、「グルタチBOMBマスク」として2025年3月21日より販売開始されている(甲8)。この「マスク」は、グルタチオンを使用した「化粧用のマスク」であり、その効能は、グルタチオンの効果により、皮膚のくすみ、ツヤ不足を整え「つるん」とした肌へクリアターンすることにあるようである。

しかしながら、株式会社コーセーによる上記商標は、申立人の国際登録第1798646号の登録商標と類似し、また、申立人の先願登録商標の指定商品は、化粧品、美容関係商品を広く指定しており、株式会社コーセーが販売する上記「化粧用マスク」等も申立人の所有する先願登録商標の指定商品でカバーされているものであるから、これとの間で誤認、混同を生じさせるおそれがあるものである。

(5)申立人の「LA BOMBA」、「BOMBA」の使用状況について

申立人は「LA BOMBA」の香水を2025年6月にインターネットに広告掲載し、現在はオンラインショップで購入か空港の販売店でのみ購入可能であるが(甲9)、2025年9月より現実の販売店で販売開始予定である。申立人は当該商標を「香水類」を中心として販売する予定であるが、日本で本格的に販売を開始した場合は、株式会社コーセーが「化粧用マスク」について使用する「グルタチBOMB」との間で出所及び営業主体等に関して誤認、混同が生じないかについて懸念がある。

(6)まとめ

以上の理由により、本件登録商標は商標法第43条の2第1号の規定により、本件商標の登録は取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)商標法第8条第1項該当性について

ア 本件商標について

本件商標は、上記1のとおり、「グルタチBOMB」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成は「グルタチ」の片仮名と「BOMB」の欧文字を同じ書体及び大きさで等間隔に、まとまりよく一体的に表されたものであるから、その構成全体をもって、特定の意味合いを有しない一体不可分の一種の造語として認識されるというのが自然である。

そうすると、本件商標からは、「グルタチボム」のみの称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。

イ 引用商標について

引用商標は、上記2のとおり、「LA BOMBA」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成中の「LA」の欧文字がスペイン語の定冠詞であり、「BOMBA」の欧文字がスペイン語で「爆弾」を意味する語(甲5の1)であるとしても、我が国において広く一般的に親しまれた語ではないから、構成全体として、特定の意味合いを認識させない造語を表したものと理解されるものである。

そうすると、引用商標からは、その欧文字の英語風の読み方に相応して「ラボンバ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものというべきである。

ウ 本件商標と引用商標の類否について

(ア)外観

本件商標と引用商標は、上記ア及びイのとおりの構成よりなるところ、外観においては、本件商標の「グルタチ」及び引用商標の「LA」の各文字部分の有無という明らかな差異を有する上、本件商標の構成中の「BOMB」と引用商標の構成中の「BOMBA」の文字部分についても、末尾の「A」の有無に差異があり、外観上、明確に区別し得るものである。

(イ)称呼

称呼においては、本件商標から生じる「グルタチボム」の称呼と引用商標から生じる「ラボンバ」とは、構成音数及び構成音が相違し、明瞭に聴別できるものである。

(ウ)観念

観念においては、いずれも特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上、比較をすることができない。

そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較することができず、外観において明確に区別し得るものであり、称呼において明瞭に聴別できるものであるから、両商標が与える印象、記憶等を総合してみれば、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのない、非類似の商標というのが相当である。

エ 小括

以上によれば、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定商品の類否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第8条第1項に該当しない。

(2)申立人の主張について

申立人は、「グルタチ」の語は、正式には「グルタチオン/Glutathione」を意味するものであるが、単に「グルタチ」として健康食品や美容効果サプリメント、その他の美容目的用品に多用されており、需要者は「グルタチ」の語が表示された商品は、健康や美容効果等を持つサプリメント、美容効果用品であることを認識するものといえ、「グルタチ」の語は、化粧品や美容関連商品分野では商標としての自他商品識別機能を有しない語である旨主張する。

しかしながら、申立人提出の甲2のとおり、「グルタチシリーズ」「グルタチプラス」と使用されている例があるとしても、そのことより直ちに「グルタチ」の文字が「グルタチオン/Glutathione」を意味する語として広く一般に使用されているとはいい難く、その他、「グルタチ」の文字が直ちに商品の品質を表示するものと認識させる事情も見当たらない。

したがって、申立人の上記主張を採用することはできない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第8条第1項に違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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