結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2024016795 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、2020年(令和2年)12月22日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 6月 8日 :手続補正書の提出
令和6年 3月 5日付け:拒絶理由通知書
令和6年 5月23日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年 7月17日付け:拒絶査定
令和6年10月22日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和7年 6月27日付け:拒絶理由通知書
令和7年 8月28日 :意見書の提出
令和6年10月22日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりである。
「タッチパネルディスプレイと、
顧客が使用する端末装置を用いて登録された商品の精算情報を取得する第1の処理と、顧客の操作により商品を登録する登録機能を有する自精算装置で登録された商品の精算情報を取得する第2の処理と、店員の操作により商品の登録を行う登録装置を用いて登録された商品の精算情報を取得する第3の処理のうちのいずれかの処理の店員による前記タッチパネルディスプレイに表示された選択ボタンの選択を受け付ける受付手段と、
処理の選択が受け付けられたことに応じて、選択された処理に応じて異なる待機画面を前記タッチパネルディスプレイに表示させ、前記第1の処理が選択された場合の待機画面は、前記端末装置に表示された精算コードを読み取らせることを要求し、前記第2の処理が選択された場合の待機画面は、商品コードを読み取らせることを要求する表示制御手段と、
選択された前記第1、第2、または第3の処理を実行し、取得した精算情報を用いて、顧客の操作に応じて、代金の精算を行う精算手段と、
を備える精算装置。」
令和7年6月27日付けで当審が通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)の概要は、以下のとおりのものである。
本願請求項1,2,7,8に係る発明は、以下の引用文献1及び2に記載された発明に基づいて、本願請求項3~6に係る発明は、以下の引用文献1~3に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1:特開2020-042464号公報
引用文献2:特開2019-139395号公報
引用文献3:特開2018-109932号公報
(1)当審拒絶理由において引用された引用文献1には、図面とともに、次の記載がある(下線は当審による。以下同様。)。
ア 「【0012】
携帯端末20は、例えば顧客が個人的に所有するスマートフォンが用いられる。携帯端末20は、撮像するためのカメラ(入力部)260と、タッチパネル等の表示部(表示入力部)250等を備えている。なお、携帯端末20は、店舗貸出用の専用の携帯端末でも良い。
携帯端末(スマートフォン)20は、専用のアプリを導入することによって、店舗において買い物をする際に購入する商品の登録処理を実行する登録装置の機能を有する。
【0013】
携帯端末20は、上位装置10に記憶された商品マスタ110、店舗マスタ120、買い物ファイル140等との間で適宜情報のやりとりを行うことができる。また、POS端末70等の精算装置に対して、登録情報を出力する。」
イ 「【0016】
POS端末70は、顧客が購入する商品の登録処理や精算処理を行う装置であり
、顧客が購入する商品の情報等を読み取るためのバーコードリーダー、プリセットキー、CCDカメラ等の入力部760と、読み取った商品の情報等を表示する
タッチパネル等の表示部750
、レシート等を印刷する印刷部770
を有する
。
そして、POS端末70は、携帯端末20から買い物識別情報を入力した場合など、必要に応じて上位装置10の買い物ファイル等を参照することができる。
【0017】
POS端末70の一例としては、精算専用のPOS端末があげられる。本実施形態においては、顧客は、店舗において自己の所有するスマートフォン(携帯端末)20によって商品を登録できる。そして、顧客は、精算専用のPOS端末によって精算処理を行うことによって、店員が介入することなく商品の取引を行うことができる。
【0018】
なお、POS端末70は、精算専用のPOS端末に限られるものではなく、
店員が顧客の購入する商品の登録処理を行い、顧客が自ら精算処理を行う方式
(セミセルフ式)のPOSであってもよい。
セミセルフ式のPOSの場合、登録処理を行う登録装置と精算装置が分離しており登録装置によって登録処理がなされた登録情報を精算装置に出力して精算装置において顧客自らが精算処理を行う
POSであってもよいし、店員に向けられた登録処理を行う画面と顧客に向けられた精算処理を行う画面及び現金処理部を有する対面式のPOSであってもよい。
また、POS端末70は、
顧客が自ら購入する商品の登録処理と精算処理を行う
、すなわち店員が介在しない方式(
フルセルフ式
)
のPOS
であってもよい。
【0019】
また、
POS端末70は、混雑状況や店員状況等に応じて切替えることで、
上記
顧客が自ら精算処理を行うセミセルフ式のPOSと、
上記
対面式のセミセルフPOSと、
上記
フルセルフ式のPOSのいずれかに切り替えることができる切換え型POSであってもよい
。
切換え式のPOS端末70の一例を図2に示す。図2に示すPOS端末70の例では、テーブル70aを備えている。
さらには、店員が顧客の購入する商品の登録処理及び精算処理を行う通常のPOSレジであってもよく、精算処理ができる装置であれば、何ら限定されない。」
ウ 「【0122】
(登録情報の出力)
登録情報を表示した携帯端末20は、ステップS210に進んで、会員によって会計に進む指示がなされたか否かを検出し、会員によって会計に進む指示がなされた場合(S210でYes)には、会計に進む指示或いは会計に進む指示と共に登録情報を出力して(S211)、処理を完了する。
ここで、携帯端末20が出力する登録情報とは、買い物識別情報でもよい。
なお、登録情報は、商品登録のできた登録商品情報と、商品登録のできなかった保留商品情報とを含んでいてもよく、さらに、商品登録を取り消した取消商品情報を含んでもよい。
【0123】
具体的には、携帯端末20は、会員によって、表示部250の登録画面810に表示された「会計」キー813cが操作されたことを検出しており、「会計」キー813cが操作されたことが検出された場合には、図15(b)に示すように、携帯端末20は、出力画面840に、例えば、買い物識別情報に基づいて生成されたQRコード(登録商標)840aを表示(出力)する(S211)。なお、携帯端末20は、出力画面840に、買い物ファイルに記憶した登録情報に基づいて生成されたQRコード(登録商標)840aを表示(出力)してもよい。
【0124】
会員は、携帯端末20の表示部250に表示されたQRコード(登録商標)840aをPOS端末70の入力部760に読み取らせることで、POS端末70は、上位装置10に買い物識別情報に紐づけられた登録情報を取得することができる。」
エ 「【0166】
本実施形態の販売データ処理システムのPOS端末70は、制御部700、タッチパネル等の表示部750、カメラ等の入力部760、プリンタ等の印刷部770等を有している。
【0167】
前記制御部700は、POS端末70全体を総括して制御する制御手段701と、商品の登録情報を入力する入力手段702と、入力した登録情報を表示部750に表示する表示手段703と、登録情報に基づいて商品の精算を行う精算手段704と、保留商品情報を入力した場合に店員等に報知する報知手段705と、保留商品情報を修正する編集手段706と、商品情報に保留商品情報が含まれていた場合に精算手段704による精算処理を禁止する禁止手段707等を備えている。
【0168】
前記制御手段701は、POS端末70を総括して制御し、例えば入力(取得)もしくは検出した各情報を適宜メモリなどの記憶装置に記憶したり、各情報を記憶装置から読み出して表示部750に表示したり、他の装置との間で情報の交換をしたりする。
また、前記制御手段701は、種々の判断処理を実行する。
例えば、図8に示すフローのステップS702において、登録情報に保留商品情報があるか否かを判断したり、同ステップS707において、修正されていない保留商品情報が存在するか否かを判断したりする。
【0169】
前記入力手段702は、入力処理を実行する。
例えば、前記入力手段702は、携帯端末20の出力手段209が出力した登録情報を入力する。
前記表示手段703は、登録情報の表示処理を実行する。
例えば、前記表示手段703は、入力した登録情報(登録情報や保留商品)を表示部750に表示する。また、表示した登録情報(登録情報や保留商品)の表示形態を必要に応じて異ならせて表示する。
【0170】
前記精算手段704は、精算処理を実行する。
例えば、前記精算手段704は、登録情報に基づいて商品の精算処理を行う。また、精算処理に先だって顧客が精算を行う会計方法を取得する。
前記報知手段705は、報知処理を実行する。
例えば、前記報知手段705は、入力した登録情報に保留商品情報もしくは取消商品情報が含まれていた場合に、表示部750に保留商品(取消商品)が存在する旨を表示するとともに、店員をPOS端末70に呼び出す呼び出し処理を実行する。また、会員の状況等必要に応じて、店員を呼び出す呼び出し処理を実行する。」
オ 「【図15】
55
87
0001433740000001.jpg
」
(2)上記(1)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「POS端末70は、顧客が購入する商品の登録処理や精算処理を行う装置であり、タッチパネル等の表示部750を有し、
POS端末70は、混雑状況や店員状況等に応じて切替えることで、顧客が自ら精算処理を行うセミセルフ式のPOSと、対面式のセミセルフPOSと、フルセルフ式のPOSのいずれかに切り替えることができる切換え型POSであってもよく、
店員が顧客の購入する商品の登録処理を行い、顧客が自ら精算処理を行う方式であるセミセルフ式のPOSの場合、登録処理を行う登録装置と精算装置が分離しており登録装置によって登録処理がなされた登録情報を精算装置に出力して精算装置において顧客自らが精算処理を行い、
フルセルフ式のPOSでは、顧客が自ら購入する商品の登録処理と精算処理を行う、
POS端末70。」
(3)また、上記(1)から、引用文献1には、次の技術が記載されていると認められる。
「携帯端末20は、購入する商品の登録処理を実行する登録機能を有し、POS端末70等の精算装置に対して、登録情報を出力すること。」
(1)当審拒絶理由において引用された引用文献2には、図面とともに、次の記載がある。
ア 「【0094】
(フルセルフモード中の表示)
続いて、図13~図15等を用いて、フルセルフモード中の表示について説明する。図13及び図14は、フルセルフモード中の客側表示部205及び店員側表示部210の表示例、図15は、フルセルフモード中の店員側表示部210の表示例である。図13(A)は、
商品登録開始前にPOS端末20の客側表示部205に表示される登録開始画面
の表示例である。図13(A)に示す画面では、
画面右側に登録スタートボタンBT30が表示され
、画面左下には、表示言語切替ボタンBT35~BT37が表示されている。登録スタートボタンBT30は、商品登録の開始を指示するためのボタンである。客は、商品登録を開始する前に登録スタートボタンBT30を操作する。」
イ 「【図13】
90
60
0001433740000002.jpg
」
ウ 「【0168】
なお、POS端末20は、店員がログインしていない状態のフルセルフモードにおいて、店員がログインした場合には、フルセルフモードを維持するか、通常モードに切り換えるか、ダブルスキャンモードに切り換えるかを、店員の操作(例えば、ボタン操作)に応じて決定してもよい。
【0169】
つまり、
POS端末20は、
店員がログインしていない状態のフルセルフモードにおいて、
店員がログインした場合には、フルセルフモードを維持するためのボタン、通常モードに切り換えるためのボタン、ダブルスキャンモードに切り換えるためのボタンを表示し、何れのボタンが操作されたかに応じてログイン後の動作モードを制御してもよい
。なお、例えば、商品の登録について以降は店員に全て任せる旨のサポートを求められた場合(店員呼出があった場合)には店員はログイン後に通常モードに切り換えるためのボタンを操作し、商品の登録について以降は店員に一部を任せる旨(客自身も登録はするが店員にも協力して欲しい旨)のサポートを求められた場合(店員呼出があった場合)には店員はログイン後にダブルスキャンモードに切り換えるためのボタンを操作し、何らかの理由(例えば、処理状況の確認等)でログインしたが、客自身が自らの登録を希望する場合や店員の支援を必要としない場合(あるいは、一時的にログインしただけであり客をサポートできない場合)には店員はログイン後にフルセルフモードを維持するためのボタンを操作する。店員のログイン後にフルセルフモードを維持する場合には、プライバシー等の観点から、客が登録した商品の商品名等を店員側表示部210に表示しないようにしてもよい。但し、プライバシー等に然程影響しない情報(登録中の累計金額等)は表示するようにしてもよい。登録中の累計金額を表示すれば、店員は、例えば、くじ引きの権利(購入金額が所定金額を超えたか否か等)を適宜確認することができるため、予めくじ引きの準備を行うことができる。」
(1)引用発明の「POS端末70」は、「精算処理を行う」装置であるから、後述する相違点を除き、本願発明の「精算装置」に相当する。
(2)引用発明の「タッチパネル等の表示部750」は、本願発明の「タッチパネルディスプレイ」に相当する。
(3)引用発明の(POS端末70が)「フルセルフ式のPOSでは、顧客が自ら購入する商品の登録処理と精算処理を行う」に関して、「フルセルフ式のPOS」の場合の「POS端末70」は、「顧客が自ら購入する商品の登録処理」も行うことから、「POS端末70」は、本願発明の「顧客の操作により商品を登録する登録機能を有する」「精算装置」といえる。
また、引用発明のPOS端末70において、「登録処理」がなされた「商品」の登録情報が取得され、当該登録情報が「登録処理」に続く「精算処理」に用いられることは明らかである。
したがって、本願発明と引用発明とでは、「顧客の操作により商品を登録する登録機能を有する自精算装置で登録された商品の精算情報を取得する第2の処理」が特定されている点で共通する。
(4)引用発明の「店員が顧客の購入する商品の登録処理を行い、顧客が自ら精算処理を行う方式であるセミセルフ式のPOSの場合、登録処理を行う登録装置と精算装置が分離しており登録装置によって登録処理がなされた登録情報を精算装置に出力して精算装置において顧客自らが精算処理を行い」に関して、「セミセルフ式のPOS」の場合の、「店員が顧客の購入する商品の登録処理を行」う「登録装置」は、本願発明の「店員の操作により商品の登録を行う登録装置」に相当する。
また、引用発明の当該「登録装置」で「登録処理がなされた登録情報」は、当該「登録装置」と「分離」された「精算装置」へ「精算処理」のために「出力」されるから、引用発明と本願発明とでは「登録装置を用いて登録された商品の精算情報」が特定されている点で共通する。
したがって、引用発明の「店員が顧客の購入する商品の登録処理を行い、顧客が自ら精算処理を行う方式であるセミセルフ式のPOSの場合、登録処理を行う登録装置と精算装置が分離しており登録装置によって登録処理がなされた登録情報を精算装置に出力して精算装置において顧客自らが精算処理を行い」と本願発明とでは、「店員の操作により商品の登録を行う登録装置を用いて登録された商品の精算情報を取得する第3の処理」を特定する点で共通する。
(5)引用発明の「POS端末70は、混雑状況や店員状況等に応じて切替えることで、顧客が自ら精算処理を行うセミセルフ式のPOSと、対面式のセミセルフPOSと、フルセルフ式のPOSのいずれかに切り替えることができる切換え型POSであってもよく」に関して、「切換え型POS」の「POS端末70」は、「フルセルフ式のPOS」と「セミセルフ式のPOS」「のいずれかに切り替えることができる」ものであり、これらの方式を切替えるために、いずれの方式とするかの選択の受付が行われることは明らかである。そして、その選択の受付のための受付手段を引用発明の「POS端末70」が備えることも明らかである。
したがって、上記(3)及び(4)を踏まえると、引用発明の「POS端末70は、混雑状況や店員状況等に応じて切替えることで、顧客が自ら精算処理を行うセミセルフ式のPOSと、対面式のセミセルフPOSと、フルセルフ式のPOSのいずれかに切り替えることができる切換え型POSであってもよく」と本願発明の「顧客が使用する端末装置を用いて登録された商品の精算情報を取得する第1の処理と、顧客の操作により商品を登録する登録機能を有する自精算装置で登録された商品の精算情報を取得する第2の処理と、店員の操作により商品の登録を行う登録装置を用いて登録された商品の精算情報を取得する第3の処理のうちのいずれかの処理の店員による前記タッチパネルディスプレイに表示された選択ボタンの選択を受け付ける受付手段」とでは、「顧客の操作により商品を登録する登録機能を有する自精算装置で登録された商品の精算情報を取得する第2の処理と、店員の操作により商品の登録を行う登録装置を用いて登録された商品の精算情報を取得する第3の処理のうちのいずれかの処理の」「選択を受け付ける受付手段」を備える点で共通する。
(6)引用発明の「フルセルフ式のPOSでは、顧客が自ら購入する商品の登録処理と精算処理を行う」に関して、「POS端末70」は、「精算処理を行う」装置であるから、代金の「精算」を行う精算手段を備えることは明らかである。
引用発明の「フルセルフ式のPOS」の「精算処理」及び「セミセルフ式のPOS」の「精算処理」は、いずれも「顧客」が「行う」ことから、上記(3)~(5)を踏まえると、引用発明において、「フルセルフ式のPOS」又は「セミセルフ式のPOS」の「POS端末70」で「精算処理」を行うことは、「選択された」「第2、または第3の処理を実行し、取得した精算情報を用いて、顧客の操作に応じて、代金の精算を行う」ことに相当する。
したがって、引用発明と本願発明の「選択された前記第1、第2、または第3の処理を実行し、取得した精算情報を用いて、顧客の操作に応じて、代金の精算を行う精算手段」とでは、「選択された」「第2、または第3の処理を実行し、取得した精算情報を用いて、顧客の操作に応じて、代金の精算を行う精算手段」を備える点で共通する。
(一致点)
「タッチパネルディスプレイと、
顧客の操作により商品を登録する登録機能を有する自精算装置で登録された商品の精算情報を取得する第2の処理と、店員の操作により商品の登録を行う登録装置を用いて登録された商品の精算情報を取得する第3の処理のうちのいずれかの処理の選択を受け付ける受付手段と、
選択された前記第2、または第3の処理を実行し、取得した精算情報を用いて、顧客の操作に応じて、代金の精算を行う精算手段と、
を備える精算装置。」
(相違点)
(相違点1)
本願発明では、「受付手段」が、「顧客が使用する端末装置を用いて登録された商品の精算情報を取得する第1の処理」の「選択を受け付ける」ものであるのに対し、引用発明ではそのように特定されていない点。
(相違点2)
「受付手段」について、本願発明では「店員による前記タッチパネルディスプレイに表示された選択ボタンの選択を受け付ける」のに対し、引用発明ではそのように特定されていない点。
(相違点3)
本願発明では、「処理の選択が受け付けられたことに応じて、選択された処理に応じて異なる待機画面を前記タッチパネルディスプレイに表示させ、前記第1の処理が選択された場合の待機画面は、前記端末装置に表示された精算コードを読み取らせることを要求し、前記第2の処理が選択された場合の待機画面は、商品コードを読み取らせることを要求する表示制御手段」を備えるのに対し、引用発明ではそのように特定されていない点。
(相違点4)
本願発明では、「精算手段」が、「選択された前記第1」「の処理を実行」するものであるのに対し、引用発明ではそのように特定されていない点。
上記相違点について検討する。
上記第4の1(3)のとおり、引用文献1には、「携帯端末20は、購入する商品の登録処理を実行する登録機能を有し、POS端末70等の精算装置に対して、登録情報を出力すること」が記載されており、また、上記第4の1(1)イで摘記した引用文献1の段落【0017】-【0019】には、「POS端末70の一例としては、精算専用のPOS端末があげられ」、「顧客は、」「携帯端末」「20によって商品を登録でき」、「顧客は、精算専用のPOS端末によって精算処理を行うこと」ができ、「POS端末70は、精算専用のPOS端末に限られるものではなく、」「切換え型のPOSであってもよい」ことが記載されているところ、これらの記載から、引用発明は、「切換え型のPOS」の「POS端末70」は、顧客が携帯端末20によって登録した商品の登録情報を取得し、精算処理を行うことができることを前提とし得るものと解することができる。
そして、引用発明の「切換え型POS」の「POS端末70」は、「フルセルフ式のPOS」と「セミセルフ式のPOS」「のいずれかに切り替える」ために、方式の選択を受け付けるものであるから、引用発明に特定された「フルセルフ式」と「セミセルフ式」のみならず、引用発明が前提とし得ると解される、顧客が携帯端末20によって登録した商品の登録情報を取得し、精算処理を行う方式も切り替えられるように、選択を受け付ける構成とすることは、当業者が適宜なし得たことである。
タッチパネルディスプレイを備えた装置において、実行される処理の選択を受け付ける際に、タッチパネルディスプレイに表示された選択ボタンの選択を受け付けることは、例えば、引用文献2(【0168】-【0169】等参照)に示されているように周知技術であり、引用発明に当該周知技術を適用して、切り替える方式の選択の受付を、「タッチパネル等の表示部750」に表示された選択ボタンの選択を受け付ける構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
また、引用発明は、方式を「混雑状況や店員状況等に応じて切替える」ものであるから、切り替える方式を店員が選択するようにすることは、当業者が適宜なし得たことである。
POS端末において、端末の待機中に操作方法を示すもの等の待機画面を表示部に表示すべきことは技術常識であるところ、方式の選択を受け付けて方式を切替える引用発明の「切換え型POS」の「POS端末」においては、方式が選択されて切替えられた後の待機中に待機画面を表示すべきことは明らかであり、その待機画面を、選択された各方式に応じた異なるものとすべきことも明らかである。そうすると、引用発明において、方式の選択が行われたことに応じて、選択された方式に応じて異なる待機画面を「タッチパネル等の表示部750」に表示すること、また、そのように表示を制御する表示制御手段を有するものとすることは自明であるといえる。
ここで、上記第4の1(1)ウで摘記した引用文献1の段落【0123】-【0124】には、「POS端末70は、上位装置10に買い物識別情報に紐づけられた登録情報を取得する」ために、「携帯端末20」の「出力画面840に」「表示」された「買い物識別情報に基づいて生成されたQRコード840aを」、「POS端末70の入力部760に読み取らせる」ことが記載されており、この読取を要求する画面を、顧客が携帯端末20によって登録した商品の登録情報を取得し、精算処理を行う方式が選択された場合の、当該方式の操作方法を示す待機画面とすることは、当業者が適宜なし得ることである。
また、引用文献2の段落【0094】、図13(A)には、フルセルフモード中の表示として、登録開始画面に登録スタートボタンBT30とともに、「登録スタートボタンを押すか商品をスキャンしてください」と表示する技術が記載されており、当該技術は、上記技術常識の一例であって、フルセルフモードの操作方法を示す待機画面として商品のスキャンを要求するものであるといえる。引用発明の「フルセルフ式」が選択された場合の待機画面として引用文献2に記載された技術を採用し、商品のスキャンを要求するものとすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
なお、第1の処理(レジレスモード)の場合の待機画面の内容については、特開2020-107122号公報に、顧客の携帯端末に対する操作により商品登録が行われるセルフ登録システムにおいて、精算装置に表示される待機画面に、携帯端末に表示されたQRコードを客側スキャナ部により読み取らせる操作を行ってもらうことを案内する画像、メッセージが表示されることが記載されている(段落【0005】、【0256】、【0257】、図24等参照)ところ、当該記載も上記技術常識の一例を示すものといえる。
これらの相違点を総合的に勘案しても、本願発明の奏する作用効果は、引用発明、引用文献2記載技術及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
令和7年8月28日提出の意見書における請求人の主張について検討する。
請求人は、引用文献1には、モード選択後にどのような画面が表示されるかは記載されておらず、単にモードが切り替わることから、選択されたモードに応じて異なる内容の待機画面が表示されることは導かれず、引用文献2のフルセルフモードの待機画面は、引用文献2において選択可能なフルセルフモード、通常モード、ダブルスキャンモードから、フルセルフモードを選択した結果として表示されることは記載されておらず、示唆もなく、ましてや第1の処理が選択された場合の待機画面が、端末装置に表示された精算コードを読み取らせることを要求し、第2の処理が選択された場合の待機画面が、商品コードを読み取らせることを要求するという選択的な画面表示制御については何ら開示されておらず、「引用発明において、方式の選択が行われたことに応じて、選択された方式に応じて異なる待機画面が「タッチパネル等の表示部750」に表示されること」が自明であるという判断は、根拠が不十分であり、不適当である旨、主張する。
また、請求人は、引用文献1-3には、「処理選択」→「選択に応じた待機画面表示」という本願発明の技術的連携について何ら示唆がなく、引用文献1-3を組み合わせたとしても、本願発明の「処理の選択が受け付けられたことに応じて、選択された処理に応じて異なる待機画面を前記タッチパネルディスプレイに表示させ」る構成に到達することは困難である旨、主張する。
しかしながら、上記3で検討したように、技術常識を踏まえると、「処理の選択が受け付けられたことに応じて、選択された処理に応じて異なる待機画面を前記タッチパネルディスプレイに表示させ」る構成は自明のものであり、各待機画面の具体的な内容についても、当業者が適宜なし得た、又は容易になし得たといわざるを得ないものである。
したがって、請求人の上記主張は採用できない。
したがって、本願発明は、引用発明、引用文献2記載技術及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用文献2記載技術及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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