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Trademark Appeal Case

結合商標の要部認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025900183
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
登録第6943492号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

理 由

第1 本件商標

本件登録第6943492号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和6年12月4日に登録出願、第9類「発光ダイオード(LED),レーザーダイオード,回路基板,ICチップ,半導体,半導体デバイス,半導体用ウェハー,有機発光ダイオード(OLED),電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具及びその部品,画像表示装置,発光ダイオードディスプレイ及びその部品,発光ダイオード(LED)モニター及びその部品,指示計器類」を指定商品として、同7年5月27日に登録査定、同年7月1日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。

第2 登録異議申立人が引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議の申立ての理由に該当するとして引用する商標は、次の(1)及び(2)のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。

以下、これらをまとめて「引用商標」という。

(1)国際登録第1274408A号(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:「DOMINO」の文字を横書きしてなる商標

国際商標登録出願日:2014年(平成26年)5月7日

設定登録日:平成31年2月1日

指定商品 :別掲2のとおり

(2)国際登録第1576755号(以下「引用商標2」という。)

商標の構成:「DOMINO」の文字を横書きしてなる商標

国際商標登録出願日:2020年(令和2年)10月12日

優先権主張:英国 2020年(令和2年)8月10日

設定登録日:令和5年8月4日

指定商品及び指定役務:別掲3のとおり

第3 登録異議の申立ての理由

本件商標は、その指定商品中、第9類「発光ダイオード(LED),レーザーダイオード,回路基板,ICチップ,半導体,半導体デバイス,半導体用ウェハー,有機発光ダイオード(OLED),電子応用機械器具及びその部品,画像表示装置,発光ダイオードディスプレイ及びその部品,発光ダイオード(LED)モニター及びその部品」について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。

以下、証拠の表記に当たっては、「甲第○号証」を「甲○」のように簡略して記載する。

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標

本件商標は、左側に図形を配し、右側上段の目立つ位置に欧文字「Domino」、下段に「PLS」の文字を配した構成からなる。

そして、本件商標中の「PLS」は、「Pixel Light Source(ピクセル ライト ソース)」の略であり、「最小光源」という意味であって、指定商品の品質(内容)を表示するにすぎず、識別力を有する語ではない。

よって、本件商標の要部は、右側上段に印象強く配置された「Domino」の欧文字であり、これより「ドミノ」単独の称呼が生じ、「ドミノ(ゲーム)」の観念が生じる。

(2)引用商標

引用商標からは、「ドミノ」の称呼及び「ドミノ(ゲーム)」の観念が生じる。

また、申立人が所有する引用商標「DOMINO」は、産業用印刷機に長年使用されている世界的に周知・著名な商標である。

(3)本件商標と引用商標の類否

本件商標は、普通名称である「PLS」と、周知な引用商標「Domino」とを結合させた商標である。

そして、本件商標において、もっとも需要者の目につきやすい右上に「Domino」と記載され、当該文字は周知・著名であることから、本件商標中、「Domino」の部分が要部として機能する。

したがって、本件商標と引用商標とは、「ドミノ」の称呼及び「ドミノ(ゲーム)」の観念を共通にする類似の商標である。

2 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品・役務との類似性について

本件商標の指定商品と引用商標1の指定商品には、類似群コード11C01が共通して付されている。

また、引用商標2の指定役務である第42類の役務には類似群コード42X11が付され、「電子計算機用プログラムの提供」と同様の役務が含まれているが、これらは、第9類の「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる「電子計算機用プログラム」に類似と推定するとされている。

本件商標の指定商品と、引用商標1の指定商品及び引用商標2の指定商品・指定役務とは、いうまでもなく極めて近しい関係にあり、生産・販売部門、用途・品質、需要者・流通経路等が重なる類似の関係にある。

3 むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してなされたものである。

第4 当審の判断

1 引用商標の周知、著名性について

(1)申立人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば、次のとおりである。

ア 申立人は、イギリスを拠点とする産業用及び商業用インクジェット印刷、熱転写印刷、印刷・貼布機、デジタル印刷機、レーザー印刷製品の開発会社であり、2015年、日本のブラザー・インダストリーズに買収された(甲8及び甲9、申立人の主張)。

イ 引用商標「DOMINO」は、産業用印刷機に長年使用されている世界的に周知・著名な商標である(申立人の主張)。

(2)判断

上記(1)によれば、申立人が、日本のブラザー・インダストリーズに買収されたイギリスを拠点とする産業用印刷機を取り扱う企業であることはうかがえるものの、申立人の提出に係る証拠からは、引用商標の周知性を判断するための、我が国における申立人製品の販売数、売上高、市場シェア等の販売実績並びに宣伝広告の期間及び規模等の広告実績を確認できる客観的な証拠の提出を確認することができないから、我が国における引用商標の周知性の程度を推し量ることはできない。

その他、申立人の提出に係る証拠をみても、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人製品を表示するものとして、又は申立人らの略称として、我が国の取引者、需要者の間で、広く認識されていたと認めるに足りる事実は見いだせない。

(3)そうすると、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人製品に使用されていたことはうかがえるものの、申立人製品を表示するもの、又は申立人の略称として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。

2 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標

本件商標は、別掲1のとおり、灰色を付した1つの円と8つの正方形からなる図形と、その右側に、上段に「Domino」の欧文字と下段に「PLS」の欧文字を上下二段に表してなるところ、左側の図形と右側の文字はバランスよく配置されており、上下の縦幅を揃え、全体として外観上まとまりよく一体的に表されている。

そして、構成中の「Domino」の欧文字は、「(法衣の意。もと牌の裏面が黒色の木で作られたことから)0から6までの賽の目を二つ並べた形の28個の長方形の牌を用いて行うゲーム。また、その牌。手持の牌を同じ賽の目のところにつないで並べ、早く出し切った者が勝つ。」の意味を有する語として一般に親しまれた語であり(広辞苑 第七版 岩波書店)(以下、当該文字の意味については「ドミノゲーム」という。)、「PLS」の欧文字は、「<please>英語圏のインターネットスラングで、「プリーズ」の意。」の意味を有する語であるところ(デジタル大辞泉 小学館)、全体としては、一般の辞書等に載録のないものであるから、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるものである。

また、上記1のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人に係る製品を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることはできないものであり、他に本件商標の構成中「Domino」の欧文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足りる事情も見いだせない。

加えて、その構成中「PLS」の欧文字部分が、本件商標の指定商品との関係において、直ちに商品の品質、種別等を表すものとして自他商品の出所識別標識としての機能を欠くというべき事情はない。

してみれば、本件商標の上記構成からすれば、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「PLS」の欧文字を捨象し、その構成中の「Domino」の文字部分のみに着目するというより、むしろ「DominoPLS」の文字全体をもって、特定の観念を生じない一体不可分の造語を表したものとして認識し、把握するというのが自然である。

したがって、本件商標は、その構成文字全体に相応して「ドミノピーエルエス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標

引用商標は、「DOMINO」の欧文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、その構成文字に相応して「ドミノ」の称呼を生じ、「ドミノゲーム」の観念が生じる。

(3)本件商標と引用商標の類否

本件商標と引用商標とを比較すると、外観においては、9文字と6文字という比較的少ない文字数での「Domino(DOMINO)」の欧文字のつづりを共通にするとしても、図形及び語尾部の「PLS」の欧文字の有無の差異、接頭部の「Domino(DOMINO)」の大文字と小文字の構成の差異を有することから、両者は、明確に区別し得るものである。

また、本件商標から生じる「ドミノピーエルエス」の称呼と引用商標から生じる「ドミノ」の称呼を比較すると、語尾における「ピーエルエス」の音の有無の差異を有するものであって、この差異が両称呼全体の語調語感に及ぼす影響は大きく、両者は、それぞれ一連に称呼しても、聞き誤るおそれのないものである。

そして、観念においては、引用商標は「ドミノゲーム」の観念を生じるものであるが、本件商標は全体として一種の造語であるから、両者は、観念において比較することができない。

(4)小括

以上によれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、相紛れるおそれのない非類似の商標であるというべきものである。

したがって、本件商標の指定商品が、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似のものを含むとしても、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。

3 むすび

以上のとおり、本件商標の指定商品についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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