結論テキスト
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2024017168 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理 由
本願は、令和5年12月13日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年6月19日付け:拒絶理由通知書
令和6年7月8日 :意見書の提出
令和6年9月2日付け :拒絶査定
令和6年10月28日 :審判請求書の提出
令和7年7月17日付け:審尋
令和7年8月29日 :回答書の提出
本願商標は、「アートフェア東京」の文字を標準文字で表してなり、第35類及び第41類に属する別掲1のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものである。
原査定は、「本願商標は、「アートフェア東京」の文字を標準文字で表してなるところ、「アートフェア」の文字は、「美術の見本市。」、「東京」の文字は、「日本国の首都。」等の意味を有する語である。そして、本願指定役務に関連する業界において、アートフェア(美術の見本市)の名称として、「アートフェア」又は「Art Fair」の文字にその開催地域の名称を組み合わせたものが、「〇〇で開催される美術の見本市」ほどの意味合いで使用されている実情がある。このような実情を踏まえると、本願商標は、構成文字全体として「東京で開催される美術の見本市」ほどの意味合いを容易に認識させるから、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者は、「東京で開催される美術の見本市」に関連する役務であること、すなわち役務の質・提供の場所を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合いに照応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
当審において、令和7年7月17日付け審尋により、別掲2及び別掲3に掲げる事実を提示した上で、本願商標は、その指定役務との関係において、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、また、同法第3条第2項に規定する要件を具備しない旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。
請求人は、上記第4の審尋に対し、令和7年8月29日に回答書を提出し、本願商標は、指定役務との関係で商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当せず、また、請求人の主張の趣旨は同法第3条第2項の適否を論ずるものではないが、事実関係としては同項の適用も受け得るものである旨の意見を述べた。
本願商標は、「アートフェア東京」の文字を標準文字で表してなるところ、「アートフェア」の文字は、「美術の見本市。」(「広辞苑 第七版」岩波書店)の意味を有し、別掲2のとおり、その意味合いで使用されている実情が見受けられ、また、「東京」の文字は、「日本国の首都。」(前掲書)の意味を有する語である。
そして、別掲3のとおり、本願の指定役務中の見本市に関連する業界において、アートフェア(美術の見本市)について、「アートフェア」又は「Art Fair(ART FAIR)」の文字に地域の名称を組み合わせた「アートフェア〇〇」や「Art Fair 〇〇」(〇〇には地域の名称が入る。)が、「〇〇で開催される美術の見本市」又は「〇〇に由来する美術の見本市」ほどの意味合いで使用されている実情がある。
そうすると、本願商標は、構成文字全体として「東京で開催される美術の見本市」又は「東京に由来する美術の見本市」ほどの意味合いを容易に認識させるものであるから、本願商標をその指定役務中、見本市に関連する役務、具体的には、第35類「美術品の販売促進のための展示会の企画・運営又は開催,美術品の販売促進のための展示会の企画・運営又は開催に関する相談・指導・助言・コンサルティング又は情報の提供」及び第41類「美術品の展示会の企画・運営又は開催,美術品の展示会の企画・運営又は開催に関する相談・指導・助言・コンサルティング又は情報の提供,美術品の展示,美術品の展示に関する相談・指導・助言・コンサルティング又は情報の提供」に使用しても、これに接する取引者・需要者は、「東京で開催される美術の見本市」又は「東京に由来する美術の見本市」に関連する役務であること、すなわち役務の質・提供の場所を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合いに照応する役務以外の第35類「美術品の販売促進のための展示会の企画・運営又は開催,美術品の販売促進のための展示会の企画・運営又は開催に関する相談・指導・助言・コンサルティング又は情報の提供」及び第41類「美術品の展示会の企画・運営又は開催,美術品の展示会の企画・運営又は開催に関する相談・指導・助言・コンサルティング又は情報の提供,美術品の展示,美術品の展示に関する相談・指導・助言・コンサルティング又は情報の提供」に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるため、同法第4条第1項第16号に該当する。
(1)請求人は、請求人の主張の趣旨は商標法第3条第2項の適否を論ずるものではないが、事実関係としては同項の適用も受け得るものである旨主張し、証拠方法として、令和6年7月8日付け意見書において甲第1号証ないし甲第23号証、同年10月28日付け審判請求書において甲第24号証ないし甲第39号証、同7年8月29日付け回答書において甲第40号証ないし甲第66号証(以下、表記に当たっては「甲○」(「○」部分は数字)のように省略して記載する。)を提出しているため、その主張の内容を踏まえ、以下、同項該当性について検討する。
上記証拠及び請求人の主張並びに職権による調査によれば、以下のとおりである。
ア 「アートフェア東京」は2005年以降、2006年及び2020年を除き毎年開催され(甲4、甲6、甲21、甲22、甲42)、「アートフェア東京2024」では、14の公的機関及び19か国の大使館等の後援を受けている(甲7~甲21、甲39)。
イ 「アートフェア東京」は、直近10年でみると毎年4万人以上の入場者があり、売上金額10億円以上(甲42)、2021年については、入場者数約4万人、売上金額約31億円(甲40)、2023年ないし2025年については、入場者数約5万人ないし5.5万人、売上金額約30億円(甲42、甲43)である。
ウ 提出された証拠(甲41)からすれば、2023年の「アートフェア東京」の市場シェアは国内アートフェア全体の売上げの約60%を占めているといえる(2023年請求人売上金額、ディーラーとギャラリーを通じた売上金額、国内アートフェア経由の販売比率から算出)。
エ 本願商標は日本経済新聞その他の全国紙、ウェブサイト等に複数回掲載されている(甲37、甲44~甲61)。
オ 「アートフェア東京」は国内でも最大の美術の見本市であり日本を代表するアートフェアと認められている旨の証拠の提出がある(甲1~甲6、甲40、甲41、甲45、甲46、甲49、甲50、甲52、甲58、甲64~甲66)。
カ 「アートフェア東京」及びその欧文字表記である「ART FAIR TOKYO」を他人が使用している事実は見当たらない。
(2)前記(1)によれば、請求人は、本願商標を、2005年から現在まで継続して、「美術品の展示会の企画・運営又は開催」のようなアートフェアに関する役務について使用しており、公的機関及び大使館等の後援も受けている。
そして、「アートフェア東京」は、直近10年でみると毎年4万人以上の入場者があり、売上金額10億円以上、2023年ないし2025年については、入場者数約5万人ないし5.5万人、売上金額約30億円であり、提出された証拠(甲41)からすれば、2023年の「アートフェア東京」の市場シェアは国内アートフェア全体の売上げの約60%を占めているといえる。
また、本願商標は全国紙、ウェブサイト等に複数回掲載されており、「アートフェア東京」は国内でも最大の美術の見本市であり日本を代表するアートフェアと取引者、需要者の間で認められているといえる。
以上のことからすると、本願商標は、請求人の業務に係る役務を表示するものとして、取引者、需要者の間において、広く認識されているとみるのが相当である。
さらに、他人が本願商標及びその欧文字表記である「ART FAIR TOKYO」を使用している事実は見当たらない。
したがって、提出された証拠によって、本願商標は、その指定役務中の見本市に関連する役務である第35類「美術品の販売促進のための展示会の企画・運営又は開催,美術品の販売促進のための展示会の企画・運営又は開催に関する相談・指導・助言・コンサルティング又は情報の提供」及び第41類「美術品の展示会の企画・運営又は開催,美術品の展示会の企画・運営又は開催に関する相談・指導・助言・コンサルティング又は情報の提供,美術品の展示,美術品の展示に関する相談・指導・助言・コンサルティング又は情報の提供」との関係において、使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるに至ったということができ、商標法第3条第2項の要件を具備するものである。
また、上記の指定役務以外の指定役務については、本願商標は自他役務識別力を有しており、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
以上のとおり、本願商標は、その指定役務中の第35類「美術品の販売促進のための展示会の企画・運営又は開催,美術品の販売促進のための展示会の企画・運営又は開催に関する相談・指導・助言・コンサルティング又は情報の提供」及び第41類「美術品の展示会の企画・運営又は開催,美術品の展示会の企画・運営又は開催に関する相談・指導・助言・コンサルティング又は情報の提供,美術品の展示,美術品の展示に関する相談・指導・助言・コンサルティング又は情報の提供」との関係においては、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものの、同法第3条第2項の要件を具備するものであり、上記の指定役務以外の指定役務については、同法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しないものであり、商標登録を受けることができるものであるから、原査定は取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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