sokuhyo

Trademark Appeal Case

新規性・進歩性欠如

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025700372
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
特許第7559916号の明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~4〕、5~8について訂正することを認める。
特許第7559916号の請求項1~8に係る特許を維持する。

理由テキスト

理 由

第1 手続の経緯

本件特許第7559916号(以下、「本件特許」という。)についての特許出願は、令和5年12月19日を出願日とするものであって、令和6年9月24日にその特許権が設定登録され、同年10月2日にその特許公報が発行された。そして、特許異議申立人 赤松 智信(以下、単に「申立人」という。)による特許異議の申立てに係る手続の経緯は、以下のとおりである。

令和7年 4月 1日 :特許異議申立書の提出

令和7年 7月 3日付け:取消理由通知書

令和7年 9月 4日 :訂正請求書、意見書の提出

令和7年 9月25日付け:手続補正指令書(方式)

令和7年10月27日 :手続補正書(方式)の提出

令和7年11月 6日付け:通知書(訂正請求があった旨の通知)

なお、申立人は、令和7年11月6日付けの通知書に対し意見書を提出しなかった。

第2 特許異議の申立ての理由及び証拠方法

特許異議申立書の全趣旨からして、申立人が主張する特許異議の申立ての理由(以下、「申立理由」という。)及び証拠方法は、以下のとおりのものと認められる。

1 申立理由の概要

申立理由(甲第1号証に基づく新規性・進歩性欠如)

本件特許の特許請求の範囲の請求項1、4~8に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものであるから、特許法第113条第2号の規定により取り消すべきものである。また、本件特許の特許請求の範囲の請求項1~8に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基いて、本件特許出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、請求項1~8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、特許法第113条第2号の規定により取り消すべきものである。

2 証拠方法

甲第1号証:『EMV(R) Card Personalisation Specification Version 2.0』

Pageii、 iii、 Page 11、 16、 17、 Page63~67、 Page73、Page101、 102、 Page107-109 (当審注:(R)は、Rを○で囲った「登録商標マーク」である。)

甲第2号証:『EMVCo, Organisation Structure』

EMVCo, LLC. [online]、[令和7年2月25 日検索] インターネット <URL:https://www.emvco. com/about-us/organization-structure/>

なお、以下において、上記甲第1号証~甲第2号証を、単に「甲1」~「甲2」という場合がある。

第3 取消理由の概要

令和7年7月3日付けで当審が通知した取消理由は、概略、以下のとおりである。

取消理由(進歩性)

請求項1、4~8に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明に基いて、本件特許出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、請求項1、4~8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

引用文献1:EMV R Card Personalisation Specification, Version 2.0, [公開日 2021.08.13], EMVCo [online], [pp.i-x, 11-114], [検索日 2025.06.26]、インターネット:<URL: https://www.emvco.com/specifications/emv-card-personalisation-specification/ >

なお、甲第1号証は引用文献1の一部である。すなわち、引用文献1は、甲第1号証に含まれないページも含む。

第4 本件訂正について

1 本件訂正の請求の趣旨

令和7年10月27日提出の手続補正書(方式)により補正された、同年9月4日提出の訂正請求書に係る訂正(以下、「本件訂正」という。)の請求の趣旨は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を、上記手続補正書(方式)に添付した訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~8について訂正することを求める、というものである。

2 本件訂正の内容

本件訂正の内容は、次のとおりのものである(下線部は訂正箇所を示す。)。

(1)訂正事項1

特許請求の範囲の請求項1に、「アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体であって、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納手段と、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、を備えることを特徴とする電子情報記憶媒体。」と記載されているのを、「アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体であって、

RAM(Random Access Memory)と、NVM(Nonvolatile Memory)と、

前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域

であって、前記NVMに設けられた前記メモリ領域

に格納する格納手段と、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、を備えることを特徴とする電子情報記憶媒体。」に訂正する。

(2)訂正事項2

特許請求の範囲の請求項2に、「前記メモリ領域は複数の配列により構成され、それぞれの前記配列は所定バイトのデータを格納可能な要素を複数含んでおり、前記電子情報記憶媒体は、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべき前記配列の参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、前記格納手段は、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データと当該要素データが格納済であることを示すフラグとを所定の前記配列の要素に格納し、前記第2判定手段は、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記配列の参照に基づいて、それぞれの前記配列にアクセスし当該それぞれの前記配列の要素に前記フラグが格納されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の電子情報記憶媒体。」と記載されているのを、独立形式に改め、「

アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体であって、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納手段と、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、を備えることを特徴とする電子情報記憶媒体であって、

前記メモリ領域は複数の配列により構成され、それぞれの前記配列は所定バイトのデータを格納可能な要素を複数含んでおり、前記電子情報記憶媒体は、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべき前記配列の参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、前記格納手段は、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データと当該要素データが格納済であることを示すフラグとを所定の前記配列の要素に格納し、前記第2判定手段は、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記配列の参照に基づいて、それぞれの前記配列にアクセスし当該それぞれの前記配列の要素に前記フラグが格納されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とす

る電

子情報記憶媒体。」に訂正する。

(3)訂正事項3

特許請求の範囲の請求項3に、「前記電子情報記憶媒体は、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、前記格納手段は、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し、前記第2判定手段は、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の電子情報記憶媒体。」と記載されているのを、独立形式に改め、「

アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体であって、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納手段と、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、を備えることを特徴とする電子情報記憶媒体であって、

前記電子情報記憶媒体は、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、前記格納手段は、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し、前記第2判定手段は、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認するこ

とにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とす

る電

子情報記憶媒体。」に訂正する。

(4)訂正事項4

特許請求の範囲の請求項4に、「前記必須要素データには前記アプリケーションにおけるオプション機能に必要な要素データが含まれており、前記アプリケーションがインストールされる際に当該アプリケーションにおけるオプション機能がオンに設定されている場合、前記第2判定手段は、前記オプション機能に必要な要素データを含む前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の電子情報記憶媒体。」と記載されているのを、「前記必須要素データには前記アプリケーションにおけるオプション機能に必要な要素データが含まれており、前記アプリケーションがインストールされる際に当該アプリケーションにおけるオプション機能がオンに設定されている場合、前記第2判定手段は、前記オプション機能に必要な要素データを含む前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする請求項

2または3

に記載の電子情報記憶媒体。」に訂正する。

(5)訂正事項5

特許請求の範囲の請求項5に、「アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信するICチップであって、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納手段と、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、を備えることを特徴とするICチップ。」と記載されているのを、「アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信するICチップであって、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納手段と、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、を備えることを特徴とするICチップ

であって、前記ICチップは、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、前記格納手段は、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し、前記第2判定手段は、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とするICチップ

。」に訂正する。

(6)訂正事項6

特許請求の範囲の請求項6に、「アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信するICカードであって、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納手段と、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、を備えることを特徴とするICカード。」と記載されているのを、「アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信するICカードであって、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納手段と、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、を備えることを特徴とするICカード

であって、前記ICカードは、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、前記格納手段は、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し、前記第2判定手段は、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とするICカード

。」に訂正する。

(7)訂正事項7

特許請求の範囲の請求項7に、「アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体により実行される要素データ格納方法であって、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納するステップと、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定するステップと、前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定するステップと、前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するステップと、を含むことを特徴とする要素データ格納方法。」と記載されているのを、「アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体により実行される要素データ格納方法であって、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する

格納

ステップと、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する

第1判定

ステップと、前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する

第2判定

ステップと、前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するステップと、を含むことを特徴とする要素データ格納方法

であって、前記電子情報記憶媒体は、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、前記格納ステップにおいては、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し、前記第2判定ステップにおいては、前記第1判定ステップにおいて前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする要素データ格納方法

。」に訂正する。

(8)訂正事項8

特許請求の範囲の請求項8に、「アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体に含まれるコンピュータに、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納するステップと、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定するステップと、前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定するステップと、前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するステップと、を実行させることを特徴とするプログラム。」と記載されているのを、「アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体に含まれるコンピュータに、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する

格納

ステップと、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する

第1判定

ステップと、前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する

第2判定

ステップと、前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するステップと、を実行させることを特徴とするプログラム

であって、前記電子情報記憶媒体は、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、前記格納ステップにおいては、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し、前記第2判定ステップにおいては、前記第1判定ステップにおいて前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とするプログラム

。」に訂正する。

(9)訂正事項9

願書に添付した明細書の段落【0006】に、「上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体であって、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納手段と、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、を備えることを特徴とする。」と記載されているのを、「上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体であって、

RAM(Random Access Memory)と、NVM(Nonvolatile Memory)と、

前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域

であって、前記NVMに設けられた前記メモリ領域

に格納する格納手段と、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、を備えることを特徴とする。」に訂正する。

(10)訂正事項10

願書に添付した明細書の段落【0007】に、「請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子情報記憶媒体において、前記メモリ領域は複数の配列により構成され、それぞれの前記配列は所定バイトのデータを格納可能な要素を複数含んでおり、前記電子情報記憶媒体は、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべき前記配列の参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、前記格納手段は、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データと当該要素データが格納済であることを示すフラグとを所定の前記配列の要素に格納し、前記第2判定手段は、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記配列の参照に基づいて、それぞれの前記配列にアクセスし当該それぞれの前記配列の要素に前記フラグが格納されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする。」と記載されているのを、「請求項2に記載の発明は、

アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体であって、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納手段と、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、を備えることを特徴とする電子情報記憶媒体であって、

前記メモリ領域は複数の配列により構成され、それぞれの前記配列は所定バイトのデータを格納可能な要素を複数含んでおり、前記電子情報記憶媒体は、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべき前記配列の参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、前記格納手段は、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データと当該要素データが格納済であることを示すフラグとを所定の前記配列の要素に格納し、前記第2判定手段は、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記配列の参照に基づいて、それぞれの前記配列にアクセスし当該それぞれの前記配列の要素に前記フラグが格納されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする。」に訂正する。

(11)訂正事項11

願書に添付した明細書の段落【0008】に、「請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の電子情報記憶媒体において、前記電子情報記憶媒体は、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、前記格納手段は、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し、前記第2判定手段は、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする。」と記載されているのを、「請求項3に記載の発明は、

アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複

数回受信する電子情報記憶媒体であって、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納手段と、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、を備えることを特徴とする電子情報記憶媒体であって、

前記電子情報記憶媒体は、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、前記格納手段は、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し、前記第2判定手段は、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする。」に訂正する。

(12)訂正事項12

願書に添付した明細書の段落【0009】に、「請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の電子情報記憶媒体において、前記必須要素データには前記アプリケーションにおけるオプション機能に必要な要素データが含まれており、前記アプリケーションがインストールされる際に当該アプリケーションにおけるオプション機能がオンに設定されている場合、前記第2判定手段は、前記オプション機能に必要な要素データを含む前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする。」と記載されているのを、「請求項4に記載の発明は、請求項

2または3

に記載の電子情報記憶媒体において、前記必須要素データには前記アプリケーションにおけるオプション機能に必要な要素データが含まれており、前記アプリケーションがインストールされる際に当該アプリケーションにおけるオプション機能がオンに設定されている場合、前記第2判定手段は、前記オプション機能に必要な要素データを含む前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする。」に訂正する。

(13)訂正事項13

願書に添付した明細書の段落【0010】に、「請求項5に記載の発明は、アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信するICチップであって、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納手段と、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、を備えることを特徴とする。」と記載されているのを、「請求項5に記載の発明は、アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信するICチップであって、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納手段と、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、を備えることを特徴とする

ICチップであって、前記ICチップは、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、前記格納手段は、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し、前記第2判定手段は、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする

。」に訂正する。

(14)訂正事項14

願書に添付した明細書の段落【0011】に、「請求項6に記載の発明は、アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信するICカードであって、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納手段と、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、を備えることを特徴とする。」と記載されているのを、「請求項6に記載の発明は、アプリケーションをパーソナライズするための

要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する

ICカードであって、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納手段と、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、を備えることを特徴とするICカードであって、前記ICカードは、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、前記格納手段は、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し、前記第2判定手段は、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする

。」に訂正する。

(15)訂正事項15

願書に添付した明細書の段落【0012】に、「請求項7に記載の発明は、アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体により実行される要素データ格納方法であって、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納するステップと、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定するステップと、前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定するステップと、前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するステップと、を含むことを特徴とする。」と記載されているのを、「請求項7に記載の発明は、アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体により実行される要素データ格納方法であって、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する

格納

ステップと、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する

第1判定

ステップと、前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する

第2判定

ステップと、前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するステップと、を含むことを特徴とする

要素データ格納方法であって、前記電子情報記憶媒体は、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、前記格納ステップにおいては、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し、前記第2判定ステップにおいては、前記第1判定ステップにおいて前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする

。」に訂正する。

(16)訂正事項16

願書に添付した明細書の段落【0013】に、「請求項8に記載の発明は、アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体に含まれるコンピュータに、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納するステップと、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定するステップと、前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定するステップと、前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するステップと、を実行させることを特徴とする。」と記載されているのを、「請求項8に記載の発明は、アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体に含まれるコンピュータに、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する

格納

ステップと、前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する

第1判定

ステップと、前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する

第2判定

ステップと、前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するステップと、を実行させることを特徴とする

プログラムであって、前記電子情報記憶媒体は、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、前記格納ステップにおいては、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し、前記第2判定ステップにおいては、前記第1判定ステップにおいて前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする

。」に訂正する。

3 一群の請求項

本件訂正前の請求項2~4は、本件訂正前の請求項1を直接的又は間接的に引用しているものであるから、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。

したがって、本件訂正前の請求項1~4に対応する本件訂正後の請求項1~4は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項となる。

なお、訂正請求書において、請求項2~4についての訂正が認められる場合には、これらを訂正前の一群の請求項とは別の請求単位として取り扱うことが求められている。

第5 本件訂正についての適否についての判断

1 訂正事項1について

(1)訂正の目的

訂正事項1は、本件訂正前の請求項1の「電子情報記憶媒体」が、「RAM(Random Access Memory)と、NVM(Nonvolatile Memory)と」を更に備えるように限定するとともに、本件訂正前の請求項1の「メモリ領域」が「前記NVMに設けられた」ものであるように更に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項1は、本件特許明細書の段落【0018】の「

ICチップ1は

、図1に示すように、I/O回路11、

RAM(Random Access Memory)12

NVM(Nonvolatile Memory)13

、ROM(Read Only Memory)14、CPU(Central Processing Unit)15(コンピュータの一例)、及び暗号演算等を行うコプロセッサ16等

を備える

。」という記載および、【0019】の「

NVM13には、アプリケーションにより参照されるメモリ領域が設けられる。メモリ領域には、アプリケーションの複数の要素データが格納される。

」という記載等に基づくものである。(下線は、強調のため当審が付した。以下同様である。)

したがって、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

上記(1)及び(2)のとおり、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内で、「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。

したがって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

2 訂正事項2について

(1)訂正の目的

訂正事項2に係る訂正は、訂正前の請求項2が請求項1を引用していたところ、請求項1との引用関係を解消して独立形式請求項とするものである。

したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。

(2)本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項2に係る訂正は、上記(1)のとおり、請求項間の引用関係を解消するものであり、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。

したがって、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

上記(1)及び(2)のとおり、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内で、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。

したがって、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

3 訂正事項3について

(1)訂正の目的

訂正事項3に係る訂正は、訂正前の請求項3が請求項1を引用していたところ、請求項1との引用関係を解消して独立形式請求項とするものである。

したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。

(2)本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項3に係る訂正は、上記(1)のとおり、請求項間の引用関係を解消するものであり、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。

したがって、訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

上記(1)及び(2)のとおり、訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内で、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。

したがって、訂正事項3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

4 訂正事項4について

(1)訂正の目的

訂正事項4に係る訂正は、訂正前の請求項4が請求項1乃至3の何れか一項の記載を引用する記載であるところ、請求項2または3を引用するように訂正する、すなわち訂正前の請求項4において択一的に引用する請求項1を引用請求項の選択肢から削除するものである。そして、訂正後の請求項2および請求項3は、いずれも請求項間の引用関係を解消することを目的とする訂正のみがなされたものであることを併せて踏まえると、訂正事項4に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

(2)本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項4に係る訂正は、上記(1)のとおり、訂正前の請求項4において択一的に引用する請求項1~3のうち、請求項1を引用請求項の選択肢から削除するものである。そして、訂正後の請求項4が依然として引用する訂正後の請求項2および請求項3は、いずれも請求項間の引用関係を解消することを目的とする訂正のみがなされたものであるから、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。

したがって、訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

上記(1)及び(2)のとおり、訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内で、「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。

したがって、訂正事項4は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

5 訂正事項5について

(1)訂正の目的

訂正事項5に係る訂正は、本件訂正前の請求項5の「ICチップ」について「前記ICチップは、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、前記格納手段は、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し、前記第2判定手段は、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする」ように更に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

(2)本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項5のうち、「前記ICチップは、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており」という事項は、本件特許明細書の段落【0024】の「NVM13には、複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧が予め記憶される。」という記載等に基づくものである。

また、訂正事項5のうち、「前記格納手段は、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し」という事項は、本件特許明細書の段落【0028】の「

CPU15は、Store Dataコマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データをメモリ領域に格納する

例えば、

CPU15は、Store Dataコマンドに含まれる要素データと当該要素データが格納済であることを示す発行状況フラグ“01(h)”とを、上述したように、メモリ領域の所定の配列の配列要素に格納する。或いは、

CPU15は、Store Dataコマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトをメモリ領域に生成する

。」という記載等に基づくものである。

また、訂正事項5のうち、「前記第2判定手段は、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する」という事項は、本件特許明細書の段落【0028】の「そして、

CPU15は、

外部装置2から受信されたStore DataコマンドがLast Store Dataコマンドであるか否かを判定(P1のbitから判定)し、

Store DataコマンドがLast Store Dataコマンドであると判定した場合、パーソナライズ必須の複数の必須要素データがメモリ領域に全て格納されたか否かを判定する

。」という記載および、段落【0029】の「

例えば、

CPU15は、NVM13に記憶されている必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの配列の参照に基づいて、それぞれの配列にアクセスし当該それぞれの配列の配列要素に発行状況フラグ“01(h)”が格納されているかを確認することにより複数の必須要素データがメモリ領域に全て格納されたか否かを判定する。或いは、

CPU15は、NVM13に記憶されている必須要素データ一覧に記述されたそれぞれのオブジェクトの参照に基づいて、それぞれのオブジェクトにアクセスし当該それぞれのオブジェクトが生成されているかを確認することにより複数の必須要素データがメモリ領域に全て格納されたか否かを判定する

。」という記載等に基づくものである。

したがって、訂正事項5は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

上記(1)及び(2)のとおり、訂正事項5は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内で、「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。

したがって、訂正事項5は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

6 訂正事項6について

(1)訂正の目的

訂正事項6に係る訂正は、本件訂正前の請求項6の「ICカード」について「前記ICカードは、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、前記格納手段は、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し、前記第2判定手段は、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする」ように更に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

(2)本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項6のうち、「前記ICカードは、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、」という事項は、本件特許明細書の段落【0024】の「NVM13には、複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧が予め記憶される。」という記載等に基づくものである。

また、訂正事項6のうち、「前記格納手段は、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し」という事項は、本件特許明細書の段落【0028】の「

CPU15は、Store Dataコマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データをメモリ領域に格納する

例えば、

CPU15は、Store Dataコマンドに含まれる要素データと当該要素データが格納済であることを示す発行状況フラグ“01(h)”とを、上述したように、メモリ領域の所定の配列の配列要素に格納する。或いは、

CPU15は、Store Dataコマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトをメモリ領域に生成する

。」という記載等に基づくものである。

また、訂正事項6のうち、「前記第2判定手段は、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする」という事項は、本件特許明細書の段落【0028】の「そして、

CPU15は、

外部装置2から受信されたStore DataコマンドがLast Store Dataコマンドであるか否かを判定(P1のbitから判定)し、

Store DataコマンドがLast Store Dataコマンドであると判定した場合、パーソナライズ必須の複数の必須要素データがメモリ領域に全て格納されたか否かを判定する

。」という記載および、段落【0029】の「

例えば、

CPU15は、NVM13に記憶されている必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの配列の参照に基づいて、それぞれの配列にアクセスし当該それぞれの配列の配列要素に発行状況フラグ“01(h)”が格納されているかを確認することにより複数の必須要素データがメモリ領域に全て格納されたか否かを判定する。或いは、

CPU15は、NVM13に記憶されている必須要素データ一覧に記述されたそれぞれのオブジェクトの参照に基づいて、それぞれのオブジェクトにアクセスし当該それぞれのオブジェクトが生成されているかを確認することにより複数の必須要素データがメモリ領域に全て格納されたか否かを判定する

。」という記載等に基づくものである。

したがって、訂正事項6は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

上記(1)及び(2)のとおり、訂正事項6は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内で、「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。

したがって、訂正事項6は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

7 訂正事項7について

(1)訂正の目的

訂正事項7に係る訂正のうち、訂正前の請求項7に「前記電子情報記憶媒体は、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており」という事項を追加する訂正は、本件訂正前の請求項7の「電子情報記憶媒体」を更に限定するものである。

また、訂正事項7に係る訂正のうち、訂正前の請求項7に「前記格納ステップにおいては、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し」という事項を追加する訂正は、本件訂正前の請求項7の「格納するステップ」を更に限定するものである。なお、訂正事項7に係る訂正のうち、「格納するステップ」を「格納する

格納

ステップ」とする訂正は、訂正前の請求項7において、「ステップ」という用語が、「前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納するステップ」、「前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定するステップ」、「前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定するステップ」、「前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するステップ」といった複数のステップで共通して使用されていたところ、本件訂正によって「格納するステップ」を更に限定するにあたり、「格納するステップ」を「前記ステップ」で参照するといずれの「ステップ」を指すものか特定できないところ、「格納するステップ」に対して「格納ステップ」という名称を与える便宜上のものと解されるから、訂正事項7のうち、「格納するステップ」を「格納する

格納

ステップ」とする訂正、および「前記格納ステップにおいては、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し」を追加する訂正は、併せて「格納するステップ」を更に限定するものであると認められる。

また、訂正事項7に係る訂正のうち、訂正前の請求項7に「前記第2判定ステップにおいては、前記第1判定ステップにおいて前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する」という事項を追加する訂正は、本件訂正前の請求項7の「前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定するステップ」を更に限定するものである。なお、訂正事項7に係る訂正のうち、「前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定するステップと、前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定するステップ」を「前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する

第1判定

ステップと、前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する

第2判定

ステップ」とする訂正は、訂正前の請求項7において、「判定するステップ」という記載が、異なるステップで共通して使用されていたところ、本件訂正によって「前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定するステップ」を更に限定するにあたり、「前記判定するステップ」という記載で参照すると、いずれの「判定するステップ」を指すものか特定できないところ、「前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定するステップ」に対して「第1判定ステップ」という名称を、「前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定するステップ」に対して「第2判定ステップ」という名称をそれぞれ与える便宜上のものと解されるから、訂正事項7のうち、「前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定するステップと、前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定するステップ」を「前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する

第1判定

ステップと、前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する

第2判定

ステップ」とする訂正、および「前記第2判定ステップにおいては、前記第1判定ステップにおいて前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する」という事項を追加する訂正は、併せて本件訂正前の請求項7の「前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定するステップ」を更に限定するものであると認められる。

以上のとおりであるから、訂正事項7に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

(2)本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項7のうち、「前記電子情報記憶媒体は、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており」という事項は、本件特許明細書の段落【0024】の「NVM13には、複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧が予め記憶される。」という記載等に基づくものである。

また、訂正事項7のうち、「前記格納ステップにおいては、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し」という事項は、本件特許明細書の段落【0028】の「

CPU15は、Store Dataコマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データをメモリ領域に格納する

例えば、

CPU15は、Store Dataコマンドに含まれる要素データと当該要素データが格納済であることを示す発行状況フラグ“01(h)”とを、上述したように、メモリ領域の所定の配列の配列要素に格納する。或いは、

CPU15は、Store Dataコマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトをメモリ領域に生成する

。」という記載等に基づくものである。

また、訂正事項7のうち、「前記第2判定ステップにおいては、前記第1判定ステップにおいて前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する」という事項は、本件特許明細書の段落【0028】の「そして、

CPU15は、

外部装置2から受信されたStore DataコマンドがLast Store Dataコマンドであるか否かを判定(P1のbitから判定)し、

Store DataコマンドがLast Store Dataコマンドであると判定した場合、パーソナライズ必須の複数の必須要素データがメモリ領域に全て格納されたか否かを判定する

。」という記載および、段落【0029】の「

例えば、

CPU15は、NVM13に記憶されている必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの配列の参照に基づいて、それぞれの配列にアクセスし当該それぞれの配列の配列要素に発行状況フラグ“01(h)”が格納されているかを確認することにより複数の必須要素データがメモリ領域に全て格納されたか否かを判定する。或いは、

CPU15は、NVM13に記憶されている必須要素データ一覧に記述されたそれぞれのオブジェクトの参照に基づいて、それぞれのオブジェクトにアクセスし当該それぞれのオブジェクトが生成されているかを確認することにより複数の必須要素データがメモリ領域に全て格納されたか否かを判定する

。」という記載等に基づくものである。

なお、訂正事項7のうち、訂正前の請求項7の各「ステップ」に、「格納ステップ」、「第1判定ステップ」、「第2判定ステップ」という名称を与える訂正は、新たな技術事項を導入するものでないことは明らかである。

したがって、訂正事項7は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

上記(1)及び(2)のとおり、訂正事項7は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内で、「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。

したがって、訂正事項7は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

8 訂正事項8について

(1)訂正の目的

訂正事項8に係る訂正のうち、訂正前の請求項8に「前記電子情報記憶媒体は、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており」という事項を追加する訂正は、本件訂正前の請求項8の「電子情報記憶媒体」を更に限定するものである。

また、訂正事項8に係る訂正のうち、訂正前の請求項8に「前記格納ステップにおいては、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し」という事項を追加する訂正は、本件訂正前の請求項8の「格納するステップ」を更に限定するものである。なお、訂正事項8に係る訂正のうち、「格納するステップ」を「格納する

格納

ステップ」とする訂正は、訂正前の請求項8において、「ステップ」という用語が、「前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納するステップ」、「前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定するステップ」、「前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定するステップ」、「前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するステップ」といった複数のステップで共通して使用されていたところ、本件訂正によって「格納するステップ」を更に限定するにあたり、「格納するステップ」を「前記ステップ」で参照するといずれの「ステップ」を指すものか特定できないところ、「格納するステップ」に対して「格納ステップ」という名称を与える便宜上のものと解されるから、訂正事項8のうち、「格納するステップ」を「格納する

格納

ステップ」とする訂正、および「前記格納ステップにおいては、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し」を追加する訂正は、併せて「格納するステップ」を更に限定するものであると認められる。

また、訂正事項8に係る訂正のうち、訂正前の請求項8に「前記第2判定ステップにおいては、前記第1判定ステップにおいて前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する」という事項を追加する訂正は、本件訂正前の請求項8の「前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定するステップ」を更に限定するものである。なお、訂正事項8に係る訂正のうち、「前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定するステップと、前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定するステップ」を「前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する

第1判定

ステップと、前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する

第2判定

ステップ」とする訂正は、訂正前の請求項8において、「判定するステップ」という記載が、異なるステップで共通して使用されていたところ、本件訂正によって「前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定するステップ」を更に限定するにあたり、「前記判定するステップ」という記載で参照するといずれの「判定するステップ」を指すものか特定できないところ、「前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定するステップ」に対して「第1判定ステップ」という名称を、「前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定するステップ」に対して「第2判定ステップ」という名称をそれぞれ与える便宜上のものと解されるから、訂正事項8のうち、「前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定するステップと、前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定するステップ」を「前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する

第1判定

ステップと、前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する

第2判定

ステップ」とする訂正、および「前記第2判定ステップにおいては、前記第1判定ステップにおいて前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する」という事項を追加する訂正は、併せて本件訂正前の請求項8の「前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定するステップ」を更に限定するものであると認められる。

以上のとおりであるから、訂正事項8に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

(2)本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項8のうち、「前記電子情報記憶媒体は、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており」という事項は、本件特許明細書の段落【0024】の「NVM13には、複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧が予め記憶される。」という記載等に基づくものである。

また、訂正事項8のうち、「前記格納ステップにおいては、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し」という事項は、本件特許明細書の段落【0028】の「

CPU15は、Store Dataコマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データをメモリ領域に格納する

例えば、

CPU15は、Store Dataコマンドに含まれる要素データと当該要素データが格納済であることを示す発行状況フラグ“01(h)”とを、上述したように、メモリ領域の所定の配列の配列要素に格納する。或いは、

CPU15は、Store Dataコマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトをメモリ領域に生成する

。」という記載等に基づくものである。

また、訂正事項8のうち、「前記第2判定ステップにおいては、前記第1判定ステップにおいて前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する」という事項は、本件特許明細書の段落【0028】の「そして、

CPU15は、

外部装置2から受信されたStore DataコマンドがLast Store Dataコマンドであるか否かを判定(P1のbitから判定)し、

Store DataコマンドがLast Store Dataコマンドであると判定した場合、パーソナライズ必須の複数の必須要素データがメモリ領域に全て格納されたか否かを判定する

。」という記載および、段落【0029】の「

例えば、

CPU15は、NVM13に記憶されている必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの配列の参照に基づいて、それぞれの配列にアクセスし当該それぞれの配列の配列要素に発行状況フラグ“01(h)”が格納されているかを確認することにより複数の必須要素データがメモリ領域に全て格納されたか否かを判定する。或いは、

CPU15は、NVM13に記憶されている必須要素データ一覧に記述されたそれぞれのオブジェクトの参照に基づいて、それぞれのオブジェクトにアクセスし当該それぞれのオブジェクトが生成されているかを確認することにより複数の必須要素データがメモリ領域に全て格納されたか否かを判定する

。」という記載等に基づくものである。

なお、訂正事項8のうち、訂正前の請求項8の各「ステップ」に、「格納ステップ」、「第1判定ステップ」、「第2判定ステップ」という名称を与える訂正は、新たな技術事項を導入するものでないことは明らかである。

したがって、訂正事項8は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

上記(1)及び(2)のとおり、訂正事項8は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内で、「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。

したがって、訂正事項8は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

9 訂正事項9~16について

(1)訂正の目的

訂正事項9~16に係る訂正は、それぞれ訂正事項1~8に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正である。

したがって、訂正事項9~16は特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(2)本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項9~16は、訂正事項1~8に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、上記1~8の(2)と同様に、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

上記(1)及び(2)のとおり、訂正事項9~16は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内で、「明瞭でない記載の釈明」を目的とする訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。

したがって、訂正事項9~16は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

10 特許出願の際独立して特許を受けることができること

本件においては、訂正前の請求項1~8について特許異議の申立てがなされているので、訂正前の請求項1~8に係る訂正事項1~8に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項(独立特許要件)は適用されない。

11 まとめ

以上のとおり、本件訂正は適法であるから、本件特許の明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~4〕、5~8について訂正することを認める。

第6 本件特許発明

前記第5のとおり、本件訂正は認められるので、特許請求の範囲の請求項1~8に係る発明(以下、「本件特許発明1」~「本件特許発明8」という。)は、次の事項により特定されるものである。

1 本件特許発明1

アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体であって、

RAM(Random Access Memory)と、

NVM(Nonvolatile Memory)と、

前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを

前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域であって、前記NVMに設けられた前記メモリ領域に格納する格納手段と、

前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、

前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、

前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、

を備えることを特徴とする電子情報記憶媒体。

2 本件特許発明2

アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体であって、

前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納手段と、

前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、

前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、

前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、

を備えることを特徴とする電子情報記憶媒体であって、

前記メモリ領域は複数の配列により構成され、それぞれの前記配列は所定バイトのデータを格納可能な要素を複数含んでおり、

前記電子情報記憶媒体は、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべき前記配列の参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、

前記格納手段は、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データと当該要素データが格納済であることを示すフラグとを所定の前記配列の要素に格納し、

前記第2判定手段は、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記配列の参照に基づいて、それぞれの前記配列にアクセスし当該それぞれの前記配列の要素に前記フラグが格納されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする電子情報記憶媒体。

3 本件特許発明3

アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体であって、

前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納手段と、

前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、

前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、

前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、

を備えることを特徴とする電子情報記憶媒体であって、

前記電子情報記憶媒体は、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、

前記格納手段は、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し、

前記第2判定手段は、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする電子情報記憶媒体。

4 本件特許発明4

前記必須要素データには前記アプリケーションにおけるオプション機能に必要な要素データが含まれており、前記アプリケーションがインストールされる際に当該アプリケーションにおけるオプション機能がオンに設定されている場合、前記第2判定手段は、前記オプション機能に必要な要素データを含む前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする請求項2または3に記載の電子情報記憶媒体。

5 本件特許発明5

アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信するICチップであって、

前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納手段と、

前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、

前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、

前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、

を備えることを特徴とするICチップであって、

前記ICチップは、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、

前記格納手段は、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し、

前記第2判定手段は、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とするICチップ。

6 本件特許発明6

アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信するICカードであって、

前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納手段と、

前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、

前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、

前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、

を備えることを特徴とするICカードであって、

前記ICカードは、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、

前記格納手段は、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し、

前記第2判定手段は、前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とするICカード。

7 本件特許発明7

アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体により実行される要素データ格納方法であって、

前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納ステップと、

前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定ステップと、

前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定ステップと、

前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するステップと、

を含むことを特徴とする要素データ格納方法であって、

前記電子情報記憶媒体は、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、

前記格納ステップにおいては、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し、

前記第2判定ステップにおいては、前記第1判定ステップにおいて前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とする要素データ格納方法。

8 本件特許発明8

アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体に含まれるコンピュータに、

前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納ステップと、

前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定ステップと、

前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定ステップと、

前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するステップと、

を実行させることを特徴とするプログラムであって、

前記電子情報記憶媒体は、前記複数の必須要素データのそれぞれが格納されるべきオブジェクトの参照を記述する必須要素データ一覧を予め記憶しており、

前記格納ステップにおいては、前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に、前記コマンドに含まれる要素データを格納するオブジェクトを生成し、

前記第2判定ステップにおいては、前記第1判定ステップにおいて前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記必須要素データ一覧に記述されたそれぞれの前記オブジェクトの参照に基づいて、それぞれの前記オブジェクトにアクセスし当該それぞれの前記オブジェクトが生成されているかを確認することにより前記複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定することを特徴とするプログラム。

第7 各甲号証及び引用発明について

1 甲1について

甲1は、令和7年7月3日付けの取消理由通知書(以下、単に「取消理由通知書)という。)で引用した引用文献1(以下、単に「引用文献1」という。)と同じ刊行物であり、参照箇所が一部異なるものの、本件特許発明1と対比する限りにおいて、同じ技術事項を開示するものである。

そして、甲1および引用文献1には、取消理由通知書で認定したとおり、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「パーソナライゼーションデバイスからパーソナライゼーションデータを受け取り、不揮発性メモリに割り当てられた領域にアプリケーションから参照可能に保存することで、前記アプリケーションをパーソナライズするICカードであって(2.1、5.3)、前記パーソナライゼーションデータは、データ要素として複数のSTORE DATAコマンドおよび最後のSTORE DATAコマンドに格納されて送信され(4.1、Figure 6)、前記STORE DATAコマンドのフィールドP1のb8のビットには、当該STORE DATAコマンドが最後のSTORE DATAコマンドであるか否かを示すフラグが格納されており(4.3.4.2、Table 4-8、4-9)、最後のSTORE DATAコマンドに対して、データ要素の欠如によりアプリケーションのステータスを’PERSONALIZED’に移行する条件が満たされない場合、前記アプリケーションは、P1-P2のパラメータ不正を示すSW1 SW2‘6A86’を返し(4.3.5.1、Table 4-10)、前記データ要素のそれぞれには、そのデータ要素が必ず存在しなければならないことを示す’M’(Mandatory)、特定の条件下でそのデータ要素が必要であることを示す’C’(Conditional)、そのデータ要素が任意であることを示す’O’(Optional)のいずれかが要件として定義されている、ICカード。」

2 甲2について

甲2には、次の事項が記載されていると認められる。

「EMVCo.は、カード決済のグローバル仕様を開発する組織であり、主要な6つのカードブランドにより、監督・管理がされていること。」

第8 取消理由についての判断

取消理由通知書で通知した取消理由(引用文献1に基づく進歩性欠如)を改めて検討する。

1 本件特許発明1について

(1) 対比

本件特許発明1と引用発明とを対比する。

ア 引用発明の「アプリケーション」は本件特許発明1の「アプリケーション」に相当する。

イ 引用発明の「データ要素」は、本件特許発明1の「アプリケーションをパーソナライズするための要素データ」に相当する。

ウ 引用発明において、「データ要素」として「パーソナライゼーションデータ」を格納する「STORE DATAコマンド」は、本件特許発明1の「アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンド」に相当する。

エ 引用発明の「パーソナライゼーションデバイス」は、本件特許発明1の「外部装置」に相当する。

オ 引用発明の「ICカード」は、複数の「STORE DATAコマンド」を「パーソナライゼーションデバイス」から受信するものであるから、本件特許発明1の「アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体」に相当する。

カ 引用発明の「不揮発性メモリ」は本件特許発明1の「NVM(Nonvolatile Memory)」に相当する。

キ 引用発明の「不揮発性メモリに割り当てられた領域」は、「データ要素」としての「パーソナライゼーションデータ」を「アプリケーションから参照可能に保存する」ものであるから、本件特許発明1の「前記アプリケーションにより参照される領域であって、前記NVMに設けられた前記メモリ領域」に相当する。

ク 引用発明の「ICカード」は、「パーソナライゼーションデバイス」から受信した「STORE DATAコマンド」に含まれる「データ要素」を「不揮発性メモリに割り当てられた領域」に格納する機能手段を備えることは明らかであり、この機能手段を“格納手段”と称することは任意である。そうすると、「ICカード」が備える“格納手段”と、本件特許発明1の「前記外部装置から前記コマンドが受信される

毎に

当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域であって、前記NVMに設けられた前記メモリ領域に格納する格納手段」とは、「前記外部装置から前記コマンドが受信される

当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域であって、前記NVMに設けられた前記メモリ領域に格納する格納手段」で共通する。

ケ 引用発明の「最後のSTORE DATAコマンド」は、本件特許発明1の「最後のコマンド」に相当する。

コ 引用発明の「ICカード」は、「最後のSTORE DATAコマンドに対して、データ要素の欠如によりアプリケーションのステータスを’PERSONALIZED’に移行する条件が満たされない場合、前記アプリケーションは、P1-P2のパラメータ不正を示すSW1 SW2 '6A86'を返」すものであり、「前記STORE DATAコマンドのフィールドP1のb8のビットには、当該STORE DATAコマンドが最後のSTORE DATAコマンドであるか否かを示すフラグが格納されている」ものであることを踏まえると、引用発明の「ICカード」は、当該「フラグ」によって「STORE DATAコマンドが最後のSTORE DATAコマンドであるか否か」を判定する機能手段を備えることは明らかであり、この機能手段を“第1判定手段”と称することは任意である。そうすると、「ICカード」が備える“第1判定手段”は、本件特許発明1の「前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段」に相当する。

サ 引用発明の「ICカード」は、「最後のSTORE DATAコマンドに対して、データ要素の欠如によりアプリケーションのステータスを’PERSONALIZED’に移行する条件が満たされ」るか否かを判定する機能手段を有することは明らかであり、また、この機能手段を“第2判定手段”と称することは任意である。ここで、当該「条件」が満たされないと判定した場合に、その原因となった「データ要素の欠如」の対象となる「データ要素」は、アプリケーションのステータスを’PERSONALIZED’に移行するために必須のデータ要素といえる。また、パーソナライズとはアプリケーションが正常に動作するために必要な複数のデータをICカードに書き込む処理であることは本件特許出願時における技術常識であるから、’PERSONALIZED’とは、当該処理が完了したことを示すステータスであると解される。よって、上記「アプリケーションのステータスを’PERSONALIZED’に移行する条件が満たされない原因となる「データ要素の欠如」の対象となる「データ要素」は、「アプリケーションが正常に動作するために必須のデータ要素」であるといえる。また、上記キ、ク並びに上記技術常識を参酌すれば、当該「データ要素」は、「不揮発性メモリに割り当てられた領域」に全て格納されていなければアプリケーションが正常に動作しないことは自明である。そうすると、「ICカード」が備える“第2判定手段”は、本件特許発明1の「前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段」に相当する。

シ 引用発明の「ICカード」は、「最後のSTORE DATAコマンドに対して、データ要素の欠如によりアプリケーションのステータスを’PERSONALIZED’に移行する条件が満たされない場合、前記アプリケーションは、P1-P2のパラメータ不正を示すSW1 SW2 '6A86'を返」す機能手段を備えることは明らかであり、また、「パラメータ不正」は「エラー」の一部であるところ、当該機能手段を“エラー処理手段”と称することは任意である。そうすると、「ICカード」が備える“エラー処理手段”は、本件特許発明1の「前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段」に相当する。

ス 以上によると、本件特許発明1と引用発明とは、次の点で一致し、また、相違する。

【一致点】

「アプリケーションをパーソナライズするための要素データを含むコマンドを外部装置から複数回受信する電子情報記憶媒体であって、

NVM(Nonvolatile Memory)と、

前記外部装置から前記コマンドが受信されると当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域であって、前記NVMに設けられた前記メモリ領域に格納する格納手段と、

前記外部装置から受信された前記コマンドが最後のコマンドであるか否かを判定する第1判定手段と、

前記第1判定手段により前記コマンドが最後のコマンドであると判定された場合、前記アプリケーションが正常に動作するために必要な複数の必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されたか否かを判定する第2判定手段と、

前記第2判定手段により前記必須要素データが前記メモリ領域に全て格納されていないと判定された場合、エラー処理を実行するエラー処理手段と、

を備えることを特徴とする電子情報記憶媒体。」

【相違点】

(相違点1)

本件特許発明1は「RAM(Random Access Memory)」を備えるのに対して、引用発明は「RAM(Random Access Memory)」を備えることが具体的に特定されていない点。

(相違点2)

本件特許発明1は、「コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域であって、前記NVMに設けられた前記メモリ領域に格納する」タイミングが、「前記外部装置から前記コマンドが受信される毎」であるのに対して、引用発明は上記タイミングを具体的に特定していない点。

(2)相違点についての判断

事案に鑑みて上記相違点2について先に検討するに、ICカード等において、コマンドに含まれる要素データをメモリ領域に格納するタイミングを「コマンドが受信される毎」とする構成は、甲第2号証には記載されておらず、また、本件特許出願時における技術常識又は周知技術ともいえず、そして、そのような技術常識又は周知技術なしに引用発明において当該構成を採用する動機付けは存在しない。

以上のとおりであるから、相違点1について検討するまでもなく、本件特許発明1は、引用文献1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

2 請求項2について

本件特許発明2は、取消理由通知で進歩性欠如を指摘していない本件訂正前の請求項2を減縮するものであるから、引用文献1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

3 請求項3について

本件特許発明3は、取消理由通知で進歩性欠如を指摘していない本件訂正前の請求項3を減縮するものであるから、引用文献1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

4 請求項4について

本件特許発明4は、本件特許発明2または3の構成を全て備えるものであるから、上記2、3と同様に、引用文献1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

5 請求項5~8について

本件特許発明5~8は、本件特許発明3と同一のあるいは対応する構成を全て備えるものであるから、上記1と同様に、引用文献1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

6 まとめ

以上のとおりであるから、当審が通知した取消理由は、全て解消された。

第9 取消理由として採用しなかった申立理由について

1 本件特許発明1について

甲1は引用文献1の一部である。そして、申立人は、当審が認定した引用発明の元となる記載箇所とは異なる箇所を参照しているものの、甲1の記載を全て参酌しても、甲1には、上記相違点2に係る本件特許発明1の構成は記載されていない。そして、上記第8の1(2)で述べたとおり、甲2の記載事項を参酌しても、上記相違点2に係る本件特許発明1の構成を想到することができたとはいえない。

また、上記相違点2に係る構成について、申立人は以下の主張をしている。

「(訳「5.3レコードのファイル構造

パーソナライゼーション中、アプリケーションはレコード値に対応する一連のSTORE DATAコマンドを受信し、レコード値を保存します。カードプラットフォームによっては、ファイル構造を作成する必要があるか、アプリケーションがファイルとレコードをシミュレートする場合があります。いずれの場合も、アプリケーションは、次のいずれかの方法を使用して、そのようなレコードを保存するために、変更可能な永続メモリ(EEPROMなど)を用意する必要があります。

・メモリとファイル構造の事前割り当て

・パーソナライゼーション中のメモリとファイル構造の割り当て」)」(異議申立書第17ページ)

「イ 構成b

上記(1)エによれば「

パーソナライゼーション中、アプリケーションはレコ― ド値に対応する一連のSTORE DATAコマンドを受信し、レコード値を保存

」するが、そのようなレコードを保存するために「

メモリとファイル構造の事前割り当て

」、または「

パーソナライゼーション中のメモリとファイル構造の割り当て

」る方法を使用して、

変更可能な永続メモリ(EEPROMなど)に保存すること

が記載されている。

したがって、甲1には、下記の構成bが記載されている。

「b パーソナライゼーションデバイスから、レコード値に対応する一連のSTORE DATAコマンドを受信し、受信したレコード値を、メモリとファイル構造を事前に割り当てる方法、またはパーソナライゼーション中にメモリとファイル構造を割り当てる方法を使用して、変更可能な永続メモリに保存し」」(異議申立書第20ページ)

「[甲1発明]

a P2が"00"に設定されたSTORE DATAコマンドに続いてP2の値が1ずつ増やされたSTORE DATAコマンドをパーソナライゼーションデバイスから受信するEMVカードであって、

b パーソナライゼーションデバイスから、レコード値に対応する一連のSTORE DATAコマンドを受信し、受信したレコード値を、メモリとファイル構造を事前に割り当てる方法、またはパーソナライゼーション中にメモリとファイル構造を割り当てる方法を使用して、変更可能な永続メモリに保存し、

c パーソナライゼーションデバイスによってPlのb8がlbに設定されたSTORE DATAコマンドを受信すると、最後のSTORE DATAコマンドと判定し、

d 最後のSTORE DATAコマンドを受信すると、DGIまたはデータ要素が欠落しているか否かを判定し、

e DGIまたはデータ要素が欠落しているためにアプリケーションのステータスを「PERSONALIZED」に遷移する条件が満たされない場合、アプリケーションのステータスを「PERSONALIZED」に遷移する条件が満たされないことを示すSWl SW2'6A86'を返す

f EMVアプリケーションを含むEMVカード。」(異議申立書第22ページ)

「イ 構成要件1B

1B 前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納手段と、

甲1発明の構成bの「受信したレコード値を・・・変更可能な永続メモリに保存」することは、「前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する」といえる。

そして、甲1発明のEMVカードに含まれる「EMVアプリケーション」は、「変更可能な永続メモリ」に「レコード値」を保存(格納)する手段(格納手段)といえる。

したがって、甲1発明は、構成要件1Bを備える。」(異議申立書第23ページ)

異議申立書の上記記載によると、申立人は、甲1の記載から、「パーソナライゼーションデバイスから、レコード値に対応する一連のSTORE DATAコマンドを受信し、受信したレコード値を、メモリとファイル構造を事前に割り当てる方法、またはパーソナライゼーション中にメモリとファイル構造を割り当てる方法を使用して、変更可能な永続メモリに保存し」という構成を認定し、この構成が「前記外部装置から前記コマンドが受信される毎に当該コマンドに含まれる要素データを前記アプリケーションにより参照されるメモリ領域に格納する格納手段」に相当すると主張している。

申立人の主張のとおり、甲1には、「パーソナライゼーションデバイスから、レコード値に対応する一連のSTORE DATAコマンドを受信し、受信したレコード値を、メモリとファイル構造を事前に割り当てる方法、またはパーソナライゼーション中にメモリとファイル構造を割り当てる方法を使用して、変更可能な永続メモリに保存し」という構成が記載されていると認定できる。しかしながら、上記構成はむしろ「一連の DATAコマンドを受信し」た後でその一連の「受信したレコード値」を一括して「格納」するものと解する方が合理的であり、かつ、 他の記載箇所を参酌しても甲1には、「受信したレコード値を」「変更可能な永続メモリに保存」するタイミングが「前記外部装置から前記コマンドが受信される毎」であることが記載されているとはいえず、「甲1発明は、構成要件1Bを備える」とした申立人の対比には誤りが存在するため、申立人の主張を採用することはできない。

以上のとおりであるから、本件特許発明1は、甲1に記載された発明ではなく、また、甲2の記載を参酌したとしても、甲1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

2 本件特許発明2~8について

本件特許発明2~8は、上記相違点2に係る本件特許発明1の構成に対応する構成を備えているので、本件特許発明1と同様の理由により、甲1に記載の発明ではなく、また、甲2の記載を参酌したとしても、甲1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

3 むすび

以上のとおりであるから、本件特許発明1、4~8は、甲1に記載された発明ではなく、また、本件特許発明1~8は、当業者が、甲1~甲2に記載された発明に基いて、容易に発明をすることができたものではない。

第10 むすび

以上のとおりであるから、請求項1~8に係る発明は、取消理由通知書に記載した取消理由並びに各特許異議申立書に記載された特許異議の申立ての理由及びその証拠によって取り消すことはできない。

また、他に請求項1~8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり決定する。

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