結論テキスト
登録第5918279号商標の指定商品及び指定役務中、第35類「フランチャイズの事業の管理(インターネットによるものを含む。),フランチャイズの事業に関する指導及び助言(インターネットによるものを含む。),経営の診断又は経営に関する助言(インターネットによるものを含む。),商品の販売に関する情報の提供(インターネットによるものを含む。)」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2022300316 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理 由
本件登録第5918279号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成28年5月27日に登録出願、「フランチャイズの事業の管理(インターネットによるものを含む。),フランチャイズの事業に関する指導及び助言(インターネットによるものを含む。),経営の診断又は経営に関する助言(インターネットによるものを含む。),商品の販売に関する情報の提供(インターネットによるものを含む。)」を含む第35類、第3類及び第5類の商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同29年2月3日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
なお、本件審判の請求の登録は、令和4年(2022年)4月19日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の平成31年(2019年)4月19日から令和4年(2022年)4月18日までを以下「要証期間」という。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠として甲第1号証を提出した(以下、証拠の表記にあたっては、「甲(乙)第〇号証」を「甲(乙)〇」と省略して記載する。また、枝番号を全て引用するときは、枝番号は省略する)。
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第35類「フランチャイズの事業の管理(インターネットによるものを含む。),フランチャイズの事業に関する指導及び助言(インターネットによるものを含む。),経営の診断又は経営に関する助言(インターネットによるものを含む。),商品の販売に関する情報の提供(インターネットによるものを含む。)」(以下「請求に係る指定役務」という。)について、継続して3年以上日本国内において本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(1)被請求人の答弁について
被請求人提出による証拠のいずれも、本件商標を請求に係る指定役務について使用した事実を証するものとはいえない。
ア 乙1について
乙1の1は、「ぽてちん!」商標が配送用トラックに付されて使用されたことを示すものであって、本件商標に係る商標とは何の関係もない。
乙1の2は、プリンの原材料名として、「アガベイヌリン」が使用されていることを示すものであるが、「アガベイヌリン」が原材料であることを普通の方法により表示したことをもって、本件商標が使用されたとはいえないことは明らかであり、また、かかる表示は、プリンに対してなされており、請求に係る指定役務とは無関係である。
乙1の3は、店舗において、「ぽてちん!」商標を付して商品であるプリンを販売している事実を看取せしめるものではあるが、本件商標とは何の関係もないことは明らかである。
イ 乙2について
乙2は、商品「コーヒー」に対する、本件商標の使用の事実をうかがわせるものであるが、商品「コーヒー」の包装に本件商標を付したことをもって、本件商標を請求に係る指定役務に使用したとはいえないことは明らかである。
ウ 乙3について
乙3の1及び2は、商品「饅頭」の包装に同封されると思われる商品説明用の台紙、並びに、店頭にて掲示または配布される、宣伝広告用のチラシに本件商標を付した事実をうかがわせるものであるが、これらの使用の態様はいずれも、商品「饅頭」に対して本件商標を使用するものである。また、乙3の3及び4についても同様であり、これらはいずれも、商品「切餅」に対して本件商標を使用したことを証するものであるから、これらをもって、本件商標を請求に係る指定役務に使用したとはいえないことは明らかである。
エ 乙4について
乙4の1は本件商標の使用を直接示すものではなく、見積書にすぎない。
乙4の2及び4は、商品「コロッケ」に対して本件商標を使用したことを証するものということはできるものの、これをもって、本件商標を請求に係る指定役務に使用したとはいえないことは明らかである。
乙4の3は、商品「コロッケ」に付されたいわゆる食品表示ラベルを示すものと考えられるが、原材料名として「アガベパウダー」を普通の方法で表示することが、本件商標を使用したことを証するものということはできず、また、かかる表示は、コロッケに対してなされているのであり、請求に係る指定役務とは無関係である。
オ 乙5について
乙5は、被請求人に係る店舗外観に掲示された宣伝ポスター、並びに販売されている商品の包装に対し、本件商標を付して使用したことを示すものと考えられるが、これら使用はいずれも、商品「プリン」に対して使用されているにとどまり、本件商標を請求に係る指定役務に使用したとはいえないことは明らかである。
(2)結論
以上のとおり、被請求人提出の証拠はいずれも、本件商標を「プリン」、「コーヒー」、「饅頭」、「切餅」及び「コロッケ」に使用した事実をうかがわせるものであっても、請求に係る指定役務について使用した事実を証するものではなく、また、被請求人が係る役務を実施したことを示す何らの証拠もない。
そして、本件商標をその指定商品及び指定役務中の「アガベ由来のイヌリンを主原料とする粉末」を使用した商品開発をしており、同時に並行して、本件商標の第35類の指定役務(業務)である、取引各社と商品の小売又は卸売りの業務において行われる顧客に対する便益の提供をもとに、請求に係る指定役務の実務・業務を行っている。
当審より被請求人に対し、令和6年6月12日付け審尋において、被請求人が提出した証拠によっては、要証期間に、商標権者又は通常使用権者が、請求に係る指定役務について本件商標を使用していたことを被請求人が証明しているものとはいえない旨の合議体の暫定的見解及び請求人が提出した同4年8月8日付けの弁駁書に対する回答を求めた。
前記第4の審尋に対し、被請求人からの回答はなかった。
(1)被請求人の提出した証拠及び主張によれば、以下のとおりである。
ア 乙1について(証拠説明書における作成年月日 乙1の1及び乙1の3:平成28年4月24日、乙1の2:同29年2月24日、同年3月13日、また、証拠作成者の氏名としてS氏の記載がある。)
乙1の1は、撮影日を平成28(2016)年4月24日とする、菅商店専用駐車場との説明が記載された、デザイン化された「ぽてちん!」の文字が縦に表されたトラック等の写真、撮影日を同年9月1日とする、大阪市の玉造駅前を走行中との説明が記載された「ぽてちん!」の文字が縦に表されたトラックの後部写真である。
乙1の2は、「撮影日:平成29(2017)年2月24日/ぽてちん!食堂研究所にて」、「撮影日:同年3月13日/ぽてちん!食堂研究所にて」、との説明が記載された2枚の写真であり、2枚共に「プリン」の容器と思しき2つ商品容器の裏面写真があり、「名称:洋生菓子」、「品名:ぽてちん!プリン生!!!」、「品名:ぽてちん!プリンチョコ!」、「原材料名:牛乳・・・アガベイヌリン」、「製造者:株式会社スガ 大阪府大阪市」の記載がある。
乙1の3は、「撮影日:平成28(2016)年4月24日/ぽてちん!食堂研究所前にて」との説明が記載された、「ぽてちん!食堂研究所」の記載のある店舗外観の写真であり、店舗には、「ぽてちん!プリン」の商品ののぼりや広告がうかがえる。
なお、乙1の証拠の撮影日及び証拠説明書の作成年月日は、要証期間外であり、証拠作成者と商標権者との関係は不明であって、証拠において商標権者名や本件商標は確認できない。
イ 乙2について(証拠説明書における作成年月日:平成29年9月22日 また、証拠作成者の氏名としてS氏の記載がある。)
被請求人が、なかおか珈琲とOEM展開を行った珈琲ドリップパックと主張する珈琲ドリップパックのパッケージ写真であり(被請求人主張)、パッケージの表面には、本件商標と思われる標章の横に「天然水溶性食物繊維珈琲」との記載、「ぽてちん!珈琲」「あがべ珈琲」「なかおか珈琲」の記載がある。
なお、乙2の証拠説明書の作成年月日は、要証期間外であり、証拠作成者と商標権者との関係は不明であって、証拠において商標権者名は確認できない。
ウ 乙3について(証拠説明書における作成年月日 乙3の2のみ平成29年12月28日、それ以外は平成31年4月3日、また、証拠作成者の氏名としてS氏の記載がある。)
乙3の1は、「「極」パッケージディレクション・デザイン」という標題の下に「元祖厄除饅頭 極」の商品パッケージや箱入り商品等の写真であり、「あびこ餅本舗」の記載や商品説明に本件商標と思われる標章と「皆さんは「アガベ」をご存じですか。・・・水溶性食物繊維アガベイヌリンは・・・」などの記載がある。
乙3の2は、「A4チラシ」との標題の下、「アガベ天然水溶性食物繊維入り」「あびこ名物」「元祖厄除饅頭「極」」の記載や、本件商標と思われる標章と「アガベイヌリンは「神の植物」と呼ばれるメキシコ砂漠生まれの植物(アガベ)より・・・」などと記載がある。
乙3の3は、「あがべ切餅ラベルデザイン」との標題の下、商品「切餅」の写真であり、その商品パッケージ表面には本件商標と思われる標章と「あがべ切餅」「あびこ餅本舗」のラベルが付された商品写真が掲載されている。
乙3の4は、「あがべ切餅ディスプレーデザイン」との標題の下、切餅の写真や本件商標と思われる標章と「あがべ切餅」「あびこ餅本舗」の記載がある。
なお、乙3の証拠説明書の作成年月日は、要証期間外であり、証拠作成者と商標権者との関係は不明であって、証拠において商標権者名は確認できない。
エ 乙4について(証拠説明書における作成年月日 乙4の1からそれぞれ平成31年10月19日、同30年12月17日、同31年12月20日、同年12月17日、証拠作成者 乙4の1及び乙4の3:合同食品株式会社、乙4の2及び乙4の4:ぽてちん!食堂研究所)
乙4の1は、合同食品株式会社から商標権者宛ての2019年10月18日付けの「御見積書」であり、「製品名」として「アガベ入りコロッケ」の記載がある。
乙4の2は、「作成日:平成30(2018)年12月17日」との記載がある、被請求人がアガベコロッケ販売告知入りメニュー写しと説明するものであり、「ぽてちん!アガベコロッケ」として、11種類のコロッケの写真が掲載された中に、「! アガベ」として本件商標と思われる標章と「天然水溶性食物繊維「アガベ」いっぱいの、次世代コロッケです。」との記載がある。
乙4の3は、「撮影日:平成31(2019)年12月17日」との記載がある、被請求人がアガベコロッケの外箱添付の商品表示ラベルと説明するものであり、そのラベルには「品名 ・・・(アガベ入りコロッケ)」「製造者 合同食品株式会社」との記載がある。
乙4の4は、「撮影日:平成31(2019)年12月17日」との記載がある、被請求人がアガベコロッケ販売パッケージ、商品ラベル及び店頭用告知と説明するものであり、全てに本件商標の図形部分と思われる標章(以下「使用商標」という。)と「天然水溶性食物繊維いっぱい」、「ぽてちん!アガベコロッケ」等の記載があり、販売パッケージには「ぽてちん!食堂研究所」の記載もある。
なお、乙4の証拠中、撮影日及び証拠説明書の作成年月日は、乙4の1、乙4の3及び乙4の4は要証期間内であるものの、乙4の2は要証期間外であり、乙4の2ないし乙4の4は、証拠において商標権者名は確認できない。
オ 乙5について(証拠説明書における作成年月日:令和3年6月24日、証拠作成者:ぽてちん!食堂研究所)
乙5の1葉目は、上部に「撮影日:令和3(2021)年6月24日/コーイチラボ(ぽてちん!食堂研究所内)売店外観」との説明が記載された売店外観の写真と、下部に「撮影日:令和4(2022)年6月12日/ぽてちん!食堂研究所 コーイチ社製プリン売店外観」との説明が記載された、「ぽてちん!食堂研究所」ののれんや「ぽてちん!生プリン」の広告がある店舗外観の写真である。乙5の2葉目は、「撮影日:令和4(2022)年6月15日/コーイチ社製アガベ入りぽてちん!プリン」との説明が記載された、商品プリンの容器の写真であり、商品の裏ラベルには「ぽてちん!プリン」「名称 生菓子」「製造者 ・・(有)コーイチ・・・」、「販売 ぽてちん!食堂・研究所」の記載がある。また、商品を封入する為のシールに本件商標と思われる標章と「天然水溶性食物繊維」の文字がある。
なお、乙5の1葉目の上部の写真(売店外観)撮影日と証拠説明書の作成年月日は同日で要証期間内であるが、同じ乙5のその他の写真撮影日は要証期間外であり、乙5の証拠が要証期間の証拠と認めることはできない。また、乙5において商標権者名も確認できない。
(2)上記(1)によれば、以下のように判断できる。
上記(1)アないしオのうち、エの乙4の1、乙4の3及び乙4の4(以下、この3つの証拠を「乙4証拠」という。)以外の証拠は要証期間外であるから、要証期間内の証拠と認められる上記乙4証拠について検討する。
ア 請求に係る指定役務の使用について
乙4証拠は商品「コロッケ」についての使用であるから、使用商標を請求に係る指定役務に使用しているものとは認められない。
ところで、被請求人は、証拠説明書において、乙4証拠の説明として「AGAVE」商標を使用した市場調査、分析のため、合同食品株式会社とアガベ入りのコロッケ商品の共同開発を行った等と主張しているが、「商品及び役務の区分解説」〔国際分類第11-2022版対応〕(https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/bunrui/kubun_kaisetsu.html)によれば、請求に係る指定役務である第35類の「経営の診断又は経営に関する助言 事業の管理 市場調査又は分析 商品の販売に関する情報の提供」(35B01)については、「他人の依頼に基づいて、経営の診断や経営に関する助言を行う「経営コンサルタント」等が行うサービスが該当します。また、「商品の販売に関する情報の提供」は、商業等に従事する企業に対して、その管理、運営等を援助するための情報を提供するサービスが該当します・・・」と記載されており、被請求人が主張する「市場調査、分析」は、請求に係る指定役務に含まれていない上に、乙4証拠が、前記「経営の診断又は経営に関する助言 事業の管理 市場調査又は分析 商品の販売に関する情報の提供」に該当するサービスを行ったことを証するものとは認められないから、被請求人の上記主張は採用できない。
また、その他の上記(1)の証拠は、要証期間外の証拠である上に、商品「プリン」「ドリップ珈琲」「饅頭,切餅」に関するものであるから、請求に係る指定役務の使用とは認められない。
イ 使用者について
乙4証拠のうち、乙4の1の「御見積書」には商標権者の記載があるものの、その他の証拠において商標権者の記載は発見できない。そして、乙4の4のパッケージには、「ぽてちん!食堂研究所」の記載があるものの、当該研究所と商標権者の関係は不明であり、商標権者が使用商標を使用していることを証明したものとは認められない。
ウ 使用商標について
使用商標は、乙4の4に表されていると思われるものの、その使用商標は小さく不鮮明であり、本件商標と社会通念上同一の商標であるか否かを判断することはできない。
エ 小括
以上よりすれば、提出された証拠よりは、商品「コロッケ」に使用商標が表されていると思われるとしても、商標権者に係る商品の使用であることが確認できない上に、商品「コロッケ」に係る使用は、請求に係る指定役務の使用ではないことから、請求に係る指定役務について使用した事実に関しては、何ら立証がなされたものとはいえない。
したがって、商標権者、通常使用権者又は専用使用権者が、要証期間に日本国内において、請求に係る指定役務について、本件商標を使用したことを認めることができない。
被請求人は、令和6年8月14日付け上申書を提出し、乙6の新たな証拠を提出する意思がある旨述べているが、当該上申書は審尋で指定した期間後の提出であり、その後相当期間経過した現在においても乙6の提出はないから、審理を進めることとした。
以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、通常使用権者又は専用使用権者のいずれかが、請求に係る指定役務について、本件商標を使用していた事実を証明したものとは認められない。
また、被請求人は、本件商標を請求に係る指定役務に使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中、第35類「フランチャイズの事業の管理(インターネットによるものを含む。),フランチャイズの事業に関する指導及び助言(インターネットによるものを含む。),経営の診断又は経営に関する助言(インターネットによるものを含む。),商品の販売に関する情報の提供(インターネットによるものを含む。)」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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