結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2021300105 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第5629188号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「ドライベント」の片仮名及び「DRYVENT」の欧文字を2段に横書きしてなり、平成25年6月18日に登録出願、第24類「織物,布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製テーブルナプキン,ふきん,織物製トイレットシートカバー,織物製椅子カバー,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け,どん帳」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同年11月8日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
なお、本件商標に係る商標権(以下「本件商標権」という。)は、その権利者が、株式会社フェニックス(以下「フェニックス社」といい、「前商標権者」ということがある。)に設定登録された後、令和3年1月28日受付の特定承継による本権の移転の登録がされた結果、フェニックス社から、クロノススポーツピーティーイー・リミテッド(以下「クロノス社」といい、「現商標権者」ということがある。)に権利が移転された。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和3年3月10日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、平成30年(2018年)3月10日から令和3年(2021年)3月9日までの期間(以下「要証期間」という。)である。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきである。
請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対して、何ら弁駁していない。
以下、枝番号をすべて示すときは枝番号を省略し、証拠の表記に当たっては、「乙第○号証」を「乙○」のように省略して記載する。
(1)商標権者
被請求人は、本件商標に係る現商標権者であるが、本件商標の使用者は、前商標権者である、新潟県新発田市所在のフェニックス社である(甲1)。
(2)本件商標の使用
ア 本件商標は、「ドライベント」の片仮名及び「DRYVENT」の欧文字を2段に横書きしてなるところ、フェニックス社は、別掲2からなる商標(以下「使用商標1」という。)を商品の下げ札に付し(乙1)、その下げ札を、本件商標に係る指定商品「被服」に属する「トレッキング用ジャケット」(以下「本件使用商品1」という。)及び「トレッキング用パンツ」(以下「本件使用商品2」という。)に付していた。
また、フェニックス社は、使用商標1を本件使用商品1及び本件使用商品2を販売するためのカタログに付していた(乙2)。
イ フェニックス社は、別掲3からなる商標(以下「使用商標2」という。)を、本件使用商品1及び本件使用商品2を販売するためのカタログに付していた(乙2)。
ウ 使用商標1及び使用商標2は、本件商標の構成中「DRYVENT」の欧文字と、そのつづりを同じくし、その構成文字より生ずる「ドライベント」の自然的称呼も同じくするものであり、観念においても相違しない。それゆえ、使用商標1及び使用商標2は、本件商標と社会通念上同一と認められる(商標法第38条第5項括弧書き。同法第50条第1項)。なお、使用商標1及び使用商標2の末尾の「T」の右上部に記号「R」(審決注:「R」は丸付き文字である。便宜上、以下「(R)」と表す場合がある。)が付記されているが、「Registered Trademark」(登録商標)を意味する記号にすぎず、商標を構成するものではない。
エ 上記アないしウより、フェニックス社は、本件審判請求に係る指定商品について、本件商標の使用(商標法第2条第3項第1号、同項第2号及び同項第8号)をしていたことが明らかである。
(3)要証期間内かつ国内の使用
ア 品番「PH912SB10」からなる本件使用商品2は、フェニックス社が国内で発行する商品カタログ「phenix 2019 SPRING & SUMMER COLLECTION」(以下「本件カタログ1」という。)の8頁に掲載されており、「ハイレベルな通気性+透湿性を誇る防水素材『DRYVENT(R)』を使用した」という記載とあいまって、使用商標1は本件使用商品2との具体的関係において使用されているものである(乙2の1)。
また、本件カタログ1の46頁には使用商標2が表示されており、8頁の「ハイレベルな通気性+透湿性を誇る防水素材『DRYVENT(R)』を使用した」という記載とあいまって、使用商標2が本件使用商品2との具体的関係において使用されているものである(乙2の1)。
イ 品番「PH912ST10」からなる本件使用商品1及び品番「PH912SB10」からなる本件使用商品2は、フェニックス社が日本国内で発行する商品カタログ「phenix 2019-2020 FALL-WINTER COLLECTION」(以下「本件カタログ2」という。)の85頁に掲載されており、「ハイレベルな通気性+透湿性を誇る防水素材『DRYVENT(R)』を使用した」という記載とあいまって、使用商標1が本件使用商品1及び本件使用商品2との具体的関係において使用されているものである(乙2の2)。
また、本件カタログ2の124頁には使用商標2が表示されており、85頁の「ハイレベルな通気性+透湿性を誇る防水素材『DRYVENT(R)』を使用した」という記載とあいまって、使用商標2が本件使用商品1及び本件使用商品2との具体的関係において使用されているものである(乙2の2)。
ウ 本件カタログ1及び本件カタログ2は、株式会社帆風により作成されたものであり、同社から平成31年(2019年)1月30日にフェニックス社に対してカタログ作成に関する請求書が発行されており(乙3)、少なくとも本件カタログ2は、要証期間内に作成、発行されたものであることは明らかである。なお、請求書中の「Phenix19FW」は「phenix 2019-2020 FALL-WINTER COLLECTION」を示す。
エ フェニックス社が令和3年(2021年)1月20日から同月22日に発行した請求書(審決注:乙4の各表題部の記載からすると、「請求書」は「売上伝票」の誤記と認める。)には、品番「PH912ST10」からなる本件使用商品1及び品番「PH912SB10」からなる本件使用商品2が表示されており、本件使用商品1及び本件使用商品2が要証期間内に販売されていることは明らかである(乙4)。
オ カタログ作成に関する請求書及び商品販売に関する請求書にフェニックス社の住所として「東京都新宿区新宿二丁目5番12号(東京都新宿区新宿2-5-12 FORECAST新宿AVENUE8F)」が表示されているが、当該住所はフェニックス社の事務所所在地の住所である(乙5)。
カ 上記アないしオより、本件商標の使用が要証期間内かつ日本国内においてなされていたことが明らかである。
以上によれば、本件商標に係る商標権者は、要証期間に国内において、その請求に係る指定商品について本件商標の使用をしている。
(1)乙第1号証の2葉目ないし4葉目は、いずれも「トレッキング用ジャケット」の写真である。この「トレッキング用ジャケット」の左腕袖口部分には、「DRYVENT」の欧文字が表示された織りネームが付されており、フェニックス社のロゴマークが表示され、2葉目及び4葉目には「トレッキング用ジャケット」に下げ札が付けられており、「DRYVENT」の表示がされている。また、1葉目は、2葉目及び4葉目に表示された「トレッキング用ジャケット」に下げられた下げ札と主張するもので、これには、レタリングが施された「DRYVENT」及び「phenix」の各欧文字が表示されている。
なお、乙第1号証の写真の撮影日は、不明である。
(2)乙第2号証は、「商品カタログ」とする書面である。
乙第2号証の1の表紙部には、フェニックス社のロゴマーク及び「2019 SPRING & SUMMER COLLECTION」の記載が、その2葉目の上部には、「Blessed Rain 3L Jacket」、「ブレスド レイン 3レイヤー ジャケット」、「NO. PH912ST10」、「PRICE ¥42,000(税抜き)」及び「SIZE XS,S,M,L,XL」の各文字、それらの段落内には、「ジャケット」の画像及び「DRYVENT」の文字をデザインしたロゴの表示があり、それらの下段には、「Blessed Rain 3L Pants」、「ブレスド レイン 3レイヤー パンツ」、「NO. PH912SB10」、「PRICE ¥28,000(税抜き)」及び「SIZE XXS,XS,S,M,L,XL」の各文字、それらの段落内には、「パンツ」の画像及び「DRYVENT」の文字をデザインしたロゴの表示があり、当該頁の左下部には「08」の文字が表示されており、さらに、その4葉目には、フェニックス社のロゴマーク、フェニックス社の商号、東京都新宿区の住所、大阪営業所の記載とその住所等及び札幌営業所の記載とその住所等が記載されている。
また、乙第2号証の2の表紙には、フェニックス社のロゴマーク及び「2019-2020 FALL-WINTER COLLECTION」の記載が、その2葉目の上部左側には「Blessed Rain 3L Jacket」、「ブレスド レイン 3レイヤー ジャケット」、「NO. PH912ST10」、「PRICE ¥42,000(税抜き)」及び「SIZE XS,S,M,L,XL」の文字、並びに、「ジャケット」の画像及び「DRYVENT」の文字をデザインしたロゴの表示があり、それらの右側には、「Blessed Rain 3L Pants」、「ブレスド レイン 3レイヤー パンツ」、「NO. PH912SB10」、「PRICE ¥28,000(税抜き)」及び「SIZE XS,S,M,L,XL」の文字、並びに、「パンツ」の画像及び「DRYVENT」の文字をデザインしたロゴの表示があり、当該頁の右下部には「85」の数字が表示されており、その4葉目には、フェニックス社のロゴマーク、フェニックス社の商号、東京都新宿区の住所、大阪営業所の記載とその住所等及び札幌営業所の記載とその住所等が記載されている。
(3)乙第3号証は、「請求書」と題する文書であり、上部中央に「請求書」の文字が、「送付先」として「株式会社フェニックス」の会社名と住所、担当者名などが、右側に「日付」として「2019/01/30 12:00」及び「伝票No.」、請求書作成者である「株式会社帆風」の文字と同社の住所、電話番号等及び社判と思われる印影、それらの下欄の表には、「品名」の欄に「Phenix19FWディーラーカタログ/印刷加工/デザインレイアウト作成費用」の記載、並びに、「単価」及び「総合計金額」等の文字及び金額の記載がある。
(4)乙第4号証は、「売上伝票」と題する書面である。
ア 乙第4号証の1の上部中央に「売上伝票」の記載、その直下に「年月日 3-1-20」、「伝票番号 108946」の記載があり、上部右側には「株式会社フェニックス 東京都新宿区」の記載、上部左側に「PHJ株式会社 様」の記載があり、その下欄の表中、上から6段目に「商品コード・品名・色番・カラー」の欄に「PH912SB10 M/シェルボトムス NV」、「サイズ/数量」の欄に「M 1」、「金額」の欄に「2240」の記載がある。
イ 乙第4号証の2の上部中央に「売上伝票」の記載、その直下に「年月日 3-1-21」、「伝票番号 109859」の記載があり、上部右側には「株式会社フェニックス 東京都新宿区」の記載、上部左側に「株式会社RYH 様」の記載があり、その下欄の表中、上から1段目に「商品コード・品名・色番・カラー」の欄に「PH912ST10 M/シェルトップス NV」、「サイズ/数量」の欄に「S 2」、「金額」の欄に「5040」の記載がある。
ウ 乙第4号証の3の上部中央に「売上伝票」の記載、その直下に「年月日 3-1-22」、「伝票番号 109494」の記載があり、上部右側には「株式会社フェニックス 東京都新宿区」の記載、上部左側に「ロンドンスポーツ 様」の記載があり、その下欄の表中、上から6段目に「商品コード・品名・色番・カラー」の欄に「PH912ST10 M/シェルトップス LIM」、「サイズ/数量」の欄に「M 1」、「金額」の欄に「2940」の記載があり、上から7段目に「商品コード・品名・色番・カラー」の欄に「PH912ST10 M/シェルトップス NV」、「サイズ/数量」の欄に「XL 1」、「金額」の欄に「2940」の記載がある。
エ 乙第4号証の4の上部中央に「売上伝票」の記載、その直下に「年月日 3-1-22」、「伝票番号 109549」の記載があり、上部右側には「株式会社フェニックス 東京都新宿区」の記載、上部左側に「ロンドンスポーツ 様」の記載があり、その下欄の表中、上から5段目に「商品コード・品名・色番・カラー」の欄に「PH912SB10 M/シェルボトムス NV」、「サイズ/数量」の欄に「M 1 L 1」、「金額」の欄に「3920」の記載があり、上から6段目に「商品コード・品名・色番・カラー」の欄に「PH912ST10 M/シェルトップス LIM」、「サイズ/数量」の欄に「M 1」、「金額」の欄に「2940」の記載がある。
(5)乙第5号証は、Baseconnect株式会社が提供する企業検索の検索結果の写しであり、「株式会社フェニックス 本社」及び「事業所連絡先」として「東京都新宿区新宿」の住所が記載されており、2/3頁には、「テクニカルセンター」として「新潟県新発田市豊町」の住所が記載されている。
そして、当該2/3頁に記載の新潟県内の住所は、甲第1号証の商標登録原簿に、設定登録時に登録された住所と一致する。
(1)使用者
現商標権者は、本件商標について特定承継を理由として、前商標権者から本件商標の移転の登録がなされているものであるから、現商標権者は、前商標権者が本件商標について行った権利義務についても、承継しているものといえる。
そして、上記1のとおり認定した事実は、前商標権者に係るものであることから、前商標権者が本件商標の使用者であって、現商標権者については本件商標の使用者であるとみなすべきである。
(2)使用商標
本件商標は、別掲1のとおり、「ドライベント」の片仮名と「DRYVENT」の欧文字を2段に表してなるものであるのに対し、使用商標1及び使用商標2は、上記1のとおり、「DRYVENT」の欧文字からなる。
そして、本件商標は、その構成中「ドライベント」の片仮名が、同構成中「DRYVENT」の欧文字を表示するものと容易に認識することができることから、「DRYVENT」の欧文字のみの使用も本件商標の使用と認められる。
また、使用商標1及び使用商標2は、本件商標の欧文字部分と同じ「DRYVENT」のつづりからなり、使用商標1及び使用商標2と本件商標は、いずれも「ドライベント」と称呼されるものであることから、本件商標と使用商標1及び使用商標2は、社会通念上同一と認められる商標である。
(3)使用商品
使用商品1は、「ジャケット」であり、本件審判の取消請求に係る指定商品中、「被服」の範ちゅうに属する商品である。
また、使用商品2は、「パンツ」であり、本件審判の取消請求に係る指定商品中、「被服」の範ちゅうに属する商品である。
(4)使用時期
乙第4号証の2は、フェニックス社が、株式会社RYHに対して、乙第2号証の1及び同号証の2のカタログ掲載の商品コード「PH912ST10」からなる「ジャケット」(サイズ S、数量 2)を販売し、その販売に関する令和3年1月21日付けで作成された売上伝票であり、また、乙第4号証の3は、フェニックス社が、ロンドンスポーツに対して、乙第2号証の1及び同号証の2のカタログ掲載の商品コード「PH912ST10」からなる「ジャケット」(カラーLIMについて、サイズ M、数量 1。カラーNVについて、サイズ XL、数量 1。)及びその他の商品を販売し、その販売に関する令和3年1月22日付けで作成された売上伝票であり、これらの売上伝票に記載された内容をもって使用商品1を販売したものといい得る。
なお、商品コード「PH912ST10」の「ジャケット」(売上伝票における品名は「シェルトップス」であるが、この商品コードと、乙2のカタログに記載の商品の品番と一致していることから、同一の商品を示しているものであると認める。)を上記したとおり、販売したことが認められるところ、その売上伝票は作成日として「3-1-21」(令和3年1月21日)及び「3-1-22」(令和3年1月22日)の表示があり、これは要証期間内である。
(5)小括
以上によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、要証期間内に、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付した使用商品を、第三者である株式会社RYH及びロンドンスポーツに対して販売したと認めることができる。
上記の行為は、商標法第2条第3項第2号にいう「商品に標章を付したものを譲渡する行為」に該当する。
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標に係る通常使用権者が、本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をした事実を証明したものと認めることができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、請求に係る商品についての登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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